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二章~親交会・対立~
※星河の策略
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星河という人間は、月宮自身すら理解出来ていなかっただろう。
Bクラスの儚げでどちらかと言えば目立たない存在。
そんな人物が、守山智を捕らえさせ、月宮派を増やし、桜川恵の精神操作を行い、瀬良を惑わせた。
…きっと誰も気付いていないだろう。
*
「どうしましたか?春宮さん。」
まるで邪気の無い顔で笑う相手に、千里は思わず1歩後ずさる。月宮に対しては感じた事の無い恐怖が、千里を知らず知らず襲う。
こいつは危険だ。今日に限って携帯を持って居なかった…。
一瞬の隙で扉を蹴破ろうと身構えた…筈だった。
「……っ?!」
「あれ?どうなさったのですか?もしかして。」
ふふ、と可愛らしい笑みを浮かべる。
(もう、動けないでしょ?)
クラクラと回る視界の中、千里は膝を着いたまま強靭な精神で手の甲に爪を立てた。それでも痛みで薄まる意識を誤魔化せず、ゆっくりと思考は途切れて行く。
…な…一体、なにを…する気……………
「…待っていて下さい。月宮様。」
星河は穏やかに笑うだけ。
*
…………っ?
次に千里が気付いたのは、薄暗い簡素な部屋。窓も、扉も見当たらず、固い床に転がされ両手首は背中で纏められていた。
「…此処は?」
「あれ?やっと起きましたか?…ご気分はどうですか?」
「とっても良いよ。」
淡々と返すと、床に転がされた背中の痛み以外の変化は無くほっとする。着衣の乱れも無いし、暴力を振るわれた様子も無い。
どのぐらい経っているんだ?此処は何処だ?
けれど、戸惑いを出してしまうのも、あちらの思う壺だろう。
学園外を出ていた場合、春宮家が総動員で探しに来るだろう。だから…まだ学園内の筈だ。
Dクラスの夏雪も、裏稼業の黒鎖も知らない場所?
そこで、星河の隣に居る人間に気づく。学園の生徒だろう。学ランの下に着けるYシャツとスラックス姿の生徒は、俯いて震えている。
「…ほ、星河さん…俺、無理です!許して下さい!」
その場で額を床に付けて涙ながらに謝る生徒に、星河はただにっこりと笑い視線を合わせた。
「どうしたんですか?木村先輩、卒業後の就職を斡旋するという約束で引き受けてくれたのに。」
「…だって、だって…相手が春宮様なんて、こ、殺される!」
星河は恐れおののく相手など、心底どうでも良さそうだ。ただ愛らしく小首を傾げる。
「ええー?でも、もう此処まで来たら一緒ですよ?今逃げたら月宮家の援助は無くなって…春宮派から潰されちゃいますね。」
既に生徒は逃げ出せない所まで来ていた。
「木村先輩、何の役職も無く、何処の派閥でも無い貴方だから良いんですよ。それに、性病も持ってるらしいし、最高ですよ。」
「…それが何だ?」
星河の視線が、無表情を貫く千里を見下ろす。
「今から、とおっても大切な事をするんですから。」
(だから月宮様にまだ言ってない。その前に、僕が春宮を壊しちゃえば…月宮様の憂いは無くなる)
千里の体中の産毛はゾクリと粟立つ。凄く嫌な予感がする。鳥肌が収まらない。
「…星河さん、やっぱり俺…。」
「ああ、木村先輩って…一年に弟が居ますよね?」
「っおい、それは!」
星河の心には情けなど無い。全ては月宮の為なのだ。
「逃げても良いですよ。貴方の弟が、一生病院で過ごす事になるでしょうけど。」
生徒は悲痛な叫び声を上げた。
「…っうう!…分かった、分かったよ…。」
瞳を充血させて、流れる涙と鼻水を乱暴に拭う生徒は、心を殺す。「家族」を盾にされた人間は、どんな事だって躊躇わないだろう。
星河はそんな生徒を見て微笑み、千里へ軽やかに足を向けた。
「ねえ、春宮さん。」
「…………何だい?」
千里の鋭い視線が、星河の瞳を射抜く。この状況でも、千里の態度は畏れも怯えも無い。
パンッ
「気に入らない…。」
室内に響くのは、人が頬を打たれた音。星河は、表情を変えない相手に苛立つ。
「…痛く無いんですか?結構強く打ったんですけど。」
この様な卑怯な人間になど絶対に屈してやらない。
「うん?ああ、痛いと泣けば満足かい?なら嘆こうか?」
「……………ふーん。」
そこで星河の顔から笑みが止んだ。その瞳の奥は狂気に溢れている。
「もう良いや。飽きました。…木村先輩、最初のお願いです。」
生徒の返事を待たずに、星河は無機質に千里の耳元で囁き直ぐに離れる。
「ねえ、女性って本当ですか?」
「…?!」
僅かに瞳を揺らす千里の反応など待たず、星河は千里の側に腰を落とす。
「じゃあ、木村先輩…春宮さんを孕むまで犯して下さい。きっと、まだ処女ですよね?楽しみだなあ。」
生徒の手が、千里の学ランのホックに掛かった。
Bクラスの儚げでどちらかと言えば目立たない存在。
そんな人物が、守山智を捕らえさせ、月宮派を増やし、桜川恵の精神操作を行い、瀬良を惑わせた。
…きっと誰も気付いていないだろう。
*
「どうしましたか?春宮さん。」
まるで邪気の無い顔で笑う相手に、千里は思わず1歩後ずさる。月宮に対しては感じた事の無い恐怖が、千里を知らず知らず襲う。
こいつは危険だ。今日に限って携帯を持って居なかった…。
一瞬の隙で扉を蹴破ろうと身構えた…筈だった。
「……っ?!」
「あれ?どうなさったのですか?もしかして。」
ふふ、と可愛らしい笑みを浮かべる。
(もう、動けないでしょ?)
