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Episode6:波間の揺りかご
④
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完全オフィシャルな交際宣言。隣の瑛茉も、崇弥に劣らず真剣な面持ちで月尾を見ている。
正直、遅かれ早かれこうなるのではないかと予想はしていた。親友の勘というやつで。
とはいえ、いざ事実を目の当たりにすると、さすがに驚愕して一瞬発声に窮してしまった。スーッと、深く息を吸う。
「……っ、マ、ジかー……いやそうじゃないかとは思ったけど。……え? マジで? ほんとに? いつから?」
「昨日から。……お前には、いろいろ心配かけたから、ちゃんと言っとかないとと思って」
昨夜、崇弥は瑛茉と相談し、月尾にはふたり揃って報告することに決めた。瑛茉がひとりで先に報告しなかったのは、このためだ。
ふたりにとって月尾は特別な存在。月尾がいなければ出会っていなかったと言っても過言ではないほどに。
「そうか。……うん。そうか」
ふたりからの報告を受けた月尾は、噛みしめるように何度も「そうか」を繰り返した。眩しそうに目を伏せ、静かに喜色を湛える。
崇弥のことを、瑛茉のことを、自分は誰よりも知っている——そう自負する月尾にとって、こんなにも嬉しいことはない。
「瑛茉ちゃん」
改まった態度で、月尾が瑛茉に向き直る。
突如呼ばれ、緊張の糸が限界まで張り詰めた瑛茉の背筋が、ぴっと伸びた。
「こいつってば、ほんと何考えてるかわかりにくいし、意外とワーカホリックだし、自分のことに無頓着な面倒くさいやつだけどさ」
「……おい」
この期に及んで恋人の前で自身のことを腐す月尾に、ドスのきいた低声で崇弥が凄む。だが、いくら崇弥が睨みつけようとも、月尾はどこ吹く風。まったく意に介していない。
そんなふたりを交互に見比べ、おろおろする瑛茉に、「でも」と月尾は続ける。
「瑛茉ちゃんのお父さんとは違うベクトルで、同じくらい瑛茉ちゃんのことを大事にできるやつ、こいつのほかにはいないから。俺が保証する。……俺の親友のこと、よろしくね」
それは、月尾にしか言えない、月尾だからこそ言える言葉だった。
きゅっと唇を結び、力強く頷くことで、瑛茉は月尾の気持ちに応えた。ふたりの関係性に、思わず泣きそうになる。
未来を映じた月尾の眼差しは、まるで春の陽だまりのように柔和であたたかかった。
正直、遅かれ早かれこうなるのではないかと予想はしていた。親友の勘というやつで。
とはいえ、いざ事実を目の当たりにすると、さすがに驚愕して一瞬発声に窮してしまった。スーッと、深く息を吸う。
「……っ、マ、ジかー……いやそうじゃないかとは思ったけど。……え? マジで? ほんとに? いつから?」
「昨日から。……お前には、いろいろ心配かけたから、ちゃんと言っとかないとと思って」
昨夜、崇弥は瑛茉と相談し、月尾にはふたり揃って報告することに決めた。瑛茉がひとりで先に報告しなかったのは、このためだ。
ふたりにとって月尾は特別な存在。月尾がいなければ出会っていなかったと言っても過言ではないほどに。
「そうか。……うん。そうか」
ふたりからの報告を受けた月尾は、噛みしめるように何度も「そうか」を繰り返した。眩しそうに目を伏せ、静かに喜色を湛える。
崇弥のことを、瑛茉のことを、自分は誰よりも知っている——そう自負する月尾にとって、こんなにも嬉しいことはない。
「瑛茉ちゃん」
改まった態度で、月尾が瑛茉に向き直る。
突如呼ばれ、緊張の糸が限界まで張り詰めた瑛茉の背筋が、ぴっと伸びた。
「こいつってば、ほんと何考えてるかわかりにくいし、意外とワーカホリックだし、自分のことに無頓着な面倒くさいやつだけどさ」
「……おい」
この期に及んで恋人の前で自身のことを腐す月尾に、ドスのきいた低声で崇弥が凄む。だが、いくら崇弥が睨みつけようとも、月尾はどこ吹く風。まったく意に介していない。
そんなふたりを交互に見比べ、おろおろする瑛茉に、「でも」と月尾は続ける。
「瑛茉ちゃんのお父さんとは違うベクトルで、同じくらい瑛茉ちゃんのことを大事にできるやつ、こいつのほかにはいないから。俺が保証する。……俺の親友のこと、よろしくね」
それは、月尾にしか言えない、月尾だからこそ言える言葉だった。
きゅっと唇を結び、力強く頷くことで、瑛茉は月尾の気持ちに応えた。ふたりの関係性に、思わず泣きそうになる。
未来を映じた月尾の眼差しは、まるで春の陽だまりのように柔和であたたかかった。
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