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わたしはかわいそうなおんなのこ
しおりを挟むゴホッゴホッ
「こんなにずっと寝込まなくてはいけないなんてこの子が可哀想。小さいのに元気にお外に出ることもできないなんて・・・。」
「ジョゼフィーヌ、あまり嘆くんじゃない。医者も言っていたが、大人になれば元気になることもある。可哀想だが、どう育ったとしてもしっかり支えていこう。」
「ええ、ええ・・・。」
おかあさまとおとうさまのかなしそうなこえがする。
「コホッ、・・・おかぁさ、コホコホッ。」
「ああ、エリーズ!起こしちゃったかしら?ごめんなさいね。何か欲しいものはある?なんでも言っていいのよ。」
「あまい、のみものがほしいわ、コホッ。」
「ええ、ええ、ちょっと待っていてね、すぐに用意させるわ。」
そういっておかあさまはのみものをよういしにいった。
ねえおかあさま、わたくしはかわいそうなの?かわいそうってどういうことなの・・・?
「お姉さまのそのドレス素敵ね!」
お母さまとお姉さまがお出かけから帰ってきて、わたくしにお土産を持ってきてくれたわ。
お姉さまのお出かけ着はとってもすてきなドレスで、とても羨ましくなったわ。
「いいなぁ、わたくしもそのドレス欲しいなぁ・・・。」
でも、わたくしは出かけることがないから無理かな。
わたくしは体が丈夫ではないから、1日のほとんどをベッドで過ごしてるの。
「エリーズはリアーヌが着ているようなドレスが欲しいの?じゃあ、仕立て屋を呼びましょうか?」
お母さまはそういうけれど、そうじゃないの。
「ううん、お姉さまが着ているドレスが欲しいの。」
「え?せっかくだから新しく仕立ててもらったほうがいいのではなくって?一度わたくしが袖を通してしまっているのよ?」
少し、困ったようにお姉さまが言うけれど、でも、わたくしはその素敵なドレスが欲しいんだもの。
「いやよっ!いや!!!そのドレスが欲しいの!!!わたくしはお外にも出られず一日中ベッドにいるのよ!それくらいいいじゃない!!!」
そう、泣きながらいったの。
「そうね、リアーヌ、エリーズが可哀想でしょう、それにあなたはお姉ちゃんなんだからエリーズに譲ってあげなさい。」
「え、でも・・・。」
「リアーヌ!わがままを言わないの!!」
「・・・はい、お母様。」
そう言って、お母さまがお姉さまにドレスをわたくしにくれるように言ってくれたわ。
その後も何度かそう言うことがあったわ、いつもお姉様は素敵なものを持っているからそれをちょーだいって言うといつもお母様がお姉様を説得してくれるの。
そして、そのうちお母様が説得しなくてもわたくしがちょーだいって言うと、お姉様はわたくしにいろいろなものをくれるようになったわ
そうしていくうちにわたくし気が付いたのよ!!
わたくしはかわいそうだから、なんでもお姉さまから譲ってもらえるのね!!
可哀想ってそう言うことなのよ!
「ねぇお姉様、わたくしにお姉様の婚約者ちょーだい?」
今日挨拶にいらしてたお姉様の婚約者、ラサーニュ公爵子息のマティアス様はとても素敵な方だったわ。切長の瞳にすっと伸びた鼻筋、煌めく太陽のような金髪に、湖のような深い青い瞳。まさに、理想の王子様だったわ。
だから、また欲しくなっちゃったの。
ねえ、お姉様
わたくしは可哀想だから譲ってくれるわよね?
そう、思っていたのに、お姉様の反応はよくなかったわ。
「・・・エリーズ、婚約者となると私があなたに譲ると言ったから譲ることができると言うわけではないのよ?あちらの、ラサーニュ公爵様やマティアス様ご自身の意向もおありでしょうし。」
「いやよ、いや!!わたくしにちょーだい!!!」
最近はちょーだいって言えばすぐに、譲ってくれていたのに!なんで譲ってくれないの??
そう考えると、なんか涙が出てきたわ。
「ちょっと、落ち着いて?まだあげないって言っているわけではないわ。」
「じゃあ、くれるの?」
嬉しくなって、声が弾む。
「あのね、私があげる、とは言えないの。だけど、もし、マティアス様やラサーニュ公爵様があなたが、エリーズがいいっていうのであれば、私はそれでもいいと思っているわ。」
「・・・どうすれば、いいの?」
「そうね、まずはマティアス様と私よりも仲良くなればいいのではないかしら?」
「そう、なのね・・・。うん!わたくし頑張るわ!!!」
だからわたくしは頑張ったのよ!
マティアス様とお姉様よりも仲良くなれるように。
お姉様とマティアス様がお茶会の予定があれば一緒に参加させてもらって、いつもお忙しいお姉様は我が家でお茶会がある時には少し遅れてしまうから、お姉様よりずっと長くマティアス様と時間が過ごせたわ!
そして、お姉様よりずっとマティアス様と仲良くなっていたある日。
「実は、エリーズに言わなくてはいけないことがあるんだ。」
2人きりのお茶会で、マティアス様が神妙な表情を浮かべて意を決したようにそう切り出したの。
「どうしたの?あっ、もしかしてわたくし達の婚約の話!?」
少し前から、話はしていたのだけどなかなかマティアス様は話を進めてくださらなかった。ついにその話を進めてくださるのかしら!?
わたくしは期待に胸を膨らませながらマティアス様を見つめたわ。
「ああ、うん、そう。その話を進めるに当たって話しておかなくてはいけないことがあるんだ・・・。すごく、言いにくいことなんだけど・・・。」
「大丈夫よ!わたくしマティアス様の全てを受け入れるわ!」
だって、夫婦ってそう言うものだってどこかの物語で読んだわ!
「ほ、本当に?君も知っているだろうけど、我が家は、」
「大丈夫!全部分かっているわ!だから安心して、わたくしをお嫁さんにしてちょうだい!」
そこまで言ってやっとマティアス様はホッとした、とても嬉しそうな顔をしたわ。
「そう、か、エリーズは知っていて私と結婚すると言ってくれていたんだね!よかった!じゃあ、急いで婚約の話を進めよう!」
「ええ!もちろん!!」
やったわ!これでマティアス様をお姉様から譲ってもらえるわ!!
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