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朝。シャーベット家の厨房では、侍女たちが昨夜アリスが作ったクッキーを丁寧にラッピングしていた。アリスは仕上がりを最終チェックしながら「ふぁ……」とお馴染みの呼吸をしているが、気分は上々だ。
「いい感じ……これならクライヴさまにお渡しできそうです。手紙も書いたし、一緒に包んでください」
アリスは小さく封をしたメッセージカードを侍女に手渡す。
「クライヴさまへの感謝と、ちょっとしたあいさつ」――アリスなりに恥ずかしさを押し殺して綴った言葉だ。朝に届けるべく、邸の使者が準備を進めている。
「エリック……どうやら結局来なかったですね。朝のうちに顔を合わせてお礼を言いたかったんですけど」
アリスは昨夜取り分けておいたクッキーを見ながら、エリックの姿を探すがどこにもいない。侍女が「今朝早くから訓練に出られて……すぐに戻らないかもしれません」と告げる。
それを聞いたアリスは少し寂しそうな表情を浮かべる。
「そっか……じゃあ、エリックには後で手渡しします。寝るの嫌いなわたしに毎回付き合ってもらってるし、お礼をしたいんです」
侍女は頷き、「そうですね、エリック様もきっと喜ばれるでしょう」と笑うが、アリスは昨日のよそよそしい態度を思い出し、内心不安を拭いきれない。
(何か考え事があるなら話してほしいな……)
そんな思いを抱きつつも、今はクライヴへのクッキーを優先することにする。使者が馬車で公爵家へ向かうのを見送りながら、「無事に届いて喜んでくれますように」と祈るように見つめる。
---
昼前。アリスは屋敷の書斎で父グラントと顔を合わせていた。ディーン子爵の件で騎士団から連絡があり、彼の夜襲事件に関しては「罰金および出入り禁止」という処分が下ることが決まったらしい。
「出入り禁止……つまり、シャーベット家にも公爵家にも近寄れなくなるのかしら?」
「そういうことになる。王宮も協力しているから、そう簡単に暴れはしないだろう。これでひとまず安心できるな」
グラントは深々と息をつき、アリスの肩を軽く叩く。
「お前もよくがんばったな、はっきり断ったおかげで法的にも動きやすかった。ディーンもあれ以上強引に迫ると自らの立場が危ういと悟ったのだろう」
「はい……寝るの嫌いだけど、あのときはちゃんと起きて立ち向かってよかったです」
アリスはやや冗談めかして返す。ディーンの脅威が去ったと確定したわけではないが、少なくとも今はひと段落ついた。グラントも安堵している様子だ。
「さて、お前は公爵家に行ったり、クライヴからの働きかけも増えてるだろう。もし再婚約の話が出てきても、無理に急ぐ必要はないからな。お父様としては、お前の幸せを一番に考えてる」
「ありがとう……わたし、寝るの嫌いで変人だって思われがちだけど、クライヴさまも父様も理解してくれて、嬉しいです」
アリスは父に微笑みかける。まだ結婚自体にはピンと来ないが、自分を受け入れてくれる人々がいることが心強い。
「それにしてもエリックは……。お前がいくら寝るのを嫌いでも、夜中のクッキー作りに毎回付き合うとは大したやつだ」
「うん、エリックには感謝してます。ずっと一緒に育ってきたから、わたしの“寝るの嫌い”にも慣れてるんでしょうね」
グラントは意味ありげに「エリックもただの護衛というわけではないだろう。お前を大事に思っている」と述べるが、アリスは「あ、あはは……」と返事に困る。
(フローレンスと同じようなこと言うんだから……)
父にまで言われるとさすがに意識してしまい、アリスはそそくさと書斎を出る。気持ちを整理できないまま、クライヴとエリックへの感情が絡まり始めていることを改めて感じてしまう。
---
昼下がり。アリスが中庭を散策していると、そこにエリックが戻ってきた。アリスは思わず手を振って「エリック!」と呼ぶが、彼は以前のような反応を見せない。むしろ疲れたように眉をひそめながら近づいてくる。
「……アリス、どうした?」
「どうしたって……お帰りなさいです。わたし、エリックに渡したいものがあって……」
そう言って、アリスは朝に包んでおいたクッキーを取り出す。ハート型と丸型が混ざった詰め合わせで、「ありがとう」のメモが小さく添えられている。
エリックはそれを見て、一瞬目を見開くが、「いいよ、俺は……」と拒もうとする。その態度にアリスはショックを受け、「なんで?」と問い詰めるように目を潤ませる。
「わたし、夜にエリックが付き合ってくれたからこそ、クッキー作り続けられたんだよ? お礼させてほしいです。寝るの嫌いなわたしでも楽しかったから」
「……そう言われると困る。いや、でも、あれは俺の仕事みたいなもので……」
