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家族として?
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「う?」 コテン!
今僕の目の前に居るのは、髪を肩口で切り揃えた幼子。
その肌は白くプニプニと柔らかく、頬は薔薇色に色付き、その小さな唇は花びらの一片のように愛らしい。
僕が趙老人に花龍ちゃんの性別を何度も聞き返しているのが不思議なのか首を傾げる姿も可愛いーーー!
「ほ、ほ、本当じゃ。花龍は儂の孫で男じゃ」
趙老人は僕に肩を捕まれ前後に揺すられながら必死に返答する。
僕は、今一度花龍ちゃんを見つめて驚きの声を上げる。
「MA・JI・KA!」
こんなにお淑やかで愛らしい子が男の子。
朝ごはんを貪るように食べた後、ガチャンと少々乱暴に食器を台所に運んで直ぐ外に遊びに出掛けた他の男の子達と違い、年齢の割りに器用に箸を使い少しづつご飯を食べる姿は子猫や栗鼠のように愛らしい。
勿論、食べ終わった食器は落としてしまわないように丁寧に台所に運んでいた。
そして、食後は何故か僕の側で僕と趙老人の話し合い?をチョコンと座りながら聞いている。
僕と趙老人の話の内容はいまいち理解してないようだが何が楽しいのかニコニコしながら試聴する姿は頭を撫でなくなる可愛いさだ。
ナデナデ。 ためしに頭を撫でてみる。
「う? えへへっ」
突然の僕の行動に最初は驚いたようだが、嬉しそうにハニカミながらナデナデを受け入れる花龍ちゃん可愛いーーー。
ちなみに、一番に食事を終えて外に遊びに行った子は女の子だったらしい。
うわーーーー。
幼子の性別を見分けるの難しい。
そして、残り二つの僕の疑問に答えてくれる趙老人。
鶏の巨大化について。
その原因は、魔素と呼ばれる不思議なエネルギーが関係しているらしい。
それは僕、月狐の兄が戦った怪物がこの世界に召喚?された時に一緒にこの世界に来て侵食していった物で今だ良く分かっていないらしいが、分かっている事を上げると・・・
その魔素に触れても死の危険は無い事
空気中に存在しているが親水性がないので水の中には存在してない事
生き物が強い魔素に長時間、晒されると巨大化し狂暴になる事
が分かっている。
そして、僕の様な火水風土の四大元素を操る力を持った者がその力を使う時に四大元素と一緒に魔素が体内に吸収され一時的に獣化と呼ばれる獣の特長を備えた姿になる事も分かっている。
つまり、鶏が巨大化したのも僕に獣のしっぽや耳が生えたのも魔素のせいと言う事か?
魔素、なんて迷惑な代物なんだ!
しかし、魔素とやらが人体に高濃度でなければ悪影響を及ぼさないのであれば気にしても仕方がない。今呼吸している空気中にも魔素が含まれているのだし僕は気にしない事に決めたのだった。
そうと決まればとりあえず、朝食の準備は手伝えなかったので洗い物くらいは率先してやりますか。
僕は僕の使用した食器を台所に運んで白く濁った水に浸け置きして、その間に布巾で皆が朝食を食べた机などを拭きとっていく。
そして、そんな僕の回りをチョロチョロと付いてくる花龍ちゃん、僕の邪魔にならない様に気を付けながら、でも決して側を離れない。
試しに布巾を渡すと僕の真似をして机を拭き掃除していく。
その拭き方は丁寧でそつがなかった。
台拭きを花龍ちゃんに任せて僕は台所の洗い場に陣取る。
子供達や僕、趙老人が使った食器をボロい布袋でこすり洗う。
この布袋の中は米糠だ。米糠はまず水を含ませて白い汁が染みでたら食器をこすり洗う。
食器を浸け置きしていた白く濁った水は米のとぎ汁だ。米糠より弱いが洗浄力があるので浸け置きして洗うとしつこい油汚れまでも良く落ちるし、肌と環境に優しいのだ。
月狐として生きていた時の幼少期は、食器洗いに厩の掃除・畑仕事に大工の真似事、そして異母兄の世話係といろいろやっていたので慣れたものだ。
パパッと食器を洗い終わり、壷に溜めてある井戸水で洗いながす、綺麗な布で水気を拭い食器を定位置に戻す。
洗い終わった後の白く濁った水は外の畑に撒く、すると米糠や米のとぎ汁に含まれる微生物や栄養素が発酵して肥料になるのだ。
米糠便利!!
