2 / 3
第???章 番外編
1002.一月三日 午後 大人がちゃんとしているとは限らない
しおりを挟む
夢路と八早月は基本的に自分のやりたいことが最優先、それは電話の向こうで歯ぎしりをしている者にとって覚えのある態度だ。とは言えここで地団駄踏んでいてもメッセージは既読にならず電話は無視されるままなのは明白である。
だがこれでは目的を達することが出来ないため次の手を打つ。
『ジリリリリーン、ジリリリーン』
「もう、今度は家の電話が鳴ってるわ、夢路さん、それじゃまたね。年齢のことはあまり気にしたくないけど、恒例みたいなものだし今年も招待状送るわ。ぜひご家族全員でいらしてね」
『これで今年も私の方が年下になるわね。たった二カ月だけど! それじゃ変なセールスに引っかからないよう気を付けなさいよ? また連絡するわー』
夢路との長電話を終えた八早月は廊下をパタパタと小走りに抜け、鳴りつづける電話から受話器を取った。
『ちょっと八早月ちゃん!? ずっと電話してたでしょ? 藻様に聞いたら終わる気配ないって言うから家に電話したんだからね。どうせ夢ちゃんだと思うけどさ、通話中でもメッセージくらい確認してっていつも言ってるじゃないの!』
「まあまあ綾乃さん、そんなに興奮するとお腹によくないわ。とりあえず落ち着いて、ね? 長電話しすぎたのは悪かったわ。久しぶりだったからつい話が弾んでしまったの。旦那も上の子たちもいなくて暇してたから余計にね」
『それはわかるけどさあ、いっつも電話が長すぎなのよね。ホントおしゃべりが好きなんだから。会合でも半分以上は八早月ちゃんの雑談らしいじゃない。そんな緩い会合なら当主以外が参加したってよくない? 待ってるだけで退屈なこっちの身になって欲しいもんだわ』
妊娠初期で気が立っているのからか、最近の綾乃は本当に凶暴でなんにでも噛みついてくる。先日も真八を使いに出したら『こんな小さい子を山道通るしかないうちまで使いに寄こすなんて虐待みたいなものでしょ!』と怒り心頭で電話がかかってきた。仕方なく旦那に迎えを頼んだが玄関先でこっぴどく説教され、帰ってきたのは二時間後なんてこともあった。
若い頃はのんびり屋で温厚なふんわり柔らかお姉さんと言う雰囲気だった綾乃だが、村での生活の影響なのか元々の素養なのか徐々に気が強くなっていった。八早月の見立てでは旦那が気弱なことと、それを嘆き続けている義理の父の影響と睨んでいる。それでもしっかり者がよりしっかりしたと言うだけのことだ。
根本的な性格が変わったわけでは無いため八早月とは以前と変わらず仲良くやっていたのだが、妊娠してからはまるで別人のようである。結婚してから十年経って初めて出来た子で、高齢出産しかも跡取りが必要とされる旧家の初子、平常心を保つのは難しいのだろう。
だがそれも安定期に入るまでの辛抱だ。八早月自身も最初の双子を身籠った時には精神的に不安定とまでは行かずともかなり気が短くなっており、家の中がピリピリしていたことを思い出す。
その体験を基に考えれば遅くとも五か月目に入るころまでには元通りになることだろう。綾乃がカリカリしているのは似合わないので早く収まって欲しい八早月だった。
『ねえ八早月ちゃん、ちゃんと聞いてるの? 私さっき初めて知ったんだけどハルちゃんが戻って来てるらしいじゃない。なんで教えてくれないのよ! こんな重たくて不自由でなければすぐにでも駆けつけるのになあ』
「えっ!? 美晴さんから連絡があったのですか? 先ほども夢路さんと居場所がわからないと言う話をしていたところなの。それでついつい長電話をしてしまったと言うわけ」
『もう何言ってるのよ、八早月ちゃんも夢ちゃんも酷いんだから! 美晴さんがメッセージ送っても既読にすらならないし、電話かけても出てくれないって言って私のところへ連絡が来たんだからね? 今は実家にいるらしいんだけど会いに行かれないかな?』
