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3話 五十路、執事喫茶に入る
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執事喫茶【GARDEN】
ここが南さんのお店のようです。
やさしいクリーム色と沢山の元気な植物たちが印象的です。
「さ、入りましょう」
なんだかウキウキしている南さんに連れられて店内へ。
強すぎないランプ風の照明と、重苦しくない程度のしっかりした家具。また、所々の生花と造花、植物のバランスが絶妙で、癒しの空間といった雰囲気で、素晴らしいです。
まだオープン前のようで数人のスタッフの方が準備をしていらっしゃいます。
「おはようございます、オーナー」
「おはようございます」
南さんがスタッフの方たちと挨拶を交わしながら颯爽と歩いていきます。
私も邪魔にならないように静かに後ろをついていくのですが
「うわっ! びっくりした」
「え? だれ?」
あまりにも存在感が希薄なのかとても驚かれます。
そして、南さんは金髪の男性を見つけ、声を掛けます。
「おーい、若井君」
「はい、ここに。それで、どなたです、この方? お客様?」
「違う違う。この人、ウチで採用しようかと思って」
「ん? 白髪? この感じ? もしかして、福家さん?」
「そう!」
「ああ、あんたが噂の!」
「うわさの?」
「いやあ、オーナーがことある毎にあんたをひきあびっ……」
金髪の男性が真横に吹っ飛んでいきます。
どうやら南さんの肘が当たってしまったようです。
「ちょっと! オーナー!」
「若井~、あんた余計な事言ったらどうなるか分かってるよね~」
「へいへい、黙りまーす」
どうやら南さんは私の話をここでもしていらっしゃるようです。
なんでしょうか、福家みたいになりたくなければがんばれみたいな事でしょうか。
「あ、あの、それより、この方は?」
「ども~☆」
「若井蒼汰。これでもウチの古株で、教育係」
「ああ、やっぱり」
「「やっぱり?」」
お二人が顔を見合せ、同じタイミングでこちらを向きます。
仲が良くて微笑ましいです。
「言葉遣いは軽そうですが、南さんが入ってきてからは常にこちらを意識してらっしゃいましたし、スタッフの皆様も、若井さんの方を意識しながらお仕事を。あと、非常に身のこなしが美しく丁寧で見惚れてしまいました」
私がそう言うと、お二人はまた顔を見合せてらっしゃいます。
なぜ?
私、何か粗相してしまったのでしょうか?
ジジイの癖に生意気だ、とかでしょうか?
前のオーナーにもよく、「自分のことになると鈍感のニブチン」と言われていました。
ああ! 年寄りは感覚が鈍くていけません!
ここが南さんのお店のようです。
やさしいクリーム色と沢山の元気な植物たちが印象的です。
「さ、入りましょう」
なんだかウキウキしている南さんに連れられて店内へ。
強すぎないランプ風の照明と、重苦しくない程度のしっかりした家具。また、所々の生花と造花、植物のバランスが絶妙で、癒しの空間といった雰囲気で、素晴らしいです。
まだオープン前のようで数人のスタッフの方が準備をしていらっしゃいます。
「おはようございます、オーナー」
「おはようございます」
南さんがスタッフの方たちと挨拶を交わしながら颯爽と歩いていきます。
私も邪魔にならないように静かに後ろをついていくのですが
「うわっ! びっくりした」
「え? だれ?」
あまりにも存在感が希薄なのかとても驚かれます。
そして、南さんは金髪の男性を見つけ、声を掛けます。
「おーい、若井君」
「はい、ここに。それで、どなたです、この方? お客様?」
「違う違う。この人、ウチで採用しようかと思って」
「ん? 白髪? この感じ? もしかして、福家さん?」
「そう!」
「ああ、あんたが噂の!」
「うわさの?」
「いやあ、オーナーがことある毎にあんたをひきあびっ……」
金髪の男性が真横に吹っ飛んでいきます。
どうやら南さんの肘が当たってしまったようです。
「ちょっと! オーナー!」
「若井~、あんた余計な事言ったらどうなるか分かってるよね~」
「へいへい、黙りまーす」
どうやら南さんは私の話をここでもしていらっしゃるようです。
なんでしょうか、福家みたいになりたくなければがんばれみたいな事でしょうか。
「あ、あの、それより、この方は?」
「ども~☆」
「若井蒼汰。これでもウチの古株で、教育係」
「ああ、やっぱり」
「「やっぱり?」」
お二人が顔を見合せ、同じタイミングでこちらを向きます。
仲が良くて微笑ましいです。
「言葉遣いは軽そうですが、南さんが入ってきてからは常にこちらを意識してらっしゃいましたし、スタッフの皆様も、若井さんの方を意識しながらお仕事を。あと、非常に身のこなしが美しく丁寧で見惚れてしまいました」
私がそう言うと、お二人はまた顔を見合せてらっしゃいます。
なぜ?
私、何か粗相してしまったのでしょうか?
ジジイの癖に生意気だ、とかでしょうか?
前のオーナーにもよく、「自分のことになると鈍感のニブチン」と言われていました。
ああ! 年寄りは感覚が鈍くていけません!
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