魔素も少しは見習ってほしいものである。
洗い物を済ませた後は、外で遊んでいる年少組を見守りながら年長組に混じって畑の世話だ。
と言っても緊急の避難場所兼、修練をするところだった隠れ里の畑は小さい、直ぐに畑仕事が終わってしまった。
そこから年長組は思い思いに行動するようだ。
川で魚を釣るために竿を持って出掛けるもの、山菜を採るために竹籠を背負って森に行くもの、裁縫箱を取り出して穴の空いた服を繕うもの様々だ。
はて? 僕は何をするべきか?
僕が腕を組んで悩んでいると隣にいた花龍ちゃんが真似をして腕を組み首を傾げていた。
なんか癒されるなぁ~~~~~。
花龍ちゃんから視線を外し外で遊んでいる年少組に目を向けると鬼ごっこ?だったり、根元付近に綺麗な紫陽花の咲いている木を登ったり、アグレッシブな遊びの真っ最中だった。皆、花龍ちゃんと近い年齢の子供達だ。
視線を花龍ちゃんに戻し聞いてみる。
「花龍ちゃんは皆と遊ばないの?」
傾げていた首を僕の方に向けて腕は組んだまま答える花龍ちゃん。
「うん! 姫兄さまと一緒がいいから」
満面の笑顔で答える花龍ちゃん、最高にラブリー!
しかし、花龍ちゃんと一緒だと山にわけ行って鹿や猪、雉や兎などの獣を狩るのは無理だな、なら川に魚を釣りに行こうかな?
ついでに水浴びもしたいし。
この隠れ里にはお風呂がなかったので井戸で汲んだ水で顔は洗ったけど体も洗いたいし。
そうと決まれば早速出発!
僕は釣竿を持たずに花龍ちゃんに案内されながら川に向かった、比較的に近い場所にその川はあった。
川は向こう岸まで10メートルほど、深さは深い所で大人の腰程の深さの中々立派な川だ。
釣りに出かけて行った年長組を発見した。釣果は、まだのようだ。
フフフッ!!
ここは、僕の力の見せどころだな。
僕は大地を操作する、すると川の中に生け簀のような物ができた。大地がせり上がって出来たその生け簀の中には、取り残された魚達が一杯だ。
後は、素手で掴み放題だ。
生け簀の深さは踝位なので花龍ちゃんが入っても安全だ。
この力があるから僕は釣竿を持って来なかったのだ決して忘れたわけではない!!
釣りに来ていた年長組と一緒に魚を手掴みで捕獲する、これで昼食は豪華になるぞ。
ある程度魚を捕獲した後は川を元に戻して皆で水浴びした。
流石に年長組は、裸でとはいかないので服のまま川に入った今日の陽気なら直ぐに乾くだろう。
しかし、暖かい内は川で水浴びできるが寒くなってきたら無理だな。
お風呂でも造れないものか隠れ里に戻ったら試行錯誤してみるかな?
