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図書館に通い出して数日後まだ家庭教師は決まっていなかったから2日に一度図書館に通っている。図書館に行っていない日は訓練にまた通い出した。寝込んでいた期間が長くてかなり筋肉も落ち体も鈍っている。しばらくは対人はせず端の方で素振りから始めてもう一度身体作りから始めないと駄目みたいだ。
「ユーマ、学園に本当に通うのかい?お兄様と一緒にこの屋敷で勉強すればいいじゃないか」
身体が鈍っていて他の人と同じ時間訓練をすることができないから一足先に訓練を終えお風呂へと1人向かっている時に兄に声をかけられた。
「ユーマは僕とこの屋敷でずっと一緒にいると思っていたのに、勉強も家庭教師を雇えばいいんだよ。学園の教師よりも優秀な先生をお父様達は探してくれるよ。ユーマはこの家にいることの何が不満なんだい」
隠しておけないと思っていたけどクロードは僕が思っていたより早く僕が学園に通う理由を聞いてきた。
「お兄様、僕もこの屋敷で家庭教師を雇ってもらうことに不満はないんですよ。でも将来この屋敷に帰って来てお兄様の傍で当主となるお兄様を支えるために人脈作りをしようと思っているんです。学園でならお兄様の力になる強力な人脈が作れると思うんです。逆に人脈は学園でしか作れないので僕が学園に通うことを許して下さい」
「ユーマ......」
クロードには用意しておいた理由を言う。クロードは僕が将来この屋敷で自分の傍で暮らしていくことを考えていると聞いて嬉しそうだがどこか疑っているようでもあった。
「お兄様、将来は2人でこの領地を盛り立てていきましょうね」
飛び切りの笑顔で僕は言う。
「ユーマ!2人でずっと一緒にいよう。私の傍で私を助けてほしい。ユーマがいればそれだけで私の力は何倍にもなる」
クロードは僕の笑顔を見て思いっきり僕を抱きしめた。そして僕の髪に頬擦りをして手は僕のお尻を撫でているけど今日だけはこの兄を騙すために我慢だ。学園に通うことを反対され邪魔されては困る。
「ユーマに会えなくなるのは寂しいが将来の為に我慢だな。休みには絶対帰ってくるんだぞ」
クロードは僕の頬にキスをすると満足そうに去って行った。
僕はそのままお風呂に向かう。いつもの使用人用のお風呂ではレンが待っていた。レンは僕が倒れてから心配してずっと一緒に入ってくれている。たまにカイトも一緒に入っている。ジェイドはレンと一緒に入るようになってお風呂には姿を現さなくなった。それを少し安心している僕がいる。
「ユーマ様、そんなに頬を擦ってどうしたんですか?赤くなっていますよ」
僕はクロードにキスされた頬を無意識のうちにものすごく擦っていた。
「ぼーっとしてたから同じ所ばかり擦ってたのかも」
「あとでクリーム塗っておきましょうね」
「ありがとう」
お風呂から出るとレンに頬に保湿クリームを塗られる。
部屋に帰ると僕は本を読み出した。訓練を早めに終えているから前より読書に取れる時間は多くなった。最近は僕も魔法の副作用について書かれているものがないか探している。でも物語の中でさえそんな言葉は出てこなかった。
最近はケインと一緒にいる時しか魔法を使ってないし、その時でさえ倒れる前より回数は減った。だからかあの悪夢も一切見なくなった。体調も万全だ。そろそろ訓練も通しで出たい。レンが許してくれるかは分からないけど。
明日頼んでみようと思いながらその日は就寝した。
「レンそろそろ訓練に最後まで参加したいんだけどいいかな?」
「そうですね、その判断は先生にしてもらいましょう」
次の日訓練の時間先生に尋ねると最後まで参加する許可を貰うことができた。でもまだ素振りや基礎訓練を多めにして対人訓練の時間は少な目だった。
久しぶりの長時間の訓練に疲れた体を引きずりいつも通り使用人用のお風呂に向かう。
