【R18】童貞のまま転生し悪魔になったけど、エロ女騎士を救ったら筆下ろしを手伝ってくれる契約をしてくれた。

飼猫タマ

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52. 夕飯

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 俺達のお家、ダンジョンに着いた。
 お家と言っても借家だ。
 俺達は言わば、ダンジョンの大家であるダンジョンマスターから、階段フロアーの一室を間借りしている状態なのだ。

 早く大家を倒し、このダンジョンを俺達『鉄血の乙女』のお家にしなければ。

 俺はダンジョンの入口に立ち、メラメラとヤル気を漲らす。

「エー君、いったいどうしたの?
 オチンチンをおっ立てて、ダンジョンの入口を見つめるなんて、そんなにこのダンジョンが恋しかったの?」

 アナ先生がダンジョンの入口で、チンコを立てて仁王立ちしている俺を見て心配している。

 確かに、俺の今の状況は変態的だ。
 何でチンコが立っているのか分からない。
 やはり、種族的なものなのか。
 多分、悪魔はヤル気を出すと、チンコがおっ立ててしまうようだ。

「いや……もう冒険者に狙われなくなったからダンジョン攻略をしなくても良くなった訳だけど、俺の生まれた場所だし、一応攻略はしときたいなと思って……」

「当たり前じゃない!
 折角、お風呂付きの素敵な部屋を作ったのに、手放すなんてバカじゃあるまいし。
 それに、悪魔がダンジョン経営しないで何するのよ!」

 このダンジョンで生まれたビー子やクモはさておき、アナ先生も、あの白亜のお部屋を手放したくないようだ。

「悪魔がダンジョン経営するのは、普通の事なんですか?」

 俺はアナ先生に質問する。

「普通よ!
 というか、南の大陸の有名なダンジョンは、悪魔経営ばかりよ!
『漆黒の森』の王都なんて、女王ガブリエル·ツゥペシュの使い魔悪魔が管理するダンジョンを中心に、街が作られているんだからね!
 次に有名なのは第666ダンジョンという、50年前にあった冒険者総出の大レイドで倒された異界の悪魔ベルゼブブのダンジョンよね!
 悪魔は、ダンジョン経営が趣味のようなものなのよ!
 この世界の土着の悪魔も、冒険者を捕まえてM奴隷に調教する性癖をもっているから、ダンジョンマスターになりたがるのよ!」

 確かに……ビー子の前任者の悪魔もアナ先生を生け捕りにしてM奴隷に調教していた。
 この世界の土着の悪魔が、人々に忌み嫌われているのが分かる気がする……

「土着の悪魔がダンジョン経営をするのは、ダンジョンに罠を張って、冒険者を生け捕りにする為ですか?」

 俺はアナ先生に質問する。

「正解!!
 ダンジョンマスターになれば、ダンジョンを自由にカスタマイズできるから、冒険者を生け捕りしやすくできるのよ!
 普通、ダンジョン生まれ魔物が管理しているダンジョンの場合、冒険者を殺してダンジョンの養分にしようとするからね!」

 アナ先生が、クイズ番組の司会者のように答える。

「というと、ダンジョン生まれの土着の悪魔は、ダンジョン生まれの魔物の本文より、冒険者をM奴隷にするという性癖の方が勝ると言う訳ですね……」

「そういう事!」

 アナ先生は元気に答えてくれたが、俺の心は沈む。
 何故なら俺を見た人間は皆、俺の事をヤバい性癖をもってる土着の悪魔だと思うのだ。
 俺は土着の悪魔だが、心は人間なのだ!
 誰も彼も、調教してM奴隷になんかしないのに。

