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第一章 始まり
8話 異変
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買い物を終え、ある程度市場を回ったところで代官邸まで戻った。何事もなかったことに、肩の荷を下ろせるとそう思った時、シアリィルドは異常を察知した。思わず動きを止める。
「っ!?」
「ん、どうしたシア?」
外に張った結界が反応しているのだ。近くに禍々しい気配を纏った何かがいる。しかし、距離があるためかそれが何なのかはわからない。知るためには、もっと近くに行かなければならないだろう。
「ジーク」
「何か視えたのか?」
「いや……距離がある。そこまで広げてはいない」
「そうか……行く、か」
付き合いの長いジークランスだ。シアリィルドが何を感じたのか、言われずとも理解していた。シアリィルドが答える前に、ジークランスは人を呼ぶ。直ぐにランドルフ公を始めとして、ケイオスらシアリィルドの部下たちも姿を見せた。
「ここの警護と私の護衛に数人いればいい。あとはシア、お前が連れて行け」
「わかった」
状況がわかっているのはジークランスとシアリィルドのみだ。一体何の話をしているのかわからず、訝しげに視線を寄せる部下たちへ指示をだすため、シアリィルドは一歩前に出る。
「街の外の様子を見てくる、ケイオス」
「はっ」
「ルドルフ班を残す。殿下とランドルフ卿は任せる」
「承知しました」
いつもなら丁寧である口調ではない。ここにおける上官はシアリィルドだと示すためだが、気を遣っている状況ではないのが一番理由だ。部隊の中では当然のことであり、戸惑う者はいなかった。
部隊の中には班分けがされており、突然何かが起こった時もスムーズに動けるようにしている。一班は大体5、6人で構成されていた。今回の視察では3つの班を連れてきている。ということは、10人ほどがシアリィルドと一緒に来るということだ。
残ることを指示したルドルフ・ジェーン率いる一班に視線を向けると、承諾の意を示す騎士礼をとっている。
シアリィルドが部隊長となる前から護衛部隊に所属しており、ジークランスも良く知っているのがルドルフだ。護衛として傍に置くならば適任だろう。残る二班も役割に異論はないようだ。
「直ぐに出る」
「「はっ」」
ジークランスへ向き直り、騎士礼をとれば頷きが返ってくる。そのままケイオスらに見送られ、シアリィルドは屋敷を出た。
全員が外に出たのを確認し、シアリィルドは駆け出す。歩いていく時間が惜しいからだ。屋敷は街の中央に位置しており、街の外までは距離がある。こうしている間も、何かが近づいてきていた。それは、先程よりももっと強く感じる。後ろから部下たちがついてきていることを気配でわかっているため、振り返る必要はない。何よりも早くたどり着くのが先だ。
数分後、門が見えてきた。街は外壁に覆われており全部で4か所の門がある。そのうちの一つであり、シアリィルドたちがこの街に入ってきたときの門だった。多くの人が集まっている。警護隊もいるようだが、そうでない人たちもいるようにみえる。服装からして商人だろう。その一人が警護隊員に詰め寄っていた。
「お、お願いしますっあそこに、まだ荷が、人がいるんです」
「申し訳ないが……我々はここを護るのが任務で、外に出ることは」
「見捨てるというのですかっ」
「そ、れは……」
話の内容からして、商人は襲われて、必死に逃げてきたというところか。助けを求めるために。しかし、街の警護隊員は取り合わない、と。今にも門を閉めようと各人が動いているのを確認する。
「隊長、門が……」
「警護隊は街を護るのが第一。当然の行為だ」
「それは、そうですが……」
部下も納得出来ないのだろうが、決まりは決まりだ。警護隊とは、街の治安を維持するために存在している。国軍とは違い、組織は街に依存する。外敵を対処するよりも、街を護ることを最優先するのだ。そのため、彼らが今取っている行動は当然のものであり、見捨てる選択をしたとしても責めることは出来ない。あくまで彼らは職務を忠実にこなしているだけなのだから。
シアリィルドは揉めている彼らに近寄る。
「取り込み中のところ申し訳ない。外の様子を確認させてもらいたいのだが?我々を門の外に出してから、門は閉じてもらって構わない」
「え? えっと」
