俺の愉しい学園生活

yumemidori

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王道学園

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「じゃあいいじゃねーかァ!さってと」
そう言いながらカツカツ足音を鳴らしこちらに近づいてくる
逃げたいが生憎後ろは塞がっている
しかも何故か抱き締められるような感じで腹に腕がまわってる
完全に逃げ場を失った!!!!

「ようこそお越しくださいました
青木翔くん改め桃葉珊瑚さん」
!!!?
「我が学園にはあなたのその力が必要です
どうかお力を貸して頂けないでしょうか?」
『え?えぇぇえええ?!』
なんでバレてんのぉおおお?
腐バレどころの騒ぎじゃないよこれ
活動のことまでバレてるよ
は?!え、待ってまってまって
というか、学園に力を貸すとは????

「沙羅さん言葉が足りないです、まずは自己紹介しないとなにがなんだか分かってないみたいですよ」
「おぅ!そうかァ!うっかりしてたァ
副理事の菫野沙羅で主にこの学園からbl本を世間にもこの学園にも配布している
聞いたことない?沙羅双樹って名前」

『え?あ?うそ!あの有名な沙羅双樹さん?!ヤバ!
待って、ファンです、握手して頂けますか?
うわー、すご!え?てか副理事って、、』
「はぁ、先輩この学園のサイト知ってますよね?」
『腐男子に優しいあのサイトだよね、
しかも実在する人物で書いてある最高だよ』
「そうですよ、あの小説書いてるのが学校生徒の中にいてそれを取りまとめてるのがこの人
そして人物の部分を変えて色々改変させて世に出回ってるのが沙羅双樹ってわけ」
「酷いなァそれじゃあパクってるだけみたいじゃん、ちゃんと自分で書いた奴も投稿したりしてるからねェ?」
頷きながら続きを聞きたくて目だけ後ろへと向ける

「はあ勘弁してよ
それで一緒にかかないかってこと」
そういうことか!!
うんうん愉しそうだ
『是非よろしくお願いします』
ピシッと手を沙羅さんに差し出す
「うん、よろしくゥ!」
『で、夾竹くんもお仲間さん?』
「俺は違うからね」
『そうなの?』
「その人俺の叔父さんだから脅されてんの」
『え?』
「ひっでーのォ!叔父さん悲しいシクシク」
「きっも!」
『で、それが素?』
「あーまあそうなります?」
はぁーーーー
一気に緊張の糸が切れて息を吐く

『夾竹くん』
「なんですか?」
『この手離してくれないかな?』
「え、嫌です」
『…え?……なんで?』
「なんとなく?」
え、なんで?
俺腐男子、そういうのは要らないよ

「ありャーじゃそのまま着いて来て」
離してくれそうにもないので引き摺る形で着いていく
先程出てきた扉に戻るみたいだ
どんどんと重くなっていく背後の人
『ちょっと夾竹くん?重いんですけども?!』
ぶすっとむくれたような面で言葉も出してくれない
「アハハ、珊瑚くん頑張ってェ」
その扉を開けると階段が下へと繋がっていた
流石に引き摺りながら階段は無理よ?
チラッと後ろを向いて一段降りてみる

トン
ちゃんと降りてはきてくれるみたいだ
相変わらず手は腹に巻きついて戻そうとしているようにも見えるが
何故こんなにも懐かれてしまったのか
甚だ疑問ではある


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