 しかし【必ずイカせる】スキルを利用して、アナ先生やビー子やクモを、俺の肉棒の虜にしてるから、やはり俺も土着の悪魔のしてる事と変わらないのか……

「ご主人様ぁ~お腹空いたよぉ!」

 俺とアナ先生との会話に痺れを切らしたビー子がブー垂れる。

「そ……そうだな!
 そしたら、俺達のお家がある200階層に移動するぞ!」

 俺は気を取り直し、みんなに声をかける。

「了解!」

「やったぁ~」

「クモ!」

 早速、お家に戻ると、クモが料理の準備に取り掛かる。

 やはり、ビー子が冒険者試験でゲットした餓狼族のお肉を使うらしい。

 クモによりしっかり血抜きされた餓狼族のお肉は、少し霜が入っていて美味そうだ。

 多分、冒険者ギルドで飼われていたので運動不足なのだろう。

 高級和牛は、霜を入れる為にビールを呑ませて脂肪をつけさせると聞いた事がある。嘘か誠か殆どの高級和牛は糖尿病だとか……

 クモは餓狼族の霜降りお肉を、厚めに切り分けていく。
 どうやら今晩のメインディッシュは、餓狼族の厚切りステーキのようだ。

 クモは、包丁の角を使って叩くようにステーキ肉の筋切りをしていく。
 多分、肉を柔らかくする為の下処理だろう。
 その後、塩コショウで下味を付けていく。
 胡椒はエーバル城塞都市で仕入れた。
 粗挽き胡椒だ。
 今まで使っていた胡椒とは物が違う。
 値段が三倍の高級胡椒なのだ!
 香りが、今まで使っていた胡椒とまるで違う。
 クモは、食材に一切妥協をしない。
 エーバルの街では、自分が欲しい物を全て俺に渡してきた。

 クモは、まだ貨幣経済をよく分かっていないのだ。
 なので、お金の事を全く気にせず、欲しい物を全て俺に手渡してきた。

 たまたま、大量のお金を持っていたから良かったが、これからお金の使い方を教えておいたようが良いだろう。
 お店に有るもの、全てタダで手に入ると勘違いされたら大変だ。

 まあ、頭の良いクモの事だ。
 直ぐに、お金の使い方など覚えてしまうだろう。

 ステーキ肉の下処理が終わると、ステーキの付け合わせのジャガイモと人参を切っていく。

 ジャガイモは、皮付きポテトにするらしい。

 俺は子供の時、ステーキの付け合わせのポテトと焼き人参など必要ないと思っていたのだが、大人になってから箸休めにポテトと人参が必要だと言う事が分かった。

 大人の味覚という奴だ。

 やはり、肉だけだと飽きる。
 それにお酒を飲みながらステーキを食べるようになると、ツマミとしても食べられるポテトと焼いて甘くなった人参は、酒の肴に丁度良いのだ。

 因みに、俺はステーキを食べる時は赤ワインと決めている。
 ボリュームがあるステーキを食べる時は、お腹が膨れてしまうビールより赤ワインがとても合う。

 俺がヨダレを垂らして妄想している間にも、クモの料理は続いている。
 エーバルで買ってきたトウモロコシとバターと牛乳小麦粉を使ってコーンスープを作るようだ。
 というか、料理スキル持ちのクモの動きが早すぎて全く見えない。
 いつの間にかトウモロコシが、滑らかなクリーム状になって鍋に入っている。
 多分、風魔法か何かを使ったのだろう。
 裏ごしもシッカリしてあるようだ。
 裏ごししてなければ、あれ程シットリする筈がない。

 そしてあれよあれよという内に、サラダとコーンスープ、ステーキが完成した。

『これはステーキのコース料理だな』

「出来たクモ! ご主人様、パンとご飯が選べますが、どちらにしますか?」

 クモは俺に、どこかのステーキチェーンの店員のような質問をしてきた。

「じゃあご飯で!」

 俺は迷わずご飯と答える。
 そう、エーバル城塞都市には米が売っていたのだ!

 元日本人である俺が、大量に買ったのは言うまでもない。

 今日の夕飯をステーキと予想していた俺は、クモに白いご飯を炊くように指示していたのだ。

 やはり、日本人ならステーキにご飯でしょ!

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