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第六章 二人だけの革命軍
70.お忍び
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草木も眠る丑三つ時、と言っても時計がないので何時かはわからないが、とにかく深夜にベッドからこっそりと抜け出すと、同じ部屋で寝ているアキ、ノルン、サト、ルアへキスをした。今までありがとう、と声を出さずに伝えると起こさないよう静かに部屋を出る。
厩舎まで行くとすでにグランが待っていてジムジイと話をしていた。どうやら馬が鼻を鳴らした程度で目を覚ましてしまったらしい。
「これからちょっとお忍びで出かけてくるからな。
みんなには内緒にしておいてくれよ?
伯爵と二人で出かけたなんてばれたら冷やかされて敵わねえからよ」
「くくく、男爵殿も隅におけませんな。
お気をつけて行ってらっしゃいませ。
帰り道は腰に力が入らないなんていって落馬せんでくだされよ」
まったく下品な男である。だがそれも男連中の中ではユーモアとして受け入れられるものなので気にはならないし、二度と聞けないと思うと少しさびしくもある。
グランがジムジイの肩をパンっと叩いたあと二人の馬を出してもらった。一頭は盗賊時代から一緒にいるグランの愛馬、もう一頭はグランたちに拾われて間もなくのころ、キャラバンへ連れて行ってもらったときに私用に選んでくれた子馬だ。とはいえ今や大人になってすっかり大きくなった。
「それじゃ行くとするか。
飛ばしていけば二日ほどで着くだろう」
「なんだか馬で駆けるのは久しぶりでワクワクするわ。
ちゃんとついて来てよね」
「何言ってんだ、馬鹿力があっても馬は早く走らねえぜ。
はっ! 行くぞ!」
欠けた月が薄暗く辺りを照らす中、私とグランは王都へ向かって出発した。夜明けまで待っていると他の人たちに感づかれてしまうので深夜の旅立ちである。
屋敷の裏から山道を下っていくと山の中腹ほどで馬が飛び出してきた。まったくどうやって察知したのかわからないが、すんなりと行かせてはくれないらしい。
「頭、お嬢、事情は良く知らねえがおいてけぼりはひでえんじゃねえの?
どうせ行先はアブねえとこなんだろ?」
「そうだよ、頭がこそこそなにか企んでるって兄貴が感づいて良かったよ。
危なく置いてかれるとこだったもんな」
そこには旅支度で馬に乗った凸凹コンビが笑っていた。
「すまねえな、危ないから連れて行かねえってわけじゃねえんだ。
これは俺とポポでカタをつけたいだけなんだよ。
わかったら素直に帰ってくれねえか?」
本当は全然そんな理由ではなく、なるべく多く残していき今後の混乱を治めるために働いてもらいたいだけなのだ。かと言ってそんな言い方もできないのでグランの言い方はちょうどいい塩梅だと思った。
しかし凸凹コンビは食い下がる。そんなきれいごと信じられるわけないと言われるとグランも苦しそうだ。仕方がないので私が二人へ説明すると言ってグランの前へ出た。
「あのね、決してあなた達を見捨てるつもりじゃないわ。
二人でどこかいいところへ行くつもりでもないしね。
だけど今回はなにも聞かずに二人で行かせてほしいの」
「一体何があったんだってのさ。
まさか駆け落ちでもするのか!?
こないだぶちゅーってしてた仲なんだからそんな必要ないのに?」
「もう! そんなことは今関係ないの!
いいから帰って大人しくしてなさいよ!
言うこと聞かないなら――」
「わかったわかった! だから殴らねえでくれよ。
せめて理由を教えてくれてもいいだろ?」
グランを見るとため息をついて肩をすくめた。なんといってもグランとこの二人は子供のころからの付き合いなのだ。それを私の勝手で奪うのも心が咎めるのでしぶしぶと説明を始めた。
「するってえと二人で王様を討つと?
そりゃ馬鹿げてる話だな、
そんなとんでもねえことお嬢にしかできねえよ。
頭が行っても足手まといじゃねえのか?」
「じゃあこいつ一人で行かせるって言うのか?
誰かついていくなら俺しかねえだろうが」
「まあそりゃそうだな。
そんでその後はどうするんだよ。
やるのはいいけどその後が問題だろ?」
「そうだな、それは終わった後に考えるさ。
今までだって行き当たりばったりでやってきたんだ、これからも出来るに違いねえぜ」
「じゃあさ、次になにかはじめる前には迎えに来てくれよ。
このままいつまでも騎士やってるわけにもいかねえだろ。
今も十分楽しいけどちょっとかしこまってなきゃいけねえのは窮屈だぜ」
「それにたまには街へ遊びに行きてえし、だろ?」
「だからあなた達が頑張って街を作るのよ。
今はまだ村だけど、だんだん豊かになってるでしょ?
