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「……ちょっと待って。話がおかしいわよ、殿下」
私は、差し出された伝説のティアラを呆然と見つめたまま、声を絞り出した。
周囲は割れんばかりの拍手と「ロニエ様!」「王妃!」「聖女!」という歓声の嵐だ。
「おかしくなどないさ、ロニエ。むしろ、これでも足りないくらいだ」
アレン王子は、私の動揺を「喜びによる震え」とでも解釈したのか、さらに一歩近づいてきた。
そして、全校生徒が見守る中、彼はあろうことかその場に片膝をついたのだ。
「皆、聞いてくれ! 僕は今日、この場所で、一人の女性に誓いを立てたい!」
王子の声が魔法で増幅され、広場中に響き渡る。
ざわついていた生徒たちが、一瞬で静まり返った。
「私は今、ロニエ・エヴァンズという稀有な魂に、心から恋をしている!」
「(……は? 恋? 婚約じゃなくて、恋!?)」
私はあまりの衝撃に、白目を剥きそうになった。
政略結婚としての婚約ならまだしも、この完璧超人が、衆人環視の中で「恋をしている」と宣言したのだ。
「ロニエ。君は僕に、王族としての本当の強さを教えてくれた。飾らない自分、だらしない自分を愛する勇気。そして、足の臭い(疑惑)さえも隠さない誠実さ……!」
「殿下、そこは掘り返さなくていいですわよ! 全生徒が私の足を注目しているじゃないの!」
「君のすべてが愛おしいんだ! 僕は、君をただの妃として迎えるのではない。僕の生涯唯一の、愛する妻として迎えてほしい!」
王子は私の右手をとり、指先に熱いキスを落とした。
「ロニエ・エヴァンズ。僕と、結婚してくれないか。これは命令でも義務でもない。一人の男としての、一生に一度の願いだ」
「嫌ですわ! 私はお昼寝がしたいんです! 王妃なんて激務、耐えられませんわよ!」
私は最後の力を振り絞って拒絶した。
これだけハッキリ「嫌だ」と言えば、さすがの王子も……。
「……ふっ、あははは! 素晴らしい!」
王子は歓喜の声を上げて立ち上がった。
「『激務を心配して僕を気遣う』その優しさ! そして、僕のプロポーズに対しても媚びることなく、自分の『昼寝』という意志を貫くその強さ! やはり、君こそが僕の隣に立つべき唯一の女性だ!」
「(……通じない。私の言葉が、一ミリも届かない……!)」
私は絶望のあまり、視界が白く霞んでいくのを感じた。
周囲からは「ロニエ様、なんてお幸せなの!」「あんなに熱烈な愛の告白、初めて見たわ!」という溜息と拍手が降り注いでいる。
「おめでとうございます、お嬢様。これで、お嬢様の『独身昼寝プラン』は永久に廃案となりましたね」
アンナが、いつの間にか私の隣で、事務的にティアラを受け取りながら告げた。
「……アンナ。私、今すぐここから逃げ出したい……」
「無理ですよ。広場はすでに『ロニエ様親衛隊』によって封鎖されています。お嬢様は、この国の希望なのですから」
私は、王子の眩しすぎる笑顔を正面から受け、ついに意識が遠のくのを防げなかった。
私の婚約破棄への道は、王子の告白によって、なぜか「国を挙げた盛大な結婚行進曲」へと変わってしまったのである。
私は、差し出された伝説のティアラを呆然と見つめたまま、声を絞り出した。
周囲は割れんばかりの拍手と「ロニエ様!」「王妃!」「聖女!」という歓声の嵐だ。
「おかしくなどないさ、ロニエ。むしろ、これでも足りないくらいだ」
アレン王子は、私の動揺を「喜びによる震え」とでも解釈したのか、さらに一歩近づいてきた。
そして、全校生徒が見守る中、彼はあろうことかその場に片膝をついたのだ。
「皆、聞いてくれ! 僕は今日、この場所で、一人の女性に誓いを立てたい!」
王子の声が魔法で増幅され、広場中に響き渡る。
ざわついていた生徒たちが、一瞬で静まり返った。
「私は今、ロニエ・エヴァンズという稀有な魂に、心から恋をしている!」
「(……は? 恋? 婚約じゃなくて、恋!?)」
私はあまりの衝撃に、白目を剥きそうになった。
政略結婚としての婚約ならまだしも、この完璧超人が、衆人環視の中で「恋をしている」と宣言したのだ。
「ロニエ。君は僕に、王族としての本当の強さを教えてくれた。飾らない自分、だらしない自分を愛する勇気。そして、足の臭い(疑惑)さえも隠さない誠実さ……!」
「殿下、そこは掘り返さなくていいですわよ! 全生徒が私の足を注目しているじゃないの!」
「君のすべてが愛おしいんだ! 僕は、君をただの妃として迎えるのではない。僕の生涯唯一の、愛する妻として迎えてほしい!」
王子は私の右手をとり、指先に熱いキスを落とした。
「ロニエ・エヴァンズ。僕と、結婚してくれないか。これは命令でも義務でもない。一人の男としての、一生に一度の願いだ」
「嫌ですわ! 私はお昼寝がしたいんです! 王妃なんて激務、耐えられませんわよ!」
私は最後の力を振り絞って拒絶した。
これだけハッキリ「嫌だ」と言えば、さすがの王子も……。
「……ふっ、あははは! 素晴らしい!」
王子は歓喜の声を上げて立ち上がった。
「『激務を心配して僕を気遣う』その優しさ! そして、僕のプロポーズに対しても媚びることなく、自分の『昼寝』という意志を貫くその強さ! やはり、君こそが僕の隣に立つべき唯一の女性だ!」
「(……通じない。私の言葉が、一ミリも届かない……!)」
私は絶望のあまり、視界が白く霞んでいくのを感じた。
周囲からは「ロニエ様、なんてお幸せなの!」「あんなに熱烈な愛の告白、初めて見たわ!」という溜息と拍手が降り注いでいる。
「おめでとうございます、お嬢様。これで、お嬢様の『独身昼寝プラン』は永久に廃案となりましたね」
アンナが、いつの間にか私の隣で、事務的にティアラを受け取りながら告げた。
「……アンナ。私、今すぐここから逃げ出したい……」
「無理ですよ。広場はすでに『ロニエ様親衛隊』によって封鎖されています。お嬢様は、この国の希望なのですから」
私は、王子の眩しすぎる笑顔を正面から受け、ついに意識が遠のくのを防げなかった。
私の婚約破棄への道は、王子の告白によって、なぜか「国を挙げた盛大な結婚行進曲」へと変わってしまったのである。
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