【完結】冷酷騎士団長を助けたら口移しでしか薬を飲まなくなりました

ざっしゅ

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29話 甘いな ※

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 最初は触れ合うだけのキスだった。しかし、唇が重なるたびに熱がこもり、それは次第に互いを求めるように深くなっていった。

「……んっ……」

 トオルの胸は激しくドキドキと鳴り響き、乱れる呼吸はグレイドの口づけに吸い込まれていく。彼の逞しい腕にしっかりと支えられながら、透は濃厚なキスに溺れていた。

 だが、二人の情熱的なキスを目の前で見ていた竜の青年は、それでもなお、納得できなさそうに口を開いた。

「……何をしているんだ? 恋人だと言うなら、交尾を見せてみろ」

 その言葉に、透の顔は真っ赤になった。キスだけでは通用しないらしい。

(そんな……どうすればいいんだ……!)

 透が心の中で半ば泣きそうになっていると、グレイドの大きな手に身体を抱き上げられた。透の足が床から離れ、宙に浮く。

「え?……グレイドさん!?」

 驚く透を強く抱え、グレイドは真っ直ぐ洞窟の奥に置かれた深紅のベッドの方へ歩き出した。彼の瞳には一切の迷いがない。

「……恋人のフリをするんだろう? 俺に任せろ」

 そう囁き、透の頬にそっと口づける。低く落ち着いた声は不思議な安心感を与えながらも、透の胸の鼓動を一層かき乱した。

 グレイドはベッドに透を降ろすと、ためらうことなく、そして素早く自身の騎士団の制服を脱ぎ始める。瞬く間に露わになった鍛え抜かれた体躯。透はその熱を間近に感じてめまいがした。

「あ、あの……」

 断ろうと口を開くものの、自分から恋人のフリをしてほしいと提案した手前、言葉が続かない。指先が無意識にシーツを掴み、逃げ場のない気恥ずかしさが全身を包んだ。

 グレイドの長い指が透の髪を優しく梳かし、次に首筋をなぞる。ゆっくりと身体を撫でられるその刺激に、透は思わずかすかに声を漏らした。

「……んっ」

 すぐ近くでそれを聞いたグレイドの目が細められた。その視線は、熱を帯びて透の全身を焼き付けるようだ。

 グレイドは透に夢中になり、洞窟の中にいる竜の青年の存在を忘れそうになった。だが、ハッとしたように振り返り、ベッドの天蓋のカーテンを勢いよく下ろした。薄い布で、外からは二人の姿がぼんやりとしか見えなくなる。

「……透を見ることは許されない」

 低く、決意に満ちた声でグレイドは呟いた。それは演技ではなく本心だった。本来であれば、透の声も身体も、他の誰にも見せたくなかったのだ。

 優雅に椅子に座っていた赤髪の青年は、視界を遮られ、不満げに鼻を鳴らした。

「……仕方ない。だが、音だけでも十分だ」

 その言葉を聞いた透は、羞恥と緊張で全身を震わせた。

 グレイドの手が透のベルトを緩め、白い肌をあらわにしていく。服がするりと滑り落ちるたび、洞窟の冷たい空気に素肌が触れ、透は小さく身を縮め、熱を帯びた吐息を漏らした。

「寒くないか?」
「大丈夫です……」

 そのとき、近くに置かれていた透のバッグの中から薬瓶が見えた。グレイドはちらりと目に入ったそれを手に取り、栓を開けた。ふわりと、周囲の空気を一変させるような甘く柔らかな香りが広がる。

「……透、この薬はなんだ?」

 低い声が耳元に落ちてきて、透は照れくさそうに視線を逸らしながら、か細い声で答えた。

「……グレイドさんが、飲みやすいように、甘い味がする万能薬を作ってみたんです」

 頬を染めながらも、自分のために用意したのだと伝える姿に、グレイドの胸の奥が強く揺さぶられた。

(……俺のために、作ってくれたのか……)

 薬瓶を傾けると、とろりとした半透明な液体がグレイドの指先を濡らした。甘い香りとともに、滑らかに伸びていく。

「……それなら、使わないとな」
「……?」

 そう呟き、グレイドはその液を透の下腹部にひと筋垂らした。冷たさに透は小さく身を震わせる。だがすぐにグレイドの熱い舌が塗り広げるようにそれを舐め、透の敏感なところをゆっくりと愛撫した。

「あっ!……グレイド、さん……!」

「透、大丈夫だから……力を抜いてくれ」

 恥ずかしさと、舌の感触とグレイドの体温が合わさった甘い痺れに、透は声が抑えられなくなった。グレイドは透の反応を確かめるように視線を向け、さらに舌先を這わせた。濡れた透の白い肌は、熱を帯びて光って見える。

「や……あぁ……っ」
「……甘いな」

 彼はその様子に満足げに唇をなめると、自らの熱を帯びた肉茎にも液体をかける。そして、透の両足を抱きしめ、太ももの間にゆっくりと自身を押し当てた。

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