30 / 37
30話 俺の恋人だ ※
しおりを挟む甘い香りに包まれながら、液体で濡れた肌と肌が擦れ合う。わずかな摩擦すらも熱を帯び、透はその刺激に震えた。
「……あっ……ん……っ」
透は必死に声を堪えようと唇を噛んだが、身体は正直だった。グレイドの硬くて熱い肉茎が擦れるたび、喉の奥から甘い音が溢れ出した。
「やっ……ぅ……」
(だめだ……声が、勝手に……!)
恥ずかしさに身悶えながら、透は手で口を覆った。しかし、身体はより敏感に応えてしまう。その切なげな声がカーテンの向こうに漏れたのか、人の姿をしたドラゴンが話すのが聞こえた。
「とても良い声をしているな」
青年の姿をしたドラゴンは、椅子に腰掛けながら興味深そうに言った。この観賞者の存在が、透の羞恥をさらにかき立てる。
「うぅ……グレイドさん、恥ずかしいです……」
「……俺だけを見て、他のことは考えるな」
グレイドはそう言いながら、透の敏感な場所をゆっくり愛撫した。透はもう抗う術を持たず、快楽に支配されながら、淫らな声を零し続けた。
「あっ……グレイド、さん……!」
「……っ……透……」
透はカーテン越しのドラゴンの存在など、どうでもよくなっていった。目を閉じ、全身を包む熱と痺れるような刺激を与えるグレイドの動きに身を委ねていた。
グレイドが透の身体に打ち付けるたびに、いやらしい音が洞窟に響いた。
「透……グレイドと、呼んでくれ」
「……え……?」
透が困惑していると、耳たぶを甘噛みされ、さらに動揺した。グレイドが耳元で囁く。
「君は、今……俺の恋人だ」
「……っ」
透が恥ずかしさのあまり狼狽えていると、グレイドが刻み込むように透の太ももの間に肉茎を打ち付けた。弱いところを何度も熱くて硬いものが肌を滑る刺激で、声が出そうになった透は唇を噛みしめる。
「……透、声を我慢するな」
「ん……ああっ……!」
乳首をつねられ、透の身体は小さく跳ねた。堪えきれない声がこぼれた。
「可愛い……ここをいじられるのが好きなのか?」
「やぁっ……ちが……」
グレイドは透の乳首を舌で転がし、濡れた指先で後孔の周りを撫でた。透は息が詰まるような感覚に身体が小さく震えた。
「あ、う……そこ、だめ……っ」
グレイドは、わざと赤髪の青年に聞こえるように、透に話しかける。
「透……君が誰の恋人か、聞かせてくれ」
「……グレイド、の……恋人です……ああ!」
そう言った途端、後孔の入り口を押し広げてグレイドの長い指がゆっくりと入ってきた。中で動かされるたびに透は喘いだ。
「あぁっ……んっ……!」
「ドラゴンだろうと、絶対に渡すつもりはない」
グレイドは低い声で呟くと、透の太ももに噛みつき、跡をつけた。痛みと快感で、透は首まで真っ赤になり、身体の芯はどうしようもなく熱くなってしまう。
「……んっ、んっ……あっ……!」
「……透……っ」
「!!……あああっ……」
グレイドの指は透が感じる場所を執拗に責め立て、透はすぐに絶頂した。身体の力が抜け、視界がぼやける。
「ん……グレイド、気持ちいい……」
透の恍惚とした表情を見た瞬間、グレイドの理性は溶けたようだった。必死に欲望を抑えようとするほど、その衝動は熱を増し、もはやどうすることもできなかった。
その時、薄いカーテンの向こうから、優美でどこか挑発的な青年の声が響く。
「……もういい。まだ続けるつもりか?」
透とグレイドは、はっとして顔を見合わせた。忘れていたわけではないが、目の前の出来事に完全に意識を奪われていた。二人は頬を熱くしながら、慌ただしく身体を拭き、服を整えた。
人の姿をしたドラゴンは、肘掛け椅子に座ったまま、少し寂しげに吐息をもらした。
