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旅立ちとギルド
第20話、冒険者ギルド
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翌日の朝一番、私たち三人は冒険者ギルドを訪れていた。
そう、念願の冒険者ギルドである。しかし浮かれるには早すぎる、まだ冒険者になってすらいないのだから。
建物を入るとすぐ左側にギルドの受付があるのだが、冒険者ギルドの建物は酒場と一体化しているため反対である右側には多くのテーブルと椅子が置かれ、右奥には酒場のカウンターも見える。またギルドがある方だけ吹き抜けの天井になっている。そして正面奥の壁側には中腹に踊り場が設置されたかね折れ階段が見え、一階と二階共に奥へと続く通路が伸びているようだ。
私たちは早速ギルドの受付で冒険者になりたい旨を伝えると、書類を渡されたので必要事項を記入。文字を書けないエルの分も私が記入し提出すると、受付の女性が水晶を使って誰かに連絡。そして交信が終わると受付の女性の案内の元、一階奥へと続く通路を進んでいく。そして暫く歩き言われるまま通路に置かれている長椅子に三人揃って座っていると、目の前の室内から声がかかる。
「それではアルド=モードレッドさん、どうぞ」
部屋の中からの男性の声に、私は席を立つと扉を開く。
室内は正面に小窓がある個室で、机とセットで置かれた椅子に、その対面にポツリと置かれた椅子があるだけの簡素な内装。
そして綺麗に書類が整理されている机には、身なりの良いエルフの男性が背筋を伸ばして着席していた。
この男性、目尻に笑いじわがあるため三十代後半から四十代に見えるが、エルフ特有の尖った耳が更にかなり長い。恐らくエルフ種の中でも長寿と言われるハイエルフなのだろうが、そうなると実年齢はかなりいっているだろう。
これは期待出来るかもしれない。
「アルド=モードレッドです。宜しくお願いします」
「初めまして、私はアグラディア=ノース。この冒険者ギルドのギルド長をしています」
「ギルド長が、直接面接をされているのですね」
「いえ、普段は違うのですが、いま少し人手不足でしてね。それより立ち話もなんです、ささっ、座って下さい」
ギルド長、物腰が柔らかい気さくな人のようだ。
「失礼します」
「それで、アルド君はなぜ冒険者になろうと? 」
「夢です。私は小さい頃から回復魔法に思い入れがあるので、世界を旅して様々な知識に触れたい。そうなると、各地で仕事にあぶれない冒険者が都合が良いと思いまして」
「回復魔法を使えるようになるのに、わざわざ世界中を旅する必要はないと思うのですが——」
そう言っていたギルド長が途中で気づいたようで、ポンと手を叩く。
「なるほど、真実の呪文を探す旅ですね」
「はい」
「確かにその目的だと冒険者になるのが良いでしょうね。ダンジョン深部付近にある部屋の中には、一面壁画が書かれた場所があって内容は様々らしいですけど、魔法を研究する者にとっては呪文のヒントになるかもしれないですからね。そして冒険者だとダンジョンを管轄している国から雇われる形になるため、様々なしがらみに関係なく各国のダンジョンを出入り出来ますし。しかし真実の呪文を求める旅ですか。一筋縄ではいかない旅になると思いますよ? 」
「それは覚悟の上です」
ギルド長はふむふむ言いながら、私の目を覗き込んでくる。
「ところで先ほどチラリと見えたのですが、お連れの二人の女性とはどういったご関係で? 」
「縁で共に行動をするようになった仲間です。……それよりリーヴェはともかく、よくエルが女性だと分かりましたね」
たしか提出した書類には、性別を記入する箇所は無かったはず。
「見ての通り私はエルフですから、視覚で見もしますが感覚の目も同じように開いていますので。それにエルさんですが、彼女はとても可愛らしい女性に見えますよ? 」