隠れ里に年長組と一緒に戻ると魚の下処理は年長組に任せてお風呂を造れないか検証する事にした。
結果としてお風呂は完成した。
まず風呂釜は、生け簀を造った要領で大地を操作して形を造り硬めて完成。お湯も水と炎の2つの力の合成で簡単に作れてしまった。
しかし、ここからが試行錯誤だ。このままでは、僕がいないと井戸で水を汲んで沸かせてから風呂釜に溜めねばならず大変な重労働になってしまう。
もっと簡単に誰もがお風呂を用意出来るようにしなくては。
ここで役に立ったのは僕のお墓?にあった石だ。そう光る石。
アレの原理を利用出来ない物かと考えたのだ。
実は僕のお墓?には光る石だけではなく様々な力を秘めた石が在ったのだか、そのなかに手のひらサイズのアル石があった。
1つは、水が水差一杯分約1リットル弱でる石とマッチほどの大きさの炎が出る石だ。
これを強化して改良すればお湯が出来るんじゃねぇ~~と思ったわけだ。
石の強化は簡単だった。石は、自然界の力を時間を掛けて取り込んで力を持つのだが、それを僕が持っている力を石に込めると云う方法で時短。 この時生け簀を造った時より力を使ったので獣の耳としっぽが僕に生えて花龍ちゃんがしっぽに喜びモフモフタイム強制発動が在ったが割愛。
どうにかお湯発生石(装置?)の完成にこじつけたのだった。
今では、花龍ちゃんすらお風呂の準備が可能となったのだ。
今日の夜が楽しみだ。
お風呂が完成してしばらくすると魚を焼く芳ばしい匂いが辺りに立ち込めだした。
僕は、花龍ちゃんと手を繋いで朝食を食べた部屋に向かう。
「お腹すいた~ね」
僕がそう言うと花龍ちゃんも。
「うん!」
と力強く首肯く。
ただ塩焼きにしただけなのに皮はパリッと少しの焦げめがほろ苦く、中の身はフワッと旨味たっぷり。山で取れた山菜の入った味噌汁と、お浸しに白米。幸せーーーーー!
全員見事に完食である。
そして皿洗いは、僕が率先して終わらせました。勿論、花龍ちゃんも手伝ってくれました。
朝食の片付けの時より簡単です。
何故ならば、お風呂を造った時に持っていた水を生む石のお陰で水道の蛇口を捻るように水を簡単に使う事が出来るようになったからです。
年長組の特に女の子達に感謝されました。居住区で使う水を井戸から汲み大きな壷に溜めるのは彼女達の仕事だからです。
しかし、年長組の女の子達の歓喜の声とは別に年長組の男の子達からは狡いとの非難の声が上がった。
理由は、女の子達が居住区の水汲みを担当するように男の子達も畑に撒く水を担当していたからだった。
居住区にある井戸の水を畑のある場合まで運び、狭いとは言え畑は畑、ある程度の広さに水を撒くのは重労働だった。
僕は年長組の男の子達に畑の水撒き様の石を作る事を約束した。
しかし問題が1つ。
材料がないんじゃー。
石は、品質と大きさが良い方が性能が上がる。
お風呂に使ったのがゴルフボール位の大きさの紫色の石で、台所で使ったのはビー玉程の大きさの水色の石だ。
畑に使うならゴルフボールか、それ以上の大きさの石が必要になる。
今手もとにあるのは、ビー玉程の大きさのばかりで役に立たない。
材料がある場所は知っているが花龍ちゃんは連れて行けない場所だ。どうしょう?
材料がある場所それは僕の墓所だ。
村人と兵士の死体がゴロゴロ転がっている場所である。精神安定の為に子供どころか大人も心臓が悪ければ近付くな危険の墓所である。
花龍は僕になついている。それも異常な程。
先程だって僕が厠(トイレ)に行こうとすると付いてきて扉の前で、
「もーいいかい?」
「ま~だだよ!」
のやり取り。
正直、同じ年か年上の男だったら張り倒してるは!!
う~~ん?
花龍ちゃんを傷つけずに僕から引き離す方法とは?
そんな事を一生懸命考えていたのだが取り越し苦労だったようだ。
花龍ちゃん他年少組は、食後のお昼寝タイムに入ったのだった。
寝る子は育つ! ゆっくりおやすみ!
