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ふたりの愛憎編
07.奪われた ──陽介 ※R18
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物心がつく前に両親が離婚して、それぞれが一人ずつ子どもを引き取ることになった。耳にタコができるほど何度も聞いた俺の父親による昔話のひとつである。
友達の紹介だとかで知り合った両親は付き合い始めてすぐに結婚して、二人の男の子が生まれてこれまたすぐに離婚した。その子どもの一人が俺だ。
俺を引き取った父親はどこにでもいる平凡な男だったが、別れた妻の面影を俺に求めるようにピアノを習わせた。彼女はヨーロッパ各地を飛び回るピアニストだったのである。
「おまえ、東城陽介?」
月島秋人とはじめて目が合った瞬間のことはいまでも忘れない。
隠そうともしない焦燥感がその瞳に滲んでいて、本気で俺のことが気に食わないんだろうなと伝わってきた。
光を含んだ亜麻色の髪、ピアノの白鍵と似た色の肌。写真や動画なんかで見る彼よりも少し幼く見えたけれど、どう贔屓目に考えても初対面の人間に向けるような顔をしていなくて笑いそうになってしまった。愛想がよくないとは聞いていたけど、そんな言葉じゃ片付かないほど遠慮なく「負」の感情をぶつけてくる。
「まだ出番じゃない、よね? 確か俺の三人後だったような…」
今回は演奏順が近いなとは思ってたけど、まさか舞台裏で喧嘩を吹っかけてくるとは思わなかった。
すると彼の表情が怪訝そうなものに変わり、なんてわかりやすいんだろうと感心までする。いつも仏頂面で表情がわかりにくいなんて悪口を言っていたのは誰だっただろうか。
──あぁ、これはきっと簡単に堕ちてくるな。そう思いながら彼の髪に触れ、静かに計画をスタートさせたのである。
***
この春、俺たちは高等部に進学する。
「…っぁ…! そ、こ……っ」
いつもなにに対しても無感情な涼しい表情と声音が崩れるこの瞬間が好きだ。
力任せに押さえつけて手首を捻挫でもされたらこっちもいい気持ちにならないので、自分の首に腕を回させてから行為に突入することにしている。最初は遠慮していた彼も、いまでは縋り付くように背中を掴むようにまでなっていた。
「ん……ここ? 気持ちいい?」
「違っ…! あ、…っ…!」
俺が手を動かすたびに月島の身体が震え、威圧感すら感じる凛とした雰囲気が消えてゆく。
快楽と恐怖が混ざった未知の感覚に怯えているのか、はたまた期待をしているのか。おそらくは後者なのだろうけど、最後の一線を越えることができずに必死で理性をつかまえている様が可哀想で可愛かった。
「月島、声我慢しなくてもいいよ。両隣とも今晩は外泊してるって聞いたし」
「ひっ…! や……っぁ、だめ…!」
下着の中にもぐりこませた手で彼の弱い場所を刺激すると、か細い声で抵抗しながら首を振った。
壁の薄い学生寮でセックスの真似事をするなんてどうかしていると思うけど、余裕をなくす月島の顔を見れるなら多少リスクが高いことでも喜んで実行する。
「あぁ、ごめん。もうこんなグッチャグチャになってたのか。早くイかせてあげような」
「うぁっ…! あ、っぁ、も、……っ!!」
月島に"Ich liebe dich(愛してる)"を教わって、力いっぱい抱きしめてキスをしたあの日からもうすぐ三年が経とうとしている。
抱きしめて、キスをして、月島の身体を隅々まで触って。時間をかけて俺なしじゃいられないように依存させてやろうと思っていたけど、取り越し苦労だったらしい。
難攻不落かと思われた孤高の天才は愛に飢えていた。
「月島、大丈夫?」
「ん……」
手の中に吐き出された白濁の欲望を処理しつつ、俺の胸元に頬を擦り付けて甘えてくる月島に声を掛けた。
警戒することを忘れた子猫みたいになってしまった月島は、牙も爪も引っ込めて俺に全てを委ねてくれている。出会ったころの警戒心剥き出しな様はもう思い出せないぐらいだ。