そのまま続けて行けばきっといい村に、やがて大きな街にも出来るわよ
例えば村をキレイにして旅人向けの宿を作れば人の往来が増えて栄えるわ」
「なるほどなあ、俺には考え付かねえからやっぱお嬢がいなきゃダメだな。
だから帰ってくるの待ってるぜ」
「わかったわ、ちゃんと大人しく待っててね。
帰ってくるまでみんなのことよろしく頼むわよ。
特にチビちゃんたちは寂しがるでしょうから。
私が小さいころ面倒見てくれたみたいにかわいがってよね」
「まかしとけって、こう見えても俺は面倒見がいいんだ。
なんてったって頭が子供の頃に夜泣きすると俺があやしてたんだぜ?」
「まあ、それは初耳、いいこと聞いちゃったわ。
グランたら意外と甘えん坊さんなのね」
「こら凸! 余計なこと言うんじゃねえよ。
そんな何十年も前のことよく覚えてやがるな」
「頭の頭も言ってたじゃねえか。
恩は忘れられても恨みは忘れてもらえねえって。
自分で覚えておかねえと頭に忘れられそうだからしっかり覚えておいたんだ」
「そんなに記憶力がいいならポポが言ったことも覚えてられるだろ。
言われた通り村の発展のために頑張って働かねえといけねえな」
「訓練と見回りばかりよりはおもしろそうだな。
頭とお嬢が戻ってくるまでにビックリするほどの街にしてやらあ」
「期待してるわね。
じゃあそろそろ行くわ、みんなには内緒よ?」
なんとも勘のいい凸凹コンビを説得し私たちは再び走り始めた。夜中に出発した甲斐あってその日のうちに旧トーラス領を抜けることが出来た。順調に行けば明日の夜には王都までつけそうだ。
「今日はここらで野宿にするか。
それで王都まで行った後どうするんだ?
まさか何も考えず城へ殴り込みってわけにはいかないだろ?」
「せめて王都の民には今回のことを知ってもらいたいわね。
だからまず演説でもしようと思ってるわ」
「そんなことしてあの皇子や王国軍が黙ってるとは思えないがな」
「そうよね、だからきっと簡単に中へ入れてくれるわよ。
その後は――」
私はにやりと笑ってからグランへ計画を話しはじめた。
厩舎まで行くとすでにグランが待っていてジムジイと話をしていた。どうやら馬が鼻を鳴らした程度で目を覚ましてしまったらしい。
「これからちょっとお忍びで出かけてくるからな。
みんなには内緒にしておいてくれよ?
伯爵と二人で出かけたなんてばれたら冷やかされて敵わねえからよ」
「くくく、男爵殿も隅におけませんな。
お気をつけて行ってらっしゃいませ。
帰り道は腰に力が入らないなんていって落馬せんでくだされよ」
まったく下品な男である。だがそれも男連中の中ではユーモアとして受け入れられるものなので気にはならないし、二度と聞けないと思うと少しさびしくもある。
グランがジムジイの肩をパンっと叩いたあと二人の馬を出してもらった。一頭は盗賊時代から一緒にいるグランの愛馬、もう一頭はグランたちに拾われて間もなくのころ、キャラバンへ連れて行ってもらったときに私用に選んでくれた子馬だ。とはいえ今や大人になってすっかり大きくなった。
「それじゃ行くとするか。
飛ばしていけば二日ほどで着くだろう」
「なんだか馬で駆けるのは久しぶりでワクワクするわ。
ちゃんとついて来てよね」
「何言ってんだ、馬鹿力があっても馬は早く走らねえぜ。
はっ! 行くぞ!」
欠けた月が薄暗く辺りを照らす中、私とグランは王都へ向かって出発した。夜明けまで待っていると他の人たちに感づかれてしまうので深夜の旅立ちである。
屋敷の裏から山道を下っていくと山の中腹ほどで馬が飛び出してきた。まったくどうやって察知したのかわからないが、すんなりと行かせてはくれないらしい。
「頭、お嬢、事情は良く知らねえがおいてけぼりはひでえんじゃねえの?