そして僕は手荷物をもって僕の墓所にやって来ました。
墓所の中は死体が相も変わらずゴロゴロしています。
僕は、素手で触れない様に手に布を巻き、口もとも塞ぎます。
目覚めてからすこぶる体の調子が良く、思ったより早くすべての死体を墓所の外に作った墓穴に弔う事が出来た。
それぞれの墓には、そこに眠っている人が身に付けていた特徴的な物を置いてあるので後で趙老人に名前を聞いたら墓石を立てるつもりだ。
村人の墓を作った後は兵士の墓も作った。
敵とは言え骸を蔑ろにするのは気が引けたのて丁重にこれまた弔ったのだった。
最後に僕が目覚めた部屋の宝の山から必要な物をとり出し表へ出て大地を操る術を行使する。
アッと言う間に僕の墓が大地に飲まれる。
墓に眠る宝を目当てにまた兵士達が攻めてこない様にだ。
僕の墓が無くなって開けた土地に隠れ里から持ってきた手荷物の紫陽花を植えて行く。
紫陽花の花言葉は、一家団欒・家族の結び付きだ。
僕が、死んでしまった隠れ里の住民に手向けるのに相応しい気がしたのだ。
紫陽花寺と言うのがある。
それは医療技術が未発達な時代に梅雨特有の急な気温の変化により体調をくずしたり、病が流行して大勢の死者が出て弔いの意味を込めて寺の境内に梅雨の時期に咲く紫陽花を植えたのが始りとか。
移り変わる花ビラの色のため七変化とも八仙花とも呼ばれる紫陽花。
色鮮やかなそれでいて主張し過ぎない涼しげな淡い小花たちに死者もそしていつかくる生者(隠れ里の家族)も癒されてくれればと思う。
墓所からの帰り道、隠れ里の入口に可愛いらしい鬼が待っていた。
「も~~~~~姫兄さま遅い」
そう言って僕に駆け寄り手を引っ張るのは花龍ちゃん。
どうやらもうすぐ夕飯の時間らしい。
昼寝から起きたら僕が居なくてずっとここで待っていたらしい。
花龍ちゃんに手を引かれながら隠れ里の居住区に入る。
「姫兄さま」
「うん、 なんだい?」
「おかえりなさい!!」
「っ!!」
ああ、確かに僕は帰ってきたんだ。
僕の帰る場所、帰るべき人達の元に・・・・
「た、ただいま」
良く見れば隠れ里の中にもポツポツと紫陽花の花が咲いていた。
願わくばこの花の花言葉の様に皆と一緒に居られるといいな。
続く
投稿遅くすいません。
これからもよろしくお願いいたします。
今僕の目の前に居るのは、髪を肩口で切り揃えた幼子。
その肌は白くプニプニと柔らかく、頬は薔薇色に色付き、その小さな唇は花びらの一片のように愛らしい。
僕が趙老人に花龍ちゃんの性別を何度も聞き返しているのが不思議なのか首を傾げる姿も可愛いーーー!
