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1.エルビンの再教育(20世紀、東欧某国) 全六回

#2 儀式

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翌朝は早朝と思われる時間に看守に叩き起こされた。
麻の質素な囚人服のような服を渡され、着替えるように言い渡される。

「糞は今のうちにしておけ。でないと後から死ぬほど後悔するぞ」

看守は、蔑むようにエルビンに言った。

意外にも食事は普段食べているような量と内容のものが出され、看守に言われた通り排泄を済ませた頃、昨日の二人の隊員がやってきた。

「出ろ」

隊員達に挟まれて連れて行かれたのはシャワー室だった。
壁から突き出たシャワーヘッドが並ぶ前で、隊員の一人がエルビンに裸になるように命じる。
言われるままに服を脱ぎ全裸になると、看守に連れられて禿げた中年の囚人がやってきた。

「お前は手を頭に組んで立て」

隊員の一人がエルビンに命じ、中年の囚人には無言で顎で指図した。
中年の囚人は頷くと手に持っていた小さなバケツを床に起き、手には床屋で使うような剃刀を握る。

「ヒッ」

鋭利な光を放つ剃刀を目にしてエルビンが小さく悲鳴を放つ。

「動くな。コイツの元の仕事は床屋だ。下手に動くとかえっていくぞ」

エルビンは硬直したように姿勢を保とうとする。
そのエルビンの身体に、中年の囚人がバケツから石鹸を泡立てたものを胸や脇に塗りつけた。
それを剃刀が撫でつけ、体毛をそぎ落としていく。
上半身が終わると、今度は太腿、すねへ泡を塗りつけ、二分とかからず同じように剃り落とした。
やがて、最後に残った股間の部分に泡が塗られると、ブロンドの性毛は残らず取り除かれてしまう。

「嚢と尻もだ。おい、今度は壁に手をついて尻を突き出せ」

隊員の命令にエルビンは慌てて言われた通りの姿勢をとる。
泡にまみれた手が、エルビンの陰嚢と肛穴を撫で回した。

「あっ」

敏感な部位への刺激に思わずエルビンの声が漏れる。
しかし、中年の囚人は構わずに尻の割れ目から陰嚢に剃刀をあてる。
淀みなく作業を終えると、中年の囚人は何事も無かったかのように後ろへ下がった。

「よし、洗い流せ」

隊員の声に、エルビンは蛇口を捻りその身をあまり暖かくないシャワーの湯で洗い流す。
泡が流れ落ちた身体を見ると、元々毛深くは無かった身体が少年のような無毛の状態になっていた。

「仕上げだ。もう一度壁に手をつけ」
「は、はい」

エルビンが再び壁に手をついて尻を突き出すと、背後に隊員の一人が立つ気配がした。
次の瞬間、ぬるりと濡れた硬いものが尻の窄まった部分に押し当てあられ、肛穴を押し広げながら侵入を始める。

「ヒッ」

思わず逃れようとするエルビンの腰を隊員が押さえつける。

「動くな! 力を抜いた方が苦しまずに済む」
「あ、いっ、あっ、あっ」

侵入してくる堅いものは先端から徐々に太くなる構造になっているらしく、エルビンの肛穴をこじ開けるように奥へと進んでいく。

「ヒィ、裂けるっ、裂けます!」
「黙れ」

隊員は手を緩める気配はない。

ああっ、裂ける。

エルビンがそう思った瞬間、一番狭いところを何かが通過し肛穴はズブリとそれを飲み込んだ。

「入ったな。よし、直れ。いいか、これからは排泄する時以外はそれを入れたままにしておけ」
「は……はい」

隊員の命令に頷き肛穴を触れると、そこにはバスタブの栓のようなものが生えていた。
肛穴には圧迫感と微かな疼痛があり、どうやら棒状のものが挿入されていることがわかった。

「部屋に戻るぞ。次のを待て」

独房に戻されたエルビンは力なくベッドに横たわった。

自慰をさせられたり、剃毛やお尻への異物挿入……これはいったい何の教育なんだろうか。

ただ不安だけが残る中、エルビンは答えのない問いを自問し続けた。
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