【R18 】必ずイカせる！ 異世界性活

２４２. 探検

　
「『カワウソの牙』の皆様方、軍師様がお呼びでございます。
　至急、作戦本部にお越し下さいませ！」

　ヤナトがブリジアに打ちのめされ、大浴場で四つん這いで うなだれていると、デーモンメイドが『カワウソの牙』のメンバーを呼びに来た。

　多分、いつまで経ってもお風呂から上がってこない、ヤナト達に痺れを切らして、サンアリが使いを寄越したのであろう。

「ホレ、呼ばれておるのじゃ！
　すぐに、動くのじゃ！」

　ブリジアが、いつまでも うなだれたままのヤナトのケツを叩く。

　大浴場から出ると、デーモンメイド達が既に待機しており、体を隅々まで綺麗に拭きあげてくれる。

「ここに来ると、本当にいたせりつくせりじゃな！」

　ブリジアはご機嫌で、体を拭かれている。

　そのまま着替えも終わり、作戦本部に行くと、サンアリとハバロネ、それと先程お風呂で気絶したカレン·ロマンティックが、復活して待っていた。

「やっと来たか。『カワウソの牙』は西部戦線指揮官カレン·ロマンティックと共に、西部地区の北の大魔王の支配下に置かれている城塞都市の奪還を頼みたい。
　既に、北の大魔王軍の西部地区の指揮官であったセーレは、お前達の活躍で捕虜にしているので、それ程難しい任務ではないであろう！
　準備が整い次第、すぐに出発して欲しい！」

　サンアリが、これからの作戦の指示を出した。

「了解です！」

　ヤナトが了承する。

「さて、妾はどうしようかのう……
　北の大魔王の様子でも見に行こうかのう」

「ブリジア様、北の大魔王の所などに行って、大丈夫なのですか？」

　サンアリが心配して、ブリジアに聞いてきた。

「大丈夫じゃろ！ 冒険者ギルドは漆黒の森の件は中立の立場を表明しておるし、初代漆黒の森の王の使い魔であった、北の大魔王ベルフェゴールは、知らぬ中ではないしな。
　のう、ハバロネよ！」

　ブリジアはニヤリとしながら、ハバロネの方を見る。

「ハイ……始まりの魔女様のペットであらせられたブリジア様なら、ベルフェゴールと古い知り合いだというのも、納得できますね」

　ハバロネは、ニコリとしながらブリジアに言葉を返す。

「そう言う事じゃ！
　なので、サンアリよ！ 心配するでない！
　妾は、中立であると同時にご主人様のオナペットでもあるのじゃからな！」

　そう言ってブリジアは、作戦本部を颯爽と出ていった。

「サンアリ様、ブリジア様は大丈夫なのですか？」

　カレンが、心配そうにサンアリに問いかける。

「ブリジア様なら、大丈夫でしょう。
　何せ、この世界の創成に関わったと言い伝えられている、始まりの魔女のペット様であらせられたのですからね」

「そうですか……」

　カレンはブリジアの出て行った扉を、じっと見つめるのであった。


　ーーー

「フム、モフウフから元漆黒の森の王都まで、妾のスピードなら5分とかからんじゃろ。
　それ程急いでもおらんので、久しぶりにモフウフの発展具合でも見ていくとするかのう」

　ブリジアは独り言を言いながら、移転装置でアジトの地上１階にあたるモフウフ新王宮の１階に移動した。

　王宮１階は、戦時中だと言うのに、何故か人で溢れ返っている。

　冒険者風の者や、町人などで活気に満ちているのだ。

「これは、凄い事になっているのう……」

　ブリジアは、『ウルフデパート』モフウフ支店を出店する為に、少し前にモフウフの街を視察していたのだが、ほんの短期間の内に物凄い事になっていたのだ。
　どうやら今日は、カジノとスパ施設のオープン日だったようだ。

「何故に戦時中だというのに、普通にオープンしておるのじゃ……」

　ブリジアは疑問に思いながらも、取り敢えず、王宮内を見て回る。

「成程のう。1階はカジノで2階が大浴場となっておるのか」

　フラフラしていると、王宮の出入口付近で、温泉の効能が書いてる案内板を見つけた。

「フムフム、10分で体力回復、15分で魔素回復、15分1週間入ると骨折回復、15分3ヶ月入り続けると欠損箇所回復じゃと？
　これは完全に、ガブリエルのポーションを薄めて入れておるじゃろ！
　しかし、この世界では珍しいお風呂に入れて、怪我まで治って入浴料300マーブルは安いかもしれんのう」

　ブリジアはブツブツ独り言を言いながら、1階カジノの東側のブロックにあるダンジョン入口に目を向ける。
　そこには冒険者ギルドエントランスのような空間が広がっており、受付台の下のスペースに、初級者コース5000マーブル、中級者コース10000マーブル、上級者コース30000マーブルと料金表が貼ってあった。

「結構、入場料が高いのう。
　しかし、ガブリエルのポーションや、ドワーフ国宝のジジイ達の試作品が手に入るかもしれんのなら、高くはないのかのう。
　ん……入場料と引き換えに、ガブリエルのポーションが2万9000マーブルで買える引き換え券が1枚貰えるじゃと！
　確か、エリスのポーションが普通の冒険者なら3万マーブルで買えた筈じゃから、1000マーブル安いではないか！
　しかし、最低でもダンジョンの入場料を5000マーブル払わないといけないので、高いか安いかは解らんのう……」

　と、ブリジアはいつもの幼女姿でブツブツ言っている。
　勿論、服はちゃんと着ているが、冒険者がたむろしているダンジョンフロアーで、美幼女が1人で大きめな声でブツブツ言ってると、とても目立つのだ。

　以外にも、ブリジアの幼女姿は、一般人には知られていないので、誰も彼女が『シルバーウルフ』の団長、不死の魔女ブリジアだとは気付いていなかったりする。

　実際に、おバカな冒険者の何人かは、ブリジアにイタズラしようと近づいたりしているのだが、その前に、凄腕揃いのカジノの従業員達に片付けられていたりしている。

　そんな事を知ってか知らずか、ブリジアは王宮内の探検を、ウキウキ気分で続けているのであった。