「そうですか。いえ実は私、始めに勘違いをしたもので」
「はははっ、そうなんですね。しかしアルド君は、真っ直ぐな正直者ですね」
「それは長所であり、短所であると自覚しています」
まだ完全に信用しきるのは早合点ではあるが、この人なら知っていれば正確な情報を教えてくれるかもしれない。
ギルド長の笑いが治まってきたのを見計らって、私は質問を投げかけてみる。
「失礼ですが、ギルド長はいくつになられるのですか? 」
「私ですか? 」
「はい」
「たしか今年で二千と四十歳になりますが? 」
「二千四十歳、ですか」
「若く見えるでしょ」
想像の遥か上の年だが、私がする質問に関して言えば喜ばしい誤算。
「でしたら、『魔なる者』はご存知ありませんか? 色々調べているのですが、全く手掛かりが掴めなくて」
「魔なる者、ですか? ……わかりませんね」
「そうですか」
前世の記憶では、世界を奈落に落とそうとした魔なる者。奴の情報が分かれば、私が生きた時代も分かるのではと思ったのだが。
まぁ最終決戦の場所が分かるため、一応そこへは行くつもりではあるが。
「いえ、ちょっと待って下さいね。何処かで聞いた事があるような、ないような——」
それから暫くの間ウンウン唸っていたギルド長は、プハーとため息と共に弛緩した。
「なにか情報になるような事を思い出したらお伝えしますね。ところで、どうしてそんな事を? 」
「昔少しだけ読んだ事がある史実を元に作られた物語の、その続きが気になっていてですね。勇者たちは無事魔なる者を討ち滅ぼせたのか? そしてその後の勇者たちはどうなったのかと」
「英雄物語ですか、なるほどですね、わかりました。そうそう、大きく脱線してしまいましたが、今は面接中でしたね。続きをやりますよ」
「はい」
「冒険者ギルドは常に人手不足ですが、誰でも彼でも冒険者として採用しているわけではありません。ただ安心して下さい。現在採用ラインに届かない人でも、ギルドは冒険者の育成にも力を注いでいます。試験をして見込みがあれば、次回に繋がるようアドバイスなどをさせて頂きますので」
「わかりました」
そこでギルド長が、机に置かれた書類に目を通す。
「アルド君は回復魔法を扱えるそうですが、……こちらに書かれたように戦士希望でよろしいのですか? 」
「はい、仲間の二人は才能があるとは思うのですが、戦士希望のエルはまだまだ若いですし、独り立ちするまでの数年間は私が前線を守らないといけないと思っていますので」
「そうですか、因みに回復魔法はどのレベルの魔法を扱えるのですか? 」
「一応初級回復魔法から上級回復魔法までは一通り」
ただ真実の呪文が判明していない上級回復魔法は、魔力を消費するわりには回復量がヒールに毛が生えた程度と残念なものではあるが。
そんな事を知らないギルド長は、素直に驚いているようだ。
「ほぉ、それは凄いですね」
「いえ、私は元聖職し——」
元聖職者。
私は奴隷解放されてから、何度もこの言葉を口にして来た。しかしよくよく考えてみれば、転生した今も聖人ハウニの教えに導かれしレダエル教の信徒である事は間違いない。つまりわざわざ元を付ける事は、ハウニに導かれし自身を否定している事になってしまうのでは?
ならばそのような言葉は、口にしてはならない。
それに考えれば、教典の中にあるハウニの御言葉に『人はみな兄弟であり皆が奉仕者』とある。つまり教皇から神父までの聖職者と区分される者と、敬虔なる信徒とは元は同じ位であったのだ。少なくとも神学者として研究をしていた前世の私は、聖人ハウニ降臨により教会が出来た最初期、皆が信徒であり、皆がハウニの教えを広める伝道者であった事を調べ確認している。
だから私は、聖職者と名乗る事に対して後ろめたさはない。逆にそうであると名乗らなければ、私の信仰が、決意が、その程度の物にすげ変わってしまう気がする。
だからは私は、宣言する!