「ほ、ほ、本当じゃ。花龍は儂の孫で男じゃ」
趙老人は僕に肩を捕まれ前後に揺すられながら必死に返答する。
僕は、今一度花龍ちゃんを見つめて驚きの声を上げる。
「MA・JI・KA!」
こんなにお淑やかで愛らしい子が男の子。
朝ごはんを貪るように食べた後、ガチャンと少々乱暴に食器を台所に運んで直ぐ外に遊びに出掛けた他の男の子達と違い、年齢の割りに器用に箸を使い少しづつご飯を食べる姿は子猫や栗鼠のように愛らしい。
勿論、食べ終わった食器は落としてしまわないように丁寧に台所に運んでいた。
そして、食後は何故か僕の側で僕と趙老人の話し合い?をチョコンと座りながら聞いている。
僕と趙老人の話の内容はいまいち理解してないようだが何が楽しいのかニコニコしながら試聴する姿は頭を撫でなくなる可愛いさだ。
ナデナデ。 ためしに頭を撫でてみる。
「う? えへへっ」
突然の僕の行動に最初は驚いたようだが、嬉しそうにハニカミながらナデナデを受け入れる花龍ちゃん可愛いーーー。
ちなみに、一番に食事を終えて外に遊びに行った子は女の子だったらしい。
うわーーーー。
幼子の性別を見分けるの難しい。
そして、残り二つの僕の疑問に答えてくれる趙老人。
鶏の巨大化について。
その原因は、魔素と呼ばれる不思議なエネルギーが関係しているらしい。
それは僕、月狐の兄が戦った怪物がこの世界に召喚?された時に一緒にこの世界に来て侵食していった物で今だ良く分かっていないらしいが、分かっている事を上げると・・・
その魔素に触れても死の危険は無い事
空気中に存在しているが親水性がないので水の中には存在してない事
生き物が強い魔素に長時間、晒されると巨大化し狂暴になる事
が分かっている。
そして、僕の様な火水風土の四大元素を操る力を持った者がその力を使う時に四大元素と一緒に魔素が体内に吸収され一時的に獣化と呼ばれる獣の特長を備えた姿になる事も分かっている。
つまり、鶏が巨大化したのも僕に獣のしっぽや耳が生えたのも魔素のせいと言う事か?
魔素、なんて迷惑な代物なんだ!
しかし、魔素とやらが人体に高濃度でなければ悪影響を及ぼさないのであれば気にしても仕方がない。今呼吸している空気中にも魔素が含まれているのだし僕は気にしない事に決めたのだった。
そうと決まればとりあえず、朝食の準備は手伝えなかったので洗い物くらいは率先してやりますか。
僕は僕の使用した食器を台所に運んで白く濁った水に浸け置きして、その間に布巾で皆が朝食を食べた机などを拭きとっていく。
そして、そんな僕の回りをチョロチョロと付いてくる花龍ちゃん、僕の邪魔にならない様に気を付けながら、でも決して側を離れない。
試しに布巾を渡すと僕の真似をして机を拭き掃除していく。
その拭き方は丁寧でそつがなかった。
台拭きを花龍ちゃんに任せて僕は台所の洗い場に陣取る。
子供達や僕、趙老人が使った食器をボロい布袋でこすり洗う。
この布袋の中は米糠だ。米糠はまず水を含ませて白い汁が染みでたら食器をこすり洗う。
食器を浸け置きしていた白く濁った水は米のとぎ汁だ。米糠より弱いが洗浄力があるので浸け置きして洗うとしつこい油汚れまでも良く落ちるし、肌と環境に優しいのだ。
月狐として生きていた時の幼少期は、食器洗いに厩の掃除・畑仕事に大工の真似事、そして異母兄の世話係といろいろやっていたので慣れたものだ。
パパッと食器を洗い終わり、壷に溜めてある井戸水で洗いながす、綺麗な布で水気を拭い食器を定位置に戻す。
洗い終わった後の白く濁った水は外の畑に撒く、すると米糠や米のとぎ汁に含まれる微生物や栄養素が発酵して肥料になるのだ。
米糠便利!!
魔素も少しは見習ってほしいものである。
洗い物を済ませた後は、外で遊んでいる年少組を見守りながら年長組に混じって畑の世話だ。
と言っても緊急の避難場所兼、修練をするところだった隠れ里の畑は小さい、直ぐに畑仕事が終わってしまった。
そこから年長組は思い思いに行動するようだ。
川で魚を釣るために竿を持って出掛けるもの、山菜を採るために竹籠を背負って森に行くもの、裁縫箱を取り出して穴の空いた服を繕うもの様々だ。
はて? 僕は何をするべきか?
