内緒のΩと12人の番-α魔王は今日から人間Ωになりました-

春日日和

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α魔王の変身

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あれからまた数日が経ち、この世界は変わり始めていた。
悪い方向に…

俺達が魔物の襲撃を阻止していたあの日より魔物の動きが活発になってきた。

魔王がいなくなったからやりたい放題に人間を襲っていると報告が来た。
ガイとメロだけでは魔物を抑える事は出来なかった。

存在だけで半分以上の魔物が大人しくなる、やはり魔王という存在はそれほど大きなものなんだ。
このまま気配を消してのんびり暮らす…さすがに甘い考えだったか。

俺の右腕左腕の恋愛ストーリーはあったが、魔物がその後どうなったのか…そこまではゲームで描かれなかった。

自分の手のひらを見つめて、小さくため息を吐いた。

「俺の力は残り僅かだ、この力では下等魔族なら牽制出来るが…それ以上となるとな」

「新しい魔王様が誕生するかもな!」

「ガイ!」

「…いや、ガイの言う通りだ…弱い魔王なんて必要ない」

子ヤギが狼の群れに行って、どうなるかなんて誰でも想像出来る。
魔王は魔物の頂点、誰でもなりたいと思うのは当然だ。

この二人と違い、魔王に忠誠心がある奴らばかりではない。

俺の力は英雄達によって力を奪われてしまった。
魔王が二度と復活しないように、均等に魔力が分裂した。

俺の力を取り戻すためには、英雄達の持つ俺の力を奪い返さないといけない。
しかし、素直に返してと言って返すわけがない。

残された僅かな力で俺に出来る事は、やっぱりあれしかないか。

俺の顔は人間の前に何度か現れた事があるから顔を覚えている者は少なくない。
人を助けるためだが、誤解されたままだからいい印象なんて誰も持っていない。

このままだと英雄達に近付く事すら出来ずに終わる。
メインキャラクターとはもう戦争はしたくない。
今の俺が勝てるとは一ミリも思えない、擦り傷も無理なんじゃないか?

英雄達が油断するのは同じ人間だ、人間にも悪い奴はいるが無害な人間には優しい。
その隙を狙って仲間だと思わせてこっそりと魔力を回収する。

小さく笑みを見せるとガイとメロは首を傾げていた。

「俺はこの魔力全て使って人間になる」

「「にっ、人間!?」」

「魔力をアイツらから取り戻すためだ、すぐに完全な魔王になって帰ってくる」

二人は心配そうな顔をしているが、完全な人間じゃないんだ…そこまで心配しなくても大丈夫だ。

β…αでもΩでもない平凡な普通の人間になるだけだ。
Ωほどではないが、βも魔物に襲われる事はある。
でも下等魔族が狙うぐらいだから逃げるのは難しくない。

すぐに魔力を取り戻せばいいだけだ、英雄と仲良くなるのも難しくはないだろう。
俺が知っているのはヒロイン目線だけだけど…大丈夫だよな?

とりあえず、やってみないと分からない…俺は目蓋を閉じて力を全身に集中させた。

身体の奥底が熱くなる、俺の最後の魔力の灯火が消える感覚がした。

小さく息を吐いて、ゆっくり目蓋を開けて鏡がある横を向いた。

そこにいたのは16歳ぐらいの少年が目を丸くして驚いていた。
あれ…?俺の容姿はカッコいいかはさておき、成人男性の姿だったはずだ。

確かに人畜無害な容姿を想像して変身したが、若返るとは思わなかった。

ガイとメロを見ると、二人は俺以上に驚いていた。

「ま、魔王様?」

「あぁ…でも今はβの人間だからトーマと呼んでくれ」

「トーマ…様?」

「これって、βじゃ…」

二人が驚くのも無理はない、目の前で魔王が人間になったからな。

しかし、二人の様子が明らかに可笑しい…口を押さえて息が荒い。
俺を見る目もいつもとは違う…なんだ?なにが起きている?