「なんと! それなら迎えに行ってもらいましょう。夢路さんも一緒に来てもらって綾乃さんのところで同窓会と洒落込みますか。お料理はこちらで用意しますからご心配なく」
『まさか八早月ちゃんが作るとか言い出さないならお任せするよ。手作りならせめて真八ちゃんにしてよね。でも金井町のお店に注文するんでしょ? それなら安心だわ。飲み物もお願いね、今うちにはペットボトルのお茶くらいしかないの』
「さすがに目の前でお酒を飲むような真似はしないわよ。夢路さんは先ほどすでに飲んでいたけれど…… さすがにこちらで自重させるわ。それより食べるものはどう? さっぱりしたものがいいかしらね」
『そうね、食欲はそれほどないから待っている間にお野菜茹でておくわ。お子ちゃん向けのものも何もないからそのつもりで用意してきてね。夢路さんとこの希望ちゃんだっけ? 今年九遠に入学するんでしょ? お祝い兼ねてもいいかもね』
「そうよ、お祝いの準備を確認しておくのをすっかり忘れていたわ。もう刀身は鍛ち終わっているかしら。早く鞘と柄の飾り紐を編まないとすぐ四月が来てしまうわね」
『その懐刀(懐剣)は私の子供の時も贈ってもらいたんだからずっと元気でいてよね。八早月ちゃんは今でも無茶ばかりだから心配なのよ。すぐ先頭に出たがるってうちの人が言ってたわよ?』
「いろいろ筒抜けで恥ずかしいわね。これでも皆に任せて自重しているつもりなのだけれど、性格的にじっとしていられない性質なのよね。まあ代替わりがまだで高齢になった宿おじさまや中さんもいることだし、ある程度は仕方ないわ」
『そ・れ・で・も・だからね。それに筆頭がそれじゃ周囲が育たないってもんだよ? うちのだっていつまでも甘ちゃんでは困るんだからさ。たまには稽古付けてあげてよ』
「わかったわ、たまには厳しく鍛えてあげた方がいいかもしれないわね。まあ体つきが逞しくなっても性格はなかなか変わらないけれど、あの子の場合はそれが長所でもあるわけでしょ?」
『それはそうなんだけど、誰にでも優しいのはやっぱり釈然としないわ。いや、間違いなくいい人だし優しいことが悪いことじゃないんだけど―― あ、ハルちゃんからメッセージ来ちゃった。その後どうなったかって。もう迎えの車は向かってる?』
「綾乃さんとずっと話していたのだからなにも手配していないわよ? そんな無茶言わないでちょうだい。これから板倉さんへ連絡するから心配しないでね、ではまた後で会いましょう」
八早月はすでに櫛田家の運転手ではなくなっている板倉へと電話をかける。足が必要な時にはとりあえず連絡して聞いてみるのがもう習慣になっているのだ。
『はい、毎度ありがとうございます、九遠観光でございます―― おや、お嬢でしたか、どうしました? ハイヤーですか? バスですか? ―― マイクロね、へえ、わかりやした』
「夢路さんの家は知らないわよね? 住所をメッセージで送るから寄って来ていただけるかしら。その後うちに来てもらってから綾乃さんのところね。それとお料理と飲み物を一緒に、ええ、子供の分もお願いするわ」
『それにしても良かったですねえ。ずっと行方知れずって心配してたご友人が見つかったんですから。今日はきっとあの頃のようにバカ騒ぎですかい?』
「もう大人なんだからそんなことはしないわ。多分、ね。それではお願い、いつもありがとうございます」
次に夢路へ連絡し簡単に説明しようとしたが、電話の向こうからは大泣きする声しか返ってこない。それはそうだろう、夢路にとって美晴は小学生時代からずっと一緒に過ごしてきた幼馴染なのだから。その親友が音信不通になって十数年、ようやく再会のめどが立ったことを素直に喜んでいた。
ただ、そのめでたい連絡を二人の長電話で無視していたことには触れず、あまりの感激で子供を忘れてこないよう念押してから電話を切った。
だがこれでは目的を達することが出来ないため次の手を打つ。
『ジリリリリーン、ジリリリーン』
「もう、今度は家の電話が鳴ってるわ、夢路さん、それじゃまたね。年齢のことはあまり気にしたくないけど、恒例みたいなものだし今年も招待状送るわ。ぜひご家族全員でいらしてね」
『これで今年も私の方が年下になるわね。たった二カ月だけど! それじゃ変なセールスに引っかからないよう気を付けなさいよ? また連絡するわー』
夢路との長電話を終えた八早月は廊下をパタパタと小走りに抜け、鳴りつづける電話から受話器を取った。
『ちょっと八早月ちゃん!? ずっと電話してたでしょ? 藻様に聞いたら終わる気配ないって言うから家に電話したんだからね。どうせ夢ちゃんだと思うけどさ、通話中でもメッセージくらい確認してっていつも言ってるじゃないの!』
「まあまあ綾乃さん、そんなに興奮するとお腹によくないわ。とりあえず落ち着いて、ね? 長電話しすぎたのは悪かったわ。久しぶりだったからつい話が弾んでしまったの。旦那も上の子たちもいなくて暇してたから余計にね」
『それはわかるけどさあ、いっつも電話が長すぎなのよね。ホントおしゃべりが好きなんだから。会合でも半分以上は八早月ちゃんの雑談らしいじゃない。そんな緩い会合なら当主以外が参加したってよくない? 待ってるだけで退屈なこっちの身になって欲しいもんだわ』
妊娠初期で気が立っているのからか、最近の綾乃は本当に凶暴でなんにでも噛みついてくる。先日も真八を使いに出したら『こんな小さい子を山道通るしかないうちまで使いに寄こすなんて虐待みたいなものでしょ!』と怒り心頭で電話がかかってきた。仕方なく旦那に迎えを頼んだが玄関先でこっぴどく説教され、帰ってきたのは二時間後なんてこともあった。
若い頃はのんびり屋で温厚なふんわり柔らかお姉さんと言う雰囲気だった綾乃だが、村での生活の影響なのか元々の素養なのか徐々に気が強くなっていった。八早月の見立てでは旦那が気弱なことと、それを嘆き続けている義理の父の影響と睨んでいる。それでもしっかり者がよりしっかりしたと言うだけのことだ。
根本的な性格が変わったわけでは無いため八早月とは以前と変わらず仲良くやっていたのだが、妊娠してからはまるで別人のようである。結婚してから十年経って初めて出来た子で、高齢出産しかも跡取りが必要とされる旧家の初子、平常心を保つのは難しいのだろう。
だがそれも安定期に入るまでの辛抱だ。八早月自身も最初の双子を身籠った時には精神的に不安定とまでは行かずともかなり気が短くなっており、家の中がピリピリしていたことを思い出す。
その体験を基に考えれば遅くとも五か月目に入るころまでには元通りになることだろう。綾乃がカリカリしているのは似合わないので早く収まって欲しい八早月だった。
『ねえ八早月ちゃん、ちゃんと聞いてるの? 私さっき初めて知ったんだけどハルちゃんが戻って来てるらしいじゃない。なんで教えてくれないのよ! こんな重たくて不自由でなければすぐにでも駆けつけるのになあ』
「えっ!? 美晴さんから連絡があったのですか? 先ほども夢路さんと居場所がわからないと言う話をしていたところなの。それでついつい長電話をしてしまったと言うわけ」
『もう何言ってるのよ、八早月ちゃんも夢ちゃんも酷いんだから! 美晴さんがメッセージ送っても既読にすらならないし、電話かけても出てくれないって言って私のところへ連絡が来たんだからね? 今は実家にいるらしいんだけど会いに行かれないかな?』
「なんと! それなら迎えに行ってもらいましょう。夢路さんも一緒に来てもらって綾乃さんのところで同窓会と洒落込みますか。お料理はこちらで用意しますからご心配なく」