「そんなこと言わないで。わたしが自分の意思で作ってエリックに渡したいんです。迷惑ならごめんなさい」
アリスはしゅんと落ち込んだ表情を浮かべる。エリックは思わず焦り、「いや、迷惑なんかじゃない。ただ……」と言いかけて言葉を切る。結局、アリスの気持ちを受け止めきれない自分が歯がゆいのだ。
エリックは大きく息をついてから、ややそっけなく「分かった、もらう」とだけ言う。アリスはホッとしたように笑顔を返すが、エリックの表情は曇ったままだ。
「でも……そんなに無理しなくてもよかったのに。寝るのが嫌いだから夜中に起きてるのかもしれないが、いつか体を壊すぞ」
「それはエリックが毎回言うことですけど、最近は意外と眠れてるから大丈夫なんですよ。……えへへ、変ですよね。寝るの嫌いで夜更かしするのに、ちょっとずつ眠れるようになって」
アリスは照れくさそうに笑う。エリックはそれを見て心が痛む。クライヴとのやり取りもあるだろうし、彼女が安堵を覚える存在が自分一人ではなくなったことを、理屈では喜ばないといけないが、感情が追いつかない。
クッキーの包みを受け取ったエリックは「ありがとな」とだけつぶやき、言い残して去っていく。アリスはその背中を見送って、しばらく立ち尽くした。
「エリック……どうしちゃったんだろう。寝るの嫌いなわたしがクッキー作りするのは迷惑なのかな」
ぼんやり中庭を見つめながら、アリスはもやもやとした気分を抱える。クライヴへの想いがゆっくり育ちつつある一方で、エリックとの距離が開いていくような寂しさを拭えない。
結局、その日はエリックとまともに会話を交わさないまま夜が更けていった。寝るのが嫌いなアリスが、珍しく早めにベッドに入り、ぐるぐると思い悩む。
(クライヴさまとはうまくいきそうなのに、エリックには拒絶されてる感じ……なんだろう、この胸の苦しさ)
アリスは眠りを嫌いながらも、今夜だけは無性に横になって考え込みたくなった。いつかエリックとのわだかまりを解消できるのか、それともクライヴとの関係を進めることで自然に解決するのか――答えは出ず、夜が深まる。
瞳を閉じながら、エリックとクライヴが頭に浮かんでは消える。寝るのは嫌いなのに、意識が遠のいていくこの感覚が苦しくも心地よい。アリスは薄暗い夢の中で二人の輪郭を求めつつ、静かに朝を待った。
「いい感じ……これならクライヴさまにお渡しできそうです。手紙も書いたし、一緒に包んでください」
アリスは小さく封をしたメッセージカードを侍女に手渡す。
「クライヴさまへの感謝と、ちょっとしたあいさつ」――アリスなりに恥ずかしさを押し殺して綴った言葉だ。朝に届けるべく、邸の使者が準備を進めている。
「エリック……どうやら結局来なかったですね。朝のうちに顔を合わせてお礼を言いたかったんですけど」
アリスは昨夜取り分けておいたクッキーを見ながら、エリックの姿を探すがどこにもいない。侍女が「今朝早くから訓練に出られて……すぐに戻らないかもしれません」と告げる。
それを聞いたアリスは少し寂しそうな表情を浮かべる。
「そっか……じゃあ、エリックには後で手渡しします。寝るの嫌いなわたしに毎回付き合ってもらってるし、お礼をしたいんです」
侍女は頷き、「そうですね、エリック様もきっと喜ばれるでしょう」と笑うが、アリスは昨日のよそよそしい態度を思い出し、内心不安を拭いきれない。
(何か考え事があるなら話してほしいな……)
そんな思いを抱きつつも、今はクライヴへのクッキーを優先することにする。使者が馬車で公爵家へ向かうのを見送りながら、「無事に届いて喜んでくれますように」と祈るように見つめる。
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昼前。アリスは屋敷の書斎で父グラントと顔を合わせていた。ディーン子爵の件で騎士団から連絡があり、彼の夜襲事件に関しては「罰金および出入り禁止」という処分が下ることが決まったらしい。
「出入り禁止……つまり、シャーベット家にも公爵家にも近寄れなくなるのかしら?」
「そういうことになる。王宮も協力しているから、そう簡単に暴れはしないだろう。これでひとまず安心できるな」
グラントは深々と息をつき、アリスの肩を軽く叩く。
「お前もよくがんばったな、はっきり断ったおかげで法的にも動きやすかった。ディーンもあれ以上強引に迫ると自らの立場が危ういと悟ったのだろう」
「はい……寝るの嫌いだけど、あのときはちゃんと起きて立ち向かってよかったです」
アリスはやや冗談めかして返す。ディーンの脅威が去ったと確定したわけではないが、少なくとも今はひと段落ついた。グラントも安堵している様子だ。
