気づいたら隠しルートのバッドエンドだった

かぜかおる

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④ セシル Side ヒロイン

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前世の私は病弱だった。
病院の入退院を繰り返し、家に帰っている時も学校に行けるほど元気な時は稀だった。
そんな私に友達などできるはずもなく、両親やいとこが薦めてくれる本やゲームをしながら過ごす日々だった。

そんな私がハマったのがこのゲーム”テリトワール~恋する領地経営~”だった。
このゲームは二部構成になっていて、一部はいわゆる乙女ゲームと言われるもの。
ゲームはドーリッシュ公爵家の庶子セシルが国立学院に入学するところから始まる。
婚約者のいないセシルは、父親からこの学院で結婚相手を見つけてくるように言われているので、様々な授業を受けながら婚約者を探す。そうしているうちに攻略対象と出会っていき、恋に落ちる。


そして二部が領地経営パート。
一部のセーブデータをロードして、一部で結ばれた攻略対象と大飢饉が起きて借金まみれになったセシルの実家ドーリッシュ公爵領の立て直しをするのだ。
ちなみに二部がこのような設定だからか、攻略対象のほとんどは家を継ぐ嫡男やスペアの次男ではなく、三男以下の自分で身を立てなくてはならない者だ。
ゲームなのに世知辛い。

それはさておき、”テリトワール~恋する領地経営~”は一部の乙女ゲームパートに関しては可もなく不可もない、普通、と言う評価のゲームだった。
有名な絵師さんや声優を使うわけでもなく、かといってゲーム中にネタになるような不可もなく、一部だけだったらすぐに忘れ去られそうな内容。
一方でこの二部の領地経営ゲームのパートがかなり本格的な内容になっていて、そこにコアなファンがついたために生き残っているようなゲームだった。
ちなみにこのゲームを薦めてくれたいとこ(男)も二部にハマったパターンである。

かく言う私は二部は難しすぎてほとんどやってない。
そもそも高校生に領地経営なんて無謀である。

私の最後の記憶は、高校2年生17歳、といっても学校には通えないから通信制の高校で勉強してて女子高生って感じはしてなかったけど。
大きな手術を受けようとしていて、成功すれば普通の人と同じように生活できるようになるって言われてた。

けど、それが最後の記憶ってことはきっと失敗したんだろうな。

ちょっとは寂しいけど、意外と後悔とかはない。
元々いつ死ぬかわからないような生活をしていたし、手術だって失敗する可能性を含めて準備してた。
両親を悲しませただろうけど、覚悟もしていたはず。
だから、前世に未練はない。

むしろ今世!
私のハマってた”テリトワール~恋する領地経営~”に転生だなんて、神様ありがとう!
しかも主人公セシルなんて、すごい幸運!
きっと前世の私の彼への愛に応えてくれたんだ!

そう、私がこのゲームにハマったのは彼この国の第三王子のアリスティド様に惚れたからである。






************

いとこ → 親戚のいとこ全般
従兄弟 → 特定の男のいとこの時

で使い分けています。
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