『まさか八早月ちゃんが作るとか言い出さないならお任せするよ。手作りならせめて真八ちゃんにしてよね。でも金井町のお店に注文するんでしょ? それなら安心だわ。飲み物もお願いね、今うちにはペットボトルのお茶くらいしかないの』
「さすがに目の前でお酒を飲むような真似はしないわよ。夢路さんは先ほどすでに飲んでいたけれど…… さすがにこちらで自重させるわ。それより食べるものはどう? さっぱりしたものがいいかしらね」
『そうね、食欲はそれほどないから待っている間にお野菜茹でておくわ。お子ちゃん向けのものも何もないからそのつもりで用意してきてね。夢路さんとこの希望ちゃんだっけ? 今年九遠に入学するんでしょ? お祝い兼ねてもいいかもね』
「そうよ、お祝いの準備を確認しておくのをすっかり忘れていたわ。もう刀身は鍛ち終わっているかしら。早く鞘と柄の飾り紐を編まないとすぐ四月が来てしまうわね」
『その懐刀(懐剣)は私の子供の時も贈ってもらいたんだからずっと元気でいてよね。八早月ちゃんは今でも無茶ばかりだから心配なのよ。すぐ先頭に出たがるってうちの人が言ってたわよ?』
「いろいろ筒抜けで恥ずかしいわね。これでも皆に任せて自重しているつもりなのだけれど、性格的にじっとしていられない性質なのよね。まあ代替わりがまだで高齢になった宿おじさまや中さんもいることだし、ある程度は仕方ないわ」
『そ・れ・で・も・だからね。それに筆頭がそれじゃ周囲が育たないってもんだよ? うちのだっていつまでも甘ちゃんでは困るんだからさ。たまには稽古付けてあげてよ』
「わかったわ、たまには厳しく鍛えてあげた方がいいかもしれないわね。まあ体つきが逞しくなっても性格はなかなか変わらないけれど、あの子の場合はそれが長所でもあるわけでしょ?」
『それはそうなんだけど、誰にでも優しいのはやっぱり釈然としないわ。いや、間違いなくいい人だし優しいことが悪いことじゃないんだけど―― あ、ハルちゃんからメッセージ来ちゃった。その後どうなったかって。もう迎えの車は向かってる?』
「綾乃さんとずっと話していたのだからなにも手配していないわよ? そんな無茶言わないでちょうだい。これから板倉さんへ連絡するから心配しないでね、ではまた後で会いましょう」
八早月はすでに櫛田家の運転手ではなくなっている板倉へと電話をかける。足が必要な時にはとりあえず連絡して聞いてみるのがもう習慣になっているのだ。
『はい、毎度ありがとうございます、九遠観光でございます―― おや、お嬢でしたか、どうしました? ハイヤーですか? バスですか? ―― マイクロね、へえ、わかりやした』
「夢路さんの家は知らないわよね? 住所をメッセージで送るから寄って来ていただけるかしら。その後うちに来てもらってから綾乃さんのところね。それとお料理と飲み物を一緒に、ええ、子供の分もお願いするわ」
『それにしても良かったですねえ。ずっと行方知れずって心配してたご友人が見つかったんですから。今日はきっとあの頃のようにバカ騒ぎですかい?』
「もう大人なんだからそんなことはしないわ。多分、ね。それではお願い、いつもありがとうございます」
次に夢路へ連絡し簡単に説明しようとしたが、電話の向こうからは大泣きする声しか返ってこない。それはそうだろう、夢路にとって美晴は小学生時代からずっと一緒に過ごしてきた幼馴染なのだから。その親友が音信不通になって十数年、ようやく再会のめどが立ったことを素直に喜んでいた。
ただ、そのめでたい連絡を二人の長電話で無視していたことには触れず、あまりの感激で子供を忘れてこないよう念押してから電話を切った。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる