28歳 喪女な私の愛され開発生活

甘噛屋

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第三章 愛され開発生活本番

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 思わず…頷いてしまった。

 神崎部長が、『大丈夫だ』って言ってくれているようで首を横に振れなかった。

 下から見る神崎部長は少し驚いてみせてから額に唇を落として静かに身体を重ねた。


 さっきからずっとお臍の下あたりがじんわりと熱い。それは、奪うようなキスを繰り返される度に内部で変な力が入ってしまうのと似ていた。

 何もしていないのに、下腹部がじんわり暖かい。これって、あの時に似てる。1人でやっちゃう時に…。

 喪処女だって、人並みに性欲があるので極々たまにそういう気分になる時がある。そういう時はまぁ…少ない知識とTL本が活躍してくれるわけで、1人で慰める瞬間もある。

 今の感覚は少しそれに近い気がする。


 「はぁ…」

 「ぶ…洋司、さん?」

 「あー、ダメ。今名前で呼ばないで」

 「え…すみませ」

 「いや、嘘。呼んで」


 えぇ?! 一体どっち? それに、いつもの神崎部長とは口調が違う…?

 神崎部長は少し大きめのため息の後、肩口に頭を埋めた。仕事の時とは違う、ふわりとした髪質に首筋がくすぐったく感じる。


 「はぁ…抑えてたのに」

 「え?」

 「俺だって、ずっと紳士的に出来るわけじゃないぞ?」

 「ひゃ、んぅ」


 ボソリと耳に届いた言葉の後、またキスの横行が始まった。

 浅くなったり、深くなったりを繰り返してまた入ってくる熱い舌が上顎を撫でて舌と舌を絡ませる。

 鼻から漏れる声と時折聞こえるクチュという唾液の混ざる音に羞恥で身体が熱くなる。


 「んっ…あっ! や!」

 「涼子、見たい」


 神崎部長の手が服の裾から入って来たのが分かると咄嗟に裾を押さえ込んでしまった。

 キスの合間に呟かれる言葉にドキリとした緊張が混ざっていく。

 このまま手を緩めてしまったら、どうなるんだろう。まだ、チューブトップがあるからすぐに見られるわけじゃないけど、でも簡単に脱がされてしまったら漫画のヒロイン達のように…なってしまうのかな…。


 「はぁ、涼子。見せて」


 好奇心、かもしれない。

 この後、自分がどんな風になるのか、それが知りたかったのかもしれない。理由ははっきりしないけれど、神崎部長なら本当に嫌だと言えば止めてくれそうだし…。
 それに、今の神崎部長は敬語で話しかけられる時よりも何だか近い人に感じたから。


 裾を掴んだ手の力を抜いていくと、神崎部長は何の躊躇もなくプルオーバーのシャツを脱がした。自然と上がった両腕をスルリと抜けてしまう緩いシャツ。チューブトップに赤いブラの紐が覗く格好にされて心許なくて胸の前で手を交差させた。


 「んっ…はぁんぅ…」

 「やっぱり、細いな」


 鎖骨を触るか触らないかの感触がもどかしく感じる。
 頼りない防護服の下はもう素肌だ。これ以上は流石にハードルが高すぎるって!

 でも、きっと私が本気でイヤだと言わない限り神崎部長は止めない。
 だったら…28年間処女だった女にこんなチャンスは2度とないかもしれないし、神崎部長なら経験だってあるだろうし…山ほど…。


 チクリと変な痛みが混じって靄がかかる。

 ドキドキと五月蝿い心臓の音に混じって小さな疼きに変な胸騒ぎがする。

 なんだ、ろう…?


 「涼子、見せて欲しい」

 「んっ…ひゃぅ」


 チュッと軽いリップ音が鎖骨で鳴る。チューブトップの裾も胸下辺りまで引き上げられて後は私のゴーサインだけで簡単に引き抜かれる。

 その後は…どうなるの?

 こういう時、ヒロイン達はどうしたの?

