大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです

飼猫タマ

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第二章 ハウエバー系 第901辺境惑星 編

45. エルダードワーフ

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 取り敢えず、世界樹の下で見た、グレイ帝国ともガチで戦争できそうな武器は見なかった事にして、取り敢えず、水洗トイレをピックアップして、領地に戻った。

「水洗トイレを持って来たは良いけど、この、領地って大工は居るのか?」

 俺は、なんでも知ってそうなサヤに尋ねる。
 ウッドペッカー騎士爵領って、それ程大きな領地ではないのだ。人口も200人くらいしか居ないし、腕が良い大工が居たとしても、せいぜい1人か2人しか居ないと思うし。

「大した腕の大工は居ませんね。大きな建築は、イーグル辺境伯領の大工に出張工事をお願いするみたいです」

「だよな……」

「そしたら、世界樹の量産工場から、ロボットを持ってきますか?」

「アホか! この世界観にロボとかおかしいだろ!」

「既に、ロボ黒龍は配備されてますが?」

「アレは、普段人目に付かないから大丈夫だろ!
 だけれども、俺の領地にロボが居たら、そりゃあもう大事になるっての!」

「そうですか……それなら、エルダードワーフを呼びつけますか?」

「何それ?ドワーフじゃなくて、エルダードワーフ?」

「ですです。ドワーフの祖ですよ! マスターと私が作った最初のドワーフです!
 実は、世界樹の下の地下設備を作る時も、協力して貰ってます!」

「もしかして、まだ生きてるのか?」

「生きてますよ! 最初の子達は、みんな丈夫に作ったじゃないですか!
 因みに、ドワーフの国では死んだ事になってますが、普通に生きていて、世界樹の地下工場に、勝手に自分達のラボを作って住み着いてます!」

「あそこに居たのかよ! だったら、すぐに連れて来い!」

 俺が命令すると、すぐにサヤは念話で連絡を取り、次の日には、エルダードワーフの2人が来てくれた。

「というか、ロボに乗って来るのかい!」

 エルダードワーフの2人は、突っ込みどころ満載。
 先ずは、作業用ロボに搭乗して、俺の領地に訪れるし……それにより、ちょっと、領地の住民達が驚いて騒ぎになってるし……
 でもって、女の方の見た目が若い。
 男の方は、2000歳の年齢相応の見た目だが、女の方は、12、3歳の子供にしか見えないし……

「グランドマスター! 呼ばれて来てやったぞい!」

「グランドマスター! あたい達は、何をやったらいいんだい!」

「というか、名前は?」

「名前など、なんでも良いわい! ドワーフとか、エルダーとか、適当に呼んでくれれば構わん! それより、早くワシに物を作らせろ!」

「アタイも、何でもいいよ! 人には色々な名前で呼ばれてたけど、もう忘れちまったし! アタイもものづくりしか、興味が無いんでね!」

 なんか、意味が解らない物造り狂いが来てしまった。

「じゃあ、これから男の方は、エルダーで。アタイさんは、アタイを短くしてアイさん?駄目だ。アイ・ホークが居るから、適当に花さんとか?というか、子供に見えるから花ちゃん?」

「それでOKじゃ! で、何を作るんじゃい!」

「アタイもOK!それで、何を作る?」

 この2人、物を作らせろ圧が強い。

「じゃあ、この水洗トイレを屋敷に付けてくれるか?」

「ん? この水洗トイレは、この屋敷には合わんじゃろ?
 これは、屋敷造りから始めんといかんな!」

「よ~し! アタイ達に任しとくれよ!
 きっちり、グランドマスターに相応しい御屋敷を、すぐに建ててしまうから!」

 こうして、一抹の不安を覚えながら、俺の屋敷の建築が始まったのだが……
 もう解るよね。
 登場で、作業用ロボに乗って来た時点で……

 あの2人、世界樹の工場から、作業用ロボをもっと持って来て、俺の屋敷をたった1日で作りやがったのだ。

 領民も最初は驚いてたけど、何故か2人がエルダードワーフと知ると納得。
 なんか知らんが、この2人のエルダードワーフは、伝説の2人であったようだ。

 そんでもって、もっとなんか知らんが、ドワーフ族には物造りの神と拝まれてるらしい。
 一応、2人とも死んだ事になってるのだが、エルダードワーフなら生きていてもおかしくないと、皆、納得してるし。
 まあ、あの作業用ロボを見れば、エルダードワーフなら、寿命さえも何とかすると思うよね。実際、花ちゃんじゃなくて、花さんは子供にしか見えないし。

「だから、アタイに寄ってくんなって! アタイは2000歳の大人なんだから、お前達のような子供と、おままごとなんかしないって!」

 なんか知らんが、花ちゃんは、子供の人気者になってるし……

 まあね。兎に角、俺の御屋敷が出来ちゃったんだけど。そりゃあ、見た目はよくある中世ヨーロッパ風だよ。
 しかも、三階建てで、とても騎士爵の御屋敷には見えない御屋敷なのは置いといて、何故に、俺が門や戸に近づくと、自動で開くの?
 この世界には、まだ自動ドアなんか無いんだからね!
 しかも、世界樹の入口の扉のように生体認証機能も付いてるから、俺の身内以外の人が近付いても、勝手に開かない仕様になってるし。

 しかも、御屋敷の門を通ると、勝手に鑑定されて、犯罪歴が有るか、弱点はどこかとか、全て鑑定されてしまうとか。
 うちの門を通れば、もうプライバシーもひったくれも無くなってしまうし。

 そして、庭も凄い事になってんだから、赤外線センサーとか、色んなセンサーがあらゆる場所に取り付いてて、敵の侵入は、決して見逃さないらしい。
 しかも、普段は庭木とか、地面の下に隠れてるんだけど、敵を殲滅する為の兵器がところ狭しと隠れていて、敵を発見すると、その全てが出て来て、僅か0.1秒で駆除する仕様との事。

 因みにね。御屋敷を守る壁も、見た目はありがちな石造りだけど、中身の芯材はグレイメタル合金で出来てるからね。この世界の極大魔法が当たってもビクともしないから。

 そんで、屋敷の中なんだけど、もう説明するのも面倒くさくなっちゃった。
 兎に角、全て、中世ヨーロッパ風の見た目にカモフラージュされてるけど、全ての中身は、グレイ帝国と地球の最新鋭設備で製作されている、トンデモ御屋敷なのであった。

 ん?母さんと父さんの思い出を壊さない為に、リフォームするんじゃなかったのかだって?

 そんなの知るかよ! だけど母さんが1番喜んでたから、何も問題ないんだよ!

 ーーー

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