突然割り込んできた存在に、相手はどうするべきかわからず、商人とシアリィルドを見比べている。どちらの対応をするべきか、判断に困っているというところだ。仕方ないだろう。シアリィルドは、コートに隠れていた剣を、柄が見えるように持ち上げた。
「このような格好で失礼する。私は、王国軍第一師団の部隊長のファルシース」
「ファルシース……?」
今のシアリィルドの服装は、軍服ではない。ジークランスとともに市場へ行った時の格好のままだ。だから、家名を伝えた。それが手っ取り早いからだ。
シアリィルドの服装からして軍人には見えなかったのか、目の前の警護隊員は顔色を青くさせ、更に困惑する。
柄には公爵家の紋章が彫られている。警護隊に所属しているのならば、知らない筈はなかった。
「ファ……ファルシース公爵家の方、ですよね?」
「……あぁ」
「し、失礼しました!ですが、今、外壁の外には、森から魔物達が押し寄せてきてるのです!公爵家の若様をそんなところに行かせるわけにはっ」
「問題ない」
「そ、それは……えっと」
「では、ここの責任者に会わせてほしい?」
目を泳がせていることから、警護隊の中でもそれほど権限は持っていない人物なのだろう。想定外の対応は出来ないようだ。ならば、隊長クラスと話をする必要がある。
だが、シアリィルドが探すまでもなくそれはやってきた。ガタイのいい大男が歩いてくる。パッとみた感じから、実力者であることは直ぐにわかった。
「俺が隊長のインギス・カーウェスだ。ファルシース公子」
「……シアリィルド・ヴァル・フォン・ファルシースだ」
名乗られたのなら、こちらも告げるのが礼儀だ。当に知っている名前だろうと。案の定、知っていると言う風にインギスは口元に笑みを見せた。
「護衛の隊長自ら騒ぎの確認か……まぁいい。それで、公子殿は外に出たいということのようだが、出たらあんたの安全は保証できねぇぜ?それでもいいのか?」
「管轄外の出来事だ。警護隊に責任はない。それよりーっ!」
シアリィルドは外壁の外へと顔を向けた。その瞬間、人の悲鳴が届く。
「きゃぁぁぁ!」
「た、助けてくれー!来るなっ!」
良く耳を済まさなければ聞こえないが、確かに届いた。同時に、禍々しい気配も増えている。
「公子殿、どうしっ!」
「話をしている時間はない。俺たちが外に出る。まずは、中の安全を確保を頼む」
「わ、わかっている!」
「行くぞ!」
「「は、はいっ」」
インギスも状況はわかったようだ。これ以上待つことは出来ない。シアリィルドは部下らに告げると、そのまま警護隊員らが止めるのを振り切って門の外へと出ていった。
「っ!?」
「ん、どうしたシア?」
外に張った結界が反応しているのだ。近くに禍々しい気配を纏った何かがいる。しかし、距離があるためかそれが何なのかはわからない。知るためには、もっと近くに行かなければならないだろう。
「ジーク」
「何か視えたのか?」
「いや……距離がある。そこまで広げてはいない」
「そうか……行く、か」
付き合いの長いジークランスだ。シアリィルドが何を感じたのか、言われずとも理解していた。シアリィルドが答える前に、ジークランスは人を呼ぶ。直ぐにランドルフ公を始めとして、ケイオスらシアリィルドの部下たちも姿を見せた。
「ここの警護と私の護衛に数人いればいい。あとはシア、お前が連れて行け」
「わかった」
状況がわかっているのはジークランスとシアリィルドのみだ。一体何の話をしているのかわからず、訝しげに視線を寄せる部下たちへ指示をだすため、シアリィルドは一歩前に出る。
「街の外の様子を見てくる、ケイオス」
「はっ」
「ルドルフ班を残す。殿下とランドルフ卿は任せる」
「承知しました」
いつもなら丁寧である口調ではない。ここにおける上官はシアリィルドだと示すためだが、気を遣っている状況ではないのが一番理由だ。部隊の中では当然のことであり、戸惑う者はいなかった。
部隊の中には班分けがされており、突然何かが起こった時もスムーズに動けるようにしている。一班は大体5、6人で構成されていた。今回の視察では3つの班を連れてきている。ということは、10人ほどがシアリィルドと一緒に来るということだ。
残ることを指示したルドルフ・ジェーン率いる一班に視線を向けると、承諾の意を示す騎士礼をとっている。
シアリィルドが部隊長となる前から護衛部隊に所属しており、ジークランスも良く知っているのがルドルフだ。護衛として傍に置くならば適任だろう。残る二班も役割に異論はないようだ。
「直ぐに出る」
「「はっ」」
