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第8章 三年二学期
第238話 スマホの相手は誰?
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サトシが学校から帰ってくると、桜井は携帯で誰かと話し中だった。
いつもなら、玄関を開けるとすぐにおかえりなさいと言って飛んでくるのに、サトシがリビングに入って来ても、桜井は気づかずにスマホで話していた。
(誰と話してるんだろう)
サトシは、わざと桜井の目の前を通ってから自分の部屋に入った。
「あ、うん、うん。わかった。ごめんね。ちょっともう切るわ」
桜井はサトシの帰宅にようやく気付いて電話を切ると、あわててサトシの部屋のドアに向かって言った。
「おかえりなさい。ごめんなさい気づかなくて」
「別にいいよ」
「ご飯できてるから、用意するね」
「ああ、着替えたらそっち行く」
今日の夕飯メニューは、肉じゃがだった。
「「いただきます」」
サトシは肉じゃがを食べて、その旨さに感動した。
「桜井、旨い!」
「そお? よかったわー」
サトシは、学校からの帰り道、父親から電話があったことを話した。
「さっき、うちの父さんから電話があって、両家の顔合わせの件なんだけど」
「ああ、食事会するっていう……?」
「急なんだけど、一週間後になった」
「え? 年末だけど大丈夫なの?」
「逆に年末年始しか、俺が休みがとれないから。それと、年明けて一月に結婚披露宴の打ち合わせをするから、予定を開けとけと言われた。桜井は大丈夫?」
「わたしもお母さんから、年明けには衣装合わせの予約を入れといたって言われたよ」
「なんだか、今年の年末年始はバタバタしそうだな。さっきの電話は、お母さんから?」
「違うよ」
「……友達か。明日から冬休みだからな。友達と遊ぶのもいいだろう。高校生活最後の冬休みだし」
「友達とも言えないかな。それに、わたし冬休みは遊ばない。冬期講習に出るから」
「え? 講習出る必要ないんじゃないの?」
「それを知らなくて、希望出しちゃいましたー」
「そうか、いいけど。じゃ、さっきの電話ってクラスメイト?」
「だから友達じゃないってば」
「あ、わかった。友達じゃないけど、冬期講習に出るといえば、夏梅だな」
「あ、惜しいっ!」
「え、違うの? でも、夏梅は惜しいんだ」
「うん、うん、いい線いってるけどねー」
(いつの間にか、クイズ形式になってるんだが……)
「まあ、誰でもいいよ。白金女子学園は女子校だから、心配しなくて……」
「おっとー!! 正解から離れてしまいましたぁ」
「何、同じ学校の生徒じゃないのか?」
サトシの胸の内は、急にもやもやし始めた。
「まさかと思うけど……、わ、若狭くんとか?」
「ピンポーン! 正解でーす」
(正解かよっ! ちっとも嬉しくないぞ!)
「若狭くんと電話で話すなんて、めずらしいね。どうしたんだ?」
桜井は話の内容を言いかけたが、しばらく考えてからやめた。
「うーーん、……言えない」
「言えないような内容?」
「そうじゃないけど、言っていいのかどうか……ちょっと微妙」
「ますます気になる……けど、まあ、いい」
(言えないといものを、無理やり聞き出すのはよそう。俺は大人だ)
夕食後、のんびりとテレビを観ているサトシの横で、桜井はずっとスマホをいじっていた。
サトシは、食事しているときに桜井が言った若狭との内容が気になってしょうがなかった。
「ねえ、桜井。さっきから誰とやりとりしてる?……浮気じゃないよな」
「へ?」
「さっきからさ、ずっとニヤニヤしてスマホで、なんか入力してるよな」
「そ、そんな……ニヤニヤしてないわよ」
(なぜ否定しない。やはり若狭くんとのメールか)
思わずサトシは桜井を押し倒し馬乗りになった。
「きゃっ!」
「相手は誰だ? 男? 女?」
「い、いいえ、その……」
サトシは、最近仕事で帰りが遅かったことを後悔した。
「余裕がなくて悪かった。でも、桜井のことは誰にも渡したくない!」
桜井はその言葉にキュンとした。
「それって……、やきもちやいてくれてるの?」
「そう思ってくれて構わない」
桜井の瞳がウルウルしはじめた。
(はっ、俺は何をしようとしているんだ。何だこの体勢は……そりゃ、恐いだろ)
「ごめん、取り乱した。驚いたよな」
サトシは桜井から離れると、自分のやったことに恥ずかしくなり、手で顔を覆った。
「先生が心配しているようなことじゃないから……。見ればわかるわ。見ていいよ」
桜井はサトシにスマホを渡した。
「えっ?」
「わたし、お風呂入って来る」
「……見ていいのか?」
桜井は立ち上がると、リビングのドアで立ち止まり、そして振り向いた。
「あ……、スマホのパスコードは……、記念日だからね」
「ん?」
(記念日? 記念日って何の記念日だ? 学校の創立記念日か? いやそれは無い。じゃ、あれか、俺がガーベラの花束と指輪を渡した日……桜井の初チューの日。うううーーん、どっちだぁー。違う、ガーベラの花束と初チューは同じ日じゃないか。でも、あれっていつだったっけ……?)
