甘雨ふりをり

麻田

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第3話



 ずっと眠っていたい微睡みの中から、だんだんと現実に戻される。瞼をあげると遠くにデジタル時計が見える。時刻は昼を過ぎていた。昨晩、秀一と共に過ごす中で発情期にはいり、本人の宣言通り、朝まで泣かされてしまった。その後の記憶はない。たっぷりと秀一の精を注ぎ込まれ、身体は万全。のはず。

「ん…っ」

 ぴく、と身体が甘く痺れる。違和感を抱き目線を下げると綺麗な茶髪がある。へ?と間抜けな声が出ると、彼は目線をこちらに向け、口元を綻ばせた。

「おはよ、なな~」
「陽介、あっん」

 おそらく秀一が着せてくれたのであろうお気に入りの青色のリネンのパジャマを託し上げて、桃色の突起をしゃぶる陽介がいた。両手で、ない胸をやわやわと揉み込まれる。まるで女の子にするかのような愛撫に羞恥で身体がカッと熱くなる。

「よ、すけっ、まだ、大丈夫、だからあっ」

 秀一のボランティアのおかげで、つらい発情期はまだ落ち着いている。わざわざ愛撫をしてもらう必要はまだないのだ。陽介の奉仕の精神に感謝すると同時に遠慮をする。
 その声は聞こえていないのか、陽介は、より一層強く突起を吸い上げた。ちゅぽん、と音がしたと思ったら、わざと上目遣いで僕と目を合わせながら、艶かしくつやつやと濡れる舌がちろちろと突起を弾く。

「や、やだ…はずかし、よ、すけ!」
「ん~?なな、これ、好きでしょ?」
「ひゃ、ああっ、あっん、ん!」

 唇で乳輪をはみながら、唾液と混ぜつつ舌で先端を転がす。じゅるじゅるとはしたない音を大きくたてながら。空いている右胸では、裏返した人差し指と中指で摘まれ、柔らかく弱い先っぽを親指でくすぐるように撫でられる。びりびりとその先端部分から全身に刺激が送られる。つま先をつい、突っぱねてしまう。

「ら、らめ…あっあ…まだ、発情期じゃ、ないのにぃ…」
「そんなことないよ?もう、ななは発情期なんだよ。だから、安心して、俺とた~っくさん、エッチしよ?」

 ね?、と子犬ような愛くるしさで微笑まれる。陽介を少し身を丸めて、僕のオメガの部分に、服越しだが、ゆさゆさとお互いの体が揺れるよう腰を振り、大きくなった彼のアルファを押し付けてくる。何度も繰り返し行われるそれは、まるで挿入されているかのような錯覚をよこし、当惑してしまう。だんだんと、自分の腰も誘うようにゆらめくのがわかる。奥底で、じりじりと火花が散るのを感じた。

「あっ、や、よ、すけ、そこばっか、ぁんっ」
「ん~、いいよね?なな、おっぱい、感じちゃうもんね?」

 散々舐め回され、吸われた尖りは赤く熟れ、やっと開放されたかと思うと、かわいいという呟きと共に、甘い吐息をかけられる。その熱さに尖りが震える気がする。終わりか、と思い、呼吸を整えようとすると、それを見透かしてか、両方を彼の両指で細かく弾かれる。何度もピンピンと、あまりの速さで弾かれる痛みは、もう快楽でしかないように身体に刷り込まれていた。

「ぃやぁあっ!よ、すけ!よ、あっ、ああっ!やら、それ、やっ!」
「なな、こんなにおっぱい敏感で、毎日大変でしょ?もしかして、毎日、制服のシャツで擦れて、いつも、おっぱい勃起してるの?」

 陽介の甘く優しい声で隠微な言葉をささやかれるとたまらなく、奥が締まる。飄々と、毎日過ごす中で、そんな目で自分を見ていたのだろうか。と振り返ると、恥ずかしさよりも甘美な恐怖が身体を支配する。腰が勝手に動き、彼の身体に僕のオスが擦り付けられる。パジャマの上からでもわかるほど、先は濡れている。
 谷間や、陽介が乳首へのいたずらをしながら揉み上げ出来た柔らかい山などに、吸い付く。それは、痕となり、赤い点が僕の胸元に散りばめられる。荒い息遣いと共に、僕の腰の動くは速度を増す。

