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プロローグ①
しおりを挟むーーー次は~〇〇町、〇〇町、お降りのお客様はいませんか~・・・
連休前の平日の真っ昼間、住宅街を走るバスのお客さんは私しかいなかった。
バスの窓からぼんやりと外を眺めても、通りを歩く人影もまばらだ。
外は快晴、でも私の心はどんよりとしていた。
年が明けてしばらくしてから学校に行かなくなった、学年が上がって新学期が始まって、クラス替えがあっても学校に行ってないことが担任からの連絡でお母さん達にバレてしまった。
フルタイムで働くお母さんに心配はかけたくないけど、学校に行く気にもなれなかった。
何を聞かれてもダンマリを決め込む私に、おじいちゃんとおばあちゃんから遊びにおいでと誘いが来た。
大人たちの間で決まってしまえば養ってもらってる私に拒否権はない。拒否するだけのなにかもなかったけど。
自分でも言い表せないモヤモヤを抱えたまま、おじいちゃんたちの家に向かう日がやってきた。
何日か分の着替えとお菓子、それに充電しなくなってから1ヶ月以上たった携帯電話とお財布をバッグに詰めて、ひとり電車とバスを乗り継いだ。
ーーー次は~△△前、△△前、お降りのお客様はいませんか~・・・
その時、ふと窓から見える景色の奥の方に目線が引き込まれた。
建物ですぐに見えなくなってしまったけれど、気のせいだと決まっているけれど、季節だって違うのだからありえないけど。
何かに呼ばれている気がした。
ーーーお降りのお客様は・・・
「降ります!」
つい大きな声で叫んでしまい、とたんに恥ずかしさがこみ上げてくる。
それを紛らわせるように、バスの降車ボタンを押して、バスが止まるのを待つ。
バスが止まったらすぐに飛び降りた。
周りを見渡せば閑静な住宅街、人影は全くない。
私はさっき目についた場所に向けて足を動かし始めた。
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