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第四章 愛し愛され開発生活
22 *
しおりを挟む薄暗くなった寝室へまた運ばれた。
有無を言わさず下着姿にされてしまって、広いベッドの上で自分を隠す方法を探す。
「隠しても、後で見るから」
「…洋司さん、さっきと違う」
「そうしろって言ったのは、涼子だろ」
私だけが裸にされて、服を着ている洋司さんにまた深いキスを浴びせられる。
熱い舌が口内を舐め回して、歯列をなぞったり、上顎をくすぐったりを繰り返されてこもったような声が漏れた。
息苦しいほどに続くキスに、どうやって息をしたらいいのかなんて知識は少女マンガからしか得られていないから、見よう見まねで鼻で呼吸をするのに、鼻息が荒くなってしまっているように感じて恥ずかしくなる。
「…やばいな、これは思った以上にクる」
「ふぁ…来、る?」
「…鼻で息して、時々口呼吸してごらん」
優しくそう言われて、また唇が深く重ねられる。
今度は何とか鼻息が荒くならないように頑張って呼吸して、唇が離れた隙に少し口呼吸をする。
そんな事を繰り返していると、胸の開放感に気づいて思わず洋司さんから距離を取ってしまった。
「こら、往生際が悪い」
「だ、だって! は、恥ずかしい、し…」
「なら、見ないから」
そう言って、後ろから抱きしめるような形をとった洋司さんが、今度はうなじや首筋、耳たぶに口付けたりしながら、大きな手が私の微かな胸のふくらみを覆い隠した。
「ん」
「…やらかいね…ここだけ硬いけど」
「あっんぅ!」
キュッと乳首をつままれて、思わず身体が後ろにのけぞる。
分厚い胸板に受け止められてシャツ越しに密着した肌が熱い。優しくゆっくりと確かめるように動く洋司さんの手に、下半身に熱が集まり始めた。
「あぁ…ん、ふっ」
手の甲で口をふさぐのに、零れ落ちる声が自分のものではないように聞こえる。
いつもより高めのくぐもった声は自分から発せられるもので、余計に恥ずかしい。
「ほら、どんどん硬くなる。涼子のここは素直だな」
「や、だぁ! そ、なこと…言わな、あぁんぅ!」
クリクリと無骨な洋司さんの指が、硬くなって主張する乳首にさらに刺激を加えていく。
囁かれる声が熱い吐息と混じって鼓膜を揺らすと、ゾクゾクとした快感が駆け上がってきて自然と身体を捩ってしまった。
それが、もじもじしているように見えたのか、洋司さんの左手が太ももに触れて足の間に差し込まれた。
「待っ! んぅ!」
「涼子、力抜いて。いい子だから」
そう言われて、不意に抜けてしまった足に差し込まれていた左手がスルリと移動した。
足の付け根辺りをくすぐるような手つきに、思わずお尻をもじもじさせて逃げ腰になる。
「ゃ…んあぁ」
「ここ、気持ちいい?」
「分か、んゃ…くすぐった、い」
「くすぐったいところは、気持ちよくなる所だ。ほら、こっちは濡れてる」
「ひゃぁ!」
そう言った洋司さんが股の間…ちょうど陰部の部分を覆うように手を当てた。
自分でも湿っているのが分かるほどに、下着が押し付けられると羞恥でさらに身体の熱が増していく。
「涼子、触りたい」
「や、恥ずかし…んぅ」
「はぁ、可愛い過ぎる。本当、余裕ないよ…おじさん」
小声でそういう洋司さんの指が、ゆっくりと上下に下着越しに動く。
ふわふわとした感覚とびくびくと反応してしまう身体に戸惑ってしまう。こんな感覚、一人でしたときにも感じたことはない。
これまで、それなりに年もとって、それなりにそういう事にも興味を持って、相手がいないからせめてもと一人でもしていたわけで。
だけど、そこを弄っていたところで、満たされる感覚もこんなに痺れるような快感も味わった事がない。
それなのに、そこを洋司さんに触られている。
自分で濡れている事が自覚出来るのだから、触っている洋司さんにはバレバレなんだろうな。
鈍る思考と力の抜け切った体を、後ろから分厚い体が包んで支えてくれる。
クチュっと厭らしい水音が下半身から直に耳に触れると、言いようのないゾクゾクと刺激の強い電流が体を流れた。
指先で優しく割れ目を開かれて、ゆっくりと直に指が這うとヌルヌルしている感覚を感じてしまう。
「あっ! あぁっ、んぁあっ!」
下半身と乳首への刺激を断続的に続けられて完全に力の抜けきってしまった体を洋司さんがゆっくりとベッドへ倒した。