「あのさ……そろそろ月島に言わなきゃいけないことがあるんだけど」
「え…?」
俺の腕の中で微睡んでいた月島の頬を撫でながら顔を上げさせる。涙目になった月島は、髪と同じ色の瞳を潤ませてなにかを期待しているようだった。
友達以上のスキンシップを繰り返しているものの、俺はあの日を最後に「好き」の言葉を口にしていないから。
「俺と月島さ、生き別れの兄弟だったみたい」
「……は?」
その刹那、聞いたこともない低い声が刺さってくる。
「意味わかる? 生き別れの、キョーダイ」
「…っ…? え、っと……あの、ごめん。ちょっと、難しくて……」
瞳が揺れ、まっすぐに俺をとらえていた視線が落ちる。
月島は明らかに混乱していた。そりゃそうだ、いきなりこんなこと言われちゃあな。
「えーっと、そうだな…。ドイツ語、は……ちょっとわかんないな。いやでも、生き別れ……英語だとなんて言うんだろ」
月島はたぶん理解している。たまに動揺した時や咄嗟のリアクションがドイツ語になったりしているけど、それは日本語が出てこないからではないのだ。
母国語は一応日本語のはずだし、会話をしている中で「それってどういう意味?」なんて聞かれたこともないし。だからきっと、全てを理解した上で混乱しているのだ。
「大丈夫、翻訳してくれなくてもわかるよ」
あぁ、この声。久しぶりに聞いたな。
淡々として冷たくて、俺たちが出会った舞台裏みたいな無機質な声だ。
「母親がいっしょってことか…? それとも父親が?」
「どっちもだよ。月島は母親に引き取られて、俺は父親に引き取られた。だから"生き別れの兄弟"」
自分の口元を覆った月島は、なにかしらを早口で呟いてから俯いてしまった。まったく聞き取れなかったから日本語じゃなかったのだろう。
「なん、…っなん、で…? だって、父親はすぐに死んだって…」
「そう聞かされてたってだけだろ? 母さんはよっぽど父さんのこと嫌いだったみたいだな。残念ながらいまも元気に生きてるよ」
顔を上げた月島が、恐怖に染まってしまった瞳で俺を見る。
追い詰めているのは確実に俺なのに、その俺に助けを求めているようでおかしかった。
「だって俺たち、同い年……なのに」
「二卵性の双子なんだってさ。わかる? 二卵性双生児」
「…っ…!? あ、…っ…? zweieiige Zwillinge(二卵性双生児)…?」
ぼそっと呟かれた言葉はやっぱり俺には理解できなかった。相当混乱しているらしい。
でもこれは俺が思っていた通りのシナリオだ。
俺から全てを奪った月島を依存させて、もう手遅れってタイミングで突き放して。俺よりも惨めな思いをさせてやらないと気が済まない。
「俺はずーっと聞かされてたよ、秋人のこと」
はじめて口にする彼のファーストネームは、やはりどこか舌触りが悪い。
月島は、いや、秋人は驚いた顔で俺を凝視した。警戒されているらしい。
「ヨーロッパに双子の弟がいるんだーって。知ってる? うちの両親、年に一回だけ俺たちの写真を送りあってたんだよ。だから俺は秋人の成長をずっと見てた。秋人は写真の存在なんて当然知らなかったと思うけど」
もしも俺の方が母親に引き取られていたなら、ヨーロッパにいたのは俺の方だっただろう。ピアノを習わせてくれたことに関しては父親に感謝しているけど、日本で習い事をするのとヨーロッパを飛び回りながら生の音を聞いて学ぶのとでは全然違う。
英語は同級生の中では人並み以上にできるように努力したけど、ドイツ語なんて挨拶の言葉すら知らない。
全部、全部、秋人に奪われたのだ。
「ずっと羨ましかったんだ、秋人のこと」
両手でそっと秋人の首に触れる。
秋人は動かなかった。まだ俺なんかのことを信頼してくれているらしい。
「……っ好き、って。ずっと言ってくれなかったのは、そういう…」
「うん? あー、うん。そうだな、そうかも。やっぱり好きになれなかった、ごめんな」
もしかしたら情が湧くぐらいのことにはなるかなと思ったけど、そんなに上手くいくわけがなかった。