僕が腕を組んで悩んでいると隣にいた花龍ちゃんが真似をして腕を組み首を傾げていた。
なんか癒されるなぁ~~~~~。
花龍ちゃんから視線を外し外で遊んでいる年少組に目を向けると鬼ごっこ?だったり、根元付近に綺麗な紫陽花の咲いている木を登ったり、アグレッシブな遊びの真っ最中だった。皆、花龍ちゃんと近い年齢の子供達だ。
視線を花龍ちゃんに戻し聞いてみる。
「花龍ちゃんは皆と遊ばないの?」
傾げていた首を僕の方に向けて腕は組んだまま答える花龍ちゃん。
「うん! 姫兄さまと一緒がいいから」
満面の笑顔で答える花龍ちゃん、最高にラブリー!
しかし、花龍ちゃんと一緒だと山にわけ行って鹿や猪、雉や兎などの獣を狩るのは無理だな、なら川に魚を釣りに行こうかな?
ついでに水浴びもしたいし。
この隠れ里にはお風呂がなかったので井戸で汲んだ水で顔は洗ったけど体も洗いたいし。
そうと決まれば早速出発!
僕は釣竿を持たずに花龍ちゃんに案内されながら川に向かった、比較的に近い場所にその川はあった。
川は向こう岸まで10メートルほど、深さは深い所で大人の腰程の深さの中々立派な川だ。
釣りに出かけて行った年長組を発見した。釣果は、まだのようだ。
フフフッ!!
ここは、僕の力の見せどころだな。
僕は大地を操作する、すると川の中に生け簀のような物ができた。大地がせり上がって出来たその生け簀の中には、取り残された魚達が一杯だ。
後は、素手で掴み放題だ。
生け簀の深さは踝位なので花龍ちゃんが入っても安全だ。
この力があるから僕は釣竿を持って来なかったのだ決して忘れたわけではない!!
釣りに来ていた年長組と一緒に魚を手掴みで捕獲する、これで昼食は豪華になるぞ。
ある程度魚を捕獲した後は川を元に戻して皆で水浴びした。
流石に年長組は、裸でとはいかないので服のまま川に入った今日の陽気なら直ぐに乾くだろう。
しかし、暖かい内は川で水浴びできるが寒くなってきたら無理だな。
お風呂でも造れないものか隠れ里に戻ったら試行錯誤してみるかな?
隠れ里に年長組と一緒に戻ると魚の下処理は年長組に任せてお風呂を造れないか検証する事にした。
結果としてお風呂は完成した。
まず風呂釜は、生け簀を造った要領で大地を操作して形を造り硬めて完成。お湯も水と炎の2つの力の合成で簡単に作れてしまった。
しかし、ここからが試行錯誤だ。このままでは、僕がいないと井戸で水を汲んで沸かせてから風呂釜に溜めねばならず大変な重労働になってしまう。
もっと簡単に誰もがお風呂を用意出来るようにしなくては。
ここで役に立ったのは僕のお墓?にあった石だ。そう光る石。
アレの原理を利用出来ない物かと考えたのだ。
実は僕のお墓?には光る石だけではなく様々な力を秘めた石が在ったのだか、そのなかに手のひらサイズのアル石があった。
1つは、水が水差一杯分約1リットル弱でる石とマッチほどの大きさの炎が出る石だ。
これを強化して改良すればお湯が出来るんじゃねぇ~~と思ったわけだ。
石の強化は簡単だった。石は、自然界の力を時間を掛けて取り込んで力を持つのだが、それを僕が持っている力を石に込めると云う方法で時短。 この時生け簀を造った時より力を使ったので獣の耳としっぽが僕に生えて花龍ちゃんがしっぽに喜びモフモフタイム強制発動が在ったが割愛。
どうにかお湯発生石(装置?)の完成にこじつけたのだった。
今では、花龍ちゃんすらお風呂の準備が可能となったのだ。
今日の夜が楽しみだ。
お風呂が完成してしばらくすると魚を焼く芳ばしい匂いが辺りに立ち込めだした。
僕は、花龍ちゃんと手を繋いで朝食を食べた部屋に向かう。
「お腹すいた~ね」
僕がそう言うと花龍ちゃんも。
「うん!」
と力強く首肯く。
ただ塩焼きにしただけなのに皮はパリッと少しの焦げめがほろ苦く、中の身はフワッと旨味たっぷり。山で取れた山菜の入った味噌汁と、お浸しに白米。幸せーーーーー!
