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王道学園
和解
しおりを挟むはらりと耐えきれなくなって落ちて行く雫へと腕を伸ばす
そこから堰を切ったように流れだす涙に美人は涙を流しても綺麗なのには変わりないんだと不謹慎な事を思う
でもやっぱりなっちゃんに涙は似合わない
記憶の中にある俺が救われていた笑顔を見たい
なっちゃんが本音でぶつかってくれた分だけ俺もぶつけてみる
『俺ねあの時すっごい悲しかったし辛かった
俺が不甲斐ないせいで1人であの連中から逃げなければならない状況を作ってしまったこと
そのせいで俺とは会えなくなったこと
学校も来なくなったよね
それからしばらくして亡くなったって聞いた時は死ぬほど後悔した
それからあの時の俺の心を救ってくれた感謝の言葉を伝えなかったことも、感情を上手く表情や言葉に出来なかった俺に根気強く寄り添ってくれたことも。
なっちゃんがいたからここまでこれたんだと思ってる
だからそうやって裏で救うことが出来てたんなら過去の俺は報われてたんだね
ありがとう
今日ここに来てくれて本音を聞けて嬉しかった
で、もしそれでも納得いかなくて俺に悪いと思うんなら今の立ち位置もあると思うしできる範囲でいいからこれからは避けないでくれるといいんだけど??
ふふっ、そうだなぁ
まずは手始めになんで腐男子になったのか教えてもらおうじゃないか?!』
照れくさくてそれを誤魔化すように最後に茶目っ気タップリの視線を送る
でも本当に良かった
あの時の後悔はなっちゃんの為になってたなら少しはお返し出来てたんじゃないかと思う
少し間が空いて腕を首へとのばし勢いよく飛びついて来たなっちゃんを俺は受け止めきれず転ぶ既のところで手をついた
俺よりも身長があり見た目は細くても引き締まっている体は俺の貧弱な身体ではどうやら支えきれなかったようだ
『なっちゃん重い』
表情は見えないけれどホッとしたような雰囲気に温かい何かを感じた
「ありがとねあっきぃ」
『うん、
応援ありがとうございます!
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