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第4章 ネシア国〜
王都ってこんな所だよ!
しおりを挟む初めて入る王都は、まるで背の低いビルが並んでいるような印象を受ける建物が多いなと思った。
入り口近くには利便性を良くしたためか、冒険者ギルドとかの組織的なものの建物や日本でいう『デパート』的な色々なものを階によって変えているような大きな商店が建ち並ぶ。
それらが門からまっすぐ王城へと伸びている道の両側に並んでいる。
道幅はかなり広く、この通りがメインストリートだろうなと思わせた。
俺達はとりあえず、その道の歩道のような場所をまっすぐ歩いてみた。
入り口から少し離れただけで建物の種類が変わり、今度は庶民でも遠慮なく買えるような敷居の低い店が並んでいる。
リッキーに聞いてみると、どうやら王都には屋台村的な場所はなく、こういった場所にきちんとした店を構えて店先で売るそうだ。
なるほど確かに人が店先で並んで商品を受け取っている。
屋台ではないけど、屋台みたいにテイクアウト専門店が並んでいるんだね。
たまにそういうのじゃなくて、店の中に入って購入するタイプの店もあるようだ。
そうやって眺めながら歩いていると、リッキーが軽く王都の街のことを話してくれた。
この街は王城を中心に構え、そこから4つに分けられているらしい。ここはローランと同じだね!
で、王城の北側は貴族などの住まいがあり、ここに住んでいる貴族の他に、領地がある貴族もこの地区に別荘?があるらしい。
もちろんリッキーの家の別荘もあるんだって!
王城の東側には裕福な階級や騎士たちの住まいがあるそうだ。
やはり王城に近いところには騎士たちが住んでいるらしく、それはすぐに駆けつけられるようになんだろうか?
王城の西側には一般家庭の住まいがあり、他の地域の部分も含めて王城の周りにはぐるりと騎士の詰め所があるそうで、その詰め所は何かあった時にすぐ駆けつけられる警察のような役割をしているらしい。
王城の南側、つまり今歩いている地域は商業施設が集まっているのは見てわかる。
他の街から来た人達が王都の他の地域に行かないようにと考えられているのかは定かではないが、宿屋も勿論この地域なので、入口付近から王城の近くまでで楽しめるようになっている。
公園などはなさそうだが、その代わり歩道がかなり広くなっているので、お店で買ったものを店の前の歩道にあるテーブルと椅子に座って食べられるシステムらしい。
歩道と道路を区切るのは何かしらの低木の垣根で、その間に所々背の高い木が植わっているので夏なんかは木陰になって日差しを和らげてくれそうだ。
ともかく俺達はまず最初にゼネラル商会に行ってみることにした。
場所がわからないので聞き込み開始だ!
あちこちで聞き込みをしたところ、王城に近い場所に屋根がまっ平らなビルのような建物があるらしく、そこが目的地『ゼネラル商会』らしい。
まだまだ道の先の方なので、俺たちは歩きながら美味しそうなものがあれば買って、思う存分食べ歩きを満喫したよ!
……あ、もちろん居残り組の分もたっぷり買いました!
買い食いしながら歩いているんだけど……最初はすごく遠くにあるから握りこぶしぐらいに見えていた王城が、今ではかなり近づいているので見上げるくらいの大きさだ。
俺、日本にいた頃は会津にある鶴ヶ城くらいしか見たことなかったけど、それよりも大きいかも。
周りは堀があり、常に降りている跳ね橋は非常事態には跳ね上げて城内へ敵が入ってこないようにすることが出来そうだ。
「でかいね、この城!こんな大きいと住んでいる人は移動大変じゃない?」
「まあ……もしそうだとしたら確かに大変だと思うが、実際、城内はそれぞれの部署によって区分けされているから、隅から隅まで移動することはないぞ。」
俺の素朴な疑問に、リッキーは苦笑いして答えてくれた。……なんで知ってる?
俺の問いかけが聞こえたのか、「こっちの学校で習ったんだよ」と言われた。
「じゃあリッキーもここの学校に通ったのか?」
「いや、俺の場合遠くへ行った時に何をされるか分からなかったから、結局は親の側が一番安全だったんだよ。だから学校はスノービークにある学校に通ったんだ。あそこなら学年は違えども、スコット達とも一緒に通えるからな。」
なるほど、そりゃあそうだよね。
それぞれの街にも庶民の通う学校があるはずだ。
だからリッキーは貴族の学校ではなく、普通の人が通える学校へと家から通ったんだね。
そんな話をしながら歩いていると、いつの間にか目的地の建物の前に到着していた。
そこは確かに王城のすぐ近くで、騎士の詰め所の目の前にあった。
外観は3階建てほどの高さのビル、とでも言えば想像しやすいだろうか。
まさにあんな形のレンガ造りの建物だった。
入り口は木でできたドアなんだが、その左右の壁に大きいガラス窓がはめてあって、中がよく見えるようになっている。
「ゼネラル商会」というだけあっていろんな物が売っているんだろうが、主にどんな物を扱っているのか興味はあった。
俺達はとりあえずラブさんの話を聞こうと店中に入ることにした。
店内に入ると「いらっしゃいませ~!」と元気な声で迎えられた。これは好印象だ。
その声と一緒に若い男性がこちらにやってきた。
「なにかお探しですか?」
その男性はにこやかに声をかけてくれた。
それに対してリッキーが「実は人を探しているんですが……」と単刀直入に聞いてしまう。
ちょい待ちなよ!
それ聞いたら店の中見れないじゃん!
俺はそんな気持ちを込めながらリッキーを見ると、ごめんと謝られてしまった。
「人……ですか?」
「ええ、友人からその人がここの関係者と結婚したと聞きまして。ちょっと会って話したいことがあるんです。」
「なるほど……どなたですか?」
「何の獣人かは分からないんですが、ラブという名の方です。」
リッキーがそう言うと、店員さんは少し考えてから話しだした。
「名前まではよくわかりませんが、確か我が商店の代表が獣人の女性と結婚したと聞いたことがあります。もしかしたらその方かもしれませんね。」
「なるほど、ちなみにその方は今この店にいますか?」
「いえ、現在お腹に子供がいますので、自宅の方で静養しているはずです。」
なんと!お腹に赤ちゃんがいるんだ!
それじゃあさすがに連れていけないかなぁ?
「とりあえず話があるので、面会を取り次いでもらうことは可能ですか?」
「う~ん……今、代表が奥の事務所にいますのでちょっと聞いてきますね。」
店員さんはそう言うと店の奥へと行ってしまった。
そのあいだ暇になった俺はさっそく近くの店内を眺めてみた。
どうやら俺が立っていた付近に売っているのはフォークやスプーンのような小さな金物類のようだ。
他にも入口付近にはフライパンのようなものが数種類ほど置いてある。
もしかするとそういう系の品を取り扱っているお店なのかな?
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