サトシは悩んだ。
(そもそも、桜井のスマホのパスコードを当てて内容を見ていいのか。いや、パスコードが分からない=記念日がわからない方がマズいのでは……。桜井の言う記念日がわかりませんでしたなんて言ったら、「ほうら、ごらんなさい。記念日がわからない男なんて最低よ。だから若狭くんに乗り換えたのよ。オホホホホ」なんてことに……)
サトシは悪い想像ばかり浮かべながら、ふと壁のカレンダーを見た。
(あ、あれは……、確か一年生二学期の終業式に桜井が欠席したことから始まったんだ。ちょうど二年前か。そうだ、あの日はクリスマスツリーを飾った。クリスマスイブだ。1224! もし、違ったら……別の記念日を思い出すしか……)
サトシは一か八かで1224を入力した。
スマホのロックは解除された。
すると画面は英文だった。
(はぁ? 英文を見てニヤニヤしてたのか、あいつ……意味わかんね)
しかもその内容は、社会問題の小論文だった。
(何? 相手はオンライン授業の栗栖さんか? いや、オンライン授業はもう終わったはず。送信者を見ればわかるはず。ん? 学級委員長だって?……。若狭くんは学級委員長なのか?)
サトシの想像力はここで限界だった。
謎はますます深まるばかりだ。
(この英文……、あまり上手じゃないな。高校生か? 若狭くんで決定か……)
サトシが、メールの英文を読み返していたところに、桜井が戻ってきた。
「お風呂空きましたー。あ、記念日がわかったんだ。さすがサトシ先生! はぅわー! しゅき、しゅき! もぉー好きすぎるぅーー」
桜井は濡れた髪のままでサトシに抱き着いてきた。
「な、な、なんだよ。桜井。髪の毛、ちゃんと乾かせよ」
「大しゅきです、先生。ギュウ―ってしてーん」
(この様子じゃ、浮気じゃなかったって……理解していいのか)
「何、何、甘えたいの? 待て、今ドライヤー持ってくるから」
(うっ、このままギューってしてもいいんだが、俺の自制心がコントロール不能に陥るから……)
サトシは立ち上がってドライヤーを取りに行った。
その後、桜井の髪にドライヤーを当てて乾かしやるサトシだった。
「ちゃんと乾かさないと風邪ひくぞ」
「わかってまーす。……でも、先生にこうしてもらっている時間が超幸せ」
「おいおい、俺は桜井のヘアメイクアシスタントじゃないぞ」
「メール見た?」
「ああ、小論文だった」
「どう思った?」
「どうって……、あまり上手な英語じゃなかったな。残念ながら」
「だよね。夏梅の英作文を添削してあげることにしたの。どこから直せばいいのかなって……」
「な、夏梅? 学級委員長って夏梅のことか」
「そうだよ」
「じゃ、若狭くんと電話してたのは……なぜ?」
「夏梅と若狭くん、付き合っているんだよ。夏梅がK大落ちるかもしれないって不安になっているから、かまってあげなよってアドバイスしてたの」
「え? 夏梅と若狭が付き合って……?」
「うん。サトシ先生は先生だからさ、夏梅の許可なく勝手に教えたらダメかと思って。だから微妙って言ったんだけどなー」
(なんだ、そうだったのか。夏梅に冷たくされて学校に行きたくないって言ってたのに……)
「夏梅と仲直りしたのか。よかったな」
「うん、英作文のコツを教えてって言われたの。で、不安がってたから、若狭くんにアドバイスしてたんだけどね……。まさか、先生がやきもちやくなんて……めっちゃ嬉しいんだけど」
(なんだよ桜井。なんていい子なんだ……可愛いじゃないか)
サトシは後ろから思わずギューっと抱きしめた。
「あっつ! 熱いよ先生、ドライヤーの熱風! 顔に向けないでよ―――!」
「だめー。俺にやきもちやかせたんだから、許さない! でも、これ邪魔だな」
サトシはドライヤーを切った。
いつもなら、玄関を開けるとすぐにおかえりなさいと言って飛んでくるのに、サトシがリビングに入って来ても、桜井は気づかずにスマホで話していた。
(誰と話してるんだろう)
サトシは、わざと桜井の目の前を通ってから自分の部屋に入った。
「あ、うん、うん。わかった。ごめんね。ちょっともう切るわ」
桜井はサトシの帰宅にようやく気付いて電話を切ると、あわててサトシの部屋のドアに向かって言った。
「おかえりなさい。ごめんなさい気づかなくて」
