最強魔導士に転生したけど、護衛が過保護すぎる

ホロロン

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第10話:運命の戦い***

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月明かりだけが、廃墟と化した砦の輪郭をぼんやりと浮かび上がらせていた。

ここが、王国を蝕む者たちの本拠地。
私の魔力探知と、アルディスが掴んだ情報を照らし合わせ、ようやく突き止めた場所だ。

「行くぞ」

「ええ」

短い言葉を交わし、私たちは影に溶け込むように砦へと侵入する。
私の魔法で足音と気配を消し、アルディスが最短かつ最も安全なルートを導き出す。私たちの間には、もはや無駄な言葉は必要なかった。

砦の中心部、かつては広間だったであろう場所にたどり着いた時、待ち構えていたかのように、松明に一斉に火が灯った。

広間の中央には、玉座のような椅子に腰かけた一人の男。そして、その周囲を固める数十人の黒装束の暗殺者たち。

「ようこそ、アルディス・グレイ。そして、噂の最強魔導士殿」

男が、嘲るような笑みを浮かべた。
その顔には見覚えがあった。第一王子の側近の一人で、事件の後、行方をくらましていた侯爵だ。

「……やはり、お前だったか」

アルディスが、静かに剣の柄に手をかける。

「なぜだ!王子は、お前を信頼されていた!」

「信頼?あれはただの傲慢だ。俺の才を見抜けなかった愚か者よ」

侯爵は立ち上がると、芝居がかった仕草で両手を広げた。

「だが、お前には感謝しているぞ、アルディス。お前という『最強の盾』が側にいながら、王子は死んだ。おかげで俺の計画は完璧なものとなった。
――さて、今宵もまた、歴史は繰り返される。お前はまた、己の無力さを呪いながら、大切なものを失うのだ!」