俺の魔力に影響でもされたか?でも、影響されるほどガイとメロは弱くない。

自分の身体を見たが、何もない…なんでだ?二人がこんなに反応するなんて…

肩を強く掴まれて、あまりの強さにびっくりしてメロの方を見た。
今ここで力を入れられるのは怖い、今の俺はただの人間だから。

顎を掴まれて、メロを見上げる格好になり狐面を外した。
銀髪から覗く黄色い狐目が俺をジッと見つめていた。

普段は同じぐらいの身長だったから、メロを見上げる事はなかった。
下から見るメロは新鮮だな…と呑気に考えている場合ではない。

何も言葉を発する事なく、メロに唇を唇で塞がれた。

「んっ!んんっ!!」

「…ん、はぁ…」

「や、やめっ…」

なんでこんな事をするんだ?意味が分からない。
肩を押して離れようとしたが、後ろにはガイがいて下がれない。
ガイも俺の腰を掴んでいて、服の中に手を入れている。

何やってんだコイツら、もしかして魔王の座を狙っていたのか?
二人を勝手に仲間だと思っていたのは俺だけだった?

二人に牙を向けられたら魔王の時でもギリギリなのに勝てるわけがない。

唇を離したメロが小さな声で「Ωのにおい…」と呟いていた。

Ω?え…誰が?何処にΩがいるんだ?周りを見渡しても俺達以外はいない。

もしかして、Ωのにおいって俺の事じゃないよな?

俺はβに変身したはずだ、確かにΩは人畜無害だけどそんな…

顔を青ざめていたら、ガイの大きな手が俺の胸に触れた。
乳首を摘んで、ビクッと腰に電流のようなものが走った。

こんなところ感じた事なんてない、俺は強いαの男だったんだ。
それがΩになり、αであるコイツらをラット状態にさせた?

ラットとはΩによって引き起こされるαの発情期。
Ωの発情期であるヒートに引っ張られてラットになるが、俺はヒートじゃない。

そうじゃないのに、メロとガイのラットにより俺の身体も熱くなっていく。

これが、残酷な事に俺はβではない証拠になった。

俺の止める声など届かずに、ガイに身体を持ち上げられて俺の部屋のベッドに運ばれた。
嘘だろ、コイツらは人間のΩのヒートに耐性があったはずなのに…

ラットを抑える薬…ダメだ、魔王城でラットになる奴なんていなかったし自分でコントロール出来る奴ばかりだった。
人間が作ったラット抑制剤を持っているわけがない。

「メロ!ガイ!お前には耐性があったはずなのに、どうしてこんな事」

「…どうしてでしょう…こんなの初めてで」

「トーマ様を番にしたい夢が叶ったのでしょうか」

「…何言って」

番…その言葉を聞いて全身が冷たくなる感じがした。

Ωはただ力が弱いわけではなく、番というものがある。
番はαとΩにしかないもので、Ωのうなじを噛むとΩは一生そのαに縛られる。

普通の結婚とは違い、その繋がりは本能であり恐ろしいものだ。
αは番を捨てられるがΩは捨てたαを永遠に引きずって、本当に愛した人がいても番になる事は出来ない。

それだけではなく、男であってもΩなら妊娠が出来る。

もしそうなれば、俺はαの魔王に戻る事は出来るのか?

とりあえず番は全力で阻止しなければいけない。
両手で首を覆って、噛まれないようにガードする。

そうしている間にも、俺のシャツは上げられて、下半身は何も身につけていない状態になった。

ガイに胸を弄られて、メロに足を開かされて尻の奥を舐められた。

「や、やめっろって…今なら、許すからっ」

「ん…これがトーマ様の…こんな非力な人間になられて…」

「聞いてんのかっ…ひっ!」

「トーマ様はあんあん鳴いてればいいんだよ、ヒートで辛いんだろ?」

「誰のせっ…あっ!」

他人が触れた事がない場所を舐められて舌を入れられた。

コイツら、本気なのか?本気で俺を犯そうとしているのか。
ガイに乳首を舐められて、メロに下半身を舐められる。

感じたりしないのに、Ωだからなのかビクビクと反応する。
萎えるどころか俺のが勃ち上がっていて、苦しい。

メロの言った通り、俺の抵抗なんて二人にとって無抵抗と同じだ。
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