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53話 五十路、受け止める。
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「さて、じゃあ、アイツはもうアウトってことで、次は、お前だが……」
明羅お坊ちゃんが、席を立っていた一也さんのほうを向きます。
「ひ! お、俺は、何もしてない!」
「……で?」
「何もしてないんだ。ただ、横河さんの指示に従ってただけで……なのに、なんで俺まで……!」
「何もやってないからでしょ」
詩織さんの近くに居た小鳥さんが前に出て一也さんのところに行きます。
「え……?」
「あんた、少しでも先輩に抵抗した? 出来ないなら誰かに相談した? 何か行動した? してないよね? 理由は知ってる。あんたはいつも面倒くさいから、誰かがやってくれるまで待ってるんだ。でもね、そんなことしてたら最後には誰も助けてくれないか。もっと悪い人間に使われて終わりなんだよ」
「で、でも……そんなこと……できるわけないだろ!?」
「なんで?」
「なんでって……」
「あたしが教えてあげる。あたしが。あんたは、ビビってたんだ。誰かに助けてもらうことを。裏切られることを。期待すれば辛いから。母親みたいに自分を捨てるかもしれないから」
「……!」
「こんな事になる前に、気付いてほしかった……。これから、あんたは今までの選択をいっぱいいっぱい後悔する! いっぱいいっぱい反省しな! そして、自分の事をいっぱいいっぱい考えな。自分の嫌いな自分を捨てて、自分の好きな自分を一生懸命育てるんだ。私もこれからそうする。あのボロボロのカルムと向き合っていく」
一也さんは小鳥さんの言葉を聞いて呻くように泣き、黄河さん達に連れて行かれようとします。
私は、どうしてもお伝えしたいことがあり、呼び止めます。
「一也さん、あなた、横河が詩織さんを襲った時、小鳥さんが庇うのを見て席を立ったでしょう? ……その自分を信じて下さい。そして、その行動を。その気持ちが貴方の中にはあるはずなんですから」
一也さんは答えてくれませんでした。ですが、小さく頷いてくださいました。
そして、黄河さん達に連れていかれてしまいました。
「さて、と……じゃあ、コイツの事だけど」
「あ、明羅さん! 俺にも、俺にもチャンスくれませんか?」
横河が縋るような目で明羅お坊ちゃんを見ます。
「はあ?」
「俺だって反省してる。ちゃんと償う。だから、二宮さんの所だけは……」
「だろうな。お前がそういうことを言うだろうってのも、白銀は予想済みだよ。そして、俺達からの最後の蜘蛛の糸だ。白銀、いいな?」
「お坊ちゃんの望むままに」
「お前にもう一度だけチャンスをやる」
「チャンス?」
「この白銀を倒すことが出来たら、お前を許して、見逃してやる」
昔を思い出します。
よく、祖父の所にヤンチャそうな方たちが連れてこられては『叩きなおしてほしい』と預けられていました。
今回も耕さんから提案されました。『こういうヤツには一番効く』と。
「倒すって……どうすれば?」
「そうさな……白銀が『参った』というか、やられ過ぎて無理になるようなことがあれば止めに入るわ」
「……わかりました」
横河がゆらりと立ち上がり、こちらを睨みつけます。やる気の様です。
「言っておくが、俺はこの人に勝てた事ねえぞ。まあ、頑張れ」
「え?」
明羅お坊ちゃんの一言で、横河が呆けた顔で振り返ります。
「どうした? ほら、戦えよ。お前の好きな『暴力』で」
「う……うおおおおおおお!」
横河が、私に突っ込んできます。
掴んでしまえば確かに力の差で負けることもあるかもしれません。
「……ふ!」
ですが、あまりにも分かりやすく単調な動き。
身体を半回転させ、懐に入り、背中を横河の腹に当て、引きこんだ右手を取ります。
横河の声が漏れた瞬間、私は右脇をくぐり、片手で右腕を、もう一方で顎を抑え、崩すと横河はその巨体をふわりと浮かべ地面に落ちていきます。
「……うわ! うくっ! あれ?」
横河が目を見開き、驚いています。それもそうでしょう。
私は出来るだけ力を受け流し削いだ上で、放り投げました。
出来るだけ、痛みのないように。
これが、祖父のやり方でした。
ヤンチャな方たちの叩きのめす、ではなく、叩きなおす。
