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3. 受け継いだ地図
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俺は、母を埋葬させないように抗ったが、結局、村の人達は、俺が『帰らずの森』を探索している間に、母がアンデッド化するのを防ぐ為に、勝手に母を火葬してしまった。
俺は、暫くの間、深い悲しみに打ちひしがれていたが、世知辛い事に、すぐに現実に引き戻される事になる。
俺は、この時期、奴隷にされてしまうかどうかの瀬戸際だったのだ。
流石に、奴隷になんかになりたくない。
兎に角、お金を手に入れなければならなかった。
幸い、俺には父から受け継いだ【不可視】スキルがあった。
【不可視】スキルは、相当チートスキルで、【不可視】スキルさえ使っていれば、絶対に魔物に感知されないのである。
俺はこのスキルを使って、『帰らずの森』の奥地でしか手に入らない薬草を採取した。
その薬草が、思いのほか高く売れて、借金取りに、借金の利息分を払う事ができ、何とか奴隷にならなくて済んだのだ。
それからというもの、俺は必死に借金を返す為に、『帰らずの森』で、薬草取りに精を出した。
『帰らずの森』に入るのは、俺だけなので、取り放題。
ハッキリ言ってボロい商売である。
あれ程、俺を苦しめた借金が、たった一週間程の薬草採取で、チャラになってしまった。
一体、俺の苦労は何だったのだ……。
父が、『帰らずの森』の探索次いでに、薬草を何束か採取して来てくれていたら、借金する事も無かったのでは無いのか?
ハッキリ言おう。俺の父は、大馬鹿者だ!
借金が無ければ、母は、あんな悲しい死に方をしなくても良かったのだ。
父は、母を愛する余り、冷静な状況判断が出来なくなってしまっていたのだ。
それから、父が、いつでも簡単にお金を稼げると思っていたのがいけなかった。
【不可視】スキルを持ってすれば、簡単にお金を稼げてしまう。
それで、人間が生きていく上で最も重要である お金を軽視してしまったのだ。
お金は大切だ。
お金は、簡単に人を殺す。
お金があれば、女だって、幸せだって買えてしまうのだ。
実際、母はお金が無くて自殺してしまったし、俺だって奴隷にされそうになったんだ。
それから、母が大貴族の令嬢だったのも災いした。
普通の庶民だったならば、父にお金を稼いで来て欲しいと言ったであろう。
しかし母は、正真正銘 箱入りのお嬢様であった。
庶民の常識が全く無かったのだ。
多分、お金は、財布から湯水のように湧いて出てくる物だと思っていたのかもしれない。
悪い事が幾重にも重なり、本来なら有り得ない不幸が俺の家族に降り掛かったのだ……。
実際、俺にも原因があった。
俺が一言。父に、家にお金を入れてくれるように頼めば良かったのだ。
俺が一言でも父に言っていたら、父は『帰らずの森』で、薬草を取ってきてくれただろう。
母の事だってそうだ。
一言、隣のおばちゃんに、「俺が働きに出ている間だけ母の面倒を見て」と、言えていたら、俺はお金を稼ぐ事が出来ていた。
俺は、たった一言を言えずに、不幸の道を突き進んだのだ。
もっと、自分勝手に生きる事ができていたら……。
今更、考えてもしかたがない。
母も父も死に際に、俺が思うまま、自由に、自分の為だけに生きろと言っていたではないか。
俺は、そんな訳で、自分勝手に図々しく生きる事にしたのだ。
ーーー
借金を返した俺は、本格的に『帰らずの森』に眠ると言われる、大賢者の遺品を探す事にした。
折角、父が地図を残してくれたのだ。
今更、探さないなんて勿体な過ぎる。
大賢者の遺産を見つければ、億万長者だ。
俺はもう、お金で苦労したくない。
ライバルは居ない。
何せ『帰らずの森』の魔物は強すぎるのだ。
話によると、『帰らずの森』には、S級ダンジョンの中ボスレベルの魔物がうじゃうじゃいるらしい。
そして、中心に近づくにつれ、ラスボスレベルの魔物がわんさか湧いて出てくる。
勇者パーティーを持ってしても、攻略不可能と言われ、実際に、何度か、魔王をも倒した歴代の勇者パーティーが、大賢者の遺品を求めて、『帰らずの森』を攻略しようとしたが、誰も『帰らずの森』から帰って来なかった。
