前世は救国の騎士だが、今世は平民として生きる!はずが囲われてます!?

文字の大きさ
11 / 146

一難去ってまた一男

しおりを挟む
「えぇっ、荷物これだけなの!?」

テオに驚かれる。
俺は荷物として、あと一揃えの服と下着を持ってきているだけだ。

「いや、寄宿舎に全部揃ってるって聞いたんだけど……」

「いや、それにしても少なすぎでしょ……」

テオは呆れ顔だ。

「制服や勉強道具は一式支給されるけど、休みの日の服は?」

「あと一揃えあるぞ!今着てるのと交互に洗って着れば問題ない!」

胸を張る。

「一年間だよ?一年間二枚!?寒くなったらどうするの?」

「俺は寒さには強い!」

再び、胸を張る。

はぁーっとため息をつかれる。
何か問題があるんだろうか……?

「買う……つもりはなさそうだし、いいよ、僕は余分に持ってきてるからいくつか君に合うのを見繕ってあげるよ」

「く、くれるのか!?」

あ、勢いよすぎて、テオがちょっと引いてる。
お金はある所にはあるが、ない所にはない。

俺の所には、ない!!

「テオはどこの所有領だ?」

有名な所なら、知ってるかな?

「ウチはロレーヌだよ」

「ロレーヌ!!めちゃめちゃすごいじゃん!今は辺境伯?」

「そうだね。元々父上は伯爵だったみたいだけど、ロレーヌをまかされて、辺境伯になったんだ。……詳しいね?」

「お、おぅ。なら、くれ!出世払いするからっ」

テオの所にはめちゃめちゃ金がある。
ロレーヌは銀山があるから、工業も商業も盛んだ。
貧しい平民に服の一枚や二枚どうってことない。

まぁ、俺が木こりになったら、初めて伐った木で熊でも彫って送ってやろう。

「ロレーヌの銀山は一度行ってみたいと思ってたんだけど、機会がなくてな。坑夫たちは病におかされたり、短命な者が多いだろ?術者を派遣しようにも、中央との折り合いもあって難しい……って話を聞いたことがあってー」

や、やばい。
ついつい、前のルカ時代に気になってたことをベラベラ話してしまった。

テオは……おぉ、安定のほんわかテオだ。
気づかれてない~鈍いテオで良かった~。

「そんなにロレーヌのことを考えてくれてる人がいるんだね~ありがたいよ~」

にこにこ。ほわほわ。

「僕も、そこがずっと気になってるんだ……父上は仕方がないって言うけど、そんな訳ない。命の礎で成り立つ物はいつか瓦解する。民のために、何か策を考えないといけない」

さっきまでのほんわかテオはどこにいったのか。
為政者の顔だ。
ロレーヌはこれから、もっと発展するな。
いや、こんな人材、中央がほっとかないかー。

「私と同じ光量の者がいると聞いたら、お前かテオドール」

背後から冷めきった声が聞こえる。
振り返ると、そこには長身の美丈夫がいた。

長い金髪を後ろで一つに束ね、瞳は深海のような暗い蒼、鼻筋は通り、物語に出てくる妖精のような美しい顔立ちだ。
だが、その眼光が鋭く、表情も冷淡だ。

「……バーン様」

あ、あれぇ?
にこにこなテオが俺が見ても分かるレベルの不機嫌顔に変わった!?

誰??
しおりを挟む
感想 64

あなたにおすすめの小説

【完結】国に売られた僕は変態皇帝に育てられ寵妃になった

cyan
BL
陛下が町娘に手を出して生まれたのが僕。後宮で虐げられて生活していた僕は、とうとう他国に売られることになった。 一途なシオンと、皇帝のお話。 ※どんどん変態度が増すので苦手な方はお気を付けください。

【完結】花降る王国の魔法師団長は、新米魔法師の僕を愛でる

金浦桃多
BL
エルは魔法師団長の第三王子ノアに憧れて魔法師になった。 数年前、フローラ王国の最大のお祭りでノアが降らせた氷の花に触れた事がきっかけだ。新米ながらも当時のノアと同じ大役を任されたエル。真剣に鍛錬をするエルをノアはことさら優しく見守る。ある日、魔法師の間で奇病が広がり始めた。事態を重く見たノアは奇病の真相を追う。そんな中、エルも奇病に侵されてしまう。奇病の真実とは?ノアがエルに構う理由とは? 魔法師団長×新米魔法師 ハッピーエンドです。

妹を救うためにヒロインを口説いたら、王子に求愛されました。

藤原遊
BL
乙女ゲームの悪役令息に転生したアラン。 妹リリィが「悪役令嬢として断罪される」未来を変えるため、 彼は決意する――ヒロインを先に口説けば、妹は破滅しない、と。 だがその“奇行”を見ていた王太子シリウスが、 なぜかアラン本人に興味を持ち始める。 「君は、なぜそこまで必死なんだ?」 「妹のためです!」 ……噛み合わないはずの会話が、少しずつ心を動かしていく。 妹は完璧令嬢、でも内心は隠れ腐女子。 ヒロインは巻き込まれて腐女子覚醒。 そして王子と悪役令息は、誰も知らない“仮面の恋”へ――。 断罪回避から始まる勘違い転生BL×宮廷ラブストーリー。 誰も不幸にならない、偽りと真実のハッピーエンド。

寄るな。触るな。近付くな。

きっせつ
BL
ある日、ハースト伯爵家の次男、であるシュネーは前世の記憶を取り戻した。 頭を打って? 病気で生死を彷徨って? いいえ、でもそれはある意味衝撃な出来事。人の情事を目撃して、衝撃のあまり思い出したのだ。しかも、男と男の情事で…。 見たくもないものを見せられて。その上、シュネーだった筈の今世の自身は情事を見た衝撃で何処かへ行ってしまったのだ。 シュネーは何処かに行ってしまった今世の自身の代わりにシュネーを変態から守りつつ、貴族や騎士がいるフェルメルン王国で生きていく。 しかし問題は山積みで、情事を目撃した事でエリアスという侯爵家嫡男にも目を付けられてしまう。シュネーは今世の自身が帰ってくるまで自身を守りきれるのか。 ーーーーーーーーーーー 初めての投稿です。 結構ノリに任せて書いているのでかなり読み辛いし、分かり辛いかもしれませんがよろしくお願いします。主人公がボーイズでラブするのはかなり先になる予定です。 ※ストックが切れ次第緩やかに投稿していきます。

少女漫画の当て馬に転生したら聖騎士がヤンデレ化しました

猫むぎ
BL
※イヴ視点26以降(ハルフィリア編)大幅修正いたします。 見てくださった皆様には申し訳ございません。 これからも見ていただけたら嬉しいです。 外の世界に憧れを抱いていた少年は、少女漫画の世界に転生しました。 当て馬キャラに転生したけど、モブとして普通に暮らしていたが突然悪役である魔騎士の刺青が腕に浮かび上がった。 それでも特に刺青があるだけでモブなのは変わらなかった。 漫画では優男であった聖騎士が魔騎士に豹変するまでは… 出会う筈がなかった二人が出会い、聖騎士はヤンデレと化す。 メインヒーローの筈の聖騎士に執着されています。 最上級魔導士ヤンデレ溺愛聖騎士×当て馬悪役だけどモブだと信じて疑わない最下層魔導士

BLゲームのモブに転生したので壁になろうと思います

BL
前世の記憶を持ったまま異世界に転生! しかも転生先が前世で死ぬ直前に買ったBLゲームの世界で....!? モブだったので安心して壁になろうとしたのだが....? ゆっくり更新です。

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 毎日19時に更新予定です。

帝に囲われていることなど知らない俺は今日も一人草を刈る。

志子
BL
ノリと勢いで書いたBL転生中華ファンタジー。 美形×平凡。 乱文失礼します。誤字脱字あったらすみません。 崖から落ちて顔に大傷を負い高熱で三日三晩魘された俺は前世を思い出した。どうやら農村の子どもに転生したようだ。 転生小説のようにチート能力で無双したり、前世の知識を使ってバンバン改革を起こしたり……なんてことはない。 そんな平々凡々の俺は今、帝の花園と呼ばれる後宮で下っ端として働いてる。 え? 男の俺が後宮に? って思ったろ? 実はこの後宮、ちょーーと変わっていて…‥。

処理中です...