圧倒的な力の差を見せつけて、心を一度折る。
私はまだまだ未熟ではありますが、横河には負けません。
状況を呑みこめないまま、横河はそれでも必死に飛びかかってきます。
何も磨かれたことのない状態であろうただの『暴力』で。
合気道、柔道、サンボ等、横河の攻撃に合わせ最適の動きを選択し、投げる、崩す、極める。そして、放す。
ジジイは気長でコツコツが好きなので、ただひたすらに繰り返し続けます。
横河からすれば、賽の河原の石積を邪魔する鬼にでも見えているのではないでしょうか。
「あ、あ、あああああああああ!」
苛立ちが抑えきれずに叫びまわる横河をじっと待ちます。
「どうした? 俺でももっともったぜ? 諦めて連れて行かれるか?」
明羅お坊ちゃんの言葉に弾かれるように飛び出す横河をやはり、躱し、捌き、崩し、投げる。それを延々と繰り返します。
周りの皆さんは、真剣な眼差しで見つめていました。
冷やかすでも囃し立てるでもなく、ただ、真剣に、ずっと。
そして、とうとう横河さんから声も上がらなくなり、仰向けに寝転がったまま動かなくなりました。
「う、あ、ああ、あああああ~…………!」
恐らく今、自身の無力さを痛感していることでしょう。
痛みもほとんど与えられず、ただただ投げられるだけの実力差。
自分が本当は弱かったことに気付きかけているのでしょう。
何も出来なかった自分が悔しくて悔しくて仕方ないのでしょう。
勿論、痛めつけたい気持ちもないと言えば噓になります。
ですが、それ以上に分かって欲しい。
理不尽な力に負ける悔しさを。
「もういいでしょう?」
「そうっすね。ありがとうございました!」
明羅お坊ちゃんが深々と頭を下げます。
「こいつは責任持って俺が二宮の親父のところに連れて行きます。あ、南さんは来なくて大丈夫です。コイツの下らねえ命令自体が、親父のタブーに触れてますから、無効にさせます。あと……このお店に掛けた迷惑料ですが……必ずコイツから取り立てると二宮の親父が言っていたので。それと、コイツのせいで悪いイメージが」
「それは、我々でこれから払拭してみせます。それに、こんな事があってもお店を愛してくださるお嬢様お坊ちゃんは多くいらっしゃるので」
「……みたいですね。いいお店です。もし、よければ、また来させてください。今度はちゃんと楽しみに、俺もしっかりマナーを勉強してくるんで」
「明羅お坊ちゃんのお帰りをお待ちしています」
「おかえり、か……いいっすね。いいとこだ」
明羅お坊ちゃんはそう呟きながら、他のテーブルで控えていた男性たちと一緒に横河を連れて行きます。
「横河さん」
「貴方の暴力では、この庭を、強く咲き誇る花たちを踏み荒らすことは出来なかったようですよ。そして、」
私は、用意していた黄色のカーネーションを差し上げます。
「黄色のカーネーションは、西洋では『貴方には失望した』と言う意味があります。ですが、『美』、『美しさ』という意味もあります。内面まで磨かれて美しくなって下さることを心から願います。では、『琉偉お坊ちゃんがご立派に成長されますよう、お気をつけて』」
震えながらこちらを見る『琉偉お坊ちゃん』でしたが、力なく、来る時の何分の一かに小さくなってしまったようにも見えます。
マナーを守れず【GARDEN】を荒らす人間は、許せません。
私がそう思っていると、隣に緋田が、いえ、執事の皆が並んでいました。
その背筋はぴんと伸び、胸を張り、【GARDEN】の執事として誇らしい姿でした。
そして、横河を連れて行く明羅お坊ちゃん達を見送り、我々は振り返ります。
そこには、強く美しく、そして、誇りに満ちたお嬢様、お坊ちゃん達が花のような笑顔を咲かせていました。
これからもずっと、この場所で。
黒鶴に促され、私は一歩前に出て、口を開きます。
「お嬢様、お坊ちゃん、感謝いたします。ご立派でした。皆様のお陰で、この場所は守られました。執事、いえ、使用人一同を代表し、感謝申し上げます。ありがとうございました」
「「「「「「「「「「「「ありがとうございました!」」」」」」」」」」」」
拍手、そして、歓声。
誰もが喜び、抱き合い、今を噛みしめていました。
「白銀っ!」
「拓さん!」
南さんと小鳥さんが飛び込んでこられます。
お嬢様としてははしたないですが、今日くらいは良いでしょう。