「別にいいよ」
「ご飯できてるから、用意するね」
「ああ、着替えたらそっち行く」
今日の夕飯メニューは、肉じゃがだった。
「「いただきます」」
サトシは肉じゃがを食べて、その旨さに感動した。
「桜井、旨い!」
「そお? よかったわー」
サトシは、学校からの帰り道、父親から電話があったことを話した。
「さっき、うちの父さんから電話があって、両家の顔合わせの件なんだけど」
「ああ、食事会するっていう……?」
「急なんだけど、一週間後になった」
「え? 年末だけど大丈夫なの?」
「逆に年末年始しか、俺が休みがとれないから。それと、年明けて一月に結婚披露宴の打ち合わせをするから、予定を開けとけと言われた。桜井は大丈夫?」
「わたしもお母さんから、年明けには衣装合わせの予約を入れといたって言われたよ」
「なんだか、今年の年末年始はバタバタしそうだな。さっきの電話は、お母さんから?」
「違うよ」
「……友達か。明日から冬休みだからな。友達と遊ぶのもいいだろう。高校生活最後の冬休みだし」
「友達とも言えないかな。それに、わたし冬休みは遊ばない。冬期講習に出るから」
「え? 講習出る必要ないんじゃないの?」
「それを知らなくて、希望出しちゃいましたー」
「そうか、いいけど。じゃ、さっきの電話ってクラスメイト?」
「だから友達じゃないってば」
「あ、わかった。友達じゃないけど、冬期講習に出るといえば、夏梅だな」
「あ、惜しいっ!」
「え、違うの? でも、夏梅は惜しいんだ」
「うん、うん、いい線いってるけどねー」
(いつの間にか、クイズ形式になってるんだが……)
「まあ、誰でもいいよ。白金女子学園は女子校だから、心配しなくて……」
「おっとー!! 正解から離れてしまいましたぁ」
「何、同じ学校の生徒じゃないのか?」
サトシの胸の内は、急にもやもやし始めた。
「まさかと思うけど……、わ、若狭くんとか?」
「ピンポーン! 正解でーす」
(正解かよっ! ちっとも嬉しくないぞ!)
「若狭くんと電話で話すなんて、めずらしいね。どうしたんだ?」
桜井は話の内容を言いかけたが、しばらく考えてからやめた。
「うーーん、……言えない」
「言えないような内容?」
「そうじゃないけど、言っていいのかどうか……ちょっと微妙」
「ますます気になる……けど、まあ、いい」
(言えないといものを、無理やり聞き出すのはよそう。俺は大人だ)
夕食後、のんびりとテレビを観ているサトシの横で、桜井はずっとスマホをいじっていた。
サトシは、食事しているときに桜井が言った若狭との内容が気になってしょうがなかった。
「ねえ、桜井。さっきから誰とやりとりしてる?……浮気じゃないよな」
「へ?」
「さっきからさ、ずっとニヤニヤしてスマホで、なんか入力してるよな」
「そ、そんな……ニヤニヤしてないわよ」
(なぜ否定しない。やはり若狭くんとのメールか)
思わずサトシは桜井を押し倒し馬乗りになった。
「きゃっ!」
「相手は誰だ? 男? 女?」
「い、いいえ、その……」
サトシは、最近仕事で帰りが遅かったことを後悔した。
「余裕がなくて悪かった。でも、桜井のことは誰にも渡したくない!」
桜井はその言葉にキュンとした。
「それって……、やきもちやいてくれてるの?」
「そう思ってくれて構わない」
桜井の瞳がウルウルしはじめた。
(はっ、俺は何をしようとしているんだ。何だこの体勢は……そりゃ、恐いだろ)
「ごめん、取り乱した。驚いたよな」
サトシは桜井から離れると、自分のやったことに恥ずかしくなり、手で顔を覆った。
「先生が心配しているようなことじゃないから……。見ればわかるわ。見ていいよ」
桜井はサトシにスマホを渡した。
「えっ?」
「わたし、お風呂入って来る」
「……見ていいのか?」
桜井は立ち上がると、リビングのドアで立ち止まり、そして振り向いた。
「あ……、スマホのパスコードは……、記念日だからね」
「ん?」
(記念日? 記念日って何の記念日だ? 学校の創立記念日か? いやそれは無い。じゃ、あれか、俺がガーベラの花束と指輪を渡した日……桜井の初チューの日。うううーーん、どっちだぁー。違う、ガーベラの花束と初チューは同じ日じゃないか。でも、あれっていつだったっけ……?)
