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第12章 新しい土地へ
これでなんとかヒュサカも安心だね?
俺はヒュサカのいつもの宿屋の前に転移してきた。
そして少し路地裏に入ると、他のメンバーを腕輪から出した。
それから何食わぬ顔で宿屋へと入る。
中ではボーヴァさんがいつものようにカウンターで客待ちをしていた。
彼は俺たちを見ると「おっ、帰ってきたのか?」と微笑んで出迎えてくれた。
俺達はボーヴァさんにいつものように部屋を頼み、夕食のためにすぐに食堂へと向かった。
俺達は食堂でお腹いっぱいになるほど食事を食べ、すぐに部屋へと向かった。
今夜は俺も相当疲弊しているので、部屋に着くとすぐにベッドに突っ伏して、ほんの一瞬で意識が遠のいた。
あっという間に夢の国に旅立った俺を見て、一緒の部屋に泊まっている他の三人は顔を見合わせて笑う。
「……にぃに、相当お疲れモードなんだね?まさかこんなにも素早く眠りに落ちるなんて想像してなかったけど、それだけ疲れ果てていたってことだよね。」
ユーリは少し暗い顔をして、今回何もしてやれなかったことを悔やんでいる。
だがそれは他の二人も同じだった。
特にグリーさんは最後まで俺と一緒に戦っていたのだから、後悔も大きい。
「私がもっとはよに、シエルさんに追いついていて、一緒に戦えたのならここまで疲弊することはなかったはずや。」
グリーさんはそう言ってまた沈んでしまった。
「まぁ……もう済んでしまったことはしょうがありませんよ、グリー?今回は本当に危なかったですが、何とかみんな無事でよかった。」
セバスはそう言ってグリーを慰めた。
グリーも心から納得はしていないが、それでも何とか微笑んで頷いた。
「さあ、もう寝よう!明日からまた別な街に行くんでしょ?そのためには寝て体力戻さなきゃね!」
ユーリは2人にそう言うと、さっさとシエルの体をきちんと寝させ、自らもその隣で子竜姿に戻るとくっついて寝始めた。
それを見た2人もすぐに寝たようだ。
翌朝、みんなで食堂に行って朝食を食べた後、その場で今日からどこへ行く?という話になった。
「……その事なんだけど、俺……神聖法国の跡地?へ行ってみたいんだ。」
まず第一声は俺がそう提案する。
昨日、あいつと戦ってみて改めてそう思った。
今、あの国で何が起きているのかを確認したかったのだ。
俺の提案に、みんなは驚いた顔でこっちを見る。
まさか『例のあの国』へ行ってみたいと言われると思っていなかったという表情だ。
俺はなぜそう思ったのかの説明を軽く話すと、皆もようやく頷いてくれた。
「よし、じゃあ一度見に行ってみるか。シエル、あの国にはお前、転移魔法が使えたよな?この国の門を出たらそれ使って行ってみようぜ!それに……俺たちの学園仲間がどうなったのかも知りたいと思わないか?」
リッキーは俺の提案にすぐに賛同してくれた。
他の3人も、思い出したかのようにハッとした顔でリッキーを見た。
「……そうだったな、あいつが神聖法国の神官に強制的にさせられたのは記憶している。あの国が崩壊してから、残った神官がどうなったのかの話は一切耳に入ってなかったから、あいつがどうなったのかは分からないもんな。……よし、行ってみよう。」
スコットさんの一言で、これからの行き先が決定した。
俺たちはすぐに宿を引き払うために荷物を纏め、玄関までやってきた。
「ボーヴァさん、今回はいろいろありがとうございました!またこの国に寄ったら、その時はよろしくお願いします!」
「分かったよ、その時はまたうちにおいで。待ってるよ。」
俺の言葉に、ボーヴァさんは嬉しそうにそう言って見送ってくれた。
俺たちは宿を出ると、すぐに迷わず一直線に門まで向かい、外に出た。
森の付近まで来ると、俺は早速転移魔法を使かって移動を始めた。
それは一瞬の出来事。
ほんの一瞬で、ヒュサカから、神聖法国入り口付近の倉庫前へと辿り着いた。
俺は早速みんなを外へと出してやる。
それから、安全のためにもとみんなに個人仕様の結界を各自に張ってやった。
さあ、あの荒れた神聖法国はどうなってしまったのだろうか?
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