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第三章 王都へgo!
41. 大魔法使い
しおりを挟む「フフフフフ、我が主、卍様の至高なるお姿を見て、あまりの神々しさに言葉もでないか!」
イヤイヤイヤ、クロメさん。女の子の左目におどろおどろしい魔眼が付いてるのと、クロメの中二満載の決めポーズに固まってるだけだから!
俺に、神々しさなど微塵もないし、禍々しさしかないからね!
「もしかして、貴方様は魔王様の配下の者でございますか?」
なんか、勇者リクトの夢に出てきてた、ハーフ魔族の村長がクロメに質問する。しかし、この質問の仕方は……
「貴様ーー! 我が主、卍様を愚弄するか!
我が主、卍様は異世界の大魔王と説明しただろうが! この世界の木っ端魔王など、異世界の大魔王であらせられる卍様と比べれば、下の下。比べられる存在じゃないのだーー!!」
村長は、クロメの逆鱗に触れてしまったようである。
というか、俺、そもそも異世界の大魔王じゃないし、異世界というか地球では、しがないサラリーマンだったし。クロメも、俺の思考を読んでた訳だから知ってる筈なんだけど。
「すいません。てっきり、魔王様の使いの者が、この前に来た時の返事を聞きに来たと勘違いしてしまいまして……」
村長が、頭を下げ謝る。
というか、この世界の魔王って?数年前に勇者リクトに倒されてたんじゃなかったっけ?まさか、新たな魔王が現れたとかか?
「この世界の魔王が、生意気にも勧誘に来ただと?
クックックックックッ。どうやらこの世界の魔王軍は、相当、人材が乏しいようですね。あなた方のような木っ端ハーフ魔族を、陣営に迎えないといけないほど、人材が乏しいとは」
クロメは、魔王軍を鼻で笑う。
ていうか、やっぱりクロメの奴、ハーフ魔族って気付いてたんじゃん。
「どうやら魔王軍は、この国に戦争を仕掛けるようなので、できるだけ多くの兵士を集めてるようなのです」
えっ? 村長さん。そんな重要な事を俺達に話しちゃって良い訳?もしかしたら、俺達が敵かもしれないのに……
まあ、だけれども、クロメが勝手に俺の事を大魔王とか言っちゃってるから、村長も安心して話てるだけかもしれないけど。
『おい! クロメ、もっと情報を聞き出せ。魔王軍もこの国を攻めるつもりなら、俺達が頑張らなくても良い訳だし。魔王軍にビッチシリカを倒すの任せちゃえばいいだろ』
「なるほど!この国の征服は、この国の魔王に任せ、偉大なる大魔王であらせられる卍様は、他の大陸にうってでると!
フフフフフフ。やはり、たかが王国1つ滅ぼすのに、至高なる卍様自らが出陣する必要などないという事ですね!」
なんか、またクロメがおかしな事を言い出した。
クロメは、俺が命令したら、魔王軍が動くとでも思ってるのか?
俺、魔王となんか面識ないんだけど……とか、思ってると、
「卍様!!」
『ウン。気付いてる』
クロメの呼び掛けに、俺は返事をする。
巨大な魔力を帯びる者が、俺達に近づいて来ているのを。
俺は直ぐに、千里眼でロックオン。
『て、ん!? まさか……』
俺は、千里眼に映されたその姿に、思わず驚いてしまう。
だってそいつは、勇者パーティーの勇者リクトと一緒に処刑された、大魔法使いマジルカ、その人だったのだ。
なんで死んだ筈の奴が生きてるんだ?
俺は、頭が混乱してしまう。
どういう訳だ?仮に生きてたとしても、このタイミングで、この場所に現れたという事は、まさか大魔法使いマジルカは、ハーフ魔族を勧誘しに来た魔王軍の一員?
もしかして、ビッチシリカが話してた、勇者リクトが、大魔法使いマジルカと結託し、勇者パーティーを利用して、魔王を殺し、新たな魔王に成り代わろうとしたって話は、嘘じゃなくて本当の話だったって事?
勇者リクトは正義の味方じゃなくて、悪者だったのかよ!
『卍様……どうしましょう?』
俺の情緒が乱れてた為に、クロメに俺の思考が読まれてしまっていたようだ。
まあ、勇者リクトが悪者だったのなら、勇者リクトに救われたマリアは別にして、俺とクロメはビッチシリカとアレクサンダーに敵討ちとかする必要ないんだよね……
俺とクロメが、2人に直接、何かされた訳でもないし、俺としたらシリカのお陰でボディー(眼球)をゲットできた訳で、逆にお礼を言わないといけない立場の気もするし。
ビッチシリカもアレクサンダーも、欲望に忠実なアレな人だけど、そんなアレな人も世の中には沢山居る訳で、クロメの方がアレと言ったら、アレだしね。
そうこうしてるうちに、本来は死んでいる筈の大魔法使いマジルカが、俺達の前に現れる。
そしてその姿は、やはり勇者リクトの夢で見た通りの、金髪碧眼褐色の肌ののダークエルフで、オッパイボヨ~ンの凶悪なボディーを持つ、俺好みの女性だったのだ。
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