全員見事に完食である。
そして皿洗いは、僕が率先して終わらせました。勿論、花龍ちゃんも手伝ってくれました。
朝食の片付けの時より簡単です。
何故ならば、お風呂を造った時に持っていた水を生む石のお陰で水道の蛇口を捻るように水を簡単に使う事が出来るようになったからです。
年長組の特に女の子達に感謝されました。居住区で使う水を井戸から汲み大きな壷に溜めるのは彼女達の仕事だからです。
しかし、年長組の女の子達の歓喜の声とは別に年長組の男の子達からは狡いとの非難の声が上がった。
理由は、女の子達が居住区の水汲みを担当するように男の子達も畑に撒く水を担当していたからだった。
居住区にある井戸の水を畑のある場合まで運び、狭いとは言え畑は畑、ある程度の広さに水を撒くのは重労働だった。
僕は年長組の男の子達に畑の水撒き様の石を作る事を約束した。
しかし問題が1つ。
材料がないんじゃー。
石は、品質と大きさが良い方が性能が上がる。
お風呂に使ったのがゴルフボール位の大きさの紫色の石で、台所で使ったのはビー玉程の大きさの水色の石だ。
畑に使うならゴルフボールか、それ以上の大きさの石が必要になる。
今手もとにあるのは、ビー玉程の大きさのばかりで役に立たない。
材料がある場所は知っているが花龍ちゃんは連れて行けない場所だ。どうしょう?
材料がある場所それは僕の墓所だ。
村人と兵士の死体がゴロゴロ転がっている場所である。精神安定の為に子供どころか大人も心臓が悪ければ近付くな危険の墓所である。
花龍は僕になついている。それも異常な程。
先程だって僕が厠(トイレ)に行こうとすると付いてきて扉の前で、
「もーいいかい?」
「ま~だだよ!」
のやり取り。
正直、同じ年か年上の男だったら張り倒してるは!!
う~~ん?
花龍ちゃんを傷つけずに僕から引き離す方法とは?
そんな事を一生懸命考えていたのだが取り越し苦労だったようだ。
花龍ちゃん他年少組は、食後のお昼寝タイムに入ったのだった。
寝る子は育つ! ゆっくりおやすみ!