「我が運命の伴侶に、恋人がいるとは残念だ」
そう呟いたあと、赤髪の青年はゆっくりとまぶたを閉じて微笑んだ。
「しかし、我は永く生きる。運命の伴侶が再び現れるその日まで、静かに待つとしよう」
透は、信じてもらえたのだと心から安堵した。隣にいたグレイドは透をかばうように一歩前へ出て、鋭い声で尋ねる。
「なぜ、この山に現れた?」
問いかけに、青年は赤い髪をかきあげながら眉をひそめた。
「我は、ここで眠っていたのに、この宝珠に起こされたんだ」
そう言うと、ドラゴンの青年は手のひらの上で淡く光る宝珠を見下ろした。そこには、叶わぬ想いが滲んでいるようだった。
「……また、新たに宝珠を生み出さねば……」
低く呟きながら、青年はその宝珠を強く握りしめた。手の中で光が今にも砕けそうにきしむ。
「……あの、壊さないでください!」
透は思わず声を張り上げ、彼の手を止めようと一歩踏み出した。
81
あなたにおすすめの小説
助けたドS皇子がヤンデレになって俺を追いかけてきます!
夜刀神さつき
BL
医者である内藤 賢吾は、過労死した。しかし、死んだことに気がつかないまま異世界転生する。転生先で、急性虫垂炎のセドリック皇子を見つけた彼は、手術をしたくてたまらなくなる。「彼を解剖させてください」と告げ、周囲をドン引きさせる。その後、賢吾はセドリックを手術して助ける。命を助けられたセドリックは、賢吾に惹かれていく。賢吾は、セドリックの告白を断るが、セドリックは、諦めの悪いヤンデレ腹黒男だった。セドリックは、賢吾に助ける代わりに何でも言うことを聞くという約束をする。しかし、賢吾は約束を破り逃げ出し……。ほとんどコメディです。 ヤンデレ腹黒ドS皇子×頭のおかしい主人公
神様の手違いで死んだ俺、チート能力を授かり異世界転生してスローライフを送りたかったのに想像の斜め上をいく展開になりました。
篠崎笙
BL
保育園の調理師だった凛太郎は、ある日事故死する。しかしそれは神界のアクシデントだった。神様がお詫びに好きな加護を与えた上で異世界に転生させてくれるというので、定年後にやってみたいと憧れていたスローライフを送ることを願ったが……。
2026/01/09 加筆修正終了
のほほんオメガは、同期アルファの執着に気付いていませんでした
こたま
BL
オメガの品川拓海(しながわ たくみ)は、現在祖母宅で祖母と飼い猫とのほほんと暮らしている社会人のオメガだ。雇用機会均等法以来門戸の開かれたオメガ枠で某企業に就職している。同期のアルファで営業の高輪響矢(たかなわ きょうや)とは彼の営業サポートとして共に働いている。同期社会人同士のオメガバース、ハッピーエンドです。両片想い、後両想い。攻の愛が重めです。
不遇の第七王子は愛され不慣れで困惑気味です
新川はじめ
BL
国王とシスターの間に生まれたフィル・ディーンテ。五歳で母を亡くし第七王子として王宮へ迎え入れられたのだが、そこは針の筵だった。唯一優しくしてくれたのは王太子である兄セガールとその友人オーティスで、二人の存在が幼いフィルにとって心の支えだった。
フィルが十八歳になった頃、王宮内で生霊事件が発生。セガールの寝所に夜な夜な現れる生霊を退治するため、彼と容姿のよく似たフィルが囮になることに。指揮を取るのは大魔法師になったオーティスで「生霊が現れたら直ちに捉えます」と言ってたはずなのに何やら様子がおかしい。
生霊はベッドに潜り込んでお触りを始めるし。想い人のオーティスはなぜか黙ってガン見してるし。どうしちゃったの、話が違うじゃん!頼むからしっかりしてくれよぉー!