クラクラと回る視界の中、千里は膝を着いたまま強靭な精神で手の甲に爪を立てた。それでも痛みで薄まる意識を誤魔化せず、ゆっくりと思考は途切れて行く。
…な…一体、なにを…する気……………
「…待っていて下さい。月宮様。」
星河は穏やかに笑うだけ。
*
…………っ?
次に千里が気付いたのは、薄暗い簡素な部屋。窓も、扉も見当たらず、固い床に転がされ両手首は背中で纏められていた。
「…此処は?」
「あれ?やっと起きましたか?…ご気分はどうですか?」
「とっても良いよ。」
淡々と返すと、床に転がされた背中の痛み以外の変化は無くほっとする。着衣の乱れも無いし、暴力を振るわれた様子も無い。
どのぐらい経っているんだ?此処は何処だ?
けれど、戸惑いを出してしまうのも、あちらの思う壺だろう。
学園外を出ていた場合、春宮家が総動員で探しに来るだろう。だから…まだ学園内の筈だ。
Dクラスの夏雪も、裏稼業の黒鎖も知らない場所?
そこで、星河の隣に居る人間に気づく。学園の生徒だろう。学ランの下に着けるYシャツとスラックス姿の生徒は、俯いて震えている。
「…ほ、星河さん…俺、無理です!許して下さい!」
その場で額を床に付けて涙ながらに謝る生徒に、星河はただにっこりと笑い視線を合わせた。
「どうしたんですか?木村先輩、卒業後の就職を斡旋するという約束で引き受けてくれたのに。」
「…だって、だって…相手が春宮様なんて、こ、殺される!」
星河は恐れおののく相手など、心底どうでも良さそうだ。ただ愛らしく小首を傾げる。
「ええー?でも、もう此処まで来たら一緒ですよ?今逃げたら月宮家の援助は無くなって…春宮派から潰されちゃいますね。」
既に生徒は逃げ出せない所まで来ていた。
「木村先輩、何の役職も無く、何処の派閥でも無い貴方だから良いんですよ。それに、性病も持ってるらしいし、最高ですよ。」
「…それが何だ?」
星河の視線が、無表情を貫く千里を見下ろす。
「今から、とおっても大切な事をするんですから。」
(だから月宮様にまだ言ってない。その前に、僕が春宮を壊しちゃえば…月宮様の憂いは無くなる)
千里の体中の産毛はゾクリと粟立つ。凄く嫌な予感がする。鳥肌が収まらない。
「…星河さん、やっぱり俺…。」
「ああ、木村先輩って…一年に弟が居ますよね?」
「っおい、それは!」
星河の心には情けなど無い。全ては月宮の為なのだ。
「逃げても良いですよ。貴方の弟が、一生病院で過ごす事になるでしょうけど。」
生徒は悲痛な叫び声を上げた。
「…っうう!…分かった、分かったよ…。」
瞳を充血させて、流れる涙と鼻水を乱暴に拭う生徒は、心を殺す。「家族」を盾にされた人間は、どんな事だって躊躇わないだろう。
星河はそんな生徒を見て微笑み、千里へ軽やかに足を向けた。
「ねえ、春宮さん。」
「…………何だい?」
千里の鋭い視線が、星河の瞳を射抜く。この状況でも、千里の態度は畏れも怯えも無い。
パンッ
「気に入らない…。」
室内に響くのは、人が頬を打たれた音。星河は、表情を変えない相手に苛立つ。
「…痛く無いんですか?結構強く打ったんですけど。」
この様な卑怯な人間になど絶対に屈してやらない。
「うん?ああ、痛いと泣けば満足かい?なら嘆こうか?」
「……………ふーん。」
そこで星河の顔から笑みが止んだ。その瞳の奥は狂気に溢れている。
「もう良いや。飽きました。…木村先輩、最初のお願いです。」
生徒の返事を待たずに、星河は無機質に千里の耳元で囁き直ぐに離れる。
「ねえ、女性って本当ですか?」
「…?!」
僅かに瞳を揺らす千里の反応など待たず、星河は千里の側に腰を落とす。
「じゃあ、木村先輩…春宮さんを孕むまで犯して下さい。きっと、まだ処女ですよね?楽しみだなあ。」
生徒の手が、千里の学ランのホックに掛かった。
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