74 / 264
第一章 ヨナン・グラスホッパー編
74. カトリーヌ・グリズリー
しおりを挟む「ヨナン! ダンジョンに出掛けましょ!」
生徒会長のカレンが、突然、一年生の教室に現れ、ヨナンのクラスは大騒ぎになる。
まだ、クラスメイトの顔も名前も覚えてないのに、出来れば、友達が出来るまで、そう~としておいて欲しかったのに。
因みに、従兄妹のカトリーヌと、アスカ・トップバリューも同じクラス。
毎日、アスカがカトリーヌに嫌がらせされたと、このクラスにも居る『恋愛イチャイチャキングダム』の攻略対象にチクッているが、そもそも実際、カトリーヌは嫌がらせしてないし、攻略対象も魅了スキルが全く効いてないので、アスカの事を入学1週間目にして、ヤバい女だとクラスメイト全員が認知し始めたりする。
「ヨナン行くわよ!」
何故か、後からアン姉ちゃんまでやってきた。
「「キャァーー!! 剣貴コンビが揃ったわよ!!」」
そう、アン姉ちゃんも、女子に人気なのだ。
現在、カララム王国学園の剣鬼、剣姫コンビ、通称剣貴コンビは、カララム冒険者ギルドで一番の冒険者パーティーとして、大人気なのである。
因みに、元々、一番の人気者だったエリスは、何故か、王都の俺の家でメイドをしてたりする。
「アレ? カトリーヌも、ヨナンと同じクラスだったの?
そしたら、カトリーヌも一緒にダンジョンに行くわよ!」
カレンが、グイグイ、カトリーヌを誘う。
というか、この三人目鼻立ちが、滅茶苦茶似てる。
まあ、三人とも親戚なので当然なのだけど、同じ制服なので、髪の色で区別するしか無いほどである。
まあ、簡単に説明すると、カレンは燃えるような赤髪。アン姉ちゃんは、エドソンと同じ茶髪。そして、カトリーヌは、金髪碧眼で、悪役令嬢王道の縦巻きカール。
三人が一緒に居ると、目立つ目立つ。
三人とも美人でモデル体型。グリズリー公爵家も、イーグル辺境伯家も、グラスホッパー男爵家も、どちらかというか、バリバリの武門の家柄、一番お嬢様お嬢様してるカトリーヌでさえ、それなりの攻撃力を擁しているのだ。
「では、久しぶりにお供します」
どうやら、カレンの圧に耐えられなくなり、カトリーヌは了承したようである。
ーーー
カララム王都東側、城塞東門を出て、すぐ近くに、カララムダンジョンがある。
ダンジョンは、天に向かって伸び、外から見ると50階建ての塔のように見えるが、中に入ると、実際は面積が拡張し、現在、65階まで確認されている。
因みに、最高到達記録は、エリザベスが団長をしてた伝説のS級冒険者パーティー『熊の鉄槌』が、65階まで到達したとの事。
現在、その姪っ子と娘が、その記録を超えようと切磋琢磨してる訳である。
「じゃあ、今日は、ダンジョン初挑戦のカトリーヌが居るから、1階から攻略してくわよ!」
カレンが、一番年長者なので仕切りだす。
カララムダンジョンは、ショートカットする転移門も発見されていて、1階から、一気に10階層。そして、15階層から30階層に移転する転移門。そして、33階層から45階層に移転する転移門、48階層から55階層にショートカットする転移門が発見されているのだ。
1階層は、何故か塔の中だというのに、どこまでも草原が拡がって見晴らしがいい。
アチコチで、初級冒険者が、スライムとか、ホーンラビットとか、1階層に出てくる弱そうな魔物と必死になって戦っている。
ヨナンは、何も武器を持ってないと、スライムでも倒せるか怪しいレベルなので、カレンを倒した実績がある、その辺に落ちてた小枝を装備する。
でもって、カレンは剣、そして、アン姉ちゃんは、ゴンザレスに作っもらった刀、そして、カトリーヌは、木で出来た杖。
多分、カトリーヌはユニークスキルである回復魔法Lv.2を認識してるようなので。回復役として冒険者パーティーに参加する感覚なのだろう。
とか思ってたのは、数分前。
「カトリーヌ、そっちに行ったわよ!」
「ハイ! 任せて下さい! ウオリャァァァーー!!」
バンッ!!