 どうしていたっけ…。

 確か恥ずかしがって、手を交差させて「『恥ずかしいから』」とか言ってた気がする。


 「……涼子、それ本気でやってる?」

 「え?」

 「そんなことされて、男がその後どうするかなんて考えてないだろ? …くそ、俺以外の前でやるなよ?」

 「おぎゃぉっ?!」


 ガバッと起き上がった神崎部長が私を横抱きにする。あまりの勢いに今世紀最大の変な声が出たが、そんな事は知らないと神崎部長がソファの左隣にある引き戸を足で器用に開けた。


 「あっ、チーズ! お、落としたままっ!」

 「そんなもん、後で食わせてやる」


 頭の端っこで思い出した、落ちたチーズを見付けて、神崎部長越しに寂しく忘れられたままのチーズを眺めてこれから起こる事を少し考えてみる。


 こういう時のヒロイン…最近ハマって読んでいるTL漫画の『上司の微熱』だと、下着姿になるのを恥ずかしがって、『恥ずかしいから』というヒロインに……ヒロ、インに…。


 ふわりと降ろされたベッドの上で私に跨った神崎部長に見下ろされる。


 そうだ…ヒロインの女の子に向かって上司が『そんな反則技、使う方が悪い』って言って…エッチな事に…。


 「好きな女にあんな事されて、冷静でいられる男がいるなら拝んでみたいくらいだ」

 「あ、あのぉ…お、お手柔らか、に?」

 「…一応聞くけどそれは、先を続けて良いって事だよな?」


 え、これからエッチすんの?

 だれが? 私が? この目の前のイケメンと?

 え、まじで?


 神崎部長は私の返事なんか待たずに、また濃厚なキスを浴びせて来る。ふわふわとする感覚と息苦しさに思わず口が開くと、ソレは当然の事のように進入してくる。もう4回目になるその行為に、私の舌も自然と絆されて付いて行ってしまう。

 チューブトップの前を交差した腕で押さえていたはずなのに、キスに絆されてズルリとお臍辺りまで引き下ろされてしまった。


 「ゃっ!」

 「涼子…大丈夫だから」


 チュッチュと色んなところでリップ音が繰り返されて、胸の前で交差する手の甲にも降り注がれる。
 くすぐったさに身を捩って、何度も繰り返されるキスに心臓が破裂寸前だ。

 ぎゅっと目を瞑って腕の力を抜くと、神崎部長がそっと両手を握ってどけてしまった。


 あぁ、丸見えだよ。ペッタンコのかわいそうな胸がお披露目されてしまった。

 頭には『男みてぇな胸』と連呼する男の声がよぎる。言われたこともない台詞──そういう機会に恵まれなかったので妄想のよう──だが、悔しいし、悲しい。
 ──けれど、私の胸の成長は止まったまま。どんなに頑張ったところでこの頑固な胸に脂肪は集まらなかった。


 「…あー…やばいな」

 「……」


 思った以上に胸が無さ過ぎて、やばいほどに萎えた。という意味の『やばい』ですよね。ごめんなさい。

 もう、穴があったら入りたいし、隠せるものがあるのなら引っつかんで部屋の隅にでも逃げてしまいたい。むしろ、この部屋からすぐに出て家に帰って私のバイブル山に突っ込んで妄想にふけりたい。


 「想像以上に…脱がせたくなる」

 「…へ?」

 「ん?」

 「え? …脱がせ…え?」


 脱がせたいって仰いましたか、今?
 神崎部長…こんなペッタンコの胸をさらにひん剥いて惨めにさせたいって事を言ってるんでしょうか?
 それとも、TLのように脱がせて弄くりた…いや想像するのは止めよう。ショートしそう。


 「だから、言ってるだろ。俺は涼子相手にこうなるって」

 「っ…ん」


 太ももにさっきよりも存在感の増している気がする神崎部長のソレを当てられて、羞恥にまたぎゅっと目を瞑ってしまう。こんなにはっきりと示されると、実感せざるを得ない。

 自分が女である事と、神崎部長が男で『男女だ』と言われて来た私とは別の性別の人なんだって事。
 そんな事は分かりきっているけれど、こんなにもまざまざと示されるとは…。

 しかも、ショートカットにきつい顔の女で、ぺちゃんこの抉れた様な胸を前にして、欲情するってやっぱり神崎部長は貧乳専?

 いやいや、何を冷静に考えてるんだ。とりあえず、この場をどうにかしないと!


 こういう時のヒロインは…。

 
 「ひゃっ…ぁんぅ」


 下着の上からゆるりと手が重ねられて、お情け程度の胸が揉まれる。その突然の刺激に驚いて肩が上がると、神崎部長の唇が鎖骨に触れた。


 「かわいい…涼子」

 「やぁ、んっ…ぁんぅ」


 やわやわと胸の上で動く大きな手が視界の端に映るだけで、身体の奥がジワジワと熱を持つ感覚に体が戸惑う。

 こんな感じ、初めてだよ…だって、1人でする時に胸弄った所で気持ち良さなんか無いし! そんなんだから、私は貧乳の上に不感症なんじゃって思ってたくらいだし!

