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第四章 魔術研究と改革
50.大樹の手記 九章(閑話)
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九.生態系について
トラスの生態系については地球での常識がそのまま当てはまる。つまり弱肉強食の原理だ。しかし中にはそこから逸脱している生物もいる。そう、魔人と魔族である。本来職を必要としないこの二種族は食われる側でも食う側でもない。
魔人は生態系の中で言えば強者の部類ではあるが、生涯通じて残す子の数は0~2、平均すると女性一人当たりは0.5位であろう。これでは種の存続が危ぶまれるはずなのだが、一人の男性が同時に複数の女性へ種付けを行う習性により大きな問題とはなっていない。
高い社会性を持っていながら一夫多妻制を持つのは珍しいとも言えるが、種族の男女比が1:5程度とかなり女性に偏っていることも関係があるだろう。また、魔人は卵生であり産まれた卵は孵化するまで男性が保護することも大きな要因だと考えられる。無事に生んでしまえば女性への身体的、社会的負担は少ない。
いくつも種付けした男性はいくつもの卵を保護することになるが、産まれた子を母親へ受け渡す際に取り違えをしないのかは興味深いことだ。どうやら母子の間には当人たちしか感じない一種のテレパシーのような物があるらしく間違えることはない。逆に父親は、目の前の子が本当に自分の子なのかどうか確認する術を持たない。
このような習性を持っていた魔人だったが、社会性が高度化するに従い番(つがい)と言う概念が定着することになった。これは人間やエルフから持たされた文化だと思いがちではあるが、実は生物としては低級で社会性を持たない魚類や鳥類等にも存在する概念である。そのためどちらかと言うと外敵へ抵抗するために個より番、さらには集落の形成に至ったと考えるのが妥当である。
ちなみに一夫多妻と言ってもハーレムのように集団生活をするのではなく、男性は種付けに渡り歩いてから産卵を待ち、産まれた卵を持ち帰り孵化するまで保管し、産まれると母親が子供を迎えに来て別々に暮らすのが一般的である。そのため家族単位で言うと母子家庭が圧倒的に多く、父母を含めた親子や夫婦で暮らすことはあまりない。
もう一つ弱肉強食に囚われない種である魔族は、魔人よりは主としての幅が広く、高度な知性や技術を持つガーゴイル族、デーモン族等と、低級魔族であるインプや知性を全く持たない夢魔のような種に分かれる。どれも卵生であることには変わりない。
まずガーゴイル族とデーモン族は番を作り子育てをする事が特徴で、ガーゴイル族は集落を持ち、デーモン族は番のみで暮らすと言う違いがある。通常はどちらも長を頂点とした封建社会を築いているが、長の決めたことに絶対服従等と言うことはなく、気に入らなければその集落や群れを抜けるだけのようだ。
主としては強者の部類であるが、過去には天神信仰者内で流行した、冒険者と名乗る腕に自信を持った愚者達によって頻繁に襲撃を受けていた過去もある。
インプやグレムリンのような知性の低い低級魔族はガーゴイル達からすると魔族ではなく魔物程度の扱いだと言う。しかし身体的特徴や構造からは明らかに魔族であるためここでは近親種として記す。
集団行動をすることが多いがただ単に群れているだけで統率的な行動を取ったり、長を定めたりすることはない。集落のような生活基盤的な集まりではなく、近くにいる者同士と言う程度の群れを形成している。本来食事は必要ないはずだが、凶暴な性格のため近くにいる別種を見境なく襲う習性がある。
夢魔は魔族と言えるか微妙な存在で、種族と言えるかどうかも怪しいが、食事を取らず弱肉強食の原理に入らないことが魔族にほぼ合致するためここへ記す。実態は一定で魔人に近いが、対象の脳波を検知することで好みの容姿へと変化したように魅せることができる。
食事や捕食は必要ないが、魔力とも神力とも異なる生命力そのものを好み、対象に取り付いて吸収する。その行動は一般的にその種の生殖行動と同じ行動を取る。魔人や魔族にはその魅了効果はなく、何の害もない。しかし思考力は持たず生命力を探して彷徨っているだけなので、交易が出来るはずもなく益もない。
経口摂取や捕食等、他の生き物由来で生命維持を行う種において頂点に立つのはドラゴン族である。これに大型の魔物や魔獣、聖獣、獣が続き、獣人族や竜人族、そして人間族やエルフ族、その他もろもろの小動物に昆虫等々や植物へと続く。大抵は大きいものが強く少なく、小さなものは弱く数が多い。
植物は多種多様、おおむね常識的な範囲でそう感じた物はほぼ植物である。食用に適しているもののあるし、毒を持つ種類も多く存在する。
植物よりも小さなもの、細菌についても少し紹介しておく。まず驚くべきことに菌類は存在が確認されていない。もちろんキノコ類も存在していないようだ。これはモノが腐らないことと同現象だと考えられる。魔力の薄い地域で試しても腐敗と言う現象やカビ類の発生は確認できなかった。そのため発酵食品も存在しない。
だが地球で知られている細菌や真菌類ではない種類のバクテリアかなにかは存在しているようで、土中へ埋めた動物の死骸等はいずれ消える。もしかしたら目に見えないサイズの肉食生物がいるのかもしれない。