どうせ行先はアブねえとこなんだろ?」
「そうだよ、頭がこそこそなにか企んでるって兄貴が感づいて良かったよ。
危なく置いてかれるとこだったもんな」
そこには旅支度で馬に乗った凸凹コンビが笑っていた。
「すまねえな、危ないから連れて行かねえってわけじゃねえんだ。
これは俺とポポでカタをつけたいだけなんだよ。
わかったら素直に帰ってくれねえか?」
本当は全然そんな理由ではなく、なるべく多く残していき今後の混乱を治めるために働いてもらいたいだけなのだ。かと言ってそんな言い方もできないのでグランの言い方はちょうどいい塩梅だと思った。
しかし凸凹コンビは食い下がる。そんなきれいごと信じられるわけないと言われるとグランも苦しそうだ。仕方がないので私が二人へ説明すると言ってグランの前へ出た。
「あのね、決してあなた達を見捨てるつもりじゃないわ。
二人でどこかいいところへ行くつもりでもないしね。
だけど今回はなにも聞かずに二人で行かせてほしいの」
「一体何があったんだってのさ。
まさか駆け落ちでもするのか!?
こないだぶちゅーってしてた仲なんだからそんな必要ないのに?」
「もう! そんなことは今関係ないの!
いいから帰って大人しくしてなさいよ!
言うこと聞かないなら――」
「わかったわかった! だから殴らねえでくれよ。
せめて理由を教えてくれてもいいだろ?」
グランを見るとため息をついて肩をすくめた。なんといってもグランとこの二人は子供のころからの付き合いなのだ。それを私の勝手で奪うのも心が咎めるのでしぶしぶと説明を始めた。
「するってえと二人で王様を討つと?
そりゃ馬鹿げてる話だな、
そんなとんでもねえことお嬢にしかできねえよ。
頭が行っても足手まといじゃねえのか?」
「じゃあこいつ一人で行かせるって言うのか?
誰かついていくなら俺しかねえだろうが」
「まあそりゃそうだな。
そんでその後はどうするんだよ。
やるのはいいけどその後が問題だろ?」
「そうだな、それは終わった後に考えるさ。
今までだって行き当たりばったりでやってきたんだ、これからも出来るに違いねえぜ」
「じゃあさ、次になにかはじめる前には迎えに来てくれよ。
このままいつまでも騎士やってるわけにもいかねえだろ。
今も十分楽しいけどちょっとかしこまってなきゃいけねえのは窮屈だぜ」
「それにたまには街へ遊びに行きてえし、だろ?」
「だからあなた達が頑張って街を作るのよ。
今はまだ村だけど、だんだん豊かになってるでしょ?
そのまま続けて行けばきっといい村に、やがて大きな街にも出来るわよ
例えば村をキレイにして旅人向けの宿を作れば人の往来が増えて栄えるわ」
「なるほどなあ、俺には考え付かねえからやっぱお嬢がいなきゃダメだな。
だから帰ってくるの待ってるぜ」
「わかったわ、ちゃんと大人しく待っててね。
帰ってくるまでみんなのことよろしく頼むわよ。
特にチビちゃんたちは寂しがるでしょうから。
私が小さいころ面倒見てくれたみたいにかわいがってよね」
「まかしとけって、こう見えても俺は面倒見がいいんだ。
なんてったって頭が子供の頃に夜泣きすると俺があやしてたんだぜ?」
「まあ、それは初耳、いいこと聞いちゃったわ。
グランたら意外と甘えん坊さんなのね」
「こら凸! 余計なこと言うんじゃねえよ。
そんな何十年も前のことよく覚えてやがるな」
「頭の頭も言ってたじゃねえか。
恩は忘れられても恨みは忘れてもらえねえって。
自分で覚えておかねえと頭に忘れられそうだからしっかり覚えておいたんだ」
「そんなに記憶力がいいならポポが言ったことも覚えてられるだろ。
言われた通り村の発展のために頑張って働かねえといけねえな」
「訓練と見回りばかりよりはおもしろそうだな。
頭とお嬢が戻ってくるまでにビックリするほどの街にしてやらあ」
「期待してるわね。
じゃあそろそろ行くわ、みんなには内緒よ?」
なんとも勘のいい凸凹コンビを説得し私たちは再び走り始めた。夜中に出発した甲斐あってその日のうちに旧トーラス領を抜けることが出来た。順調に行けば明日の夜には王都までつけそうだ。
「今日はここらで野宿にするか。
それで王都まで行った後どうするんだ?
まさか何も考えず城へ殴り込みってわけにはいかないだろ?」
「せめて王都の民には今回のことを知ってもらいたいわね。
だからまず演説でもしようと思ってるわ」
「そんなことしてあの皇子や王国軍が黙ってるとは思えないがな」
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