大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです

飼猫タマ

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第一章 ヨナン・グラスホッパー編

74. カトリーヌ・グリズリー

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「ヨナン! ダンジョンに出掛けましょ!」

 生徒会長のカレンが、突然、一年生の教室に現れ、ヨナンのクラスは大騒ぎになる。

 まだ、クラスメイトの顔も名前も覚えてないのに、出来れば、友達が出来るまで、そう~としておいて欲しかったのに。

 因みに、従兄妹のカトリーヌと、アスカ・トップバリューも同じクラス。

 毎日、アスカがカトリーヌに嫌がらせされたと、このクラスにも居る『恋愛イチャイチャキングダム』の攻略対象にチクッているが、そもそも実際、カトリーヌは嫌がらせしてないし、攻略対象も魅了スキルが全く効いてないので、アスカの事を入学1週間目にして、ヤバい女だとクラスメイト全員が認知し始めたりする。

「ヨナン行くわよ!」

 何故か、後からアン姉ちゃんまでやってきた。

「「キャァーー!! 剣貴コンビが揃ったわよ!!」」

 そう、アン姉ちゃんも、女子に人気なのだ。

 現在、カララム王国学園の剣鬼、剣姫コンビ、通称剣貴コンビは、カララム冒険者ギルドで一番の冒険者パーティーとして、大人気なのである。

 因みに、元々、一番の人気者だったエリスは、何故か、王都の俺の家でメイドをしてたりする。

「アレ? カトリーヌも、ヨナンと同じクラスだったの?
 そしたら、カトリーヌも一緒にダンジョンに行くわよ!」

 カレンが、グイグイ、カトリーヌを誘う。
 というか、この三人目鼻立ちが、滅茶苦茶似てる。
 まあ、三人とも親戚なので当然なのだけど、同じ制服なので、髪の色で区別するしか無いほどである。
 まあ、簡単に説明すると、カレンは燃えるような赤髪。アン姉ちゃんは、エドソンと同じ茶髪。そして、カトリーヌは、金髪碧眼で、悪役令嬢王道の縦巻きカール。

 三人が一緒に居ると、目立つ目立つ。
 三人とも美人でモデル体型。グリズリー公爵家も、イーグル辺境伯家も、グラスホッパー男爵家も、どちらかというか、バリバリの武門の家柄、一番お嬢様お嬢様してるカトリーヌでさえ、それなりの攻撃力を擁しているのだ。

「では、久しぶりにお供します」

 どうやら、カレンの圧に耐えられなくなり、カトリーヌは了承したようである。

 ーーー

 カララム王都東側、城塞東門を出て、すぐ近くに、カララムダンジョンがある。

 ダンジョンは、天に向かって伸び、外から見ると50階建ての塔のように見えるが、中に入ると、実際は面積が拡張し、現在、65階まで確認されている。

 因みに、最高到達記録は、エリザベスが団長をしてた伝説のS級冒険者パーティー『熊の鉄槌』が、65階まで到達したとの事。
 現在、その姪っ子と娘が、その記録を超えようと切磋琢磨してる訳である。

「じゃあ、今日は、ダンジョン初挑戦のカトリーヌが居るから、1階から攻略してくわよ!」

 カレンが、一番年長者なので仕切りだす。

 カララムダンジョンは、ショートカットする転移門も発見されていて、1階から、一気に10階層。そして、15階層から30階層に移転する転移門。そして、33階層から45階層に移転する転移門、48階層から55階層にショートカットする転移門が発見されているのだ。

 1階層は、何故か塔の中だというのに、どこまでも草原が拡がって見晴らしがいい。
 アチコチで、初級冒険者が、スライムとか、ホーンラビットとか、1階層に出てくる弱そうな魔物と必死になって戦っている。

 ヨナンは、何も武器を持ってないと、スライムでも倒せるか怪しいレベルなので、カレンを倒した実績がある、その辺に落ちてた小枝を装備する。

 でもって、カレンは剣、そして、アン姉ちゃんは、ゴンザレスに作っもらった刀、そして、カトリーヌは、木で出来た杖。
 多分、カトリーヌはユニークスキルである回復魔法Lv.2を認識してるようなので。回復役として冒険者パーティーに参加する感覚なのだろう。

 とか思ってたのは、数分前。

「カトリーヌ、そっちに行ったわよ!」

「ハイ! 任せて下さい! ウオリャァァァーー!!」

 バンッ!!

 カトリーヌは、杖をまるで棍棒のように使い、ホーンラビットを粉砕爆発させた。

「す……凄いね……」

 ヨナンは、メチャクチャ引く。
 まあ、ビクトリア婆ちゃんや、エリザベスの血筋なので、当然と言えば、当然なんだけど。

「最近、カララム王国学園に入ってから、変な嫌がらせを受けたりして、ストレスが溜まっていて、いい気分転換になりますね!」

 まあ、嫌がらせって、多分、アスカの事を言ってるのであろう。
 確かに、ホーンラビットを破裂するくらい強烈に殴ったら、ストレス発散になるだろうし、良い音させて破裂させてるし。

「こんだけやれたら、10階層でも十分余裕ね!」

 カレンが提案する。
 まあ、1階層にいる初心者冒険者にメチャクチャ引かれてるので、俺的にもこの階層から早く離れたいから良かったんだけど。

 てな感じて、10階層。
 ここでも、カトリーヌは、苦もなく魔物達を破裂させていく。
 称号 聖女で棍棒を振り回し、魔物を破裂させる女。メッチャ恐ろしい。

 多分、殴り僧侶のスキルを持ってる、妹のシスもこんな感じに育つであろう。
 完全に、シスの殴り僧侶スキルは、この血筋の派生スキルとしか思えない。

 なんかよく分からんが、イーグル辺境伯の血筋の3人は、アホみたいに魔物を倒していく。まさに、戦闘狂。

 こんな凶暴な3人が、同じ冒険者パーティーに居るなんてもう、滅茶苦茶である。
 前衛3人、全員イケイケ。
 しかも、カトリーヌは、そもそも前衛じゃないし……。

 まあ、そんな感じで、初めてのカララムダンジョン攻略は終了したのだった。

「カレンさん、アンさん、ヨナン君。今日は誘ってくれてありがとう。
 また、誘ってくれると嬉しいな!
 たまには、ストレス発散しないと、学園で爆発しちゃうかもしれないから」

 どうやら、カトリーヌもイーグル辺境伯の血筋。カララム王国の王子と婚約してるから、大人しそうな感じで仕上がってるが、本来は闘争大好きの戦闘狂なのだろう。

「まあ、あんなモヤシ王子じゃ、カトリーヌを満足させれないわよね!
 カトリーヌも、ヨナンと結婚したら!」

 また、カレンがおかしな事を言っている。
 というか、本当に、イーグル辺境伯の血筋の女は、結婚観がおかし過ぎる。多分、結婚を子孫を強くする為の道具としか思ってないのかもしれない。

「それ、いいかもしれないですね!
 もう、ルイ王子って、実際、存在感ありませんから!
 ビクトリアお婆ちゃんも、強くて、甲斐性がある男の人と結婚するのが本当の女の幸せと言ってたから、私もヨナン君に乗り換えようかな?」

 カトリーヌは、どこかで聞いた事があるようなセリフを、ニッコリと微笑みながら言うのだった。
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