そして僕は手荷物をもって僕の墓所にやって来ました。
墓所の中は死体が相も変わらずゴロゴロしています。
僕は、素手で触れない様に手に布を巻き、口もとも塞ぎます。
目覚めてからすこぶる体の調子が良く、思ったより早くすべての死体を墓所の外に作った墓穴に弔う事が出来た。
それぞれの墓には、そこに眠っている人が身に付けていた特徴的な物を置いてあるので後で趙老人に名前を聞いたら墓石を立てるつもりだ。
村人の墓を作った後は兵士の墓も作った。
敵とは言え骸を蔑ろにするのは気が引けたのて丁重にこれまた弔ったのだった。
最後に僕が目覚めた部屋の宝の山から必要な物をとり出し表へ出て大地を操る術を行使する。
アッと言う間に僕の墓が大地に飲まれる。
墓に眠る宝を目当てにまた兵士達が攻めてこない様にだ。
僕の墓が無くなって開けた土地に隠れ里から持ってきた手荷物の紫陽花を植えて行く。
紫陽花の花言葉は、一家団欒・家族の結び付きだ。
僕が、死んでしまった隠れ里の住民に手向けるのに相応しい気がしたのだ。
紫陽花寺と言うのがある。
それは医療技術が未発達な時代に梅雨特有の急な気温の変化により体調をくずしたり、病が流行して大勢の死者が出て弔いの意味を込めて寺の境内に梅雨の時期に咲く紫陽花を植えたのが始りとか。
移り変わる花ビラの色のため七変化とも八仙花とも呼ばれる紫陽花。
色鮮やかなそれでいて主張し過ぎない涼しげな淡い小花たちに死者もそしていつかくる生者(隠れ里の家族)も癒されてくれればと思う。
墓所からの帰り道、隠れ里の入口に可愛いらしい鬼が待っていた。
「も~~~~~姫兄さま遅い」
そう言って僕に駆け寄り手を引っ張るのは花龍ちゃん。
どうやらもうすぐ夕飯の時間らしい。
昼寝から起きたら僕が居なくてずっとここで待っていたらしい。
花龍ちゃんに手を引かれながら隠れ里の居住区に入る。
「姫兄さま」
「うん、 なんだい?」
「おかえりなさい!!」
「っ!!」
ああ、確かに僕は帰ってきたんだ。
僕の帰る場所、帰るべき人達の元に・・・・
「た、ただいま」
良く見れば隠れ里の中にもポツポツと紫陽花の花が咲いていた。
願わくばこの花の花言葉の様に皆と一緒に居られるといいな。
続く
投稿遅くすいません。
これからもよろしくお願いいたします。
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……と思いきや、襲撃事件に巻き込まれたり、何かの教祖にされたり、ドタバタと騒がしい!!
転生場所は嫌われ所
あぎ
BL
会社員の千鶴(ちずる)は、今日も今日とて残業で、疲れていた
そんな時、男子高校生が、きらりと光る穴へ吸い込まれたのを見た。
※
※
最近かなり頻繁に起こる、これを皆『ホワイトルーム現象』と読んでいた。
とある解析者が、『ホワイトルーム現象が起きた時、その場にいると私たちの住む現実世界から望む仮想世界へ行くことが出来ます。』と、発表したが、それ以降、ホワイトルーム現象は起きなくなった
※
※
そんな中、千鶴が見たのは何年も前に消息したはずのホワイトルーム現象。可愛らしい男の子が吸い込まれていて。
彼を助けたら、解析者の言う通りの異世界で。
16:00更新
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おー、3ヶ月ぶり更新だ・・・
今後の展開が実に楽しみです♪
誤字と α(?)です。
~プロローグ 2 (異世界に帰る)
失言じゃなくて失心をしてしまい、慌てて謝る。
(ここで"気絶"はしていない様なので"失心(しっしん)"は違うと思います)
~突発的な事故と死体にはオーバーアクションで対応しよう~
そして、その横にある机は上の鉱物は未だに強い光を発して部屋を照らしていた。
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そして、その横にある机の上の鉱物は未だに強い光を発して部屋を照らしていた。
(ではないでしょうか?)
何とか心を落ち着けて死体に近く。
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何とか心を落ち着けて死体に近付く。
それだけでなく、廊下の壁にも繊細な彫刻が施されているが、所々に抉られた後がある。
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それだけでなく、廊下の壁にも繊細な彫刻が施されているが、所々に抉られた跡がある。
(でしょうかね?)
僕はすこし躊躇したが老人に手を貸すために近く事にした。
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僕はすこし躊躇したが老人に手を貸すために近付く事にした。
~怒っている人には鏡を・・・~
と、言ってくれた事で僕が普段から心がるようになった事だ。
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と、言ってくれた事で僕が普段から心がけるようになった事だ。
しかし、転ん時に手をついたので手も汚れてしまっている、
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しかし、転んだ時に手をついたので手も汚れてしまっている、
誤字、脱字訂正しました。
これからも度々あるかと思いますが暖かく見守って下さい。