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150. 初デート
しおりを挟む「もう帰っていいですか?」
「いいよぉ! 今日は、姫ちゃんを紹介してもらいたかっただけだから!」
始まりの魔女、改めモッコリーナは、軽い感じで返事をした。
結局、俺と会いたかったから、呼んだんじゃないのかよ!
確か、この世界は『静寂の森』のエルフの王族と、『漆黒の森』のダークエルフの王族が大事だとか言っていたから、ただ単に、姫を手懐けたかっただけなのかもしれない。
まあ、俺としても、モッコリーナに恩もあるので、出来るだけモッコリーナの考えに沿うつもりなので良いのだけどもね。
そんな事より、ブリジアが可哀想だ。
今度会ったら、始まりの魔女、改め、モッコリーナを見つけたと伝えてあげよう。
ブリジアは、約1000年も飼主である始まりの魔女を探していたのだ。
まあ、実際、モッコリーナとしては超絶有名人なのだが、如何せん、モッコリーナは、約400年前の黒龍戦争の時しか、サリス魔法国家から出国していないのだ。
それも、西の大陸で、黒龍と戦っていたので、南の大陸に上陸さえしていない。
ブリジアがいくら、南の大陸を探しても見つからない筈である。
余りに有名人過ぎるモッコリーナが、始まりの魔女とは、流石のブリジアでも夢にも思わなかったであろう。
そんなこんなで俺と姫は、校長室を後にし、二人で学校の見学という建前の初めてのデートをする事にした。
俺は遂に、前の世界では味わえなかった、リア充学生生活を送る事ができる。
5歳児で、見た目15歳の彼女がいるのは俺ぐらいだろう。
姫はどう見ても、イケてる女子高生にしか見えない。
そんなイケてる姫の横を歩く俺は、この学校の男子生徒から嫉妬されるに違いない。
それに、俺には姫以外にも、ブリトニーやアンちゃんに、ジュリまでいる。
実際ジュリに関しては、前世で俺の妹だった記憶が強すぎる為、最近では、余り異性として見れなくなってきてるんだけどね。
400年前、あれ程執着していたエリスだって、最近では、お母さんとしか思えないし……
やはり、俺にとっては、姫が一番だ。
何せ、約半年間だけだったが、俺の好みになるように育てたのだ。
思い入れは人一倍ある。
「マスター!」
姫が俺の心を勝手に読み取り、感極まったのか、後ろから脇に手を回され、抱っこされてしまった。
俺は思わず勃起してしまう。
滅茶苦茶恥ずかしい。
今まではマントを羽織っていたので、勃起しても目立たなかったが、今現在は、制服なのだ。
勃起がとても目立ってしまう。
俺は見た目、お子様なのに、可愛い女子高生に抱っこされて、勃起などしていたら、エロ坊主にしか見られない。
『ど……どうしたらいいんだ……』
俺は、顔を真っ赤にしてあたふたする。
姫は、俺の様子を見て喜んでいるようだ。
何ていう事だ。
姫には、俺の考えている事が全て分かっている筈だというのに、それを楽しむだと。
姫の新しいプレイか?
や……やばい……
学生が歩いてきた。
今の俺の状態を見られたら、完全に変態エロ坊主だと思われてしまう。
姫は、俺が変態エロ坊主だと、学生達に思われても良いのか?
あぁ駄目だ! もう学生の視界に俺と姫が入っている。
終わった……
俺のリア充学校生活が終わってしまった。
「大丈夫なのです!」
姫は、突然、俺を反転させる。
俺は反転させられた事により、姫の乳房が俺の顔に当たる。
な……何だと?!
オッパイパフパフ状態だと!
俺のポークビッツは、はちきれんばかりにビンビンだ。
人前で、オッパイパフパフさせられるなんて。
しかしこれで、誰も俺の勃起を気づかない。
ただただ、世の男共に羨ましいがられるだけなのだ。
姫のお腹に、俺のポークビッツが当たる。
姫は、俺をギュッ! と抱き締めてくる。
「アッ!」
ドピュドピュ!
俺は思わず射精してしまった。
パンツの中がベトベトする。
いつもだったら、バハオウが直ぐにパンツを替えてくれるのだが、サリス魔法学校には、バハオウは現れない。
どうやらサリス魔法国家は、モッコリーナにより強力な結界が張られてる為か、他国からの【影渡り】スキルが遮断されているのだ。
「姫……出ちゃったよ~」
俺は泣きべそをかきながら、姫に訴える。
「マスター! 大変なのです!
ケルベロス寮で、パンツを替えるのです!」
俺は、そのまま姫に抱っこされながら、南の大陸出身者の寮である、ケルベロス寮に連れていかれたのだった。
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