私も、執事失格ですから。
私は、お二人を抱きしめ返しました。
【GARDEN】の花たちも祝福してくれているかのように、優しく揺れていました。
明羅お坊ちゃんが、席を立っていた一也さんのほうを向きます。
「ひ! お、俺は、何もしてない!」
「……で?」
「何もしてないんだ。ただ、横河さんの指示に従ってただけで……なのに、なんで俺まで……!」
「何もやってないからでしょ」
詩織さんの近くに居た小鳥さんが前に出て一也さんのところに行きます。
「え……?」
「あんた、少しでも先輩に抵抗した? 出来ないなら誰かに相談した? 何か行動した? してないよね? 理由は知ってる。あんたはいつも面倒くさいから、誰かがやってくれるまで待ってるんだ。でもね、そんなことしてたら最後には誰も助けてくれないか。もっと悪い人間に使われて終わりなんだよ」
「で、でも……そんなこと……できるわけないだろ!?」
「なんで?」
「なんでって……」
「あたしが教えてあげる。あたしが。あんたは、ビビってたんだ。誰かに助けてもらうことを。裏切られることを。期待すれば辛いから。母親みたいに自分を捨てるかもしれないから」
「……!」
「こんな事になる前に、気付いてほしかった……。これから、あんたは今までの選択をいっぱいいっぱい後悔する! いっぱいいっぱい反省しな! そして、自分の事をいっぱいいっぱい考えな。自分の嫌いな自分を捨てて、自分の好きな自分を一生懸命育てるんだ。私もこれからそうする。あのボロボロのカルムと向き合っていく」
一也さんは小鳥さんの言葉を聞いて呻くように泣き、黄河さん達に連れて行かれようとします。
私は、どうしてもお伝えしたいことがあり、呼び止めます。
「一也さん、あなた、横河が詩織さんを襲った時、小鳥さんが庇うのを見て席を立ったでしょう? ……その自分を信じて下さい。そして、その行動を。その気持ちが貴方の中にはあるはずなんですから」
一也さんは答えてくれませんでした。ですが、小さく頷いてくださいました。
そして、黄河さん達に連れていかれてしまいました。
「さて、と……じゃあ、コイツの事だけど」
「あ、明羅さん! 俺にも、俺にもチャンスくれませんか?」
横河が縋るような目で明羅お坊ちゃんを見ます。
「はあ?」
「俺だって反省してる。ちゃんと償う。だから、二宮さんの所だけは……」
「だろうな。お前がそういうことを言うだろうってのも、白銀は予想済みだよ。そして、俺達からの最後の蜘蛛の糸だ。白銀、いいな?」
「お坊ちゃんの望むままに」
「お前にもう一度だけチャンスをやる」
「チャンス?」
「この白銀を倒すことが出来たら、お前を許して、見逃してやる」
昔を思い出します。
よく、祖父の所にヤンチャそうな方たちが連れてこられては『叩きなおしてほしい』と預けられていました。
今回も耕さんから提案されました。『こういうヤツには一番効く』と。
「倒すって……どうすれば?」
「そうさな……白銀が『参った』というか、やられ過ぎて無理になるようなことがあれば止めに入るわ」
「……わかりました」
横河がゆらりと立ち上がり、こちらを睨みつけます。やる気の様です。
「言っておくが、俺はこの人に勝てた事ねえぞ。まあ、頑張れ」
「え?」
明羅お坊ちゃんの一言で、横河が呆けた顔で振り返ります。
「どうした? ほら、戦えよ。お前の好きな『暴力』で」
「う……うおおおおおおお!」
横河が、私に突っ込んできます。
掴んでしまえば確かに力の差で負けることもあるかもしれません。
「……ふ!」
ですが、あまりにも分かりやすく単調な動き。
身体を半回転させ、懐に入り、背中を横河の腹に当て、引きこんだ右手を取ります。
横河の声が漏れた瞬間、私は右脇をくぐり、片手で右腕を、もう一方で顎を抑え、崩すと横河はその巨体をふわりと浮かべ地面に落ちていきます。
「……うわ! うくっ! あれ?」
横河が目を見開き、驚いています。それもそうでしょう。
私は出来るだけ力を受け流し削いだ上で、放り投げました。
出来るだけ、痛みのないように。
これが、祖父のやり方でした。
ヤンチャな方たちの叩きのめす、ではなく、叩きなおす。
圧倒的な力の差を見せつけて、心を一度折る。
私はまだまだ未熟ではありますが、横河には負けません。
状況を呑みこめないまま、横河はそれでも必死に飛びかかってきます。
何も磨かれたことのない状態であろうただの『暴力』で。
合気道、柔道、サンボ等、横河の攻撃に合わせ最適の動きを選択し、投げる、崩す、極める。そして、放す。
ジジイは気長でコツコツが好きなので、ただひたすらに繰り返し続けます。
横河からすれば、賽の河原の石積を邪魔する鬼にでも見えているのではないでしょうか。
「あ、あ、あああああああああ!」
苛立ちが抑えきれずに叫びまわる横河をじっと待ちます。
「どうした? 俺でももっともったぜ? 諦めて連れて行かれるか?」
明羅お坊ちゃんの言葉に弾かれるように飛び出す横河をやはり、躱し、捌き、崩し、投げる。それを延々と繰り返します。
周りの皆さんは、真剣な眼差しで見つめていました。
冷やかすでも囃し立てるでもなく、ただ、真剣に、ずっと。
そして、とうとう横河さんから声も上がらなくなり、仰向けに寝転がったまま動かなくなりました。
「う、あ、ああ、あああああ~…………!」
恐らく今、自身の無力さを痛感していることでしょう。
痛みもほとんど与えられず、ただただ投げられるだけの実力差。
自分が本当は弱かったことに気付きかけているのでしょう。
何も出来なかった自分が悔しくて悔しくて仕方ないのでしょう。
勿論、痛めつけたい気持ちもないと言えば噓になります。
ですが、それ以上に分かって欲しい。
理不尽な力に負ける悔しさを。
「もういいでしょう?」
「そうっすね。ありがとうございました!」
明羅お坊ちゃんが深々と頭を下げます。
「こいつは責任持って俺が二宮の親父のところに連れて行きます。あ、南さんは来なくて大丈夫です。コイツの下らねえ命令自体が、親父のタブーに触れてますから、無効にさせます。あと……このお店に掛けた迷惑料ですが……必ずコイツから取り立てると二宮の親父が言っていたので。それと、コイツのせいで悪いイメージが」
「それは、我々でこれから払拭してみせます。それに、こんな事があってもお店を愛してくださるお嬢様お坊ちゃんは多くいらっしゃるので」
「……みたいですね。いいお店です。もし、よければ、また来させてください。今度はちゃんと楽しみに、俺もしっかりマナーを勉強してくるんで」
「明羅お坊ちゃんのお帰りをお待ちしています」
「おかえり、か……いいっすね。いいとこだ」
明羅お坊ちゃんはそう呟きながら、他のテーブルで控えていた男性たちと一緒に横河を連れて行きます。
「横河さん」
「貴方の暴力では、この庭を、強く咲き誇る花たちを踏み荒らすことは出来なかったようですよ。そして、」
私は、用意していた黄色のカーネーションを差し上げます。
「黄色のカーネーションは、西洋では『貴方には失望した』と言う意味があります。ですが、『美』、『美しさ』という意味もあります。内面まで磨かれて美しくなって下さることを心から願います。では、『琉偉お坊ちゃんがご立派に成長されますよう、お気をつけて』」
震えながらこちらを見る『琉偉お坊ちゃん』でしたが、力なく、来る時の何分の一かに小さくなってしまったようにも見えます。
マナーを守れず【GARDEN】を荒らす人間は、許せません。
私がそう思っていると、隣に緋田が、いえ、執事の皆が並んでいました。
その背筋はぴんと伸び、胸を張り、【GARDEN】の執事として誇らしい姿でした。
そして、横河を連れて行く明羅お坊ちゃん達を見送り、我々は振り返ります。
そこには、強く美しく、そして、誇りに満ちたお嬢様、お坊ちゃん達が花のような笑顔を咲かせていました。
これからもずっと、この場所で。
黒鶴に促され、私は一歩前に出て、口を開きます。
「お嬢様、お坊ちゃん、感謝いたします。ご立派でした。皆様のお陰で、この場所は守られました。執事、いえ、使用人一同を代表し、感謝申し上げます。ありがとうございました」
「「「「「「「「「「「「ありがとうございました!」」」」」」」」」」」」
拍手、そして、歓声。
誰もが喜び、抱き合い、今を噛みしめていました。
「白銀っ!」
「拓さん!」
南さんと小鳥さんが飛び込んでこられます。
お嬢様としてははしたないですが、今日くらいは良いでしょう。
私も、執事失格ですから。
私は、お二人を抱きしめ返しました。
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