 1人でやってて、胸で気持ち良くなるなんて、TLの中での設定でしょう?!


 アレコレと考えているうちに、アンダーの締め付けが緩くなってホックを外された事に気付く。

 慌てる間も無く、スルリとブラと胸の間に手が差し入れられると、暖かくてゴツゴツとした男の人の手の感覚に「あっ、あぁ」と声が高くなった。
 自分から出ている声なのか…そう考えるだけで恥ずかしくてどこかに行ってしまいたい。


 「涼子、敏感だな。…ほら、手を乗せているだけなのに、ここはもう硬くなってる」

 「や …そ、んなこと、んぅ、ゃぁッン」


 指の間に挟まれた乳首にキュッと力を入れられただけなのに、身体にはビリビリと静電気が起こったような感覚が走る。もう役目を果たしていない乗せてあるだけのブラの下で、神崎部長の手がふわりと触れるか触れないかの距離で動かされた。
 それだけで、ビクリと身体が跳ねて初めての刺激に頭の中がふわふわとしてしまう。

 熱気のこもったブラが胸からどかされると外気に触れてヒヤリとする。咄嗟に胸を隠そうとした手を神崎部長の手が阻んで、ベッドの上に縫い付けられた。


 「や! かんざ、きぶちょ、んぅっ」

 「…名前、何度言えば分かる?」

 「はぁ…んぅ、よ、ぅじさ、あぁッ」


 咄嗟に出た“神崎部長”と呼ぶ口を強引に塞がれて、鋭い目つきに胸の奥がキュゥっと締め付けられる。こんなに神崎部長に“男”を感じたことはここ1ヶ月なかった。『怖い』ということはないけれど、初めて見るその表情に確かに身体が反応してしまった。
 添えられているだけの手の熱にさえ、敏感に反応してしまう体が憎い。私って、こんなに敏感体質だったの?!

 その神崎部長は、じぃっと露わにされた胸を見下ろしている。


 「…うまそぅ」

 「っ!」


 舌なめずりをしてそんな事を呟く男性を前に、どんな反応をするべきなのか、むしろ『うまそう』って発言をされた事すらないのに、この後の展開がどうなるかなんて想像もしたくない羞恥だ。

 そのしたくも無い想像通りの行動を取った神崎部長が、小さいながらも反応する乳首を口に含んだ。


 「ひゃぅ、あぁ…ンッ」


 ピチャリと熱い神崎部長の口の中で転がされるソレは、ビリビリと電流の電圧を上げたみたいな感覚を持ち始める。時折軽く歯を当てられて、自然と腰が浮き上がるとさっと腕を差し入れられた。引き寄せられた腰が、デニム越しの神崎部長を感じ取ると恥ずかしさにさらに声が高くなる。

 開放された手をどうすればいいのか分からないまま、ベッドのシーツをぎゅっと掴んで、与えられる快感にひたすら耐えた。

 自由になった神崎部長の手が、放って置かれたままの乳首をキュッと摘む。指の腹でコロコロと弄られると硬度を増し始めた乳首の感覚に下腹部へと熱が集中し始める。


 そんな状態でまともな判断が出来るはずも無く…カチャカチャとデニムのボタンが外されたことにも意識の遠くの方でしか気付けなかった。


 やばい、自分でも分かる。分かってしまっている。明らかに、下着に違和感を感じる。

 一人でやった時だって、こんなに濡れることは無…え、濡れて…る?

 この後って、当然のようにあれよね…ズボン脱いで、パンツの上から触られて、『ぐちょぐちょだね』とかってヒーローが言うのよ。そんでパンツ下ろして…下ろして…。


 げっ、おりものシート!?


 「だ、だめぇー!」

 「ぐぁッ」


 思わずシーツを掴んでいた手で神崎部長の頭を掴んで無理矢理に引き起こした。

 思いの外勢いをつけすぎたせいで、神崎部長が変な声を上げている。が、そんな事を気にしている暇は無い!

 今、この状況を何とかしなければ…さすがに、おりものシートをつけたまんまでパンツは脱げない…というか、さすがの私にだってそういうことに対する羞恥というか、ムードというかそういうのを考える知識と常識はある。

 いや、経験のある女の人なら…彼氏と会う前にちゃんとおりものシートをどうにかするはずなんだろうけれど…。



 「だ、だめです! あの、ちょっと今はっ! えっと…と、とりあえず待って!」

「……」


 ぎゃぁー、神崎部長のロイくんが、ロイくんがぁー…よし、ト、トイレ借りよう…そうしよう。

 ごめんなさい、神崎部長。そして、私のバカタレ。

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