そこにはレンの姿は無かった。何も聞いてなかったから不思議に思いながらも深くは考えずにお風呂に入ることにした。
「ユーマ、学園に本当に通うのかい?お兄様と一緒にこの屋敷で勉強すればいいじゃないか」
身体が鈍っていて他の人と同じ時間訓練をすることができないから一足先に訓練を終えお風呂へと1人向かっている時に兄に声をかけられた。
「ユーマは僕とこの屋敷でずっと一緒にいると思っていたのに、勉強も家庭教師を雇えばいいんだよ。学園の教師よりも優秀な先生をお父様達は探してくれるよ。ユーマはこの家にいることの何が不満なんだい」
隠しておけないと思っていたけどクロードは僕が思っていたより早く僕が学園に通う理由を聞いてきた。
「お兄様、僕もこの屋敷で家庭教師を雇ってもらうことに不満はないんですよ。でも将来この屋敷に帰って来てお兄様の傍で当主となるお兄様を支えるために人脈作りをしようと思っているんです。学園でならお兄様の力になる強力な人脈が作れると思うんです。逆に人脈は学園でしか作れないので僕が学園に通うことを許して下さい」
「ユーマ......」
クロードには用意しておいた理由を言う。クロードは僕が将来この屋敷で自分の傍で暮らしていくことを考えていると聞いて嬉しそうだがどこか疑っているようでもあった。
「お兄様、将来は2人でこの領地を盛り立てていきましょうね」
飛び切りの笑顔で僕は言う。
「ユーマ!2人でずっと一緒にいよう。私の傍で私を助けてほしい。ユーマがいればそれだけで私の力は何倍にもなる」
クロードは僕の笑顔を見て思いっきり僕を抱きしめた。そして僕の髪に頬擦りをして手は僕のお尻を撫でているけど今日だけはこの兄を騙すために我慢だ。学園に通うことを反対され邪魔されては困る。
「ユーマに会えなくなるのは寂しいが将来の為に我慢だな。休みには絶対帰ってくるんだぞ」
クロードは僕の頬にキスをすると満足そうに去って行った。
僕はそのままお風呂に向かう。いつもの使用人用のお風呂ではレンが待っていた。レンは僕が倒れてから心配してずっと一緒に入ってくれている。たまにカイトも一緒に入っている。ジェイドはレンと一緒に入るようになってお風呂には姿を現さなくなった。それを少し安心している僕がいる。
「ユーマ様、そんなに頬を擦ってどうしたんですか?赤くなっていますよ」
僕はクロードにキスされた頬を無意識のうちにものすごく擦っていた。
「ぼーっとしてたから同じ所ばかり擦ってたのかも」
「あとでクリーム塗っておきましょうね」
「ありがとう」
お風呂から出るとレンに頬に保湿クリームを塗られる。
部屋に帰ると僕は本を読み出した。訓練を早めに終えているから前より読書に取れる時間は多くなった。最近は僕も魔法の副作用について書かれているものがないか探している。でも物語の中でさえそんな言葉は出てこなかった。
最近はケインと一緒にいる時しか魔法を使ってないし、その時でさえ倒れる前より回数は減った。だからかあの悪夢も一切見なくなった。体調も万全だ。そろそろ訓練も通しで出たい。レンが許してくれるかは分からないけど。
明日頼んでみようと思いながらその日は就寝した。
「レンそろそろ訓練に最後まで参加したいんだけどいいかな?」
「そうですね、その判断は先生にしてもらいましょう」
次の日訓練の時間先生に尋ねると最後まで参加する許可を貰うことができた。でもまだ素振りや基礎訓練を多めにして対人訓練の時間は少な目だった。
久しぶりの長時間の訓練に疲れた体を引きずりいつも通り使用人用のお風呂に向かう。
そこにはレンの姿は無かった。何も聞いてなかったから不思議に思いながらも深くは考えずにお風呂に入ることにした。
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