「涼子、やっぱり感じやすいな」
「んっ、んぅ…はぁんっ」
上下に動くだけだった指が一点を集中し始めると、入り口付近を指先が出たり入ったりするのが分かった。
慣らすようなそのもどかしい動きに思わずビクリと腰が引けたが、吸い付いたように指は入り口から離れない。
その指が入り口から流れ出る粘液をすくい取って、ゆっくりと中に侵入してくると自分の指とは段違いの圧迫感にヒュッと息を吸って耐えた。
痛みがあったわけではないけれど、男の人の指が自分の指よりも太いという事を実感したのが、自分の体の中だなんて恥ずかし過ぎる。
「やっ、んぅ…だ、めぇ…ふぅんっ」
「…痛くは、なさそうだな。いいよ、感じてて」
ベッドがギシリと軋んだかと思うと、太腿辺りにサラリとした髪の毛の感触に反射的に腰を引いた。
引いたはずの腰は、空いている方の手でガッチリと押さえ付けられ自分の中心に洋司さんの頭が移動している事を自覚して、羞恥にクラクラと目眩さえ覚えた。
「やっ、やだぁ!」
「ん、大丈夫………エロい匂い」
何が大丈夫なのか、その言葉の意味を教えてもらうのは怖すぎる。
カァッと羞恥心に熱くなる身体を、28年間感じたことの無い感触が這うと、体をしならせて甲高い声を上げながら強過ぎる刺激に翻弄された。
・ ◆ ・ ◆ ・ ◆ ・
何度となく、おそらくこれが絶頂だという感覚を味わった。
弾けた後の脱力感を、この短時間で3回ほど経験したまでは覚えている。
が、その後容赦無く攻められてまた腰をビクつかせる…そんな事を何度も何度も体験して、体が溶けてしまったような感じだ。
「…はぁ、もう…無理ぃ…」
「ん、いい子」
何が良かったのか分からないけれど、上半身を起こした洋司さんが服を脱ぎ始めてドキリとした。
程よく引き締まった筋肉が影を作って色っぽい。
彫刻、みたいだ。
「…触ってみるか?」
「へ?」
クタリとしていた私の手を取ってピタリと胸板に手を当てられる。
洋司さんの肌は、しっとり汗で濡れていて熱もあった。筋肉の動く感じと少し早めの鼓動に何故かほっとした。
その手を導くようにスルスルと下げていく洋司さんに、ドギマギする。
「…ぁ、」
綺麗に付いた腹筋の筋を流れて、窪んだ臍から真っ直ぐ下に降ろされる自分の手を目で追った。
布越しに確かな塊を実感して、思わず手を引っ込めてしまいそうになると、洋司さんに強く押さえられてそのままそこへ押し当てられる。
薄い布越しに洋司さんのそれがピクリと手の中で動くと、興味本位で軽く握ってみた。
思っていた以上の硬度と熱量にビックリする。それが、ビクリと震えてまた心なしか質量を増した気がする。
「…怖くない?」
「こ、わくは…ないです」
「良かった。なら、この先続けても良いよな?」
この先と言われて、余計に早くなった動悸を誤魔化したくて生唾を飲み込んだ。
「…多分な、実物はまだ見ない方がいいぞ?」
パンツに手をかけた洋司さんにそう言われて、自分がマジマジと見ていた事に気づいて慌てて横に顔を向けた。
クスクスと笑っている洋司さんがベッドの上でゴソゴソして、カサカサ音を立てる。
知識だけはあるから、今男の人が何をしているかくらいの想像は出来る。出来るけれど、実際を見るにはまだ私の経験値では足りないらしい。
体の間に洋司さんの肌が触れたと思ったら、ヌルヌルと秘部を撫でる物質に体が強張る。
「…すげー濡れてるな」
「ぁ…ん、」
「…涼子、逃げるなよ?」
グッと推し入って来る様な異物感が下半身を襲った。
逃げ腰の私に構わず迫る洋司さんとの距離が、徐々に縮まると痛みはないけれど違和感を覚えてギュッと目を閉じた。
「…はぁ、ヤバイ。涼子、中気持ちー…」
艶っぽい声が上から聞こえて、閉じていた目を開けると、溶けるほどのイケメンに物憂げな表情を浮かべて見つめられていた。
もう、それだけで言いようのない幸福感みたいな物が全身を駆け抜けて、体に力が入る。
「はっ…こら、今そんな締めたら、止められない」
「ゃっ…止め、ないで…」
「っ! くそ、知らないぞ…どうなってもっ」
その後、自分のこの発言が間違いだったと気付いた頃には日付を跨いでいたと思う。
最後に覚えているのは、艶っぽい洋司さんの吐息と時折発せられるくぐもった声くらいだ。
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