ぼくはきみの目をふさぎたい

🫎藤月 こじか 春雷🦌

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夢と目合う ※ ※モブユン

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 さて俺は、ユンファさんの指名予約の枠を取るのにはこれでも結構苦労したのだ。――それもそのはずである。
 あくまでもユンファさんの美貌と優秀ぶりから考えれば当然のこととはいえるが、彼は『DONKEY』の売れっ子キャストであった。
 それも並大抵ではない。『当店No.1』との称号さえも与えられている彼では、まず公式サイトのトップページにあったランキングで堂々の一位を取っているのだから、「ユエ」のプロフィールページとて「探す」という工程すらなかったくらいだ。――いくら『DONKEY』が絶対数の少ないオメガ属のみの専門風俗であり、その上同じオメガ専門風俗でも大手に比べれば所属キャスト数も少ないとはいえ、かといって極少ない人数のキャストのみで何とか回している店というわけでもないのだから、これはさすがとしか言いようがないだろう。
 
 ともなれば当然である。
 ユンファさんの予約枠は常というほどいっぱいいっぱい……俺が年末あたりにやっとの思いで予約を入れられたあとも、そこから三月みつき以上も待たされた果てでの再会であったくらいなのだ。
 
 まあこれほどに美麗なオメガ男性では当然か――元よりおしなべてオメガ属の性器は名器とされているが、こと彼らオメガ男性の膣はもっとも「名器中の名器(らしい)」との呼び声も高いうえ、更にオメガ属はその人口の少なさから希少価値まで付加されがちなのである。その上で美貌のオメガ男性ともなれば人気が出て何ら訝しむことはない――と俺は短絡的な納得をしたあと、しかしすぐに風俗店の口コミ掲示板やら体験談やらを見て、更なる事実を知った。
 
 ちなみに『DONKEY』のキャスト「ユエ」の評価は軒並み高評価である。
 やはりユンファさんのその器量の良さは一定数評価されており、いわゆる「パネマジ(加工補正された宣材写真と実物のキャストが魔法が解けたレベルで別人)」もなく、むしろ実物のほうが綺麗なキャストである印象があった、本当に「◯ヲク家(伏せ字にされていた)」に生まれているのか、確かにアルファ属的な端正な顔のスタイルの良いキャストだった、との声も多かった――とはいえオメガ男性には「中性的な」「少年的な」という小児性愛スレスレの容貌を求めている者のほうが多く、彼の洗練された美貌の点が一番好き好きといった具合ではあったが(どいつもこいつもわかっていない、これほど完璧なる美貌の彼を「ちょっと男っぽ過ぎたかな」だなんて信じられない!)――。
 
 ただ面白いことに、『DONKEY』でのユンファさんは年齢非公開のキャストなのだが、もちろん彼の実年齢は二十七歳である。――しかし「多分二十三~五くらいかな」など、なんとユンファさんは実年齢より若く見られていることのほうが多かった(まあそもそもとしてオメガ属はオメガ排卵期によって老けにくい分、おしなべて若く見られがちなのだがね)。
 
 さて、更にユンファさんは人気キャストとはとても思えないほどに腰が低く、接客は上品でとても懇切丁寧である。むしろ例のプロフィールに掲載されていたコメントから「馬鹿っぽい子なのかな?」と思っていたが(やはり誰しもがそう思うだろう、アレではね)、実際は落ち着いている、上品で賢いタイプのキャストであった、と。
 また彼のプレイ内容の満足度は非常に高く、イメプレにおいても演じている役柄が徹底していて大変没入感があり、演技がとても上手い。――さすがNo.1キャストだと、そういった絶賛の声もあった。
 
 更に言ってテクニックも巧みなほか、客がどこを触っても反応を示すほどに感度も良好。――何よりユンファさんの膣はなんと、他のオメガ属と比べても具合のほうが白眉というほどに秀でているそうなのである(それこそ好みの問題で容姿はともかくとしても、『ユエのスマタ(セックスの隠語である)をまた経験したいが故にリピートしたい』というレビューさえあったくらいだ)。
 ユンファさんのソコはどだいオメガ男性の持ち得る名器ぶり(ドーナツ状のザラザラとした前立腺、深いヒダのミミズ千疋せんびき、吸い込むようなタコツボ)に付け加え――奥のほうと入り口がいまだ生娘めいてきゅっと狭く、たっぷりと溢れるほどに濡れやすい。またよく絡みつき、よく吸い付き、キツいほどによく締まる。
 ある人は『えっ? まさか初めてじゃないよね…?』と一瞬不安になったくらいだというのだ。しかしすぐに馴染んでくるユンファさんの膣に、この人はすぐさま「地上の極楽浄土」を見たのだとか――。
 