「私は聖職者だからです」
「なるほどなるほど、それでは早速実技試験を行なうことになるのですが、まずは能力アピールを行ないますので、今言われた回復魔法を見せていただいてもよ——」
「申し訳ありません、ギルド長」
ギルド長の話を遮る形で声を発する。
「どうかされましたか? 」
「試験内容ですけど、能力アピールではなくて模擬戦闘のほうをやって頂けないでしょうか? 」
「ほぉ」
冒険者になるには、二つの実技試験を受けて合格しなければならない。
最初の試験は、ギルド内にて行なわれる能力アピール。
それに合格した者は最終試験、ギルド専任講師と共に実際にダンジョンを冒険し、現場で総合的に審査をされ合否の判定が下される。
因みにギルドに所属する冒険者には、各々の力量によりFからAまでのランク付けがされている。一般的な認識を各ランクに当てはめると、だいたいこうだ。
F級、見習い
E級、新人
D級、中堅
C級、ベテラン
B級、一流や腕利き
A級、規格外の強さ
冒険者は必ずこの六等級のどこかに位置し、日々そのランクに応じた依頼をこなし生活をしている。
まぁ依頼をこなしてギルドに多くの金銭を落とせば上のランクに上がる仕組みのため、金儲けだけが得意で戦闘が不得手な冒険者は、自身のランクより下のクエストを選んだりしているそうだが。
またS級冒険者と言うのも存在するが、それはA級冒険者の中で多大な功績を残した者が、冒険者業から離れる際に与えられる名誉等級である。そのためS級冒険者級と評される者はあれど、実際現役でS級冒険者という者は存在しない。
そして冒険者を始めたばかりの者はF級冒険者から始まるのだが、これが少し問題になる。と言うのも、我々のように初めて冒険者になる者だけで構成された見習い冒険者パーティーは、ダンジョンに潜る際その都度ギルドへパーティー構成を提出しなければいけない。
それは右も左も分からない冒険者を守るための措置だ。しかし普通に見習い冒険者で構成したパーティーでは、必ずと言っていいほど許可が下りない。
許可が下りるのは、E級以上の先輩冒険者を一人でもパーティに加えるか、ダンジョン以外に出される比較的安全な街などでの雑用依頼をこなしてギルドに対して利益を出し、自身のギルドランクを自力でE級に上げなければならない。しかし自力だと、だいたい一年、頑張って半年はかかるらしい。
そこで私は第一試験内容を能力アピールではなく、合格すれば飛び級のE級から始められる模擬戦闘を希望したわけなのだ。
そう、念願の冒険者ギルドである。しかし浮かれるには早すぎる、まだ冒険者になってすらいないのだから。
建物を入るとすぐ左側にギルドの受付があるのだが、冒険者ギルドの建物は酒場と一体化しているため反対である右側には多くのテーブルと椅子が置かれ、右奥には酒場のカウンターも見える。またギルドがある方だけ吹き抜けの天井になっている。そして正面奥の壁側には中腹に踊り場が設置されたかね折れ階段が見え、一階と二階共に奥へと続く通路が伸びているようだ。
私たちは早速ギルドの受付で冒険者になりたい旨を伝えると、書類を渡されたので必要事項を記入。文字を書けないエルの分も私が記入し提出すると、受付の女性が水晶を使って誰かに連絡。そして交信が終わると受付の女性の案内の元、一階奥へと続く通路を進んでいく。そして暫く歩き言われるまま通路に置かれている長椅子に三人揃って座っていると、目の前の室内から声がかかる。
「それではアルド=モードレッドさん、どうぞ」
部屋の中からの男性の声に、私は席を立つと扉を開く。
室内は正面に小窓がある個室で、机とセットで置かれた椅子に、その対面にポツリと置かれた椅子があるだけの簡素な内装。
そして綺麗に書類が整理されている机には、身なりの良いエルフの男性が背筋を伸ばして着席していた。
この男性、目尻に笑いじわがあるため三十代後半から四十代に見えるが、エルフ特有の尖った耳が更にかなり長い。恐らくエルフ種の中でも長寿と言われるハイエルフなのだろうが、そうなると実年齢はかなりいっているだろう。
これは期待出来るかもしれない。
「アルド=モードレッドです。宜しくお願いします」
「初めまして、私はアグラディア=ノース。この冒険者ギルドのギルド長をしています」
「ギルド長が、直接面接をされているのですね」
「いえ、普段は違うのですが、いま少し人手不足でしてね。それより立ち話もなんです、ささっ、座って下さい」
ギルド長、物腰が柔らかい気さくな人のようだ。
「失礼します」
「それで、アルド君はなぜ冒険者になろうと? 」
