異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜

カイ

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第6章 王都近くのダンジョン編

さあ、スノービークへ帰ろう! 2

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22階層への階段を上って辿り着いた先は、そこもまた見た目は21階層とそっくりだったが……出現する魔物の種類はどうなんだろう?

とりあえず俺達はしばらく道なりに進む。

すると俺たちの行く先に、休憩をしているのか座っている軍人の集団が見えた。

その中には一見して、スコットさんの姿はないようだった。

「どうだい、このフロアも魔物はかなり出てきているのかな?」

リーシェさんはそう言いながら、その集団へと近づく。

その声に反応したのはやはりいつも行動を共にしている魔法士団員だ。

彼は弾けるように立ち上がって、嬉しそうにこちらへと駆け寄ってくる。

「おかえりなさい、団長!早かったですね!」

「ああ、国王にも『最重要』の内容だって言って無理にでも早く謁見してもらったんだ。まぁ内容は『最重要』ってほどでもないんだが、そうまで言わないとここまで早くは戻ってこれなかっただろうから、まぁ許してもらおう。」

リーシェさんは笑いながらそんな事を言う。

「ところであの人はどうなりました?ここを出る時はかなりおかしくなっていたようですけど……。」

その団員が言っているのは多分勇者……元勇者の事だろう。

リーシェさんは苦笑いをすると「とりあえず奴はもうこちらには戻ってこれないだろう。」と伝えた。

「俺が知らなかった事もどうやら国王の耳には入っていたらしく、あいつ、かなりあくどい事をしていたようだからな。さすがに理不尽に人の命を簡単に奪うような奴は世に出してはいけないっていうのが、国王の意思だ。まぁ国王でなくともそう思うような報告内容だったよ。」

リーシェさんは真剣な顔でそんな事を言う。

……なるほど、あの時と同じで自分の思い通りにならなければ力尽くでもいうことをきかせていたんだね。

でもこれ以上被害者が出ないのであれば、世の中は少し平和になるね!

「ところで俺たちのチームリーダーはどこら辺に行ってるか分かるか?」

リッキーがスコットさんの事をその団員に聞くと、どうやらリッキーと同じく上の階段付近を徘徊して魔物討伐をしているようだ。

さすがにフィールドフロアと違って階層の広さが狭いとはいっても、戦闘少なめに駆け抜けても半日はかかる。

……まだまだ兄さんに会うのは時間がかかるね。


現在の時間はお昼の時間なんだろう。

彼らも休憩をしていると思ったら食事休憩だったようだ。

他の人達は何やら固形物をモソモソと食べては飲み物で飲み下している感じが見て取れる。

「あれで栄養は摂れるの?」

俺がそう言うと、リッキーが俺の目線を辿り「大丈夫、あれは簡単に必要栄養素が摂れるやつなんだよ、激まずだがな。」と苦笑いしながら言う。

「お前と合流する前は俺たちもあれを食べていたんだぜ?もの凄くまずいが、あれだけで半日は食事いらずで過ごせるからな。冒険者御用達なんだ。」

なるほど……日本でいう『◯◯◯◯メイト』みたいな物なんだね?味は全く違って、凄くまずいらしいけど。

でも昼時だから俺達も食べたいところだけど……さすがに俺たちの食事を彼らの目の前で普通に食べるのは気が引ける。

なので彼らにも少しお裾分けすることにした。

リッキー曰く、あの固形物は腹の中で水分と混ざるとかなり膨らむらしく、あげるならスープとかのほうが良いだろうとのことだった。


とりあえず俺はチーム用のテーブルセットを鞄から取り出し、その上に小さめの寸胴鍋を置く。

これは今朝作った中華スープだ。

それを石で作った器に盛り、彼らの所へと持っていく。

1人では持てないから、こちらに駆け寄ってきた団員さんとリーシェさんにも持ってもらったよ。

リーシェさんから彼らに「それだけだと味気ないだろ?これもどうぞ。」と言ってもらい、スープを配った後に俺とリーシェさんは皆の所へと戻る。

配った人達にはとても喜ばれて、「この味気ない食事にとってはありがたい差し入れですね」と言ってもらえたよ。

テーブルに戻ると、俺は色々なおにぎりとサラダを鞄から取りだす。サラダは朝の残りだ。

さすがにあの食事を見るといつもの食事は取り出せないよね。


俺たちも手早くおにぎりとかを食べ、その場にいる軍人さん達とお別れする。

リーシェさんは彼らにも巾着袋を手渡し、先程下の階層で説明した事を伝えた。

彼らは「それはありがたい!結構厳しい時もあったので、とても助かります!」と言って喜んでいた。

やっぱりここまで来ると流石に魔物は強いし、それが大量に押し寄せてくるときつくなるよね。



それからしばらく進んで中間地点ほどに来るとまた軍人さん達の集団に遭遇。

ここでもリーシェさんは巾着袋を渡して説明をする。

それが終わると彼らに「頑張って生き残れよ?」と声をかけ、俺たちは出発をした。



ここから先に進んで行くと、かなり頻繁に魔物の集団と出くわすことが多くなってきた。

それが何度も続くと、さすがに俺もスコットさんが大丈夫なのかとても不安になる。

エミリーさんなんか、リッキーの事を聞いてから泣きそうな顔で不安がっていた。

リリーさんはリッキーの事を聞いた時には一瞬息を呑んだが、それでも気丈に振る舞っていたよ。

やっぱり目の前に無事な姿があるからそうしていられたのだろう。


「……かなり魔物が多いが、あいつ……大丈夫かな……。」

ついにリッキーまでそんな事を言ってきた。

リッキーの顔を振り仰ぐと、眉間にしわを寄せ、苦しむような顔をしていた。

多分、自分の時のことを思い出したのかもしれない。

そんな俺たちに向かってセバスがにこやかな顔で「大丈夫ですよ」と声をかけた。

「だってシエル様の『お守り』がありますし、彼はネシアでの大会でもシエル様を倒して優勝しています。だから危険なのは彼ではなく、その周りにいる軍人の方だと思いますよ?」


……なるほど、そういう考えもあるよね?

ただ、兄さんのことだから自分の身を顧みずに彼らを守っていそうだ。リッキーのように。

「大丈夫だよ、この階層に送ったのはうちの部隊でもトップクラスの者だ。さっきから会ったメンバーの顔を見てきたが、多分上の階層に近いほど腕の立つ者を配置したのだろう。彼と一緒にいる4人の中には副団長には及ばないまでも、かなり多彩な魔法を使える者がいる。危険だと思えば結界を張って身を守っていることだろう。」

リーシェさんは俺たちに向かって安心させるようにそう言った。

確かにそれは真実なんだろう、リッキーが反応しないから。


ならば俺達のできることは、1つ。

できるだけたくさんの魔物を倒しながら先を進み、彼らの元へと向かうだけだ。


俺はそう心の中でスコットさんの無事を祈りながら、またもやエンカウントした魔物の集団へと向かった。
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