カトリーヌは、杖をまるで棍棒のように使い、ホーンラビットを粉砕爆発させた。
「す……凄いね……」
ヨナンは、メチャクチャ引く。
まあ、ビクトリア婆ちゃんや、エリザベスの血筋なので、当然と言えば、当然なんだけど。
「最近、カララム王国学園に入ってから、変な嫌がらせを受けたりして、ストレスが溜まっていて、いい気分転換になりますね!」
まあ、嫌がらせって、多分、アスカの事を言ってるのであろう。
確かに、ホーンラビットを破裂するくらい強烈に殴ったら、ストレス発散になるだろうし、良い音させて破裂させてるし。
「こんだけやれたら、10階層でも十分余裕ね!」
カレンが提案する。
まあ、1階層にいる初心者冒険者にメチャクチャ引かれてるので、俺的にもこの階層から早く離れたいから良かったんだけど。
てな感じて、10階層。
ここでも、カトリーヌは、苦もなく魔物達を破裂させていく。
称号 聖女で棍棒を振り回し、魔物を破裂させる女。メッチャ恐ろしい。
多分、殴り僧侶のスキルを持ってる、妹のシスもこんな感じに育つであろう。
完全に、シスの殴り僧侶スキルは、この血筋の派生スキルとしか思えない。
なんかよく分からんが、イーグル辺境伯の血筋の3人は、アホみたいに魔物を倒していく。まさに、戦闘狂。
こんな凶暴な3人が、同じ冒険者パーティーに居るなんてもう、滅茶苦茶である。
前衛3人、全員イケイケ。
しかも、カトリーヌは、そもそも前衛じゃないし……。
まあ、そんな感じで、初めてのカララムダンジョン攻略は終了したのだった。
「カレンさん、アンさん、ヨナン君。今日は誘ってくれてありがとう。
また、誘ってくれると嬉しいな!
たまには、ストレス発散しないと、学園で爆発しちゃうかもしれないから」
どうやら、カトリーヌもイーグル辺境伯の血筋。カララム王国の王子と婚約してるから、大人しそうな感じで仕上がってるが、本来は闘争大好きの戦闘狂なのだろう。
「まあ、あんなモヤシ王子じゃ、カトリーヌを満足させれないわよね!
カトリーヌも、ヨナンと結婚したら!」
また、カレンがおかしな事を言っている。
というか、本当に、イーグル辺境伯の血筋の女は、結婚観がおかし過ぎる。多分、結婚を子孫を強くする為の道具としか思ってないのかもしれない。
「それ、いいかもしれないですね!
もう、ルイ王子って、実際、存在感ありませんから!
ビクトリアお婆ちゃんも、強くて、甲斐性がある男の人と結婚するのが本当の女の幸せと言ってたから、私もヨナン君に乗り換えようかな?」
カトリーヌは、どこかで聞いた事があるようなセリフを、ニッコリと微笑みながら言うのだった。
195
あなたにおすすめの小説
辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい
ベルピー
ファンタジー
☆8月23日単行本販売☆
気づいたら異世界に転生していたミツヤ。ファンタジーの世界は小説でよく読んでいたのでお手のもの。
チートを使って楽しみつくすミツヤあらためクリフ・ボールド。ざまぁあり、ハーレムありの王道異世界冒険記です。
第一章 テンプレの異世界転生
第二章 高等学校入学編 チート&ハーレムの準備はできた!?
第三章 高等学校編 さあチート&ハーレムのはじまりだ!
第四章 魔族襲来!?王国を守れ
第五章 勇者の称号とは~勇者は不幸の塊!?
第六章 聖国へ ~ 聖女をたすけよ ~
第七章 帝国へ~ 史上最恐のダンジョンを攻略せよ~
第八章 クリフ一家と領地改革!?
第九章 魔国へ〜魔族大決戦!?
