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目を覚ますと、なんてありがちな始まりで
しおりを挟む目を覚ますと知らない天井ならぬ、知らないオジさんの顔が広がっていた。
・・・数秒お互いに見つめあったのちに
「きぃゃあああああああああああああああああああああああああああああああああ
!!!!!!!!!」
「エラ~~~~~~~~~~~~~~~~~~!」
目を覚ましてすぐに、知らないおっさんに抱きつかれるという事態に私は恐慌状態に陥った。
「いやあ~~~~~~~、変態!!放せ変態ぃぃぃ~~~~~~~~~~~~~~~~!!」
「え、エラ?」
「やだ、いや、放して、放してぇぇぇぇ!!」
「だ、旦那さま、いったんお下がりください!」
「あ、あなたこっちに。」
「うっうぅ・・・、いやぁ・・・。こわいぃぃ、助けてぇ・・・、ひっ。」
「だ、大丈夫?」
私は、躊躇いがちにかけられた子供の声の主にすがりついて余計にひどく泣き、意識を失ったのだった。
再び、目を覚ますと目の前にはシャツが広がっていた。どうやら、何かに抱きついて眠っていた模様。
あ、ちなみにTシャツじゃなくてYシャツの方な。
まあ、それはともかくYシャツ着た何かに抱きつくなんて状況思い当たる節もなく、とりあえず状況確認、と思って目線を上にあげると・・・
美 少 年 いただきました~~~!!
いや、全然ショタっけのない私でもフラッと沼に足を踏み入れてしまいそうな美少年の顔が、そこにはありました!
陽に透けて金髪のように見えている髪はさらさらで、うっすらピンク色に色付く頬は絶対触り心地抜群なのが見て分かる!今閉じられているまぶたの下には、新緑を思わせるような澄んだ緑色の瞳が隠されていて、スッと通った鼻梁にぷっくりした唇。平たい顔族にはないハッキリとした顔立ちと、汚れのない白い肌。
・・・・・・もう沼に浸かっても良いかもしれない、だってこんだけの美少年だぜ?
・・・、いやダメだ、沼は基本的に底無しだからな。落ち着け自分、落ち着け自分。
気持ちを落ち着かせようと、自分に言い聞かせながら深呼吸すれば良い匂いが・・・、いや、ハスハスしてないから!不可抗力だから!
お願い!おまわりさんは呼ばないで~~!!
「・・・ん。」
目の前の美少年が身じろぎをする、もうすぐ起きるのか?
ってかこの状況ヤバくね?いい歳した大人の女が美少年に抱きついてベッドの中にいる。
ヤバイ、犯罪案件だ。ガチでおまわりさん呼ばれる。
え、どうしよ?とりあえず離れるか?
おっしそれだな、とりあえず離れてベッドから出る。そして素知らぬ顔してればなんとか・・・
「ん、エラ起きたの?体の調子はどう?大丈夫?」
とっさに鼻を押さえてしまった私を変態と罵っていいよ。
未来のイケメンの寝起きの声は凶器でした。子供のくせに色気がハンパない。
・・・おまわりさんこっちです!ドヤっ
「お顔がどうかしたの?」
半身を起こした状態で、そっと私の顔から手を外した美少年が心配そうな表情で私の顔を覗き込んできた。
「っっうおっ、だだだ大丈夫ですわお兄さま!」
とっさに叫びながら美少年を突き飛ばす。
美少年の顔のアップは心臓に悪いぜ、ふう。
しかし、なんか声が変?
ってか、ですわとかお兄さまとか何言ってんだ。
しかも、向こうは子供で私は大人。とっさのことで手加減なしの突き飛ばしだったにもかかわらず、倒れていない。
そして何より、お互いにベッドに座っている状況で彼より私の方が目線が低い。
どーゆうこと?
「エラ?本当に大丈夫?大人の人を呼んでこようか?」
「大丈夫ですわ。」
ん?なんで応えてんだ?
エラさん困ってんだろうなごめんなさい。
とか思って周りを見渡すけれど、部屋には私たち二人しかいない。
首を傾げながら、美少年に向き直る。
と、再び美顔のどアップか~ら~の、おでこコツン。
か~ら~のおでこゴツン。
・・・痛い。
ちょっと涙目の美少年いただきました~、ゴチです!
「エラ、ごめんね、驚かせちゃったね。痛いでしょ?大丈夫?
あ、でも熱はなさそうだね、良かった。」
うん、私が悪いのに気遣える少年、将来有望だね!
そして、もうそろそろ認めるべきでしょう。
私は姿勢を正して問う。
「あの、エラって誰のことですか?」
「・・・何言ってるの?君のことだよ、エラ。エレオノーラ・アハマヴァール。
アハマヴァール公爵家の長女で、僕の妹だ。」
その答えにさすがの私も絶句したのだった。
前世日本のO*TA*KU文化に少しでも触れたことがあるなら今この状況が、転生、と呼ばれる状況なのは察することができるはず。
鏡を見ていないからハッキリとは分からないが、自分のちっちゃなおててを見てみればフニフニしてる。ほっぺたを触れば失ったはずのもちもちお肌。
あはは、ドッキリとは思えねーや。
それはいい、それはいいんだ。
しかし、よりにもよって乙女ゲーム転生とは・・・。
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