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一章~新入生親睦会~
※天使との逢瀬
しおりを挟む?これって…まずい?
しかし、千里の頭は普段の思考より外れていた。体の疼きを無くしたい。そればかりである。ゆっくり、恵の顔が千里のそれに近付く。
うわあ、恵の睫毛長いなー。唇はピンクで可愛い。
どーでも良い事を考えている間に、重なる唇。
「…ん。」
「千里……。」
ちゅっと離され、恵の瞳に欲が孕む。
僕…私、ファーストキスだ。
そんな事など、相手は知る筈も無い。頬や、額に気軽に口づける千里には驚くべき事に、唇と唇の口づけは初めてである。
初めてが恵か。ま、悪くは無いか。…というか、足りない。
恵の頬を両手を挟み、引き寄せ唇を重ねた。
「…ん…ふあ、あ…せん、りぃ~…。」
快楽のままに、恵の唇を舌でなぞり舌を絡めとる。
ヤバイな…癖になりそう。
お互いを、銀の糸が繋ぐ。恵の息が艶のある物になり、千里の思考もクラクラしていた。息を整えていた恵の瞳が変わる。それに千里は気付かない。
「……千里、好きだよ。」
恵の右手が千里の右手首を緩く押さえ、左手で千里の頬に触れる。
何か、恵の雰囲気が変わった?いやいや…違うよね?
恵の唇が、千里の頬に、額に、首筋に落ちた。躊躇い無く耳から顎に舌を這わす。
「…………恵?」
「千里…辛い?直ぐに良くしてあげる。」
(僕ってズルいよね?でも、此処で体を繋げたら…僕は、千里のものだよね。)
……………………んーと。これって…まずい?
ゆっくりと千里の思考が覚醒していく。幸運な事に飲んだ量が少なく、少しずつ媚薬の効果が薄くなっていた。
「…千里、力を抜いて?」
うっとりと表情をとろかせる恵は、片手を千里の脇腹に添える。
……!え?え?
Tシャツの裾から恵の手が侵入し、千里の脇腹を優しく撫でた。
「…ふふ。千里の肌って、本当にスベスベ…。」
これ以上…上は!………あ。
混乱し、声を失う千里だったが、やっと危機感を感じて抵抗しようと手を泳がせた。
「…恵?」
「ん?」
小首を傾げる仕草は、まるで深窓の令嬢の様である。
……………よし。
その時、千里の視界が開け思考が戻る。頭の回転が速まり、冷静に状況を整理始める。恵の手が、スルリと下がり下衣に手を掛けた。しかし、千里は自分でも恐ろしく冷静に、恵を見つめる。
「…恵。ねえ、それ以上は、僕は許したの?」
ゆっくり、淡々と区切って言葉を紡ぐ。途端に、恵はビクリと肩を揺らし、手を引っ込めた。
「あ…あの、えっと…。」
上半身を起こし素早く髪を結ぶと、恵を引き寄せ艶然と笑う。
「どうしたの?恵が来てくれて、僕は嬉しいのにな。」
腕に閉じ込められ、不安そうに相手を見上げる。
「…本当?怒って無い?」
(どうしよう…千里は、
僕を試したのかな?だったら、嫌われちゃうよ。)
「どうして?」
恵の髪を鋤く様に撫で、額に軽くキスする。
「…っだってえ…触られて、嫌だったんでしょ?」
ポロリと滴が零れ、鼻声になり袖で目を擦る。顔が良いと、泣き顔も可愛いな。そんな事を思う僕は、酷い奴なんだろうか。
「嫌じゃ無いよ。恵の事、可愛いとしか思わない。」
にっこりと輝く笑みに、恵は少し考え潤む瞳で見つめた。
「…僕の事、好き?」
「うん。恵は一番可愛い。」
心から、恵は可愛いと思う。男として生きようと思った時、側に居て安心出来た人。これは、恋では無い。でも、親愛を感じている。
「……じゃあ、園原よりも可愛い?」
美景、か。恵は美景を意識してるよね。
「うん。可愛いよ?」
美景は可愛いよりも綺麗系だし。
「……う~ん。なら、いいけどお。じゃあ、冬宮より、僕の方が好きだよね?」
うわあ…何この生き物可愛い過ぎる。そこらのちょっと可愛い子がしても何とも無いが、恵の不安そうだが期待に満ちた目は効果抜群である。
直久は…出来れば距離を取りたい相手。僕の本当を出してしまいそうになる。だから。
「うん。…恵の方が好き。」
パッと輝く愛らしい美少年。
「じゃあ、キスしても良い?」
頬を赤らめ、上目遣いで千里を伺う。
…可愛い。
返事をせず、恵の両頬と唇に軽いキスをする。最後に、手を取り甲に口付け瞳を細めた。
「…ご満足頂けましたか?僕の可愛い妖精さん。」
「…………っばか。」
甘ったるい雰囲気で、夜は更けていくのだった。
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