サトシは悩んだ。
(そもそも、桜井のスマホのパスコードを当てて内容を見ていいのか。いや、パスコードが分からない=記念日がわからない方がマズいのでは……。桜井の言う記念日がわかりませんでしたなんて言ったら、「ほうら、ごらんなさい。記念日がわからない男なんて最低よ。だから若狭くんに乗り換えたのよ。オホホホホ」なんてことに……)
サトシは悪い想像ばかり浮かべながら、ふと壁のカレンダーを見た。
(あ、あれは……、確か一年生二学期の終業式に桜井が欠席したことから始まったんだ。ちょうど二年前か。そうだ、あの日はクリスマスツリーを飾った。クリスマスイブだ。1224! もし、違ったら……別の記念日を思い出すしか……)
サトシは一か八かで1224を入力した。
スマホのロックは解除された。
すると画面は英文だった。
(はぁ? 英文を見てニヤニヤしてたのか、あいつ……意味わかんね)
しかもその内容は、社会問題の小論文だった。
(何? 相手はオンライン授業の栗栖さんか? いや、オンライン授業はもう終わったはず。送信者を見ればわかるはず。ん? 学級委員長だって?……。若狭くんは学級委員長なのか?)
サトシの想像力はここで限界だった。
謎はますます深まるばかりだ。
(この英文……、あまり上手じゃないな。高校生か? 若狭くんで決定か……)
サトシが、メールの英文を読み返していたところに、桜井が戻ってきた。
「お風呂空きましたー。あ、記念日がわかったんだ。さすがサトシ先生! はぅわー! しゅき、しゅき! もぉー好きすぎるぅーー」
桜井は濡れた髪のままでサトシに抱き着いてきた。
「な、な、なんだよ。桜井。髪の毛、ちゃんと乾かせよ」
「大しゅきです、先生。ギュウ―ってしてーん」
(この様子じゃ、浮気じゃなかったって……理解していいのか)
「何、何、甘えたいの? 待て、今ドライヤー持ってくるから」
(うっ、このままギューってしてもいいんだが、俺の自制心がコントロール不能に陥るから……)
サトシは立ち上がってドライヤーを取りに行った。
その後、桜井の髪にドライヤーを当てて乾かしやるサトシだった。
「ちゃんと乾かさないと風邪ひくぞ」
「わかってまーす。……でも、先生にこうしてもらっている時間が超幸せ」
「おいおい、俺は桜井のヘアメイクアシスタントじゃないぞ」
「メール見た?」
「ああ、小論文だった」
「どう思った?」
「どうって……、あまり上手な英語じゃなかったな。残念ながら」
「だよね。夏梅の英作文を添削してあげることにしたの。どこから直せばいいのかなって……」
「な、夏梅? 学級委員長って夏梅のことか」
「そうだよ」
「じゃ、若狭くんと電話してたのは……なぜ?」
「夏梅と若狭くん、付き合っているんだよ。夏梅がK大落ちるかもしれないって不安になっているから、かまってあげなよってアドバイスしてたの」
「え? 夏梅と若狭が付き合って……?」
「うん。サトシ先生は先生だからさ、夏梅の許可なく勝手に教えたらダメかと思って。だから微妙って言ったんだけどなー」
(なんだ、そうだったのか。夏梅に冷たくされて学校に行きたくないって言ってたのに……)
「夏梅と仲直りしたのか。よかったな」
「うん、英作文のコツを教えてって言われたの。で、不安がってたから、若狭くんにアドバイスしてたんだけどね……。まさか、先生がやきもちやくなんて……めっちゃ嬉しいんだけど」
(なんだよ桜井。なんていい子なんだ……可愛いじゃないか)
サトシは後ろから思わずギューっと抱きしめた。
「あっつ! 熱いよ先生、ドライヤーの熱風! 顔に向けないでよ―――!」
「だめー。俺にやきもちやかせたんだから、許さない! でも、これ邪魔だな」
サトシはドライヤーを切った。
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