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225. Gデーモン
しおりを挟む「ふと思ったのだが、ベルフェゴールが、姫の兄貴に漆黒の森を統治させると言っているのならば、一応、漆黒の森の継承権第1位だった姫の兄貴に漆黒の森を統治させれば、それで良いのではないのか?」
「それは、問題外ですね。
姫様の兄上であらせられるヨハネ様には、人望も能力も魔素総量も全てが足りておりませぬ。
それに、始まりの魔女様が守護しておられるのは、どう考えても姫様でございます。
ゴトウ様も、始まりの魔女様に姫様を護るように言われて、姫様の前に現れたのではないのですかな?」
サンアリが俺に疑問を投げかける。
そう言われればそうだった。
始まりの魔女は、俺に姫を護るようにと、この世界に召喚させたに違いない。
俺は、幼女好きのロリコン男だ。
俺が初めてこの世界に召喚された時、タイミング良く姫が牙狼族に襲われていれていたのも、全ては始まりの魔女に仕組まれていた事なのだと、今だと思う。
ロリコンの俺なら、必ず姫を助けると踏んでいたのだろう。
確かに、姫じゃなくて王子だったら、俺は絶対に助けなかったと断言できる。
「私も反対だ! ヨハネ様が王位に就けば、ベルフェゴールの傀儡になる事が目に見えている!」
今まで押し黙っていたガリム·ロマンチックが口を開けた。
「私も反対なのニャ!
私が仕えるのは、姫様とご主人様のオチンチンだけなのニャ!」
ガリムの娘のブリトニーも、続けて口を開けた。
ガリムが無言で、俺の事を睨んでくる。
ブリトニーは、わざと言っているとしか思えない。
どういう意図があって、ガリムを焚き付けているのだ?
俺には、マイナスになるようにしか思えないのだが……
「俺も同じく、姫様と大ボスにしか忠誠を誓っていないからな!」
牛魔王も、ブリトニーのオチンチン発言をスルーして、サンアリやガリムに同意する。
「僕も勿論、姫ちゃんの味方だよ!」
アンちゃんも宣言する。
「ワシらも、勿論、姫様が応援する小姫様を応援するわい!」
いつの間にか会議に参加していた、ドン爺、ガン爺、ゾイ爺も揃ってアンちゃんに同意する。
「ワン! ワン! ワン!」
どうやら、ペロ達も同じ意見のようだ。
「皆の意見は分かった!
姫の兄貴ヨハネに王位を継がせるのは、やっぱし無しだ!
やはり、姫こそ、漆黒の森の女王に相応しい!
そうと決まれば、北の大魔王ベルフェゴールを、徹底的にぶっ潰すぞ!!」
「「「オオーー!!」」」
会議室に歓喜の声が上がる。
「先ずは、サンアリ。
お前をこの戦いの軍師に任命する。
ハバロネは、サンアリの補佐をする参謀をしてくれ!」
「ハッ! 承りました!」
「ゴトウ殿の仰せのままに」
サンアリとハバロネが承知してくれた。
「ガリムは全軍の総大将をしてくれ!」
「ハッ! 承りました!」
ガリムも承知した。
「それでサンアリ。今回の作戦は、どうするつもりなんだ?
撃ってでるのか?
それとも、モフウフのダンジョンに誘いこんで籠城するのか?」
サンアリに、意見を聞く。
「ダンジョンに誘いこんで戦う方が、こちらとしては本来ならばやりやすいのですが、今回は撃って出ようと思っております!」
「やはり、そうこなくっちゃな!
見直したぜ! サンアリ!」
牛魔王が、こちらから仕掛けれると聞いて喜んでいる。
「現在、相手側の副将アスモデウスが指揮を執っている西部戦線が押されているようですので、最初にそちらのテコ入れを行いたいと思います」
「アスモデウスはそんなに強いのか?
元剣神の大吉爺さんが戦場で戦っているんだろ?」
「アスモデウスは、やはり初代王に仕えていたデーモンの中でも名の知れた名持ちのデーモンでございますので、そう簡単には、倒す事は出来ません!」
「大吉爺さんと同等の力を持っているという事か?」
「大吉様が、現役の剣神であられた30年前であれば、勿論、大吉様の方が強かったでしょうが、今現在では、アスモデウスの方が少しばかり上というのが、私の見立てであります」
「北の大魔王の軍団は、それ程までの実力なのか……
俺は、若干舐めていたようだ。
デーモンと言えば、俺達の仲間になる前のゴキ男爵とかの強さをイメージしていたのだが……」
「初代王に仕えたと言い伝えられているデーモン達は、そもそもこの世界のデーモン達とは毛色が違います。
この世界のデーモン達は、普通、名前などは持っていないのですが、初代王が召喚したデーモン達は最初から名前を持っていたと、言い伝えられております。
一説には、この世界とは違う世界から召喚されたデーモンではと、言われております」
やはり、そうだったか。
ソロモン王の72柱とかを、空で言える程詳しくはないが、、サタンやベルゼブブ、七つの大罪に出てくる悪魔位なら、元引きこもりの嗜みとして、ある程度なら知っている。
七つの大罪。怠惰のベルフェゴールや、色欲のアスモデウスは、間違いなく、俺が前いた世界から召喚された悪魔達だ。
「まあ、サンアリが言う通り、違う世界から、召喚されてきたという事で、間違いないだろうな。
ベルフェゴールやアスモデウスという名前の悪魔は、昔読んだ、異世界の書物に載っていた悪魔達と同じ名前だ。
もし、俺が書物で見た悪魔達だとすると、相当格が高い悪魔達で間違いない筈だ。
ゴキ男爵、お前は初代王が使役していたという悪魔について、何か知らないのか?」
「勿論、知っております。
名持ちのデーモン自体が、この世界のデーモンの中では珍しいので。
先ず、爵位ですが、我々の爵位とは、全く別物と思って下さいませ。
名持ちの爵位は、完全に我々の爵位とは別系統でございます。
多分、前の世界での爵位をそのまま使っているのでしょう。
それから初代王に使役されていたデーモン達は、進化しており、とても強くなっております。
我々、ゴトウ族のデーモン族が、グランドマスターと姫様と契約した事によって、新しく『Gデーモン族』として生まれ変わったのと同じ様な感じと想像して貰えれば宜しいでしょう」
ん?Gデーモン?!
ゴキ男爵達は、普通のデーモンでは無くなっていたのか?
メリルとかメイドさんとかが、めちゃくちゃ強いのは、既に普通のデーモンとは、種族が違うからなのか?
しかし進化して、デーモン族からGデーモン族になったのは良いが、Gデーモン族のGは、ゴトウ族のGなのか、ゴキ男爵のGなのかが、物凄く気になる所なのだが……
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