魔力ゼロの無能オメガのはずが嫁ぎ先の氷狼騎士団長に執着溺愛されて逃げられません!
松原硝子
BL
これは魔法とバース性のある異世界でのおはなし――。
15歳の魔力&バース判定で、神官から「魔力のほとんどないオメガ」と言い渡されたエリス・ラムズデール。
その途端、それまで可愛がってくれた両親や兄弟から「無能」「家の恥」と罵られて使用人のように扱われ、虐げられる生活を送ることに。
そんな中、エリスが21歳を迎える年に隣国の軍事大国ベリンガム帝国のヴァンダービルト公爵家の令息とアイルズベリー王国のラムズデール家の婚姻の話が持ち上がる。
だがヴァンダービルト公爵家の令息レヴィはベリンガム帝国の軍事のトップにしてその冷酷さと恐ろしいほどの頭脳から常勝の氷の狼と恐れられる騎士団長。しかもレヴィは戦場や公的な場でも常に顔をマスクで覆っているため、「傷で顔が崩れている」「二目と見ることができないほど醜い」という恐ろしい噂の持ち主だった。
そんな恐ろしい相手に子どもを嫁がせるわけにはいかない。ラムズデール公爵夫妻は無能のオメガであるエリスを差し出すことに決める。
「自分の使い道があるなら嬉しい」と考え、婚姻を大人しく受け入れたエリスだが、ベリンガム帝国へ嫁ぐ1週間前に階段から転げ落ち、前世――23年前に大陸の大戦で命を落とした帝国の第五王子、アラン・ベリンガムとしての記憶――を取り戻す。
前世では戦いに明け暮れ、今世では虐げられて生きてきたエリスは前世の祖国で平和でのんびりした幸せな人生を手に入れることを目標にする。
だが結婚相手のレヴィには驚きの秘密があった――!?
「きみとの結婚は数年で解消する。俺には心に決めた人がいるから」
初めて顔を合わせた日にレヴィにそう言い渡されたエリスは彼の「心に決めた人」を知り、自分の正体を知られてはいけないと誓うのだが……!?
銀髪×碧眼(33歳)の超絶美形の執着騎士団長に気が強いけど鈍感なピンク髪×蜂蜜色の目(20歳)が執着されて溺愛されるお話です。
婚約破棄されてヤケになって戦に乱入したら、英雄にされた上に美人で可愛い嫁ができました。
零壱
BL
自己肯定感ゼロ×圧倒的王太子───美形スパダリ同士の成長と恋のファンタジーBL。
鎖国国家クルシュの第三王子アースィムは、結婚式目前にして長年の婚約を一方的に破棄される。
ヤケになり、賑やかな幼馴染み達を引き連れ無関係の戦場に乗り込んだ結果───何故か英雄に祭り上げられ、なぜか嫁(男)まで手に入れてしまう。
「自分なんかがこんなどちゃくそ美人(男)を……」と悩むアースィム(攻)と、
「この私に不満があるのか」と詰め寄る王太子セオドア(受)。
互いを想い合う二人が紡ぐ、恋と成長の物語。
※諸事情により、本編、番外編「嫁溺愛大将と幼馴染み達」「イザームさんとルーカスくん」のみ再掲します。
「羽化」
「案外、短気」
「飴と鞭」
は未公開のままで失礼いたします。
気付いたらストーカーに外堀を埋められて溺愛包囲網が出来上がっていた話
上総啓
BL
何をするにもゆっくりになってしまうスローペースな会社員、マオ。小柄でぽわぽわしているマオは、最近できたストーカーに頭を悩ませていた。
と言っても何か悪いことがあるわけでもなく、ご飯を作ってくれたり掃除してくれたりという、割とありがたい被害ばかり。
動きが遅く家事に余裕がないマオにとっては、この上なく優しいストーカーだった。
通報する理由もないので全て受け入れていたら、あれ?と思う間もなく外堀を埋められていた。そんなぽややんスローペース受けの話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる