異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜

カイ

文字の大きさ
76 / 526
第1章 出会い〜旅の始まり

出発当日 1

しおりを挟む

なんだかよく寝たはずなのに、体が怠くて疲れが取れてない感じがするなぁ。

それが、朝起きて最初に感じたことだった。
それはまるでここしばらくなかった、日本での会社員時代の寝起きのようだ。

昨日は山田に連絡を入れた後から記憶がなく、どうやらスマホを手に持ったまま寝落ちしたらしい。
それだけ体が疲れているってことなんだろう。

そういえば昨日はみんな、どのくらいの時間まで飲んでいたんだろうなあ?

俺は元々酒には強くないので、日本にいた時は山田とたまに飲みに行くくらいで、ほとんど飲まなかった。

だから昨日も……まぁ、こっちでは子供に戻ってしまったからなのもあるが、飲みたいとも思わなかったので皆とは一緒にはいなかったのだ。

俺が朝起きてベッドの縁に座りぼんやりとしていると、掛け布団の中からユーリがもぞもぞと出てきた。

『ママ、おはよう!……あれぇ、なんか疲れてるぅ?』

首を傾げながらユーリがそう言うと、いきなりなんかの魔法を使った。

魔法の光は俺を包み、しばらくすると消えた。
するとあんなに怠かった体がスッキリとしている。

「もしかして今のユーリの魔法、俺の体の不調を治してくれたのか?」

『うん、なんかすごく辛そうに見えたからね!』

「……その魔法、俺も使える?」

『うん、ママも使えるよぉ!えっとねぇ、神聖魔法で「リカバリー」っていうんだよぉ!多分ママなら唱えるだけで使えるんじゃないかなぁ?』

「なるほど、リカバリー、ねぇ……今度みんなが体調悪そうなら使ってみようかな!ちなみに効果はどんな範囲?」

『えっとぉ……周囲の人みんなぁ?ちなみにこれは体の不調に効くからねぇ!』

なるほど……じゃあもし二日酔いに皆がなっていたら、ちょっと試しにやってみようか?

あ、神聖魔法って言っていたから、他の人がいないところ限定だね!


そんな事を話しているとドアがノックされた.

ドアに声をかけると外からリッキーさんの声で「朝飯食いに食堂行こう」と誘われ、俺は慌ててユーリに鞄に入ってもらい、外に出た。

するとそこにはリッキーさんの他に、二日酔いでグロッキーな姿の3人もいた。

そこで俺は皆に一旦俺の部屋に入ってもらい、先程ユーリが使ってくれたように「リカバリー」と唱えてみた。

すると俺の時と同じように皆の体を光が包み込み、すぐに消えた。

「あれ?なんだか二日酔いの気持ち悪さがなくなったような……?」

「ホントねぇ、あんなに辛かった頭痛もなくなっているわ?」

「シエル、何の魔法を使ったの?」

二日酔いだったスコットさん、エミリーさん、リリーさんが口々に言い、俺の方を見る。

「さっき俺もなんだか体調悪かったんですけど、急にユーリが魔法を使って治してくれたんで、何の魔法を使ったのか聞いたら神聖魔法の『リカバリー』とかいう魔法だったそうです。」

それを聞いて俺が部屋に戻って魔法をかけた理由に気づいてくれたようだ。

「そうか、なるほどな。俺達の二日酔いを治してくれてありがとうな!」

そう言ってスコットさんに頭をぐりぐりされた。力が強いよ、スコットさん!

それから俺たちは改めて食堂に向かったが、その途中でリリーさんが、目の前を歩いていたリッキーさんの髪を見て叫んだ。

「リッキー!?その髪の毛はいったいどうしたの!?」

すると前を歩いていたスコットさんとエミリーさんもリッキーさんを振り返った。

「なによ、リリー。いったいどうかしたの?」

「リッキーが……リッキーの髪が、ものすごくサラサラになって……とてもツヤツヤな髪になって……!」

なんだかよくわからない事を口走っているリリーさんは、相当混乱しているようだ。

「……落ち着け、リリー。これはシエルが使っていた液体石鹸のおかげなんだ。」

そう言って、まるでシャンプーのCMのように、髪の指通りを見せるかのごとく『サラ~ンッ!』と擬音が入りそうな仕草をした。

それを見て、リリーさんだけじゃなくエミリーさんとスコットさんも目を見開いて驚いた。

「す、凄いな、その髪。全然キシキシしてないじゃないか!?」

「そうよ!何、その指通り!」

「でしょ、でしょっ!!驚くわよね!?」

そんなリッキーさんを見て、昨日「明日は大変だな。」って言った意味がわかったよ……。

俺は3人に次お風呂に入るタイミングで使えるようにすると約束をして、なんとか予定通り食堂に向かった。

そして席に着き、みんなはカッツリ、俺は軽めに朝食をとった。
その際、頼んていた料理を受け取り、俺の鞄に入れる。

とても大きな寸胴鍋は使っているけど、それより一回り小さな鍋を1つと俺が日本て使っていた大きな鍋を1つ、タッパーをたくさん渡してあったから、かなりの量を作ってもらえたらしい。ありがとう、女将さん!

俺達は女将さんにお礼を良い、一旦部屋に戻り身支度や忘れ物がないかチェックをしてから受付に戻ってきた。

俺たちは料理と宿代を全て精算し、女将さんに今までありがとうという事とまた街に来たらよろしくという事を伝えた。、

「……少し、寂しくなるねぇ。いいかい、また元気に誰も欠けることなく、この宿に来るんだよ?それだけは約束しておくれ?」

女将さんは寂しそうだが、俺達の旅が無事にいられるよう願ってくれた。
やはり冒険者というものは危険な職業なんだろう。

「……わかりました、約束します。また、5人でこの宿に、料理がなくなった頃に戻ってきますよ。」

代表してスコットさんが女将さんにそう言ってくれた。

俺たちはみんな頷き、女将さんに「行ってきます!」と言い、宿を出た。


「さて、このままルーシェの所に行っても良いんだが、何か買うものとかあるか?」

俺はそう聞かれて、もう大きめの鍋が無い事を思い出した。

「じゃあ、もしだったらゴーダさんの所に行って鍋を買っても良いですか?宿の料理でほとんどなくなっちゃったので、旅の間の料理がなかなか作れなくなりそうなんで。」

「なるほど、確かに鍋は買い足したほうが良いかもな。じゃあゴーダおじさんの所に行こうか。」

それから俺達はゴーダさんの所に向かった。

ほどなくしてゴーダさんの店に着くとリッキーさんを先頭に店に入る。

「おっちゃ~ん!いるかぁ?」

またもやリッキーさんは大声でゴーダさんを呼ぶ。

ゴーダさんは奥の方から出てきて「どうした?」と声をかけてきた。

「いやね、鍋がちょっと足りなくなったから買いに来たんだよ。」

「なんだなんだ、あんなに鍋買ったのに足りないってぇのか?」

「宿の料理を鍋で作ってもらったから、普段遣いの鍋がなくなったんだよ。」

リッキーさんは苦笑いをしながらそうゴーダさんに答えた。

「なるほどな!」と手をポンと叩く、ゴーダさん。

俺たちは1番でかい寸胴鍋を2つ、それより少し小さい鍋を4つ改めて購入した。

流石にこれだけあれば十分……かな?

「でもまぁ、ギルマスの所に行く前にうちに寄ってくれて嬉しいよ。またこの街に来たら武器の手入れに顔を出せよ?……いいか、また5人無事に、ここに顔を出せよ?良いな?」

「ああ、絶対にまた5人で、無事にここへ顔を出すさ!安心してくれ。」

「……気をつけて行ってこいよ!」

ゴーダさんも寂しそうな顔をしていたが、リッキーさんの言葉を聞いて笑顔で俺たちを送り出してくれた。

……また、5人で元気に戻ってきます!
しおりを挟む
感想 30

あなたにおすすめの小説

転生無双なんて大層なこと、できるわけないでしょう! 公爵令息が家族、友達、精霊と送る仲良しスローライフ

幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中
ファンタジー
アルファポリス様より書籍化! 転生したラインハルトはその際に超説明が適当な女神から、訳も分からず、チートスキルをもらう。 どこに転生するか、どんなスキルを貰ったのか、どんな身分に転生したのか全てを分からず転生したラインハルトが平和な?日常生活を送る話。 - カクヨム様にて、週間総合ランキングにランクインしました! - アルファポリス様にて、人気ランキング、HOTランキングにランクインしました! - この話はフィクションです。

底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
 40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。  しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。  おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。  漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。  この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

異世界でゆるゆるスローライフ!~小さな波乱とチートを添えて~

イノナかノかワズ
ファンタジー
 助けて、刺されて、死亡した主人公。神様に会ったりなんやかんやあったけど、社畜だった前世から一転、ゆるいスローライフを送る……筈であるが、そこは知識チートと能力チートを持った主人公。波乱に巻き込まれたりしそうになるが、そこはのんびり暮らしたいと持っている主人公。波乱に逆らい、世界に名が知れ渡ることはなくなり、知る人ぞ知る感じに収まる。まぁ、それは置いといて、主人公の新たな人生は、温かな家族とのんびりした自然、そしてちょっとした研究生活が彩りを与え、幸せに溢れています。  *話はとてもゆっくりに進みます。また、序盤はややこしい設定が多々あるので、流しても構いません。  *他の小説や漫画、ゲームの影響が見え隠れします。作者の願望も見え隠れします。ご了承下さい。  *頑張って週一で投稿しますが、基本不定期です。  *本作の無断転載、無断翻訳、無断利用を禁止します。   小説家になろうにて先行公開中です。主にそっちを優先して投稿します。 カクヨムにても公開しています。 更新は不定期です。

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです

yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~ 旧タイトルに、もどしました。 日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。 まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。 劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。 日々の衣食住にも困る。 幸せ?生まれてこのかた一度もない。 ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・ 目覚めると、真っ白な世界。 目の前には神々しい人。 地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・ 短編→長編に変更しました。 R4.6.20 完結しました。 長らくお読みいただき、ありがとうございました。

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

処理中です...