ジークランスへ向き直り、騎士礼をとれば頷きが返ってくる。そのままケイオスらに見送られ、シアリィルドは屋敷を出た。
全員が外に出たのを確認し、シアリィルドは駆け出す。歩いていく時間が惜しいからだ。屋敷は街の中央に位置しており、街の外までは距離がある。こうしている間も、何かが近づいてきていた。それは、先程よりももっと強く感じる。後ろから部下たちがついてきていることを気配でわかっているため、振り返る必要はない。何よりも早くたどり着くのが先だ。
数分後、門が見えてきた。街は外壁に覆われており全部で4か所の門がある。そのうちの一つであり、シアリィルドたちがこの街に入ってきたときの門だった。多くの人が集まっている。警護隊もいるようだが、そうでない人たちもいるようにみえる。服装からして商人だろう。その一人が警護隊員に詰め寄っていた。
「お、お願いしますっあそこに、まだ荷が、人がいるんです」
「申し訳ないが……我々はここを護るのが任務で、外に出ることは」
「見捨てるというのですかっ」
「そ、れは……」
話の内容からして、商人は襲われて、必死に逃げてきたというところか。助けを求めるために。しかし、街の警護隊員は取り合わない、と。今にも門を閉めようと各人が動いているのを確認する。
「隊長、門が……」
「警護隊は街を護るのが第一。当然の行為だ」
「それは、そうですが……」
部下も納得出来ないのだろうが、決まりは決まりだ。警護隊とは、街の治安を維持するために存在している。国軍とは違い、組織は街に依存する。外敵を対処するよりも、街を護ることを最優先するのだ。そのため、彼らが今取っている行動は当然のものであり、見捨てる選択をしたとしても責めることは出来ない。あくまで彼らは職務を忠実にこなしているだけなのだから。
シアリィルドは揉めている彼らに近寄る。
「取り込み中のところ申し訳ない。外の様子を確認させてもらいたいのだが?我々を門の外に出してから、門は閉じてもらって構わない」
「え? えっと」
突然割り込んできた存在に、相手はどうするべきかわからず、商人とシアリィルドを見比べている。どちらの対応をするべきか、判断に困っているというところだ。仕方ないだろう。シアリィルドは、コートに隠れていた剣を、柄が見えるように持ち上げた。
「このような格好で失礼する。私は、王国軍第一師団の部隊長のファルシース」
「ファルシース……?」
今のシアリィルドの服装は、軍服ではない。ジークランスとともに市場へ行った時の格好のままだ。だから、家名を伝えた。それが手っ取り早いからだ。
シアリィルドの服装からして軍人には見えなかったのか、目の前の警護隊員は顔色を青くさせ、更に困惑する。
柄には公爵家の紋章が彫られている。警護隊に所属しているのならば、知らない筈はなかった。
「ファ……ファルシース公爵家の方、ですよね?」
「……あぁ」
「し、失礼しました!ですが、今、外壁の外には、森から魔物達が押し寄せてきてるのです!公爵家の若様をそんなところに行かせるわけにはっ」
「問題ない」
「そ、それは……えっと」
「では、ここの責任者に会わせてほしい?」
目を泳がせていることから、警護隊の中でもそれほど権限は持っていない人物なのだろう。想定外の対応は出来ないようだ。ならば、隊長クラスと話をする必要がある。
だが、シアリィルドが探すまでもなくそれはやってきた。ガタイのいい大男が歩いてくる。パッとみた感じから、実力者であることは直ぐにわかった。
「俺が隊長のインギス・カーウェスだ。ファルシース公子」
「……シアリィルド・ヴァル・フォン・ファルシースだ」
名乗られたのなら、こちらも告げるのが礼儀だ。当に知っている名前だろうと。案の定、知っていると言う風にインギスは口元に笑みを見せた。
「護衛の隊長自ら騒ぎの確認か……まぁいい。それで、公子殿は外に出たいということのようだが、出たらあんたの安全は保証できねぇぜ?それでもいいのか?」
「管轄外の出来事だ。警護隊に責任はない。それよりーっ!」
シアリィルドは外壁の外へと顔を向けた。その瞬間、人の悲鳴が届く。
「きゃぁぁぁ!」
「た、助けてくれー!来るなっ!」
良く耳を済まさなければ聞こえないが、確かに届いた。同時に、禍々しい気配も増えている。
「公子殿、どうしっ!」
「話をしている時間はない。俺たちが外に出る。まずは、中の安全を確保を頼む」
「わ、わかっている!」
「行くぞ!」
「「は、はいっ」」
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