「よ、すけ、あっ、っ、いっ、く…ぅ!」
「もうイッちゃうの?」

 小首をかしげながら、上目遣いで陽介に問われる。こくこくと何度も頭を縦に振る。どんどん腰の速度も、乳首を弾く指の速度も上がる。

「イっ、く、よ、すけ!イク、イクッ、イクッ!!」
「ななのえっちな早漏おっぱい、イッちゃえ!」

 陽介の卑猥なセリフと共に強く乳首を捻りあげられ、悲鳴と共に精が放たれた。血液が巡るたびに、じんじんと先端が痛むがそれを脳が感じるたびに、軽く何度か吐精されるのもわかった。
 びく、びく、と身体が余韻に浸る中、陽介は唇を軽く吸うと抱きしめてくる。耳裏で深呼吸する吐息にも過剰なほど身体が反応する。

「い~におい…ななは、オトコを寄せ付ける、魔性のオンナノコだ…」

 陽介の執拗な愛撫に、完全に火をつけられてしまったオメガの部分が、また綻ぶ。陽介は相変わらず、布越しに揺さぶる。宙で揺れる爪先を見て、陽介から発せられるオトコの匂いを感じ、焦れる。

「よぉすけ…よ、すけ…早く、早く、しよ?」

 首に両腕を巻きつけた、頬と頬を擦り合わせる。陽介のオスのたまらない匂いが漂ってきて、ますます欲しくなる。そのまま抱き起こされ、陽介の膝の上に座る。

「じゃあ、えっちなななを見ててあげるから、自分で準備して?」
「え?…む、むり…よぉすけ…」
「なななら、出来るよね?」

 早く、奥に入れて欲しいのに。涙ぐみながら言うと、冷たく言い放たれる。いつもの柔和な陽介と違い、眦には欲が焦げそうなくらい焚き付けられているのが見透く。ぎゅぅ、と奥が締まる。
 もたつきながら、べとついたパジャマを脱ぎ捨てる。見逃すことないように、じっと見つめる陽介の眼差しに、自身がふるりと震え、つゆをこぼす。

「よぉすけぇ…っ」
「これ、欲しくないの?」

 恥ずかしくて助けを乞うように呼ぶと、陽介は自身のスラックスから、ぶるりと陰茎を取り出した。む、と陽介の濃いオスの匂いを感じると後孔からだらりと何が垂れるのを感じる。
 陽介によく見えるように後ろにへたりなりながら、足を開く。右手を孔に沿わせ、一本指入れると、こぷり、と白濁が溢れた。

「あっ、ぅ、え?」
「昨日?今日か、たっぷり、秀一に可愛がってもらったんだね?」

 口角は上げて、やらしい声色でつぶやくが、眼差しは相変わらずギラついたままだ。朝まで行われた、目の前の人とは違う人の情事の後をまざまざと感じ、またつゆが溢れる。
 ゆっくりと、二本の指で孔を広げると、とろとろと薄まった白濁がこぼれ落ちる。指をいれ、掻き出すように混ぜる。ぐちゃぐちゃと、まだ、目の前の人には触られてもいないのに、ひどい粘度をもった音が聞こえて、羞恥で身体が震える。

「よ、すけ、も、もっ、ほしぃっ…」
「まだ、残ってるでしょ?」

 も、無理…とぽろぽろと涙が溢れて、嗚咽が出てしまう。陽介は、仕方ないなぁと言って、僕の孔にその長い指を入れる。歓喜に声が漏れる。

「あああっ、よ、すけ、よ、すけぇ…っ」

 指は中で何度も回り、掻き出す。他のアルファがいなくなるように。
 陽介は、掻き出す作業に徹していたが、僕は一度吐精してしまった。それでもお構いなしに陽介は作業を続ける。シーツを固く握りしめて、早くその作業が終わることを祈るばかりだ。

