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48.冒険者試験(2)
しおりを挟むビー子が、D級冒険者試験が行われるエーバル冒険者ギルド会館屋上闘技場の中央に立つと、スペインの闘牛場の牛が登場する場所から、可愛らしいスライムが出てきた。
「倒せばいいの?」
ビー子は、何故か困惑している。
「そうです」
エーバル冒険者ギルドの職員が回答する。
「ビーちゃん、いつもの様に倒せばいいのよ!」
アナ先生が、ビー子に指示をだす。
どうやら、ビー子的にはもっと強い敵が出てくると思っていたようだ。
「ご主人様、コアいる?」
「一応欲しいな」
「解った!」
ビー子は、いつものように鞭を振るい、スライムからコアを簡単に抜き取る。
コアを失ったスライムは、、形を保つ事ができなくなり、ただのゼリーのような素材になった。
「オイ、悪魔嬢ちゃんの鞭の先端どうなってんだ?」
「変形してますね……」
「あんな鞭、見た事ないぜ!」
「あの鞭は、神級の価値があるんじゃないのか?」
エーバルの冒険者達は、ビー子の持つ先端形状が自由に変わる鞭に釘付けだ。
「ていうか、なんで悪魔が鞭使いなんだ?」
「まあ、SM女王様コスプレのビー子ちゃんには合ってるけど」
「やっぱり、ユニーク個体の悪魔は変わってるねぇ。
格好も戦うスタイルも、悪魔と言うより、男を惑わす小悪魔を目指してるのかい?
というか、これは異世界人の悪魔坊やの趣味じゃないのかい?」
センコーさんが、鋭い指摘をする。
「わ……分かりますか?」
「そりゃ、分かるよ。
異世界人だったと言われている、大魔王ゴトウ·サイトも、可愛い幼女にメイド服とカボチャパンツを履かせる事に、強いこだわりを持ってたと言われてるからね!
それに、あの黒光りするピチピチのパンツスタイルのボンテージは、まだこの世界には入ってきてないデザインだしね!」
センコーさんは、異世界人に詳しい。
それと、どうやら大魔王ゴトウ·サイトという人物はメイド好きの変態だという事が分かった。
「D級冒険者試験は、合格です!
引き続き、C級冒険者試験を続けますか?」
エーバル冒険者ギルドの職員が、ビー子に質問する。
「アナ、どうしよう?」
「ビーちゃん、続けるのよ!」
「分かった!」
「続けるという事で、よろしいですね!
それでは引き続き、C級冒険者試験を初めます!」
ガオォォォォ!!
闘技場の魔物の登場する入口から、見た目、狼そのものような姿の餓狼族が現れた。
「美味しそぉ~」
ビー子は、ヨダレを垂らしている。
俺達が生まれたダンジョンには、餓狼族は存在しない。
「餓狼族の肉は、ミノタウロスのお肉の次に美味しいお肉と『料理入門』に書いてあったクモ」
クモが、俺の耳元で小声で囁いた。
どれだけ恥ずかしがりやなんだ……
どうやら、喋ってる姿を見られるのも恥ずかしいらしい。
「ビー子、クモが言うには、餓狼族のお肉は美味しいらしいぞ!」
「本当! そしたら傷付け内容に狩らないと」
ビー子は、ヨダレを垂らしながら返答する。
「それではC級冒険者試験、始め!」
エーバル冒険者ギルド職員の声と共に、ビー子の鞭が唸る。
ビー子の放った鞭が、餓狼族の首に絡まる。
ビー子の鞭は、伸縮自在だ。
餓狼族の首に絡まった鞭の先端の部分が、勝手に餓狼族の首を締め上げていく。
ゲボゲボ。
餓狼族は、舌を出して苦しそうにしている。
そのまま、鞭で絞め殺すと皆が思っていると、突然鞭の先端が鋭い刃物の様に変形し、ビー子は餓狼族の首をちょんぎってしまった。
「オイオイ、あの鞭の先端、刃物にもなるのかよ!」
「ありゃ、完全に神級レベルの鞭だぜ!」
「あの鞭に、魔力まで込めれたら、完全に世界で一番凄い鞭と言えるんじゃないのか?」
「魔力も込めれるもん!」
冒険者達のざわめきを聞いていた、ビー子は、首をちょんぎった餓狼族の両足首を、鞭で絡みつけそのまま餓狼族を吊るすように鞭で持ち上げた。
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