「夢です。私は小さい頃から回復魔法に思い入れがあるので、世界を旅して様々な知識に触れたい。そうなると、各地で仕事にあぶれない冒険者が都合が良いと思いまして」
「回復魔法を使えるようになるのに、わざわざ世界中を旅する必要はないと思うのですが——」
そう言っていたギルド長が途中で気づいたようで、ポンと手を叩く。
「なるほど、真実の呪文を探す旅ですね」
「はい」
「確かにその目的だと冒険者になるのが良いでしょうね。ダンジョン深部付近にある部屋の中には、一面壁画が書かれた場所があって内容は様々らしいですけど、魔法を研究する者にとっては呪文のヒントになるかもしれないですからね。そして冒険者だとダンジョンを管轄している国から雇われる形になるため、様々なしがらみに関係なく各国のダンジョンを出入り出来ますし。しかし真実の呪文を求める旅ですか。一筋縄ではいかない旅になると思いますよ? 」
「それは覚悟の上です」
ギルド長はふむふむ言いながら、私の目を覗き込んでくる。
「ところで先ほどチラリと見えたのですが、お連れの二人の女性とはどういったご関係で? 」
「縁で共に行動をするようになった仲間です。……それよりリーヴェはともかく、よくエルが女性だと分かりましたね」
たしか提出した書類には、性別を記入する箇所は無かったはず。
「見ての通り私はエルフですから、視覚で見もしますが感覚の目も同じように開いていますので。それにエルさんですが、彼女はとても可愛らしい女性に見えますよ? 」
「そうですか。いえ実は私、始めに勘違いをしたもので」
「はははっ、そうなんですね。しかしアルド君は、真っ直ぐな正直者ですね」
「それは長所であり、短所であると自覚しています」
まだ完全に信用しきるのは早合点ではあるが、この人なら知っていれば正確な情報を教えてくれるかもしれない。
ギルド長の笑いが治まってきたのを見計らって、私は質問を投げかけてみる。
「失礼ですが、ギルド長はいくつになられるのですか? 」
「私ですか? 」
「はい」
「たしか今年で二千と四十歳になりますが? 」
「二千四十歳、ですか」
「若く見えるでしょ」
想像の遥か上の年だが、私がする質問に関して言えば喜ばしい誤算。
「でしたら、『魔なる者』はご存知ありませんか? 色々調べているのですが、全く手掛かりが掴めなくて」
「魔なる者、ですか? ……わかりませんね」
「そうですか」
前世の記憶では、世界を奈落に落とそうとした魔なる者。奴の情報が分かれば、私が生きた時代も分かるのではと思ったのだが。
まぁ最終決戦の場所が分かるため、一応そこへは行くつもりではあるが。
「いえ、ちょっと待って下さいね。何処かで聞いた事があるような、ないような——」
それから暫くの間ウンウン唸っていたギルド長は、プハーとため息と共に弛緩した。
「なにか情報になるような事を思い出したらお伝えしますね。ところで、どうしてそんな事を? 」
「昔少しだけ読んだ事がある史実を元に作られた物語の、その続きが気になっていてですね。勇者たちは無事魔なる者を討ち滅ぼせたのか? そしてその後の勇者たちはどうなったのかと」
「英雄物語ですか、なるほどですね、わかりました。そうそう、大きく脱線してしまいましたが、今は面接中でしたね。続きをやりますよ」
「はい」
「冒険者ギルドは常に人手不足ですが、誰でも彼でも冒険者として採用しているわけではありません。ただ安心して下さい。現在採用ラインに届かない人でも、ギルドは冒険者の育成にも力を注いでいます。試験をして見込みがあれば、次回に繋がるようアドバイスなどをさせて頂きますので」
「わかりました」
そこでギルド長が、机に置かれた書類に目を通す。
「アルド君は回復魔法を扱えるそうですが、……こちらに書かれたように戦士希望でよろしいのですか? 」
「はい、仲間の二人は才能があるとは思うのですが、戦士希望のエルはまだまだ若いですし、独り立ちするまでの数年間は私が前線を守らないといけないと思っていますので」
「そうですか、因みに回復魔法はどのレベルの魔法を扱えるのですか? 」
「一応初級回復魔法から上級回復魔法までは一通り」
ただ真実の呪文が判明していない上級回復魔法は、魔力を消費するわりには回復量がヒールに毛が生えた程度と残念なものではあるが。
そんな事を知らないギルド長は、素直に驚いているようだ。
「ほぉ、それは凄いですね」
「いえ、私は元聖職し——」
元聖職者。
私は奴隷解放されてから、何度もこの言葉を口にして来た。しかしよくよく考えてみれば、転生した今も聖人ハウニの教えに導かれしレダエル教の信徒である事は間違いない。つまりわざわざ元を付ける事は、ハウニに導かれし自身を否定している事になってしまうのでは?