そうか、と日本語で綺麗に呟いた秋人が自分の首に触れる手を優しく撫でてくる。意図がわからなくてじっと様子を見ていると、泣きそうな顔で無理やり笑顔を作った秋人が首筋に顔を埋めてきた。
「ごめん。俺は愛してるよ、……陽介のこと」
彼にはじめて呼ばれたファーストネームは、いまにも泣きそうに震えていた。
友達の紹介だとかで知り合った両親は付き合い始めてすぐに結婚して、二人の男の子が生まれてこれまたすぐに離婚した。その子どもの一人が俺だ。
俺を引き取った父親はどこにでもいる平凡な男だったが、別れた妻の面影を俺に求めるようにピアノを習わせた。彼女はヨーロッパ各地を飛び回るピアニストだったのである。
「おまえ、東城陽介?」
月島秋人とはじめて目が合った瞬間のことはいまでも忘れない。
隠そうともしない焦燥感がその瞳に滲んでいて、本気で俺のことが気に食わないんだろうなと伝わってきた。
光を含んだ亜麻色の髪、ピアノの白鍵と似た色の肌。写真や動画なんかで見る彼よりも少し幼く見えたけれど、どう贔屓目に考えても初対面の人間に向けるような顔をしていなくて笑いそうになってしまった。愛想がよくないとは聞いていたけど、そんな言葉じゃ片付かないほど遠慮なく「負」の感情をぶつけてくる。
「まだ出番じゃない、よね? 確か俺の三人後だったような…」
今回は演奏順が近いなとは思ってたけど、まさか舞台裏で喧嘩を吹っかけてくるとは思わなかった。
すると彼の表情が怪訝そうなものに変わり、なんてわかりやすいんだろうと感心までする。いつも仏頂面で表情がわかりにくいなんて悪口を言っていたのは誰だっただろうか。
──あぁ、これはきっと簡単に堕ちてくるな。そう思いながら彼の髪に触れ、静かに計画をスタートさせたのである。
***
この春、俺たちは高等部に進学する。
「…っぁ…! そ、こ……っ」
いつもなにに対しても無感情な涼しい表情と声音が崩れるこの瞬間が好きだ。
力任せに押さえつけて手首を捻挫でもされたらこっちもいい気持ちにならないので、自分の首に腕を回させてから行為に突入することにしている。最初は遠慮していた彼も、いまでは縋り付くように背中を掴むようにまでなっていた。
「ん……ここ? 気持ちいい?」
「違っ…! あ、…っ…!」
俺が手を動かすたびに月島の身体が震え、威圧感すら感じる凛とした雰囲気が消えてゆく。
快楽と恐怖が混ざった未知の感覚に怯えているのか、はたまた期待をしているのか。おそらくは後者なのだろうけど、最後の一線を越えることができずに必死で理性をつかまえている様が可哀想で可愛かった。
「月島、声我慢しなくてもいいよ。両隣とも今晩は外泊してるって聞いたし」
「ひっ…! や……っぁ、だめ…!」
下着の中にもぐりこませた手で彼の弱い場所を刺激すると、か細い声で抵抗しながら首を振った。
壁の薄い学生寮でセックスの真似事をするなんてどうかしていると思うけど、余裕をなくす月島の顔を見れるなら多少リスクが高いことでも喜んで実行する。
「あぁ、ごめん。もうこんなグッチャグチャになってたのか。早くイかせてあげような」
「うぁっ…! あ、っぁ、も、……っ!!」
月島に"Ich liebe dich(愛してる)"を教わって、力いっぱい抱きしめてキスをしたあの日からもうすぐ三年が経とうとしている。
抱きしめて、キスをして、月島の身体を隅々まで触って。時間をかけて俺なしじゃいられないように依存させてやろうと思っていたけど、取り越し苦労だったらしい。
難攻不落かと思われた孤高の天才は愛に飢えていた。
「月島、大丈夫?」
「ん……」
手の中に吐き出された白濁の欲望を処理しつつ、俺の胸元に頬を擦り付けて甘えてくる月島に声を掛けた。
警戒することを忘れた子猫みたいになってしまった月島は、牙も爪も引っ込めて俺に全てを委ねてくれている。出会ったころの警戒心剥き出しな様はもう思い出せないぐらいだ。
「あのさ……そろそろ月島に言わなきゃいけないことがあるんだけど」
「え…?」
俺の腕の中で微睡んでいた月島の頬を撫でながら顔を上げさせる。涙目になった月島は、髪と同じ色の瞳を潤ませてなにかを期待しているようだった。