「さて、お前は公爵家に行ったり、クライヴからの働きかけも増えてるだろう。もし再婚約の話が出てきても、無理に急ぐ必要はないからな。お父様としては、お前の幸せを一番に考えてる」
「ありがとう……わたし、寝るの嫌いで変人だって思われがちだけど、クライヴさまも父様も理解してくれて、嬉しいです」
アリスは父に微笑みかける。まだ結婚自体にはピンと来ないが、自分を受け入れてくれる人々がいることが心強い。
「それにしてもエリックは……。お前がいくら寝るのを嫌いでも、夜中のクッキー作りに毎回付き合うとは大したやつだ」
「うん、エリックには感謝してます。ずっと一緒に育ってきたから、わたしの“寝るの嫌い”にも慣れてるんでしょうね」
グラントは意味ありげに「エリックもただの護衛というわけではないだろう。お前を大事に思っている」と述べるが、アリスは「あ、あはは……」と返事に困る。
(フローレンスと同じようなこと言うんだから……)
父にまで言われるとさすがに意識してしまい、アリスはそそくさと書斎を出る。気持ちを整理できないまま、クライヴとエリックへの感情が絡まり始めていることを改めて感じてしまう。
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昼下がり。アリスが中庭を散策していると、そこにエリックが戻ってきた。アリスは思わず手を振って「エリック!」と呼ぶが、彼は以前のような反応を見せない。むしろ疲れたように眉をひそめながら近づいてくる。
「……アリス、どうした?」
「どうしたって……お帰りなさいです。わたし、エリックに渡したいものがあって……」
そう言って、アリスは朝に包んでおいたクッキーを取り出す。ハート型と丸型が混ざった詰め合わせで、「ありがとう」のメモが小さく添えられている。
エリックはそれを見て、一瞬目を見開くが、「いいよ、俺は……」と拒もうとする。その態度にアリスはショックを受け、「なんで?」と問い詰めるように目を潤ませる。
「わたし、夜にエリックが付き合ってくれたからこそ、クッキー作り続けられたんだよ? お礼させてほしいです。寝るの嫌いなわたしでも楽しかったから」
「……そう言われると困る。いや、でも、あれは俺の仕事みたいなもので……」
「そんなこと言わないで。わたしが自分の意思で作ってエリックに渡したいんです。迷惑ならごめんなさい」
アリスはしゅんと落ち込んだ表情を浮かべる。エリックは思わず焦り、「いや、迷惑なんかじゃない。ただ……」と言いかけて言葉を切る。結局、アリスの気持ちを受け止めきれない自分が歯がゆいのだ。
エリックは大きく息をついてから、ややそっけなく「分かった、もらう」とだけ言う。アリスはホッとしたように笑顔を返すが、エリックの表情は曇ったままだ。
「でも……そんなに無理しなくてもよかったのに。寝るのが嫌いだから夜中に起きてるのかもしれないが、いつか体を壊すぞ」
「それはエリックが毎回言うことですけど、最近は意外と眠れてるから大丈夫なんですよ。……えへへ、変ですよね。寝るの嫌いで夜更かしするのに、ちょっとずつ眠れるようになって」
アリスは照れくさそうに笑う。エリックはそれを見て心が痛む。クライヴとのやり取りもあるだろうし、彼女が安堵を覚える存在が自分一人ではなくなったことを、理屈では喜ばないといけないが、感情が追いつかない。
クッキーの包みを受け取ったエリックは「ありがとな」とだけつぶやき、言い残して去っていく。アリスはその背中を見送って、しばらく立ち尽くした。
「エリック……どうしちゃったんだろう。寝るの嫌いなわたしがクッキー作りするのは迷惑なのかな」
ぼんやり中庭を見つめながら、アリスはもやもやとした気分を抱える。クライヴへの想いがゆっくり育ちつつある一方で、エリックとの距離が開いていくような寂しさを拭えない。
結局、その日はエリックとまともに会話を交わさないまま夜が更けていった。寝るのが嫌いなアリスが、珍しく早めにベッドに入り、ぐるぐると思い悩む。
(クライヴさまとはうまくいきそうなのに、エリックには拒絶されてる感じ……なんだろう、この胸の苦しさ)
アリスは眠りを嫌いながらも、今夜だけは無性に横になって考え込みたくなった。いつかエリックとのわだかまりを解消できるのか、それともクライヴとの関係を進めることで自然に解決するのか――答えは出ず、夜が深まる。
瞳を閉じながら、エリックとクライヴが頭に浮かんでは消える。寝るのは嫌いなのに、意識が遠のいていくこの感覚が苦しくも心地よい。アリスは薄暗い夢の中で二人の輪郭を求めつつ、静かに朝を待った。
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