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寄宿学校初日
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ここが、俺が一年間学ぶ場か。
目の前の寄宿学校の門前で建物を見据える。
建物は格式高い造りではあるが、周囲の緑と相まって素朴な雰囲気もあった。
魔法に対応した講堂と二階建ての建物に各教室があり、剣術用の訓練場も遠くに見て取れた。
ぐっと気を引き締める。
何かを得て帰ろう!
……嫁は無理だから!!
朝はあまりの衝撃にテオに迷惑をかけてしまった。
魔力量の少ない者は無料ではないことも衝撃が大きかったが、女の子がいないことも大きい!
どこまでウチの村には情報が回ってきてないんだ!
父さんも知ってたら、寄宿学校行かせなかっただろうな……。
数年前に貴族の子女が同じ寄宿学校の平民の生徒に乱暴される事件が起こり、魔力量によって無料ではなくなったり、男女別に寄宿学校が分けられるようになったらしい。
その事件起こした奴、ぶん殴りたい!!
はぁっとため息をついてしまう。
「ルカ、まだショック?」
隣のテオが心配そうに覗き込む。
「まさか、村に帰りたいとか……」
クリフトも、心配そうだ。
ショックを受けた俺と部屋に戻った時に、テオから話は聞いている。
「いや、引きずってても仕方ないよな!大丈夫だ!行こう」
気持ちを切り替えよう!
俺は明るく笑うと、歩みを進めた。
三人で講堂の入り口まで着いた。
重厚な扉を開くと、中は円形の広い部屋だ。
部屋の上部に教壇があり、そこから扇状に机といすが配置されている。
すでに早めに到着した寄宿生たちが前部には座っている。
特に座る位置などは指定されていないため、詰める形で真ん中くらいの位置に三人で並んで座った。
テオとクリフトはみんなに知られているためチラチラ振り返り見られている。
注目されてるんだな。
自分のことのように誇らしい。
講堂の入り口がざわついている。
気になって振り返ると、バーンだった。
前部に移動するように促している寄宿生がいるが、バーンはそのまま下部に座った。
しばらくすると、教壇に人が立った。
魔力量測定の時にいた人物だ。
「えー、全員集合したようなので、始めます。君たちを指導する教官の一人、ネラルと申します。主に魔法制御を担当します。今日はまず、これからの説明や必要な道具類をお渡しします。特例を除き、これから一年間は配属されたクラスにて学んで頂きますが、途中で変更も可能ですので、その際は能力などを踏まえ、相談ということになります。配属の重複も可能ですが、過酷ですよ」
ネラル先生がバーンの方をちらっと見た。
バーンは魔法も剣術も、と言っていたからな。
「あと、全員に受けて頂く特別なものもありますので、それは適宜。後でそれぞれの指導書や道具類を受け取って下さい。明日から一週間は基礎的な座学になりますので、よろしくお願いいたします」
ネラル先生は丁寧だな。
「あと、こちらを管轄しているシュラより話がありますので、お待ち下さい」
この寄宿学校のトップか。
どんな奴だろう?
空間が揺らぎ、突然壇上に赤い髪の女性が現れた。
長い髪をなびかせ、その背丈以上の黒いローブの下には、身体のラインがしっかりと出る赤色のドレスを身に付けていた。のぞかせるその肢体は艶かしい。
瞳も髪やドレスと同じく赤く、唇にも同様の真っ赤な口紅。
顔立ちはキツイ美人といった所か。
「初めまして。私がココの管轄をまかされているシュラよ。私が指導することはないけれど、有望な者がいれば中央に推薦します。私の耳に入るくらい優秀なコがいることを願うわ」
妖艶に笑む。
こんな美人、田舎にはいないなー。
確かに指導とかしたら、それどころじゃなくなる寄宿生たくさんいそうだなー。
俺は壇上の女性の顔を見ると、ふと何か違和感を感じた。
どこかで、会ったことがあるような……。
特徴的な赤い髪に赤い瞳……。
記憶をたどる。
……シュルツだ!!
過去の記憶と今の姿が合致すると、思わず勢いよく立ち上がってしまう。
まさか、こんな所で会うなんて……!
目の前の寄宿学校の門前で建物を見据える。
建物は格式高い造りではあるが、周囲の緑と相まって素朴な雰囲気もあった。
魔法に対応した講堂と二階建ての建物に各教室があり、剣術用の訓練場も遠くに見て取れた。
ぐっと気を引き締める。
何かを得て帰ろう!
……嫁は無理だから!!
朝はあまりの衝撃にテオに迷惑をかけてしまった。
魔力量の少ない者は無料ではないことも衝撃が大きかったが、女の子がいないことも大きい!
どこまでウチの村には情報が回ってきてないんだ!
父さんも知ってたら、寄宿学校行かせなかっただろうな……。
数年前に貴族の子女が同じ寄宿学校の平民の生徒に乱暴される事件が起こり、魔力量によって無料ではなくなったり、男女別に寄宿学校が分けられるようになったらしい。
その事件起こした奴、ぶん殴りたい!!
はぁっとため息をついてしまう。
「ルカ、まだショック?」
隣のテオが心配そうに覗き込む。
「まさか、村に帰りたいとか……」
クリフトも、心配そうだ。
ショックを受けた俺と部屋に戻った時に、テオから話は聞いている。
「いや、引きずってても仕方ないよな!大丈夫だ!行こう」
気持ちを切り替えよう!
俺は明るく笑うと、歩みを進めた。
三人で講堂の入り口まで着いた。
重厚な扉を開くと、中は円形の広い部屋だ。
部屋の上部に教壇があり、そこから扇状に机といすが配置されている。
すでに早めに到着した寄宿生たちが前部には座っている。
特に座る位置などは指定されていないため、詰める形で真ん中くらいの位置に三人で並んで座った。
テオとクリフトはみんなに知られているためチラチラ振り返り見られている。
注目されてるんだな。
自分のことのように誇らしい。
講堂の入り口がざわついている。
気になって振り返ると、バーンだった。
前部に移動するように促している寄宿生がいるが、バーンはそのまま下部に座った。
しばらくすると、教壇に人が立った。
魔力量測定の時にいた人物だ。
「えー、全員集合したようなので、始めます。君たちを指導する教官の一人、ネラルと申します。主に魔法制御を担当します。今日はまず、これからの説明や必要な道具類をお渡しします。特例を除き、これから一年間は配属されたクラスにて学んで頂きますが、途中で変更も可能ですので、その際は能力などを踏まえ、相談ということになります。配属の重複も可能ですが、過酷ですよ」
ネラル先生がバーンの方をちらっと見た。
バーンは魔法も剣術も、と言っていたからな。
「あと、全員に受けて頂く特別なものもありますので、それは適宜。後でそれぞれの指導書や道具類を受け取って下さい。明日から一週間は基礎的な座学になりますので、よろしくお願いいたします」
ネラル先生は丁寧だな。
「あと、こちらを管轄しているシュラより話がありますので、お待ち下さい」
この寄宿学校のトップか。
どんな奴だろう?
空間が揺らぎ、突然壇上に赤い髪の女性が現れた。
長い髪をなびかせ、その背丈以上の黒いローブの下には、身体のラインがしっかりと出る赤色のドレスを身に付けていた。のぞかせるその肢体は艶かしい。
瞳も髪やドレスと同じく赤く、唇にも同様の真っ赤な口紅。
顔立ちはキツイ美人といった所か。
「初めまして。私がココの管轄をまかされているシュラよ。私が指導することはないけれど、有望な者がいれば中央に推薦します。私の耳に入るくらい優秀なコがいることを願うわ」
妖艶に笑む。
こんな美人、田舎にはいないなー。
確かに指導とかしたら、それどころじゃなくなる寄宿生たくさんいそうだなー。
俺は壇上の女性の顔を見ると、ふと何か違和感を感じた。
どこかで、会ったことがあるような……。
特徴的な赤い髪に赤い瞳……。
記憶をたどる。
……シュルツだ!!
過去の記憶と今の姿が合致すると、思わず勢いよく立ち上がってしまう。
まさか、こんな所で会うなんて……!
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