友達以上のスキンシップを繰り返しているものの、俺はあの日を最後に「好き」の言葉を口にしていないから。
「俺と月島さ、生き別れの兄弟だったみたい」
「……は?」
その刹那、聞いたこともない低い声が刺さってくる。
「意味わかる? 生き別れの、キョーダイ」
「…っ…? え、っと……あの、ごめん。ちょっと、難しくて……」
瞳が揺れ、まっすぐに俺をとらえていた視線が落ちる。
月島は明らかに混乱していた。そりゃそうだ、いきなりこんなこと言われちゃあな。
「えーっと、そうだな…。ドイツ語、は……ちょっとわかんないな。いやでも、生き別れ……英語だとなんて言うんだろ」
月島はたぶん理解している。たまに動揺した時や咄嗟のリアクションがドイツ語になったりしているけど、それは日本語が出てこないからではないのだ。
母国語は一応日本語のはずだし、会話をしている中で「それってどういう意味?」なんて聞かれたこともないし。だからきっと、全てを理解した上で混乱しているのだ。
「大丈夫、翻訳してくれなくてもわかるよ」
あぁ、この声。久しぶりに聞いたな。
淡々として冷たくて、俺たちが出会った舞台裏みたいな無機質な声だ。
「母親がいっしょってことか…? それとも父親が?」
「どっちもだよ。月島は母親に引き取られて、俺は父親に引き取られた。だから"生き別れの兄弟"」
自分の口元を覆った月島は、なにかしらを早口で呟いてから俯いてしまった。まったく聞き取れなかったから日本語じゃなかったのだろう。
「なん、…っなん、で…? だって、父親はすぐに死んだって…」
「そう聞かされてたってだけだろ? 母さんはよっぽど父さんのこと嫌いだったみたいだな。残念ながらいまも元気に生きてるよ」
顔を上げた月島が、恐怖に染まってしまった瞳で俺を見る。
追い詰めているのは確実に俺なのに、その俺に助けを求めているようでおかしかった。
「だって俺たち、同い年……なのに」
「二卵性の双子なんだってさ。わかる? 二卵性双生児」
「…っ…!? あ、…っ…? zweieiige Zwillinge(二卵性双生児)…?」
ぼそっと呟かれた言葉はやっぱり俺には理解できなかった。相当混乱しているらしい。
でもこれは俺が思っていた通りのシナリオだ。
俺から全てを奪った月島を依存させて、もう手遅れってタイミングで突き放して。俺よりも惨めな思いをさせてやらないと気が済まない。
「俺はずーっと聞かされてたよ、秋人のこと」
はじめて口にする彼のファーストネームは、やはりどこか舌触りが悪い。
月島は、いや、秋人は驚いた顔で俺を凝視した。警戒されているらしい。
「ヨーロッパに双子の弟がいるんだーって。知ってる? うちの両親、年に一回だけ俺たちの写真を送りあってたんだよ。だから俺は秋人の成長をずっと見てた。秋人は写真の存在なんて当然知らなかったと思うけど」
もしも俺の方が母親に引き取られていたなら、ヨーロッパにいたのは俺の方だっただろう。ピアノを習わせてくれたことに関しては父親に感謝しているけど、日本で習い事をするのとヨーロッパを飛び回りながら生の音を聞いて学ぶのとでは全然違う。
英語は同級生の中では人並み以上にできるように努力したけど、ドイツ語なんて挨拶の言葉すら知らない。
全部、全部、秋人に奪われたのだ。
「ずっと羨ましかったんだ、秋人のこと」
両手でそっと秋人の首に触れる。
秋人は動かなかった。まだ俺なんかのことを信頼してくれているらしい。
「……っ好き、って。ずっと言ってくれなかったのは、そういう…」
「うん? あー、うん。そうだな、そうかも。やっぱり好きになれなかった、ごめんな」
もしかしたら情が湧くぐらいのことにはなるかなと思ったけど、そんなに上手くいくわけがなかった。
そうか、と日本語で綺麗に呟いた秋人が自分の首に触れる手を優しく撫でてくる。意図がわからなくてじっと様子を見ていると、泣きそうな顔で無理やり笑顔を作った秋人が首筋に顔を埋めてきた。
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