ならばそのような言葉は、口にしてはならない。
それに考えれば、教典の中にあるハウニの御言葉に『人はみな兄弟であり皆が奉仕者』とある。つまり教皇から神父までの聖職者と区分される者と、敬虔なる信徒とは元は同じ位であったのだ。少なくとも神学者として研究をしていた前世の私は、聖人ハウニ降臨により教会が出来た最初期、皆が信徒であり、皆がハウニの教えを広める伝道者であった事を調べ確認している。
だから私は、聖職者と名乗る事に対して後ろめたさはない。逆にそうであると名乗らなければ、私の信仰が、決意が、その程度の物にすげ変わってしまう気がする。
だからは私は、宣言する!
「私は聖職者だからです」
「なるほどなるほど、それでは早速実技試験を行なうことになるのですが、まずは能力アピールを行ないますので、今言われた回復魔法を見せていただいてもよ——」
「申し訳ありません、ギルド長」
ギルド長の話を遮る形で声を発する。
「どうかされましたか? 」
「試験内容ですけど、能力アピールではなくて模擬戦闘のほうをやって頂けないでしょうか? 」
「ほぉ」
冒険者になるには、二つの実技試験を受けて合格しなければならない。
最初の試験は、ギルド内にて行なわれる能力アピール。
それに合格した者は最終試験、ギルド専任講師と共に実際にダンジョンを冒険し、現場で総合的に審査をされ合否の判定が下される。
因みにギルドに所属する冒険者には、各々の力量によりFからAまでのランク付けがされている。一般的な認識を各ランクに当てはめると、だいたいこうだ。
F級、見習い
E級、新人
D級、中堅
C級、ベテラン
B級、一流や腕利き
A級、規格外の強さ
冒険者は必ずこの六等級のどこかに位置し、日々そのランクに応じた依頼をこなし生活をしている。
まぁ依頼をこなしてギルドに多くの金銭を落とせば上のランクに上がる仕組みのため、金儲けだけが得意で戦闘が不得手な冒険者は、自身のランクより下のクエストを選んだりしているそうだが。
またS級冒険者と言うのも存在するが、それはA級冒険者の中で多大な功績を残した者が、冒険者業から離れる際に与えられる名誉等級である。そのためS級冒険者級と評される者はあれど、実際現役でS級冒険者という者は存在しない。
そして冒険者を始めたばかりの者はF級冒険者から始まるのだが、これが少し問題になる。と言うのも、我々のように初めて冒険者になる者だけで構成された見習い冒険者パーティーは、ダンジョンに潜る際その都度ギルドへパーティー構成を提出しなければいけない。
それは右も左も分からない冒険者を守るための措置だ。しかし普通に見習い冒険者で構成したパーティーでは、必ずと言っていいほど許可が下りない。
許可が下りるのは、E級以上の先輩冒険者を一人でもパーティに加えるか、ダンジョン以外に出される比較的安全な街などでの雑用依頼をこなしてギルドに対して利益を出し、自身のギルドランクを自力でE級に上げなければならない。しかし自力だと、だいたい一年、頑張って半年はかかるらしい。
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