 これはランキング堂々一位もさることながら、である。
 こういった好意的なレビューが多ければ、当然これを書いたのだろう客がリピートするのはもちろんのこと、彼を望む新規客もまた多くて当然といえるだろう。
 
 しかし、それ以上に人がユンファさんを指名したがる理由があった。
 
 その理由とは――『よ。ある店にマジでご主人様がいて、その人と繋がりあるから店長もNN(ナマナカ)黙認してるらしい』
 見たところによれば、あの『KAWA's』『AWAit』の客もまた多く『DONKEY』へと流れついており、「この店から来た」とだけでも言われてしまえば彼は、避妊具無しの性行為に応じざるを得ない。
 
 それどころかいみじくも「何でもさせてくれるししてくれる」とのことだ。――恐らくだがユンファさんは、あの害獣どもに「俺たちに恥をかかせるな」とでも脅されており、冷酷なお仕置きを恐れてそれに応じるほかないのであろう。
 
 更に『マジでユエは真性マゾの淫乱なんだと思う。バチボコに犯してもめっちゃ笑顔でまんこ濡らして喜んでる』とも書いている者がいたが、その笑顔とやらもケグリ共に強要されているに違いない上、肉体の防衛本能として膣が濡れるようになっているだけの可能性とてある。…膣が濡れるにしろ勃起するにしろ、人の体が性的な反応を示すということには、必ずしも心理状態との因果関係は認められない。
 
 はっきり言ってかなり胸糞の悪い話だが、そりゃあオメガ男性としての希少価値がある上、ちまたじゃ「属性別一の名器」だなんだとまことしやかに囁かれている性器、それもレビューじゃ『他のオメガなんか目じゃないくらいヤバい』とさえ称されているユンファさんの膣へスキン無しで挿入可能、のみならず膣内射精の責任さえすべて彼サイドが負う(無責任にも気兼ねなく中出しができる)。また咎めるべき立場の店長も黙認。
 
 更にNG無しで、好きなプレイをさせてくれる言いなりの美形、おまけに建前上は心からセックス、もっと言えばマゾとして扱われるセックスを楽しんでいるとされている。
 そういった「変態真性マゾヒスト」の彼をどう扱おうが、優越感こそあれ罪悪感はまるで無し……まあ人気が出ないはずもない。――その上悪いことに、ユンファさんの生真面目かつ優秀なところが今度ばかりは祟って、客の求める「完璧なプレイ」を遂行してしまうというのだから。
 
 
 いくら高級店で、決して庶民は気軽には利用できない、高くない料金を払わねばならないとはいえ――いや、だからこそか。高くない金をどうせ払うなら、そりゃあ相応の満足感を得たいと思うのが人…何なら払った金額以上の満足度を求めるのが人というものでは――そりゃあ、名実ともに満足させてもらえるとの呼び声が高いユンファさんを指名する客も多いわけである。

 
 まあ思うところはいくつもあったが、この時点で叙情じょじょうしても致し方あるまい。
 
 俺は迷いなくユンファさん――『DONKEY』のNo.1キャスト「ユエ」様――を指名し、さっさと一番早く会える空き枠に予約を入れた。
 ちなみに俺は欲張って、ユンファさんの勤務時間(午前零時から明朝五時まで)のフルタイム、すなわち彼を独占指名(貸し切り)での予約を入れたのだった。
 No.1キャストとかなり売れっ子の彼であるから、それで俺は三ヶ月以上も待たされたというわけである。
 
 
 そうして年末に予約を入れてから、指折り数えて待った三ヶ月後――俺はいよいよ念願叶って初恋の美青年、月下ツキシタ夜伽ヤガキ曇華ユンファとの約十一年ぶりの再会を果たした。
 
 
   
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