トラスの生態系については地球での常識がそのまま当てはまる。つまり弱肉強食の原理だ。しかし中にはそこから逸脱している生物もいる。そう、魔人と魔族である。本来職を必要としないこの二種族は食われる側でも食う側でもない。
魔人は生態系の中で言えば強者の部類ではあるが、生涯通じて残す子の数は0~2、平均すると女性一人当たりは0.5位であろう。これでは種の存続が危ぶまれるはずなのだが、一人の男性が同時に複数の女性へ種付けを行う習性により大きな問題とはなっていない。
高い社会性を持っていながら一夫多妻制を持つのは珍しいとも言えるが、種族の男女比が1:5程度とかなり女性に偏っていることも関係があるだろう。また、魔人は卵生であり産まれた卵は孵化するまで男性が保護することも大きな要因だと考えられる。無事に生んでしまえば女性への身体的、社会的負担は少ない。
いくつも種付けした男性はいくつもの卵を保護することになるが、産まれた子を母親へ受け渡す際に取り違えをしないのかは興味深いことだ。どうやら母子の間には当人たちしか感じない一種のテレパシーのような物があるらしく間違えることはない。逆に父親は、目の前の子が本当に自分の子なのかどうか確認する術を持たない。
このような習性を持っていた魔人だったが、社会性が高度化するに従い番(つがい)と言う概念が定着することになった。これは人間やエルフから持たされた文化だと思いがちではあるが、実は生物としては低級で社会性を持たない魚類や鳥類等にも存在する概念である。そのためどちらかと言うと外敵へ抵抗するために個より番、さらには集落の形成に至ったと考えるのが妥当である。
ちなみに一夫多妻と言ってもハーレムのように集団生活をするのではなく、男性は種付けに渡り歩いてから産卵を待ち、産まれた卵を持ち帰り孵化するまで保管し、産まれると母親が子供を迎えに来て別々に暮らすのが一般的である。そのため家族単位で言うと母子家庭が圧倒的に多く、父母を含めた親子や夫婦で暮らすことはあまりない。
もう一つ弱肉強食に囚われない種である魔族は、魔人よりは主としての幅が広く、高度な知性や技術を持つガーゴイル族、デーモン族等と、低級魔族であるインプや知性を全く持たない夢魔のような種に分かれる。どれも卵生であることには変わりない。
まずガーゴイル族とデーモン族は番を作り子育てをする事が特徴で、ガーゴイル族は集落を持ち、デーモン族は番のみで暮らすと言う違いがある。通常はどちらも長を頂点とした封建社会を築いているが、長の決めたことに絶対服従等と言うことはなく、気に入らなければその集落や群れを抜けるだけのようだ。
主としては強者の部類であるが、過去には天神信仰者内で流行した、冒険者と名乗る腕に自信を持った愚者達によって頻繁に襲撃を受けていた過去もある。
インプやグレムリンのような知性の低い低級魔族はガーゴイル達からすると魔族ではなく魔物程度の扱いだと言う。しかし身体的特徴や構造からは明らかに魔族であるためここでは近親種として記す。
集団行動をすることが多いがただ単に群れているだけで統率的な行動を取ったり、長を定めたりすることはない。集落のような生活基盤的な集まりではなく、近くにいる者同士と言う程度の群れを形成している。本来食事は必要ないはずだが、凶暴な性格のため近くにいる別種を見境なく襲う習性がある。
夢魔は魔族と言えるか微妙な存在で、種族と言えるかどうかも怪しいが、食事を取らず弱肉強食の原理に入らないことが魔族にほぼ合致するためここへ記す。実態は一定で魔人に近いが、対象の脳波を検知することで好みの容姿へと変化したように魅せることができる。
食事や捕食は必要ないが、魔力とも神力とも異なる生命力そのものを好み、対象に取り付いて吸収する。その行動は一般的にその種の生殖行動と同じ行動を取る。魔人や魔族にはその魅了効果はなく、何の害もない。しかし思考力は持たず生命力を探して彷徨っているだけなので、交易が出来るはずもなく益もない。
経口摂取や捕食等、他の生き物由来で生命維持を行う種において頂点に立つのはドラゴン族である。これに大型の魔物や魔獣、聖獣、獣が続き、獣人族や竜人族、そして人間族やエルフ族、その他もろもろの小動物に昆虫等々や植物へと続く。大抵は大きいものが強く少なく、小さなものは弱く数が多い。
植物は多種多様、おおむね常識的な範囲でそう感じた物はほぼ植物である。食用に適しているもののあるし、毒を持つ種類も多く存在する。
植物よりも小さなもの、細菌についても少し紹介しておく。まず驚くべきことに菌類は存在が確認されていない。もちろんキノコ類も存在していないようだ。これはモノが腐らないことと同現象だと考えられる。魔力の薄い地域で試しても腐敗と言う現象やカビ類の発生は確認できなかった。そのため発酵食品も存在しない。
だが地球で知られている細菌や真菌類ではない種類のバクテリアかなにかは存在しているようで、土中へ埋めた動物の死骸等はいずれ消える。もしかしたら目に見えないサイズの肉食生物がいるのかもしれない。
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