煌めく世界のリバティリア

ル・ブラン

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「厄災の始まり」

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 ラターナはその後いわれた通り、大広間に向かった。

「一体何事ですか?」アレンも次いで到着する。

「ラターナ、お前が手にしたその石はな、共鳴石と言ってな、己の強い意志と、人を動かす資質、つまりはな、王としての資質、またはその可能性をこの世界に認められたということだな。だが、それは第一歩である、如何様な使い方もできる。覚えておけ」

「なるほど、私が王と」と不安そうに考える。



「王になるための最低条件よ、ベテラン騎士や、腕利きの傭兵でも持ってるわよ」と言いながらキサリアも広間に入ってくる。

「まぁ、規模も影響力も人によって違うけどね」

「そうです、例えば、陛下なら、大陸全土、キサリア様なら、一団体、村、私ですと、自分とその他数名などですね、一先ずワード獲得おめでとうございます。」とアレンが話す。

「ワード?」とラターナは疑問に思う。



「百聞は一見にしかずだ、よく見ておけ!まずは共鳴石に触れる。私のはこの王冠のこれだ、そして、ワード!オーバーロード」ギルシュがそう言うと、石が一層光を増し、不思議なオーラに包まれる。

「アレン剣を構えろ!」

「あぁ、ハッ」少し慌てて剣を構える。

「行くぞ、覇動砲」とアレンに向かって、手を構え叫ぶと、赤色と青色の大きな光が融合し光線になってアレンに飛んでいく。地面に剣を突き刺しやっとの思いで受け流した。

「と、まぁこんな感じだ!強い思いを実体化させ放ったのだ。使い方も種類も様々だな」

「なに冷静に解説してるんですか!死ぬかと思いましたよ――」というアレンに

「手加減しておるだろう、全力ならこんなもんじゃないぞ、」といい笑いを誘う。

サナーラが呆れて「適当には、片付けなさいね」と言って広間を出ていく。

「んで? ラターナのワードは?」とキサリアが尋ねる。

「え、私はまだ――」と不安そうに答える。「まぁ、すぐにわかるわよ……」と答えてキサリアも広間を去り、その後各自解散した。その後も部屋でずっとワードのことを考え夜が明けた。



 翌朝、珍しく早くに目が覚め城の一階をふらついていた。中庭でアレンが素振りをしているのを見かける。とても真剣な眼差しで、稽古していた。騎士団長になった今でも毎日欠かすことなく、続けているのである。そんなアレンの姿をラターナはしばらく眺めていた。少しするとアレンはラターナに気づき、「姫!こんなところに!」と驚く。

「おはよう、関心ねぇ――」とアレンを褒める。

「いえ、身に余るお言葉です。」と言った後に、「もし、お時間よろしければ久しぶりにお手合わせ願えませんか?」と言う。

「えぇ、いいわよー」と自信気に答える。その後太刀合うが、アレンの完敗であった。

「やはりまだまだ及びませんか、やはり才能ですね、陛下と亡きフィアナ様の娘というだけのことはあります……」と言うアレンに

「そうねぇ、あなたは真っすぐすぎるもの、でもそんなあなたの剣だからこそ、人々は信頼するのだと思うわ」と話しているラターナを見て、「こんな姫を見るのはいつ以来だろう」と心で想いながら言葉を受け止めていた。



 朝食を終えたラターナは足早にまた、エーデル教会に向かった。この日は教会の子供たちと一緒に遊ぶ約束をしていたのである。教会に着き、子供たちを待っていると、「姫様!」とコルンが叫びながら走ってくるのが見える。

その瞬間、中から爆発のようなものすごい大きな音が聞こえ建物の一部が爆砕し、中から頭の上に転輪のような魔方陣を浮かべた四つん這いの大きな魔物が奇声を上げた。コルンも爆砕した瓦礫に埋もれてしまった。

ラターナはこれまでに無いほどに驚き思わず足がすくんだ。

魔物の奇声が体全身に駆け巡り、それはもう恐怖という言葉では到底片付くようなものではなかった。魔物が暴れる中、瓦礫の隙間にコルンが頭から血を流し、下敷きになっているのが目に入る。

苦しそうなコルンを見ると、なぜか、コルンの懸命に働く姿、自身のために犠牲になってでもサナーラやキサリアからかばってくれる姿、こんな時にも関わらず、コルンがくれた愛情を思い浮かべ足は震え動けなくなっていた。

近辺でまいごの女の子の案内を終えたアレンが事態を察知しいち早く駆け付け、ラターナとコルンの状況を把握する。

「噂は聞いていましたが、こんなところにまで――」と驚きつつ、最良策を考える。



アレンは騎士団の到着を待たなければ討伐は難しいと思うが、コルンの現状を見て、もはや一刻の猶予もないと判断し、魔物に剣を振るが、まったく歯が立たず、核となる部分を破壊しなければダメージは入らないことを察する。

「ラターナ姫!コルン様を救うにはもはや我々が共闘するほかありません。どうか助太刀いただけませんか?」と提案するが

「怖くて、怖くて、足が動かないのよ――」と感情的になりラターナが叫ぶ。

「ラターナ様は強いです。今コルンを救えるのは姫しかおりません」というアレンに、

「私は強くなんかないわよ、何かあって、逃げて、大切なものを失って、殻に閉じこもって、また逃げて、その繰り返しなのよ――、私は強くなんかない」



泣きながらそういうラターナにアレンは

「姫様ならやれます、魔物を前に今は逃げていない、確実に成長しているんです。あの時とは違います。ラターナ様ならやれます」アレンがそう説得する中ラターナは一瞬意識を失った。意識が飛ぶ中声がする。そしてあの夢の青年の声がする。

「さぁ、行くんだブレイヴァー」



意識が戻り、ラターナは力強く大きく目を開けた。立ち上がり地面を踏みしめ、剣を抜いた。

「もう誰も私の前から消えさせはしない」と誓う。

アレンも剣を抜き魔物に向かい走る。

剣に埋め込まれた共鳴石に触れ、「ワード!アロンダイト」と叫び、石の光が増し、剣が優しい青色のオーラをまとう。そのオーラはラターナをも包み不思議な力を与える。

「騎士の剣は護りの剣!レーヴァテイン」と叫び斬撃が飛ぶ。魔物は怯み、その隙にコルンを抱きかかえ、走り去り、「あとは頼みます。姫様」という。

「アレン上出来よ――、ワード!ブレイヴァー」と叫ぶラターナに「ブレイヴァーはフィアナ様の……」とアレンはつぶやく。

「もう私は決してにげない、私の目の前で誰一人傷つけさせない!」そう言い、

「運命は私が切り開く、オルタナティブカリバーン」その剣は癒しと勇気を与え、魔物には絶大な威力を見せた。

その姿は、今は亡き母フィアナ・アルトマーレ王妃そのものであった。

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