そんな難攻不落の『帰らずの森』の攻略を、父は既に8割方終わらせていたのだ。
こんなの、やらなかったら勿体ないじゃないか。
俺には、父が残してくれた、『帰らずの森』の地図と、【不可視】スキルがあるのだから。
俺は、暫くの間、深い悲しみに打ちひしがれていたが、世知辛い事に、すぐに現実に引き戻される事になる。
俺は、この時期、奴隷にされてしまうかどうかの瀬戸際だったのだ。
流石に、奴隷になんかになりたくない。
兎に角、お金を手に入れなければならなかった。
幸い、俺には父から受け継いだ【不可視】スキルがあった。
【不可視】スキルは、相当チートスキルで、【不可視】スキルさえ使っていれば、絶対に魔物に感知されないのである。
俺はこのスキルを使って、『帰らずの森』の奥地でしか手に入らない薬草を採取した。
その薬草が、思いのほか高く売れて、借金取りに、借金の利息分を払う事ができ、何とか奴隷にならなくて済んだのだ。
それからというもの、俺は必死に借金を返す為に、『帰らずの森』で、薬草取りに精を出した。
『帰らずの森』に入るのは、俺だけなので、取り放題。
ハッキリ言ってボロい商売である。
あれ程、俺を苦しめた借金が、たった一週間程の薬草採取で、チャラになってしまった。
一体、俺の苦労は何だったのだ……。
父が、『帰らずの森』の探索次いでに、薬草を何束か採取して来てくれていたら、借金する事も無かったのでは無いのか?
ハッキリ言おう。俺の父は、大馬鹿者だ!
借金が無ければ、母は、あんな悲しい死に方をしなくても良かったのだ。
父は、母を愛する余り、冷静な状況判断が出来なくなってしまっていたのだ。
それから、父が、いつでも簡単にお金を稼げると思っていたのがいけなかった。
【不可視】スキルを持ってすれば、簡単にお金を稼げてしまう。
それで、人間が生きていく上で最も重要である お金を軽視してしまったのだ。
お金は大切だ。
お金は、簡単に人を殺す。
お金があれば、女だって、幸せだって買えてしまうのだ。
実際、母はお金が無くて自殺してしまったし、俺だって奴隷にされそうになったんだ。
それから、母が大貴族の令嬢だったのも災いした。
普通の庶民だったならば、父にお金を稼いで来て欲しいと言ったであろう。
しかし母は、正真正銘 箱入りのお嬢様であった。
庶民の常識が全く無かったのだ。
多分、お金は、財布から湯水のように湧いて出てくる物だと思っていたのかもしれない。
悪い事が幾重にも重なり、本来なら有り得ない不幸が俺の家族に降り掛かったのだ……。
実際、俺にも原因があった。
俺が一言。父に、家にお金を入れてくれるように頼めば良かったのだ。
俺が一言でも父に言っていたら、父は『帰らずの森』で、薬草を取ってきてくれただろう。
母の事だってそうだ。
一言、隣のおばちゃんに、「俺が働きに出ている間だけ母の面倒を見て」と、言えていたら、俺はお金を稼ぐ事が出来ていた。
俺は、たった一言を言えずに、不幸の道を突き進んだのだ。
もっと、自分勝手に生きる事ができていたら……。
今更、考えてもしかたがない。
母も父も死に際に、俺が思うまま、自由に、自分の為だけに生きろと言っていたではないか。
俺は、そんな訳で、自分勝手に図々しく生きる事にしたのだ。
ーーー
借金を返した俺は、本格的に『帰らずの森』に眠ると言われる、大賢者の遺品を探す事にした。
折角、父が地図を残してくれたのだ。
今更、探さないなんて勿体な過ぎる。
大賢者の遺産を見つければ、億万長者だ。
俺はもう、お金で苦労したくない。
ライバルは居ない。
何せ『帰らずの森』の魔物は強すぎるのだ。
話によると、『帰らずの森』には、S級ダンジョンの中ボスレベルの魔物がうじゃうじゃいるらしい。
そして、中心に近づくにつれ、ラスボスレベルの魔物がわんさか湧いて出てくる。
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そんな難攻不落の『帰らずの森』の攻略を、父は既に8割方終わらせていたのだ。
こんなの、やらなかったら勿体ないじゃないか。
俺には、父が残してくれた、『帰らずの森』の地図と、【不可視】スキルがあるのだから。
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