その言葉を合図に、床の格子から一斉に白い霧が噴き出した。

「しまっ……!」

あの、魔力を霧散させる毒霧だ。吸い込んだ瞬間、全身から力が抜け、身体がいうことを聞かなくなる。

私はその場に膝から崩れ落ちた。

「アルディス……!」

かろうじて彼の名を呼ぶ。彼の顔が、絶望に凍りつくのが見えた。
第一王子を失ったあの日の悪夢が、彼の脳裏に蘇っているのだ。

「ははは!見ろ、その顔だ!また守れなかったな、英雄殿!」

侯爵の高笑いが響き渡り、黒装束たちが一斉にアルディスへと襲いかかる。

絶望的な状況。
でも、私はもう、ただ守られるだけの存在じゃない。
魔力は使えない。でも、私には知識がある。転生者としての、そして魔導士としての知識が。

「アルディス!」

私は力の入らない身体で叫んだ。

「この霧は、魔力だけを分解する!物理的なものは止められない!そして、強い光と衝撃波に弱い性質があるはず!」

私の声に、アルディスははっと我に返った。

その瞳に、再び戦いの光が宿る。
彼は剣を振るって敵を薙ぎ払いながら、腰のポーチから小さな魔光石を取り出し、私へと投げ渡した。

「頼む!」

受け取った魔光石に、私は残された最後の力を振り絞り、ほんの少しだけ魔力を注ぎ込む。

それは、攻撃魔法のような高度なものではない。ただ、光らせるだけの単純な魔法。毒霧の中でも、これくらいならできる。

「――ここよ!」

私が魔光石を強く光らせ、敵の一人の死角を照らし出す。その光の目くらましを合図に、アルディスが瞬時に距離を詰め、敵を斬り伏せる。

私の頭脳と、彼の剣。

魔力がなくとも、私たちは二人で一つ。
絶望的な戦況の中、私たちの連携は完璧なまでに冴え渡っていた。

黒装束たちが次々と倒れ、ついに残るは侯爵一人。

「馬鹿な……ありえん……!」

狼狽える侯爵に、アルディスが静かに剣を突きつける。

「終わりだ。これは過去の復讐ではない。俺の未来のために、お前をここで断つ」

その言葉と共に、銀色の閃光が奔った。

全ての終わりを告げる静寂が、広間に満ちる。

緊張の糸が切れ、私はその場に倒れ込んだ。
すぐに、アルディスが駆け寄り、傷だらけの腕で私を抱き起こす。

「……すまない。また、お前を危険な目に……」

彼の声が、震えていた。

「ううん……言ったでしょ。一緒に戦うって」

私は彼を見上げ、微笑む。その瞬間、彼の瞳から、一筋の雫が零れ落ちた。

「……もう、失うのはごめんだ」

彼は、まるで壊れ物を抱きしめるように、私を強く、強く抱きしめた。

「お前を失うくらいなら、俺は……。愛している。誰よりも、何よりも。お前だけが、俺の生きる光だ」

それは、彼が初めてくれた、愛の言葉。
私の心は、歓喜と愛しさで満たされていく。

「……私も。私も、あなたを愛してる、アルディス」

私たちは、互いの存在を確かめ合うように、唇を重ねた。最初は優しく、やがて激しく。血と汗と土埃にまみれた身体のまま、ただ貪るように互いを求めた。

傷の手当てのために彼のチュニックの留め金を外すと、鍛え上げられた分厚い胸板が露わになる。

そこには、彼の戦いの歴史を物語る無数の傷跡があった。私はその一つ一つに、慈しむように舌を這わせ、口づけた。
彼の過去も、痛みも、全て私が受け止める、と誓うように。

「っ……やめろ……汚れる」

彼が掠れた声で制するが、私は止めなかった。

「汚れてなんかない。あなたの生きてきた証よ。全部、愛おしい」

私の言葉に、彼が息を呑むのがわかった。

今度は彼の番だった。
私のドレスは、戦いの最中にあちこちが破れていた。アルディスは、その破れた隙間から覗く私の素肌に、まるで聖地に触れるかのように、そっと唇を這わせる。

「……生きていることを、確かめさせてくれ」

彼の掠れた声は、切実な願いだった。
彼は私のドレスを肩から引き裂くと、露わになった胸の谷間に顔を埋めた。
柔らかい膨らみを、熱い舌がなぞり、先端を啄む。

「あっ……ん……アルディス……」

背中が弓なりになり、甘い疼きが全身を駆け巡る。
今まで感じたことのない感覚に、思考が蕩けていく。

彼は私を抱き上げると、広間の隅、比較的瓦礫の少ない壁際まで運び、そこにそっと横たえた。
月明かりが、私の裸の肌を白く照らし出す。

「……綺麗だ」

彼は恍惚とした表情で呟くと、私の足元に跪き、その内腿にゆっくりと口づけた。 
私の身体がびくりと跳ねる。彼の唇は、そこからゆっくりと上へ、中心の秘められた場所へと向かっていく。

「だめ……そんなところ……」

「お前の全てが欲しい。全部、俺のものだと刻ませてくれ」

彼の舌が、最も敏感な場所に触れた瞬間、私は声を上げて喘いだ。
経験したことのない快感の渦に、意識が遠のきそうになる。

彼が顔を上げた時には、私は涙目で息を切らしていた。彼は自分の硬く熱くなったものを露わにすると、私の脚の間にその身を割り込ませる。

「……愛している」

ゆっくりと、彼の熱が私の内側に入り込んでくる。
最初は痛みにも似た圧迫感。しかし、それはすぐに、満たされる歓びへと変わった。

「アルディス……っ」

彼のものが、一番奥まで私を貫く。初めて知る、異物を受け入れる感覚。
そして、彼と一つになったという、どうしようもないほどの充足感。

彼はゆっくりと腰を動かし始めた。最初は私の身体を気遣うように、優しく。
しかし、私が彼の背中に腕を回し、もっと、とねだるように身を寄せると、彼の動きは次第に激しさを増していった。

「……好きだ……お前だけだ……」

喘ぎながら繰り返される愛の言葉。
冷たい石の床の上で、私たちの肌は汗で滑り、熱く燃え上がっていた。
視界が白く点滅し、快感の頂点が近づいてくる。

「アルディス、私も……っ、もう……!」

「ああ……一緒に……!」

私の絶頂と、彼の深い場所から迸る熱い奔流が、身体の奥で混じり合う。
私たちは同時に頂点を迎え、アルディスは私の身体の上に、ぐったりと崩れ落ちた。

夜明け前の冷たい空気の中、私たちは何度も互いの名を呼び、一つになった。

それは、過去の呪いを解き放ち、新しい未来を誓うための、神聖な儀式。
私たちの恋が、本当の意味で成就した瞬間だった。

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