【完結】悪役に転生したので、皇太子を推して生き延びる

ざっしゅ

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7話 計画と決意

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 ルースがソウタと話さなくなってから、数日が過ぎた。

 ソウタは、ルースに話しかけようとするたびに、露骨に避けられたり、目を合わせてもらえなかったりする状態に陥っていた。

(どうすればいいんだ……!
 あいつ、一体何が気に入らないんだ!?)

 ソウタは、内心で苛立ちを募らせていた。これまで築き上げてきた「好感度」が、あっという間に崩れ去っているような感覚に、ソウタの心は焦燥で満たされていた。

 しかし、ルースがなぜ素っ気ないのか、その原因が全く分からない。

「ソウタ君、最近、ルース君と何かあったのかい?」

 ある日のサポーターの勉強中、オリオンがソウタの様子を見て、心配そうに尋ねた。

「うーん、それが全く見当もつかなくてさ……急に素っ気なくなっちゃって。早く仲直りしたいんだけど、どうすればいいか分からなくてさ…」

 ソウタは、正直にオリオンに相談した。
 彼は、オリオンの前では、自分の感情を少しだけ見せることができた。

 オリオンは、ソウタの困惑した顔を見て、何か力になれないかと考えるように、じっと彼の顔を見つめていた。

 その時、オリオンの脳裏に、先日耳にしたばかりの学校内の噂がよぎった。

「そういえば、次の試験後の実戦練習について、新しい情報が出回っているのを知ってる?」

 オリオンは、ソウタに問いかけた。

「新しい情報?」

 ソウタは、眉をひそめた。

「うん。試験後の練習では、アタッカーとサポーター、それぞれ同じ成績順位の者同士で組むことになるらしい。」

 「例えば、アタッカーで1位の生徒は、サポーターで1位の生徒と組む、といった具合にね」

 オリオンの言葉を聞いた瞬間、ソウタの涼やかな瞳に、はっとするような光が宿った。

(これだ……!)

 ソウタの頭の中で、彼の「生存戦略」が、新たな道筋を見出した。
 彼は、原作の筋書きを正確に記憶している。
 ルースは、次のアタッカー試験で、確実に1位になることを。

 そして、もし自分がサポーターで1位になれば、必然的にルースと組むことになる。

 そうすれば、ソウタの抱える誤解は解けずとも、ルースとの接点は増え、ひいては、自身の安全を確保できるはずだ。

「ありがとう、オリオン!その情報、すごく助かるよ!」

 ソウタは、オリオンに心からの感謝を述べた。
 彼の顔には、これまでになく強い決意が浮かんでいた。

 ⸻

 その日から、ソウタは猛烈な勢いで勉強に打ち込んだ。

 日中はオリオンに教えを請い、夜は自室に籠って、サポーターの膨大な座学やシミュレーションを、寝る間も惜しんでこなした。

 彼の集中力は、凄まじいものだった。
 睡眠時間を削り、ひたすら知識を詰め込んでいく。

「ソウタ君……無理しすぎじゃないかい?」

 オリオンは、ソウタの並外れた集中力と努力を見て、心配そうに声をかけた。

 ソウタは、普段はマイペースで、勉強もできるだけ楽にこなしたいというタイプだ。
 そんな彼が、これほどまでに一つのことに打ち込む姿は、オリオンにとって驚きであり、同時に、強い感動を与えるものだった。

「大丈夫だよ、オリオン。僕、本気だから。
 絶対、サポーターで1位になってやるんだ!」

 ソウタの声には、明確な意思が宿っていた。

 彼の行動の根底には、「生き残りたい」という切実な願いがあったが、オリオンには、それが「サポーターとして認められたい」という純粋な向上心に見えた。

 オリオンは、ソウタのその姿を見て、優しく微笑んだ。
 彼の瞳は、ソウタへの尊敬と、そして、彼に惹かれていく感情を隠しきれないでいた。

 ソウタが真剣な表情で勉学に励む姿は、オリオンにとって、何よりも魅力的に映ったのだ。


 そして、試験当日。

 軍事学校の試験会場は、張り詰めた緊張感に包まれていた。

 ソウタは、自分の席に着くと、周囲をちらりと見回した。

 ルースの姿が、視界の端に映る。
 その表情は、普段の冷静さを保っているが、ソウタの視線には気づいていないようだった。

(まだ……僕と目を合わせてくれないんだな……)

 ソウタの心に、わずかな寂しさがよぎった。

 自分の「生存戦略」のために、ルースとの仲直りは重要だ。
 だが、ルースのあの冷たい態度を見ると、胸の奥がチクリと痛むのを感じた。

 しかし、ソウタはすぐにその感情を振り払った。

(いいさ。今は、落ち込んでいる場合じゃない。
 僕は、ここでサポーター1位を取るんだ!)

 ソウタの瞳に、再び強い光が宿る。

 彼の心は、ルースへの複雑な感情と、自身の未来を切り開くための、揺るぎない決意で満たされていた。

(絶対1位になってやる!
 待ってろよ、ルース……!)

 ソウタは、静かに試験問題用紙に手を伸ばした。
 彼の指先には、サポーターとして頂点を目指す、確かな意気込みが宿っていた。

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