「こんなもんかな…ほら、なな…」

 腰に手が添えられ、ゆっくりと誘導される。固まった足をなんとかくずし、陽介の上に膝立ちになる。バランスをくずし、思わず手を前に出すと、陽介の引き締まった腹筋の上に置く。

「俺の精子、ほしい?」

 ぬるぬると熱いそれが、後ろの狭間を前後になぞる。ぴくん、と身体が震え、こくこくと頷く。

「ななの子宮、俺の赤ちゃんができるように、たっくさん注いであげるね?」

 蕩けそうな甘い笑顔で、とんでもなく卑猥なことを呟く、その危うさに身体がうずき、入口がくぱくぱとおねだりしているのがわかる。
 ずにゅ、と質量の大きなそれを体内に飲み込んでいく。

「ああっ、よ、すけ、あっ、おっ、きぃ…」
「ん、ななの中、熱くて、とろとろで、きゅうきゅうしてくる…」

 俺の赤ちゃんが欲しいんだね、と甘く囁く陽介が、優しく頬を撫でてくる。その優しい腕に縋るように握りしめる。身体は我慢できず、ゆっくりと身体が前後にゆらめく。それに合わせて、ぎし、ぎし、とベットが鳴る。

「あっ、や、やら…こし、とまら、ない…んぅっ、んっ」

 かくかく、と腰を前後に動かす速度はどんどん上がる。その僕を下からじっとりと観察する陽介の目に、さらにどきどきする。乱れ落ちる髪の毛を優しくかきあげ、耳にかける動作にも異常なほど感じてしまう。

「あぅ、あっ、あっ、よ、すけ、んっんぅ」

 刺激が足りなくて、膝に力を入れて、今度は上下の運動に変える。スプリングと相まって、激しく抽送が繰り返される。

「い、いっ、きもち、いっ、あんっ、よ、すけ、は、ぁっ?」
「ん、いい、よ、きもち、いい、ななの、子宮、俺に、キスしてくるの、わかっ、る?」

 また、卑猥な言葉に、腹の奥底がきゅん、と反応してしまう。その瞬間に、陽介の熱い肉棒をより強く感じてしまい、爪先が丸まってしまう。

「そろそろ、ほし、い?」

 するすると艶かしく、太ももを撫でられるとたまらくて、何度も頷く。

「よ、すけ、の、っ、せぇ、し、たっく、さ、んん、あっん、ちょ、らい」

 その言葉を合図に、陽介は僕の腰を掴むと、下から激しく腰を打ち付ける。スポーツ選手らしいスピードとパワーを備えた激しいピストンに僕はずっと電流が身体を駆け巡るのを、悲鳴をあげて耐えるしかなかった。

「ひゃあ、あああっ、よ、す、けぇ、やらぁあっ、ああっ、んんっ、ああっ!」
「なな、っ、ちゃんと、受精、して、ね!」

 子宮口を押し開かれたのと同時に、熱い熱い陽介の精子が勢い流し込まれてくる。その快感に、僕はだらだらと先端から白い粘液を垂れ流した。くて、と身体の力が抜けると、陽介の上にもたれかかった。アルファの長い吐精の間、何度も腰を揺さぶられ、その刺激で、僕の陰茎からはだらだらと白いものを零す。身体はずっと痙攣していて、快感はぐるぐると全身を駆け巡り、発散されることない。

「ななの可愛い子宮、俺の精子、ごくごく飲んでるね。かわいい」

 もっと、飲ませてあげるからね、と、身体をベットに押し付けられ、今度は天井と陽介の満面の笑みが見える。まだ、射精は終わってないのに、奥を混ぜるように大きなアルファが僕を犯し始めた。それと同時に首元のチョーカーをガリ、と噛まれ、それが外れないと、首周りの皮膚をがぶがぶと噛まれる。その痛みですら、彼の欲を感じ、身体が震える。

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