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169. 凄い男
しおりを挟む「シャンティー様、すいませんでした」
「すいませんです」
「ゴメンなさいニャ!」
結局あの後、戦いになり、姫は超絶魔法を、ブリトニーは【一撃】を仕掛け、見事に反射し、俺まで巻き添いをくらい、瀕死の状態に陥った。
瀕死といっても、【不老不死】スキルがあったので、なんとか生き残ったというのが正解だ。
「生まれて初めて、攻撃を受けたのニャ!
痛いのヤダニャ!
痛めつけるのは好きだけど、自分が痛めつけられるのはイヤなのね!」
そうだった……
ブリトニーは基本、全て攻撃を避ける。
しかし、自分が放った会心の一撃は、流石に避けれなかったようだ。
初めてまともに受けた攻撃が、自分の攻撃とは、ブリトニーを倒せるのは最早、自分自身だけなのかもしれない。
「でも、あんた達も中々やるわね!
まさか、エリスが契約している使い魔達が張っている結界や魔法を、3分の2も突破するとは、思ってもみなかったわ。
もし、全く突破してなかったら、自分達の攻撃の10倍返しだった筈だから、細胞1つも残さずに消滅していた所ね!」
俺達は、どうやら自分達の攻撃で、本当に死ぬ所だったのかもしれない。
エリスさん達に攻撃する。
イコール死ぬ事を意味する。
なんせ10倍返しだからな。
シャンティーが相手を罵るのも、これが狙いなのかもしれない。
相手が攻撃さえしてしまえば、自分達は何もする事なく相手を葬ってしまうのだ。
シャンティーの口の汚さと、この攻撃反射はセットなのだ。
よく考えられている。
相手を殺してしまっても、自分達は手を出していないし、相手が勝手に攻撃してきて、勝手に死んだのだと言える。
流石、腹黒妖精シャンティー。
全てが計算し尽くされている。
ボコッ!
「グッ!!」
イキナリシャンティーに殴られた。
「ゴトウ·サイト、まだ、終わりじゃないわよ!
私の怒りは全然収まってないし、実際、今のパンチ以外は、私は何も攻撃していないし、勝手に、アンタ達が私に不意打ちして、勝手に傷んだだけだからね!」
ボコッ! バキッ! ズコッ! バキッ! ボコッ! ボコッ! ボコッ! ズコッ! バキッ! ボコッ!ボコッ! ズゴッ!バキッ! ズコッ! ボコッ!バキッ!バキッ!ボコッ!バキッ!ボコッ!バキッ! ズコッ! バキッ! バキッ!ボコッ!バキッ!バキッ!バキッ!バキッ!ボコッ!バキッ!ボコッ!ボコッ!ボコッ!ボコッ!ボコッ!バキッ!ボコッ!ボコッ!バキッ!ボコッ!バキッ!バキッ!ボコッ!バキッ!ボコッ!ボコッ!ボコッ!ボコッ!ボコッ!ボコッ!ボコッ!ボコッ!……
シャンティーは、顔ばかり狙い、数え切れない程殴ってきた。
小さい妖精であるシャンティーのパンチは、それ程痛くない。
それ程と言っても、比べる対象がブリトニーとかだから アレなのだが、しかし大人の男が殴る位の痛さはある。
1発1発は軽いが、何度も顔ばかり狙って殴られたので、顔のデカさが2倍程の大きさに腫れ上がってしまった。
「マスター! すぐに回復魔法をかけるのです!」
姫が、すかさず俺に回復魔法をかけようとする。
「ダメよ! 回復魔法をかけるのは許さないわ!
ゴトウ·サイト、あんたは反省の証として、そのまま顔を腫らしたまま過ごしなさい!
もし、誰にやられたのかと聞かれたら、『犬の肉球』のシャンティー様にやられたと、しっかり言うのよ!
あんたは、エリスに迂闊に近づくと、こんな目に会うんだ。 と、見せしめにする為に使うんだから!
最近、エリスを見て、言い寄ってくる男が後を絶たなくて面倒くさかったのよ!
最近巷で話題の『犬の尻尾』団長、変態ロリコン大魔王ゴトウ·サイトが、エリスにちょっかいを出して、ボコられたと噂が広がれば、エリスに言い寄ってくるバカが減るんじゃないかという算段よ!」
クッ!! 俺はエリスさんに言い寄って返り討ちになったバカの代表として、
シャンティーさんにボコボコにされた顔を、自然治癒するまで、世間に晒し続けないといけないのか……
屈辱だ……
異世界にまできて、こんな目に遭うなんて。
まだ、有名じゃなければ問題なかったが、どうやら南の大陸では、変態ロリコン大魔王として、そこそこ名前が知れ渡っていたようなのだ。
その、そこそこ有名になった変態ロリコン大魔王が、調子に乗って超大物にちょっかいをだして返り討ちに合うなど、物凄く格好悪すぎる。
はっきり言って、モブがするような事だ。
俺は主役ではなかったのか?
この世界に異世界移転してきた時点で、てっきり自分が主役だと思っていたのに。
「ゴトウ君! 頑張ってね!」
エリスさんが、微笑みながら声をかけてきた。
なんて素敵な笑顔なのだ。
思わず、シャンティーによる糞な罰ゲームも頑張りたくなってしまう。
いや、待てよ!
この罰ゲームは、実は糞ではないのではないのか?
エリスさんは、見たまんまの超絶美少女だ。
その為、浮かれた男達が、わんさか言い寄ってくるのだ。
しかし、俺のような今話題の超有名人が、完膚無きまでに、エリスの使い魔の腹黒妖精シャンティーにボコられたと知れ渡ったら、簡単にはエリスさんに近づけなくなる。
俺のこの、シャンティー、いや、シャンティー様にボコボコに殴られた顔を、世の人々に見せれば見せる程、エリスさんに下心がある男達は、シャンティー様の恐ろしさにビビって、エリスさんに声をかけられなくなるのだ!
即ち、エリスさんが男に声をかけられないという事は、俺のライバルが減ると言う事だ!
こ……これは、この御役目を張り切って頑張らなくては!
「シャンティー様! 私にバツを与えて下さって、ありがとうございました!
私は、このシャンティー様にボコボコに殴られて腫れ上がった顔を、モモンガ中の人々にたくさん見てもらう為に、これから街の中を、隅々まで徘徊しに行ってきます!」
俺は、自分のライバルを減らす為に、冒険者ギルド本部から飛び出して、モモンガの街に走り出した。
「えっ! マスター! 待って下さいなのです!」
「ご主人様! 突然どうしたのニャ? 待ってニャ! 置いてかないでニャ!
腹黒シャンティー、怖いのニャ!」
姫とブリトニーもサイトの後を追いかける。
「アン、あの男のどこが良いというの?
あのゴトウ·サイトとかいう男は、ただの変態にしか見えないけど?」
シャンティーが、アンちゃんをマジマジと見ながら話しかける。
「どこがというと困るけど、強いて言うなら、夜が凄いとこかな……」
処女であるエリスとシャンティーの顔が、耳まで真っ赤になった。
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