第十章 自分探しと家族サービス
没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます
六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。
彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。
優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。
それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。
その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。
異世界で美少女『攻略』スキルでハーレム目指します。嫁のために命懸けてたらいつの間にか最強に!?雷撃魔法と聖剣で俺TUEEEもできて最高です。
真心糸
ファンタジー
☆カクヨムにて、200万PV、ブクマ6500達成!☆
【あらすじ】
どこにでもいるサラリーマンの主人公は、突如光り出した自宅のPCから異世界に転生することになる。
神様は言った。
「あなたはこれから別の世界に転生します。キャラクター設定を行ってください」
現世になんの未練もない主人公は、その状況をすんなり受け入れ、神様らしき人物の指示に従うことにした。
神様曰く、好きな外見を設定して、有効なポイントの範囲内でチートスキルを授けてくれるとのことだ。
それはいい。じゃあ、理想のイケメンになって、美少女ハーレムが作れるようなスキルを取得しよう。
あと、できれば俺TUEEEもしたいなぁ。
そう考えた主人公は、欲望のままにキャラ設定を行った。
そして彼は、剣と魔法がある異世界に「ライ・ミカヅチ」として転生することになる。
ライが取得したチートスキルのうち、最も興味深いのは『攻略』というスキルだ。
この攻略スキルは、好みの美少女を全世界から検索できるのはもちろんのこと、その子の好感度が上がるようなイベントを予見してアドバイスまでしてくれるという優れモノらしい。
さっそく攻略スキルを使ってみると、前世では見たことないような美少女に出会うことができ、このタイミングでこんなセリフを囁くと好感度が上がるよ、なんてアドバイスまでしてくれた。
そして、その通りに行動すると、めちゃくちゃモテたのだ。
チートスキルの効果を実感したライは、冒険者となって俺TUEEEを楽しみながら、理想のハーレムを作ることを人生の目標に決める。
しかし、出会う美少女たちは皆、なにかしらの逆境に苦しんでいて、ライはそんな彼女たちに全力で救いの手を差し伸べる。
もちろん、攻略スキルを使って。
もちろん、救ったあとはハーレムに入ってもらう。
下心全開なのに、正義感があって、熱い心を持つ男ライ・ミカヅチ。
これは、そんな主人公が、異世界を全力で生き抜き、たくさんの美少女を助ける物語。
【他サイトでの掲載状況】
本作は、カクヨム様、小説家になろう様でも掲載しています。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@2025/11月新刊発売予定!
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
《作者からのお知らせ!》
※2025/11月中旬、 辺境領主の3巻が刊行となります。
今回は3巻はほぼ全編を書き下ろしとなっています。
【貧乏貴族の領地の話や魔導車オーディションなど、】連載にはないストーリーが盛りだくさん!
※また加筆によって新しい展開になったことに伴い、今まで投稿サイトに連載していた続話は、全て取り下げさせていただきます。何卒よろしくお願いいたします。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
ファンタジーは知らないけれど、何やら規格外みたいです 神から貰ったお詫びギフトは、無限に進化するチートスキルでした
渡琉兎
ファンタジー
『第3回次世代ファンタジーカップ』にて【優秀賞】を受賞!
2024/02/21(水)1巻発売!
2024/07/22(月)2巻発売!(コミカライズ企画進行中発表!)
2024/12/16(月)3巻発売!
2025/04/14(月)4巻発売!
応援してくださった皆様、誠にありがとうございます!!
刊行情報が出たことに合わせて02/01にて改題しました!
旧題『ファンタジーを知らないおじさんの異世界スローライフ ~見た目は子供で中身は三十路のギルド専属鑑定士は、何やら規格外みたいです~』
=====
車に轢かれて死んでしまった佐鳥冬夜は、自分の死が女神の手違いだと知り涙する。
そんな女神からの提案で異世界へ転生することになったのだが、冬夜はファンタジー世界について全く知識を持たないおじさんだった。
女神から与えられるスキルも遠慮して鑑定スキルの上位ではなく、下位の鑑定眼を選択してしまう始末。
それでも冬夜は与えられた二度目の人生を、自分なりに生きていこうと転生先の世界――スフィアイズで自由を謳歌する。
※05/12(金)21:00更新時にHOTランキング1位達成!ありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる