【R18】童貞のまま転生し悪魔になったけど、エロ女騎士を救ったら筆下ろしを手伝ってくれる契約をしてくれた。

飼猫タマ

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87. 心臓の鼓動

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「じゃあ、僕もニャックハイボールをお願いします!」

「私はエールの大ジョッキで!」

「ビー子は、サイダー!」

「サイダーお願いしますクモ」

 俺達は、猫耳ウェートレスに飲み物のオーダーをお願いする。

「ご注文有難うございますニャン!
 ニャックハイボール1つ、生大1つ、サイダー2つで宜しいですニャン?」

「「「ハイ!」」」

「かしこまりましたニャン!」

 猫耳ウェートレスは、にゃんこポーズをしてから飲み物を作りに行った。

「それでは皆様方、『ミノ一番』特別料理をお楽しみ下さいませ!」と、頭を下げてから、サンアリさんも厨房の方に消えて行く。

「ヨネンさん。猫耳族はみんな語尾ニャンなんですか?」と、俺は、ずっと気になっていたので、ヨネンさんに聞いてみる。

「違いますよ!
 ここ100年程前からの流行りですね!
 猫耳族のイケてる若い子達は、皆、ブリトニーさんに憧れてるんですよ!
 なので、昔は語尾ニャンは、スケ番の猫耳族しか使って無かったのですけど、最近は普通の猫耳族の女の子も使うようになってるんですよ!」と、ヨネンさんが教えてくれた。

 最近の流行りが、100年前って……
 ドワーフ族の年月の基準は長すぎる……
 それからスケ番だけが、語尾ニャンを使っていたのが驚きだ。
 俺の前の世界だと、可愛いい猫耳族が語尾ニャンを使っている感じだったのに。
 しかし、スケ番って……
 異世界にも、スケ番の概念があるのか……

 とか考えていると、「お待ちどうですニャン! 生大、ニャックハイボール、サイダーですニャン!」と、猫耳ウェートレスが飲み物を持ってきた。

「それでは乾杯しましょうか!」と、既にニャックハイボールを飲んでいたヨネンさんが、音頭をとる。

「ヨネンは、『鉄血の乙女』じゃないの!
 チンチンはアナがするんだよぉ!」と、ビー子がプンプンしながら指摘する。

「これはこれはすみませんでした……
 つい、いつもの癖でチンチンの音頭をとろうとしてしまいました……」と、ヨネンはバツが悪そうに謝る。

 ヨネンさんは、飲み会が多そうなドワーフ王国の王子で、南の大陸にあるドワーフ王国直営店の総支配人でもある。
 チンチンする機会がとても多く、尚且つ、チンチンするのがヨネンさんの役目なのだろう。
 自然と、音頭をとって、チンチンしてしまうのが癖なのかもしれない。

「それでは、気を取り直して、この『鉄血の乙女』の団長であるアナ·アナシアがチンチンしましょう!」と、アナ先生がグラスを持つ。
 普段、お家のダンジョンでチンチンするのは、俺の役目なのだが、俺達以外の他人が居る時のチンチンは、アナ先生の役目なのだ。
 今回、ビー子が、「チンチンするのは、アナ先生の役目だよぉ!」と、言ったのは、少しおバカなビー子には、口酸っぱく指導していたからである。

「それではチンチン!」

「「「チンチン!」」」
 アナ先生のチンチンの音頭に続けて、俺達もチンチンした。

「ミノ一番のサラダとキムチと異世界の生ハムメロンですニャン!
 オーナーが、早速、『頂いた異世界のメロンを使わせてもらったニャン!』と、
 言ってたニャン!」

 サンアリさんは、決して語尾ニャンは使っていなかったと思うが……
 そんな事より、折角あげたメロンを使ってしまうとは……
 サンアリさんが、ちゃんと味見をしたのか気になる所だ。

「続けて、ミノタウロスの刺身とユッケとキモ刺しニャン!
 それから、これは超VIPにしか出さない、ミノタウロスの心臓の刺身ニャン!
 ミノタウロスが生きた状態のまま心臓を取り出し、心臓が動いている内に刺身にしてしまうニャン!
 まだピクピクしているのが、新鮮な証ニャン!
 これを出せるのは、南の大陸中にある『ミノ一番』の店舗の中でも、特に優秀な料理人がいる限られた店舗でしか出せないニャン!」と、猫耳ウェートレスは、鼻高々にエッヘンと、自慢する。

 確かに、猫耳ウェートレスが言うように、ミノタウロスの心臓の刺身は、ピクピクと動いている。

「これが噂の、『ミノ一番』の裏メニュー、心臓の刺身なのね……」

 どうやら、このミノタウロスの心臓の刺身は、それなりに有名だったらしく、アナ先生がピクピクしている切り身をツンツンしている。

「気持ち悪いのぉ!」
 ビー子的には、気持ち悪いようだ。

「このピクピクと、コリコリとした食感がたまらないんですよね!」と、多分、『ミノ一番』の常連であろうヨネンさんは、心臓の刺身を美味しそうに食べている。

 俺も意を決して、ピクピク動いている切り身を箸で摘む。

 ウッ! 

 魚の活け造りや白魚の踊り食いなど、元日本人なので、動いている魚を食べ慣れている筈なのだが、流石に、心臓の刺身は初めてである。

 箸のから伝わるミノタウロスの心臓の鼓動が、俺の心臓の鼓動と合わせるように同化しているのだ。

『食べずらい……』

 しっかり味わって食べようと思ったのが、いけなかったのかもしれない。
 考えば考える程、食べずらくなってしまった。

 エーサク。無心になるのだ。
 ヨネンさんも、ピクピクして美味しかったと言ってたじゃないか。

 俺は元日本人なのだ!
 日本人が、たかが刺身にビビってどうする。
 元日本人の俺のポジションは、魚の活け造りをビビって食べれない この世界の住人を横目に、「ハッハッハッハッ!活け造りですか! 新鮮でおいしそうですね!」と、言って、躊躇なく活け造りを食べるポジションの筈である。

 腹を括れ、エーサク!

「ハッハッハッハッ! ビー子。ピクピク動いてるのが、気持ち悪いだって?
 この、ピクピクこそが、新鮮な証じゃないかい!」と、俺は、余裕の笑みをみせながら、ミノタウロスの心臓を口にした。
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